JPH0139639B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は高周波加熱装置における冷却風路の構
成に関するもので、吸排気効率を高め清潔な加熱
装置を市場に提供せんとするものである。

従来例の構成とその問題点 第１図は従来の高周波加熱装置の冷却風路構成
を示す略図である。

本体１内の加熱室２へ高周波を供給する発振源
として、一般にはマグネトロン３が使用される
が、このマグネトロン３は動作中の内部損失によ
る発熱をブロアーモータ４等による冷却風によ
り、おさえておく事が必要な事は周知のごとくで
ある。

従来よりこの冷却風の本体１外への排出構成に
ついては種々発明考案がなされているが、その中
で一般的なものが第１図に示す様な構成である。

マグネトロン３を冷却した風は、仕切板５によ
り一方は加熱室２へ一方は排気ダクトＡ６を介し
直接本体上部外殻７の一部に設けられた排気口Ａ
８へ導びかれる。排気口Ａ８には一般にルーバー
が構成されており、この部分より本体１外へ排出
される。一方、加熱室２内へ導かれた風は、加熱
室２内に生じた、水蒸気、油煙等と混合しながら
高周波を遮断し、風の出入りを可能とする一般に
パンチング孔といわれる小孔群からなる排出口９
より加熱室２外へ移動し、排気ダクトＢ１０によ
り同じく、本体上部外殻７の一部に設けたルーバ
ー群を有する排気口Ｂ１１へ導びかれ、この部分
より本体外部へ排出される構成である。

この場合、冷却効果としては風路が短かく排気
抵抗が低く、かなり高いものが得られているが、
いくつかの問題も含んでいる。

一つは、本体上部外殻７部分で、例えば準備中
の被加熱物１２をこぼした場合、その被加熱物１
２は、排気口Ａ８，Ｂ１１より本体内へ侵入す
る。一部は、排気ダクトＡ６を通りマグネトロン
３周辺へ、又一部は排気ダクトＢ１０を通り排出
口９を通し加熱室２内へ浸入してゆく。加熱室２
内へ浸入した被加熱物１２は掃除できるがマグネ
トロン３周辺へ浸入した被加熱物１２は排除の方
法がなく、そのまま、腐敗し、雑菌の発生、油虫
の発生等きわめて不潔であつた。

又、一般的に本体の設置場所は、厨房室であ
り、台所が大半で、設置に充分な空間を確保する
事が、困難な場合が多い。本体上部外殻７は、他
の器具の設置場所として利用できれば非常に便利
である。ところが前述のごとく、冷却風の排出口
部分があるため、この部分は加熱室２より排出さ
れる熱、油煙、食品かす等が吹き出し、他の器具
への付着をも生じ結果的には本体上部外殻７上部
の空間は有効スペースとして活用できないのが現
状である。

発明の目的 本発明は上記の本体上部外殻の上部空間を有効
に活用する事を目的とする。

発明の構成 上記目的を達するため、本発明は加熱室と、前
記加熱室へ高周波を印加するマグネトロンと、前
記マグネトロンの冷却を行なうブロアーモータと
を設け、前記マグネトロンの冷却風を、一方は直
接本体外へ排出する構成と、もう一方は加熱室内
を通して本体外へ排出する構成の二つの排気構成
を有し、かつ前記排気構成は、それぞれ本体後部
外殻の一部に庇をもつ排気口と、前記排気口と対
向して、上下に開口を有する排気カバーを設ける
とともに、この二つの排気口のうち冷却風を直接
排出する排気口を、加熱室内を通して排出する排
気口のほぼ垂線上にて下方に配する構成である。

実施例の説明 以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。

第２図は本実施例の構成を示す略図である。尚
従来例と同一構成部分は同一番号を付している。

マグネトロン３を冷却した風は従来例と同様、
仕切板５により一方は加熱室２へ、一方は排気ダ
クトＡ６′を介し直接本体後部外殻１３の一部に
設けた排気口Ａ８′へ導びかれる。同様加熱室２
へ導びかれた風は、加熱室２内に生じた水蒸気、
油煙等と混合しながら排出口９より加熱室２外へ
移動し、排気ダクトＢ１０′により、本体後部外
殻１３の一方に設けた排気口Ｂ１１′より本体外
部へ排出される様にしている。排気口Ａ８′の構
成を第３図及び第４図に詳細に示す。

排気口Ａ８′は、排気ダクトＡ６′の断面と略同
一寸法の開口にラス鋼１４をスポツト溶接により
固着している。さらに開口の周辺はバーリング加
工による庇Ａ１５を一体形成している。そして、
この庇Ａ１５は開口の両側面、下側の一部まで連
ねている。下側の中央部分にはこの庇Ａ１５は設
けていない。こうして形成された開口に対向して
下側開口１６が上側開口１７よりも狭い排気カバ
ーＡ１８をビスにて固着している。

一方、排気口Ｂ１１′も同様、排気ダクトＢ１
０′の略断面と略同一寸法の開口に、ラス鋼１９
をスポツト溶接し、バーリング加工による庇Ｂ２
０を一体形成し、さらに対向して排気カバーＡ１
８と同一形状の排気カバーＢ２１を同様ビスにて
固着している。下側開口２２、上側開口２３を有
していることも同様である。

そしてさらに本実施例において、上記二つの排
気口Ａ８′，Ｂ１１′を同一垂線上に設けている。
すなわち、排気口の上部からこの部分を見おろし
た時、下側の排気口Ａ８′の部分が上の排気口Ｂ
１１′の影になり見えなくなる様な位置に配して
いる。

次に冷却風の排気口部分での流れを第４図にて
説明する。

マグネトロン冷却風のうち排気ダクトＡ６′を
通つてくる風は排気口Ａ８′を通り排気カバーＡ
１８に当接し、上下に設けられた開口１６，１７
より本体外へ排出される。この風は温度は高い
が、油煙等は含んでいない。排気ダクトＢ１０′
を通つてくる風は、排気口Ｂ１１′を通り排気カ
バーＢ２１に当接し、開口２２，２３より本体外
へ排出しようとする。ところが下側開口より下方
向へ向かおうとする風は、前述の開口１７より上
向きに排出される風に押しもどされる方向の力を
受ける。開口１７より排出される風は、マグネト
ロン冷却風をそのまま導びいたもので、温度が高
く上へ向う力がつよくかつ風路も、加熱室２を通
つていない分だけ風圧も高い、このため、開口２
２より排出しようとする風はほとんど実際には下
向きに排出することはなく、水蒸気、油煙、食品
かす等を含んだ空気はほとんど開口２３を通して
上部へ排出する。

以上の本実施例により以下のごとき効果を得る
事が出来た。

(1) 準備中の被加熱物１２をこぼした時に、仮に
被加熱物１２が液状のものであつた場合でも、
それらは、加熱室上部外殻７部分から本体１内
に流入する事が出来ず本体側壁部分へ流れて行
く事になる。その一部は本体後部外殻１３部分
に達し、さらには、排気口Ｂ１１′の周囲へ流
れ込んでくる。ただし、本実施例の庇Ｂ２０に
より、それらは排気口Ｂ１１′内に流入あるこ
となく排気カバー２１の下側開口２２を通しさ
らに下方へ流れ出す。従来より排気カバーで上
側開口のみと有する排気カバーは存在したがこ
れらは、排気カバーの下端部分に、これらの被
加熱物１２が、滞留したが、本実施例のそれ
は、開口２２によりその滞留がなく被加熱物１
２は、開口A8′部分に向かう。この部分でも、
被加熱物１２は、庇Ａ１５により排気口Ａ８′
内に流入することなくさらに下方向へ向い、開
口１６を通りついには、本体外部の下部２４に
滴下する事になる。もちろんこの滴下した液体
は掃除により清潔さを保つ事が可能であり結
果、本実施例によりこぼした液体が本体１内に
流入し、本体を不潔なものにする事を防ぐ事が
できたのである。

(2) ２つの排気口Ａ８′，Ｂ１１′を上下に設けた
事で、本体後部外殻１３部分を常時清潔に保つ
事ができる様になつた。単に被加熱物の本体１
内の流入を防止する為排気口を後部外殻１３部
分に設けただけでは、前述のごとく排気カバー
底部に食品かすや、油煙が残留し、不潔とな
る。本実施例のそれは、下側の排気口Ａ８′よ
り排出される、きれいな排気が排気口Ｂ１１′
より排出される食品かす、油煙、水蒸気を含ん
だ不潔な風を開口２３より上部に向けて排出す
る事で、この常時は掃除のやりにくい本体後部
を清潔に保つ事が出来るようになつた。

(3) 本実施例により、さらに排気ダクトＢ１０′
より排出する風の排気口部分の排気口Ｂ１１′
部分の排気抵抗を下げ、全体の排気効率が上が
り、マグネトロン３の温度を低下させる事に出
来た。すなわち前述のごとく開口１７より排出
し開口２２を通り開口２３より本体上部へ抜け
る風又排気カバー２１の外を通つて高速で上方
へ抜ける風は排気ダクトＢ１０′より排出され
る不潔な風を上へ向けるとともにその流速の差
より、ベンチユリー効果を招き、結果的に排気
ダクト１０′内の風を開口２３部分へ引き出す
力が付勢され、加熱室２内の排気の滞留をなく
し、結果より多くの風が、加熱室２内へ送り込
まれる事となり、マグネトロン３を通過する冷
却風量の増加と得られ結果的に、マグネトロン
３の寿命の延長に寄与する事が出来るという波
及的効果をも得る事が出来たのである。

発明の効果 以上本発明の実施により、安価な構成にて、清
潔で信頼性を増した高周波加熱装置を供給する事
が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す側面断面図、第２図は本
発明の一実施例を示す側面断面図、第３図は同要
部外観斜視図、第４図は同排気の流れを示す断面
図である。 １……本体、２……加熱室、３……マグネトロ
ン、４……ブロアモータ、５……仕切板、６……
排気ダクトＡ、７……本体上部外殻、８……排気
口Ａ、９……排出口、１０……排気ダクトＢ、１
１……排気口Ｂ、１２……被加熱物、１３……本
体後部外殻、１４……ラス鋼、１５……庇Ａ、１
６……排気カバーＡの下部開口、１７……排気カ
バーＡの上部開口、１８……排気カバーＡ、１９
……ラス鋼、２０……庇Ｂ、２１……排気カバー
Ｂ、２２……排気カバーＢの下部開口、２３……
排気カバーＢの上部開口、２４……本体外部の下
部、６′……排気ダクトＡ、８′……排気口Ａ、１
０′……排気ダクトＢ、１１′……排気口Ｂ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 加熱室と、前記加熱室へ高周波を印加するマ
   グネトロンと、前記マグネトロンの冷却を行なう
   ブロアーモータとを設け、前記マグネトロンの冷
   却風を、一方は直接本体外へ排出する構成と、も
   う一方は加熱室内を通して本体外へ排出する構成
   の二つの排気構成を有し、かつ前記排気構成は、
   それぞれ本体後部外殻の一部に庇をもつ排気口
   と、前記排気口と対向して、上下に開口を有する
   排気カバーを設けるとともに、この二つの排気口
   のうち冷却風を直接排出する排気口を、加熱室内
   を通して排出する排気口のほぼ垂線上にて下方に
   配する構成とした高周波加熱装置。