JPH0139193Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、非磁性導電体の内外側に配置した
磁性体の一方をクラツチ機構に連動して周方向に
移動した魚釣用リールのバツクラツシユ防止装置
に関する。

従来釣糸投擲時のスプールの過回転によるバツ
クラツシユを防止するためにスプールと連動して
回転する非磁性導電体の内外側に夫々交互にＮ極
とＳ極を有する磁性体を配設し、磁性体の磁力で
非磁性導電体に渦電流を発生させてスプールの回
転に磁気制動を掛ける魚釣用リールが提案されて
いるが、クラツチ機構がオフ操作（釣糸投擲状
態）されてスプールが自由回転されるときにはス
プールの回転に磁気制動が掛けられ、クラツチ機
構がオン操作（釣糸捲取状態）されて釣糸が捲回
されるとき磁気制動が解除されないとスプールの
回転が重くなる欠点があり、従来はその都度操作
して磁気制動が解除されるか、その操作が面倒な
ため磁気制動が掛けられた侭スプールに釣糸が捲
回されている。

本考案の目的は、上記欠点を解決した簡単な構
成の魚釣用リールのバツクラツシユ防止装置を提
案することにある。

以下、図示の実施例によつて本考案を説明する
と、魚釣用リールを両軸受型リールで述べれば第
１図から第３図でリール側板１，１０と内側の側
板２が支柱１１で平行に保持されて両リール側板
間にスプール軸３に固定されたスプール４が配置
され、スプール軸は一方の軸受１２と図示されな
い他方の軸受に回転自在に軸承されてクラツチ機
構とピニオン５と駆動歯車６を介してハンドル１
３で回転されるように構成されている。

上記スプール４のフランジ４ａ一側面に一体又
は別体にアルミ材や銅材などの非磁性材で円筒形
または有底円筒形の非磁性導電体７が固定されて
その内側には間隙を置いて磁性体１４が、非磁性
導電体７の外周外側にはさらに間隙をあけて外側
の磁性体１５が夫々上記内側の側板２と側板２に
周方向に回動自在に取り付けられた環状保持板８
に固定され、環状保持板８はクラツチ操作板９が
操作される作動カム１６で周方向に回動されるよ
うに構成されている。

上記スプール軸３の一端に軸線方向に摺動自在
に嵌合された上記ピニオン５は上記ハンドル１３
が固定された中空ハンドル軸２７で回転される上
記駆動歯車６と噛合され、中空ハンドル軸２７は
内側の側板２に固定された軸部１７の外周に嵌合
されて図示されないＥリングで抜け止めされ、上
記スプール軸３とピニオン５には夫々クラツチ係
合部３ａ，５ａが形成されて上記クラツチ機構が
構成されている。

更に上記ピニオン５の外周には第３図、第４図
のようにクラツチ板１８が係合され、クラツチ板
１８はリール側板１に固定された支柱１９に嵌合
されると共に発条２０で上記クラツチ機構の係合
方向に付勢され、上記クラツチ板１８の上面には
上記クラツチ操作板９から連続延設された２本の
作動片９ａが乗接されると共に作動片に作動突起
９ｂが形成されている。

上記環状保持板８には複数個の円弧状長孔８ａ
が穿設されて内側の側板２に頭付ピン２１で周方
向に回動自在に保持されると共に、放射方向の長
孔８ｂが穿設されて上記作動カム１６に固定され
たピン２２が嵌合され、作動カム１６の回動で外
側の磁性体１５が周方向に移動されるように構成
されている。

上記クラツチ操作板９は第１図から第３図のよ
うに内側側板２の裏面に固定された支柱２３と透
孔２ａで摺動自在に保持され、クラツチ操作板９
には横向きの長孔９ｃが穿設されて作動カム１６
に固定された他のピン２４が嵌合され、作動カム
１６には作動カム規制発条２５が張設されると共
に作動カム１６の軸部はリール側板１に回動自在
に嵌合されて外部にクラツチレバー２４が固定さ
れている。

上記内側と外側の磁性体１４，１５は第２図の
ように夫々外周面と内周面に周方向にＮ極とＳ極
が交互に着磁され、クラツチがオフ状態では内側
と外側の磁性体の磁極が異極で相対向して非磁性
導電体７に渦電流が多く発生するように、かつク
ラツチがオン状態では内外側の磁性体の一方が同
極対向方向に移動されて非磁性導電体７の回転に
与える磁力の影響が弱くなるように構成され、磁
性体には複数個の希土類の磁石を用いてもよい。

上記のようにスプール４と一体に非磁性導電体
７が回転するように、かつその内周と外周に間隙
を置いて磁性体１４，１５が配置されてクラツチ
操作で第１図から第３図のようにクラツチがオフ
状態で異極同志が対向され、スプール４に捲回さ
れた釣糸の繰り出しでスプール４が逆回転される
と非磁性導電体７に渦電流が発生されてスプール
の回転に制動が掛けられてバツクラツシユが防止
される。

次にクラツチレバー２６が回動されて作動突起
９ｂがクラツチ板１８位置から後退され、クラツ
チがオン状態に転換されるとクラツチ板１８は第
５図のようにスプール４側に移動されると共に磁
性体１５は周方向に移動されて磁性体１４，１５
の同極同志が対向することになつて磁性体１４，
１５の磁気力が非磁性導電体７に及ぼず力が弱く
なつて磁気制動が掛けられず、ハンドル１３でス
プール４が回転されるとスプール４は軽く回転さ
れて釣糸がスプールに巻き取られる。

上記説明のクラツチ操作板９の一方の作動片９
ａを延長して駆動歯車６又は逆転防止爪車に固定
された図示されないピンと係合可能に臨ませ、ハ
ンドル１３が回転された時ピンで作動片９ａの延
長部を蹴り上げてクラツチを自動的にオンすると
共に作動カム１６と環状保持板８を回動させて磁
性体１４と１５の同極同志が対向されるように構
成してもよい。

又上記説明では外側の磁性体１５を周方向に回
動するように形成したが、内側の磁性体１４を周
方向に回動するように形成してもよい。

更に上記説明では魚釣用リールを両軸受型リー
ルで述べたが片軸受型リール等に適用してもよ
い。

本考案は上述のように構成されたから、クラツ
チがオフ操作されてスプールが自由回転状態とな
つた時には同時に内外側の磁性体が異極同志が対
向する状態となつて非磁性導電体に渦電流が発生
されてスプールの回転に磁気制動が掛けられ、か
つクラツチがオン操作されて釣糸捲取状態となつ
た時には連動して磁性体の一方が周方向に移動さ
れて同極同志が対向する状態となつて非磁性導電
体に与える磁気制動力が弱められてハンドルでス
プールが回転される時には磁気制動による負荷が
掛からず、その分軽くスプールが回転されること
になり、又磁性体の周方向への移動操作を別に行
なう必要がないからリール操作に熟練を要せず、
かつ獲物の引きに対応して迅速に釣糸を巻き上げ
ることが出来るので巻き上げのタイミングを失す
ることが防止される等実用上優れた効果を奏する
魚釣用リールのバツクラツシユ防止装置を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例が示され、第１図はク
ラツチがオフ状態で内外側の磁性体が非磁性導電
体を中間にして異極同志が対向された状態の魚釣
用両軸受型リールの要部断面背面図、第２図は同
クラツチがオフ状態で一方のリール側板の内側か
ら見た側面図、第３図は同リール側板内を内側か
ら見た要部断面側面図、第４図は要部断面平面
図、第５図はクラツチがオン状態で内外側の磁性
体が非磁性導電体を中間にして同極同志が対向さ
れた状態の要部断面背面図である。 ３…スプール軸、４…スプール、７…非磁性導
電体、９…クラツチ操作板、１４，１５…磁性
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプールの回転に連動して回転する非磁性導電
   体に渦電流を発生させてスプールの回転に制動を
   掛けるように非磁性導電体の内外側に夫々Ｎ極と
   Ｓ極を有する磁性体を配置した魚釣用リールにお
   いて、上記一方の磁性体を周方向に回転自在に設
   けると共に釣糸捲取時対向する磁極を同極にし、
   釣糸投擲時対向する磁極が異極になるようにスプ
   ールの駆動装置に介在させたクラツチ機構に連動
   させたことを特徴とする魚釣用リールのバツクラ
   ツシユ防止装置。