JPH0115342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、バツクラツシユ防止装置付の魚釣用
リールの改良に関するものである。

スプールの両側の鍔から突設され、リール本体
の側板に回転自在に軸受されたスプール軸のう
ち、一方の鍔から突出された軸に非磁性導電体を
固定し、上記非磁性導電体を狭んで、スプールの
一方の鍔側と、一方の側板側のリール本体内に、
夫々磁性体を設け、非磁性導電体と磁性体とによ
り渦電流を発生するように構成されたバツクラツ
シユ装置を備えた魚釣用リールは古くから提案さ
れている。

しかし、上記公知の魚釣用リールにおいては、
スプールに捲回された釣糸の太さを変更するため
にスプールを取替えようとしても、スプール軸に
固定された非磁性導電体がスプール側の磁性体に
あたつて抜き取り交換することが出来ない欠点が
あつた。

本考案の目的は、前記欠点を改良してスプール
を非磁性導電体と共にリール本体から抜き取り交
換可能したバツクラツシユ防止装置付の魚釣用リ
ールを提案することにある。

以下、図示の両軸受型魚釣用リールについて本
考案の実施例を説明すれば次の通りである。

第１図、第２図において、リール側枠１０，１
１が支柱１２で一体に保持され、リール側枠１
０，１１の外側にリール側板１，１４が複数のビ
ス１３で夫々固定されてリール本体が構成されて
いる。リール本体内のリール側枠１０，１１間に
嵌装されたスプール２は、その鍔２ａ，２ｂから
外方に突出されたスプール軸１６，１６が、リー
ル側枠１，１４を貫通してリール側板１，１４に
設けられた軸受１５，１５に回転自在に支持さ
れ、スプール２の一方の鍔２ａから突出するスプ
ール軸１６に板状の非磁性導電体３が固定され、
上記非磁性導電体３を両面から挾むように板状の
磁性体４，５がリール本体に配置されている。即
ち、一方の磁性体４は第２図、第３図に示す如
く、リール側枠１０と非磁性導電体３との間に介
在し円板４ａに形成され、その外周に円板４ａと
縦断面Ｔ字形を呈するように操作部即ち調整ダイ
ヤル４ｂが設けられ、上記調整ダイヤル４ｂの内
面はリール側枠１０の外周とリール側板１の外周
とに共に接している。磁性体４の上記調整ダイヤ
ル４ｂより内側に側板１を取付けるためのビス１
３が嵌挿される複数箇の円弧状条孔４ｃが同心円
上に穿設され、前記条孔４ｃよりも更に内側に非
磁性導電体３を挿脱可能にする形状大きさの磁石
付挿脱孔が設けられている。上記磁石付挿脱孔は
図示においては、内方に突出する突出部４ｅと外
方に凹入する凹入部４ｆとが交互に連続して形成
され、内方突出部４ｅの先縁に、小円板状磁石７
の周縁の一部を嵌着するための切欠４ｄを設け、
上記切欠に前記小円板状磁石７の周縁の一部を嵌
合固定することにより、小円板状磁石７の上記嵌
着部以外の周縁を内方に突出させ、上述の如くに
円板４ａに固定された磁石７の各円弧状突出縁
と、上記突出縁と相隣る凹入部４ｆとにより凸部
と凹部とが交互に連続する波形形状の挿脱孔を形
成する。尚前記小円板状磁石７は、いずれも等径
に形成されそのいずれの中心も挿脱孔の中心から
等距離にあり、且隣接する小円板状磁石７，７の
中心間の距離は等しく位置している。又各小円板
状磁石７はＮ極とＳ極とが交互に位置するように
配設されている。上記の如く構成された磁性体４
は、リール側板１の周縁寄りの外面から内面に向
け貫通したビス１３を条孔４ｃに貫通し、リール
側枠１０に螺入固定することにより、リール側枠
１０とリール側板１との間において一定角度回動
可能に支持される。

他方の磁性体５は第２図においては、リール側
板１と共通に構成された実施例が示されており、
リール側板１の内面に、前記一方の磁性体４の各
小円板状磁石７，７…と対応することが可能な位
置に凹部１ａを穿設し、上記凹部１ａに小円板状
磁石６、を埋め込み固定して相隣る磁石６，６の
Ｎ極とＳ極とが交互に位置するように配設する。
而して前記磁石７と上記磁石６の相対する磁極が
異極となり又同極となることが可能にしてある。

板状の非磁性導電体３は、アルミ材や銅材など
の非磁性材により形成され、前述の磁性体４の磁
極面７と磁性体５の磁極面６との間に渦電流発生
間隙２０，２１を形成して、前記板状の非磁性導
電体３の中心をスプール軸１６に固定してある。
前記非磁性導電体３の形状大きさは、前述の磁性
体４に設けられた波形形状の挿脱孔と、相似形で
あり突出部３ａと凹入部３ｂとが連続して形成せ
られ、且前記挿脱孔に挿脱可能な大きさに構成し
てある。

以上述べた磁性体４，５及び非磁性導電体３に
より、バツクラツシユ防止装置が構成されてい
る。

尚スプール２の回転は、公知の魚釣用リールと
同様に、他方のリール側板１４内に設けられた歯
車連動機（図示せず）及びクラツチ機構（図示せ
ず）に連動するように設けられたハンドル１７の
回動により連動回動されるように構成されてい
る。

上述の実施例について作用を説明すれば次の通
りである。

スプール釣糸を捲取るためのスプールの回転
は、前述の如くハンドル１７の回動による連動回
転によりおこない、又サミングに際しては、スプ
ール２の鍔２ａ，２ｂのうちいずれか一方の鍔、
例えば鍔２ａの後方を釣竿を握持した手の親指で
サミングする。更に又バツクラツシユ防止のため
のバツクラツシユ防止装置によるスプールの回転
制動は、磁性体４の操作部である調整ダイヤル４
ｂがその内面を一方のリール側枠１０の外周と一
方のリール側板１の外周とに共に接するように設
けられているため、前記サミングをする親指によ
り調整ダイヤル４ｂを回動調整することが可能で
あり、調整ダイヤル４ｂの回動調整により磁性体
４が回転し、磁性体４，５の磁石６，７の磁極が
異極どうし対向されたとき非磁性導電体３の回動
に与える制動力が最強で、調整ダイヤル４ｂが回
動されて磁性体４の磁石７と磁性体５の磁石６の
一方のＮ極と他方のＳ極が離間されると非磁性導
電体３の回転に与える磁力の影響が弱くなり回転
制動力を調整することができる。

スプール２を取替えるために非磁性導電体３を
スプール側の磁性体４から抜き取るときには、リ
ール本体の他方のリール側板１４のビス１３を螺
解説外し、リール側板１４をリール側枠１１から
脱外した後、非磁性導電体３の突出部３ａを磁性
体４の挿脱孔の凹入部４ｆに位置合わせしてスプ
ール２を他方のリール側枠１１側に軸線方向に引
抜き、リール側枠１１の枠孔から外部に取出す。
交換するスプール２は、そのスプール軸１６に固
定された非磁性導電体３の突出部３ａを磁性体４
の磁石付挿脱孔の凹入部４ｆに位置合わせして他
方のリール側枠１１の枠孔からスプール本体内に
挿入し、他方のリール側枠１１の外面に他方のリ
ール側板１４をビス１３により固定する。

前記説明における小円板状磁石６，７の形状は
他の形状の磁石を用いてもよい。又挿脱孔の形状
及び非磁性導電体の形状も図示のものに限るもの
ではない。

又磁性体５はリール側板１と別体に設け、さら
に磁性体５を回動自在に、磁性体４を固定しても
よい。

更に図示の実施例は、本考案の魚釣用リールを
両軸受型リールについて説明したが、他の型式の
リールに適用してもよい。

本考案は以上述べた構成であるから、簡単な構
成で非磁性導電体を有するスプールの交換が容易
であり、実用上優れたバツクラツシユ防止装置付
魚釣用リールを提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例が示され、第１図は本
考案を両軸受型リールに用いた状態を示す斜視
図、第２図は要部を横断した平面図、第３図は一
方の磁性体と非磁性導電体との関係を示す説明図
である。 １，１４……リール側板、２……スプール、３
……非磁性導電体、４，５……磁性体、６，７…
…磁石、１０，１１……リール側枠、２０，２１
……渦電流発生間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リール本体に、回転自在に取付けられたスプー
   ルの一側に突出するスプール軸に、板状の非磁性
   導電体を固定し、上記非磁性導電体を挾んで、リ
   ール本体側に磁性体を対設して渦電流発生可能に
   構成したバツクラツシユ防止装置付の魚釣用リー
   ルにおいて、スプール側に位置する磁性体に内方
   に突出する突出部と外方に凹入する凹入部を連続
   形成した挿脱孔を設け、非磁性導電体は、前記挿
   脱孔に挿脱可能な相似形に形成することにより、
   スプールを非磁性導電体と共にリール本体から脱
   外可能に構成した構造。