JPS645494Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、クラツチ機構の操作レバーでスイ
ツチを作動して非磁性導電体に小間隙をへだてて
配置した電磁部材の励磁をオン・オフ制御する魚
釣用リールのバツクツシユ防止装置に関する。

従来この種のバツクラツシユ防止装置ではスプ
ールの回転に連動して回転する非磁性導電体に永
久磁石の磁性体を対向配置して回転制動力が掛け
られているので、磁性体の位置を調整することで
仕掛けの投擲時や釣糸繰り出し時回転制動力が調
整出来ても、制動力を必要としない釣糸の巻き取
り時に制動力の解除調整が煩わしく、一旦掛けら
れた制動力でそのまま釣糸操作が行われることが
普通で、回転制動力に抗して釣糸が巻き取られる
欠点がある。

本考案の目的は、上記欠点に鑑み、クラツチを
オフするクラツチ操作レバーにスイツチを設けて
電磁部材の励磁のオン・オフを制御し、クラツチ
オフ状態でスプールの回転に制動力を掛け、釣糸
巻き取り時制動を自動的に解除する魚釣用リール
のバツクラツシユ防止装置を提案することであ
る。

以下、図示の実施例によつて本考案を説明する
と、魚釣用リールを両軸受型リールで有底カツプ
状非磁性導電体で述べれば、第１図で左右のリー
ル側板１，１１と、内側側枠１２，１３と、リー
ル側板が平行に保持される複数本の支柱１４と、
リール側板間に配設されたスプール２と、第１
図、第３図のようにスプールに固定されて両端が
リール側板内の軸受部１５，１６で軸承されたス
プール軸３と、右側のリール側板１１内で第２
図、第３図のようにスプール軸の一端に軸線方向
に摺動自在に嵌合されたピニオン４と、ピニオン
と噛合されてハンドル１７に連結されたハンドル
軸１８で回転される駆動歯車１９と、駆動歯車と
一体に回転される爪車２０と、爪車の外側に配設
されて爪車と係合可能に臨まされた逆転防止爪２
１と、上記スプー軸３とピニオン４に夫々設けら
れたクラツチ係合部３ａ，４ａで形成されたクラ
ツチ機構と、上記ピニオン４が軸線方向に摺動し
てクラツチ機構がオフされるクラツチ板２２と、
クラツチ板が上記クラツチ機構の係合方向に付勢
される発条２３と、上記クラツチ板２２がクラツ
チ機構のオフ方向に作動される側枠１３の支軸２
４に摺動自在に保持されたクラツチ操作レバー５
の作動片５ａと、作動片５ａがクラツチ板２２と
の係合位置から退避されるように付勢される発条
２５と、クラツチ操作レバー５に固定された永久
磁石２６と、クラツチ操作レバー５の押し込み作
動時磁石が対向して臨むようにリール側板１１又
は側枠１３に固定されたリードスイツチ２７と、
第１図、第４図の側枠１２の透孔に嵌合固定され
た有底カツプ状の保持ケース６と、保持ケースに
上記軸受部１５を保持する軸筒６ａと、軸筒６ａ
の外周に嵌合固定された継鉄２８と、その外周外
側に小間隙をへだてて上記スプール２のフランジ
ー側に固定された銅製やアルミ製で有底カツプ状
の非磁性導電体７と、非磁性導電体７の外周外側
にさらに小間隙をへだてて形成された保持ケース
６の外周筒部６ｂと、外周筒部の少なくとも一部
に形成された窓孔６ｃと、窓孔の外側に配置され
て励磁コイル８が捲回された電磁部材９と、上記
左側のリール側板１に固定された可変抵抗器２９
と、第５図のようにリール側板１の外側に回動自
在に設けられた調節ツマミ３０と、リール側板１
内の電池室１ａに収納されて防水キヤツプ３１で
防水された電池３２とで構成され、上記電磁部材
９と抵抗器２９はリール側板１内に固定された防
水ケース１０内に密閉されて第６図の回路図のよ
うにリードスイツチ２７、電池３２と直列に接続
されている。

上記作動片５ａの先端には傾斜面５ｂが形成さ
れ、傾斜面５ｂが上記クラツチ板２２の下側に挿
入されたときには、クラツチ板は上記発条２３に
抗して持ち上げられ、上記クラツチ機構のクラツ
チ係合部３ａ，４ａの係合がオフされる。

上記電磁部材９は円弧状にかつ内側に櫛歯状に
複数の凹部９ａとヨーク９ｂが形成され、ヨーク
に上記コイル８が捲回されてヨーク先端がＮ極と
Ｓ極に励磁されるように構成され、コイル８が励
磁されると継鉄２８との間に磁気回路が形成され
てスプール２が回転されると非磁性導電体７に渦
電流が発生されて回転に制動が掛けられる。

上記のように魚釣用両軸受型リールが構成され
てハンドル１７が回転されると駆動歯車１９、ピ
ニオン４が回転され、クラツチ機構を介してスプ
ール軸３、スプール２に制動力が掛けられること
なく正回転されて釣糸がスプールに巻き取られ
る。

次にクラツチ操作レバー５が発条２５に抗して
第７図の位置に押されると、作動片５ａでクラツ
チ板２２が持ち上げられてピニオン４がスプール
軸３上を軸線方向に摺動され、クラツチ係合部３
ａと４ａが離間されてクラツチ機構がオフされる
と機械的にスプール２は自由回転され、る状態と
なる。

しかし、クラツチ操作レバー５が押し込まれる
と、永久磁石２６はリードスイツチ２７位置に移
動されるので、リードスイツチ２７がオンされ、
コイル８に電流が流れてヨーク９ｂが励磁されて
スプール２の回転に制動が掛けられる。

スプール２の回転に掛けれられる制動力は必要
に応じ調節ツマミ３０の設定によつてコイル８に
流れる電流量が調節されて行われ、釣糸の繰り出
しが制御されてスプールの過回転による釣糸のフ
ケが防止される。

次にハンドル１７で駆動歯車１９が回転される
と、爪車２０に固定されたキツクピン３３で作動
片５ａが蹴り上げられてクラツチ操作レバー５を
押し上げ、永久磁石２６がリードスイツチ２７か
ら離間されると電磁部材９の励磁が解除されると
共に、ピニオン４が回転されるとクラツチ係合部
３ａと４ａは係合してクラツチ機構は連結されて
スプール２が正回転される。

上記説明ではクラツチ操作レバー５に永久磁石
２６を固定するように述べたが、第３図のクラツ
チ板２２の側部とリール側板又は側枠との何れか
一方に永久磁石を、他方にスイツチを設ける等ク
ラツチ機構の移動部材の移動に関連させてスイツ
チを開閉してもよい。

上記説明ではクラツチ操作レバー５が押し込ま
れるとクラツチ機構がオフされ、リードスイツチ
２７がオンされるように述べたが、クラツチ操作
レバーを押し込む他の回動操作レバーを設けてそ
の回動でクラツチ機構をオフさせ、スイツチがオ
ンされるように構成してもよい。

又電磁部材９は防水ケース１０で防水されて非
磁性導電体７と小間隙を隔てて対向するように述
べたが、電磁部材は他の方法で防水し、電磁部材
９の配置位置の保持ケース６の肉厚を薄い隔壁で
構成すると共に保持ケースを側枠に防水固定し、
側枠１２とケース側板１との間を防水処理しても
よい。

更に上記説明では非磁性導電体７を有底カツプ
状に形成したが、平板状に形成し、継鉄と電磁部
材をその両側に配置して制動力を調整するように
構成してもよい。

更に上記説明の可変抵抗器は複数本の固定低抗
器をスイツチで切換えるように構成してもよい。

又上記リードスイツチはホール素子など他の無
接触スイツチやマイクロスイツチなどの接触スイ
ツチを用いてもよい。

又上記説明では魚釣用リールを両軸受型リール
で述べたが他の型式のリールに適用してもよい。

本考案は上述のように構成されたから、スプー
ルがクラツチ機構のオフの自由回転状態で電磁制
動力が掛けられてスプールの過回転による釣糸の
フケが防止され、釣糸捲回時は電磁制動力が自動
的に解除されて全く磁気制動の影響を受けること
なく捲取操作ができ、リールの操作が極めて簡便
化される等実用上優れた効果を奏する魚釣用リー
ルのバツクラツシユ防止装置を提供することが出
来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例が示され、第１図は両
軸受型リールに実施された要部断面平面図、第２
図はクラツチ操作機構が示されたリール側板の側
面図、第３図はクラツチ機構の断面側面図、第４
図は非磁性導電体の断面正面が示された側面図、
第５図は一方のリール側板の外観図、第６図は回
路図、第７図はクラツチ操作機構の動作説明図で
ある。 １，１１……リール側板、２……スプール、３
……スプール軸、５……クラツチ操作レバー、７
……非磁性導電体、２７……スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプールの回転に連動して回転する非磁性導電
   体に小間隙をへだてて電磁部材を配置して非磁性
   導電体に渦電流を発生させてスプールに制動を掛
   ける魚釣用リールにおいて、スプール軸とハンド
   ル軸の連結をオン・オフ操作するクラツチ機構の
   操作レバーを作動してスイツチを開閉し、該スイ
   ツチの開閉で上記電磁部材の励磁をオン・オフ制
   御したことを特徴とする魚釣用リールのバツクラ
   ツシユ防止装置。