JPH0138899Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は電磁装置、例えば放電灯点灯回路等に
おいて使用される変圧器等の電磁装置に係る。

（従来の技術） 例えば、第１図に示す放電灯Ｌ点灯用変圧器の
ように、二次側に僅かなターン数の補助巻線
Aux₁，Aux₂を有するものがある。なお、この図
において一次側巻線Priは電源に接続され、二次
側巻線Secは放電灯ＬのフイラメントF₁，F₂に接
続されており、二次側に設けた数ターンの補助巻
線Aux₁，Aux₂はそれぞれフイラメントF₁，F₂を
予熱付勢するものとされている。

（考案が解決しようとする課題） 而して、従来のこの種の変圧器においては、前
記補助巻線も主巻線と同様に絶縁電線を巻回して
構成されていた。そのため、補助巻線の口出部処
理に多くの工数を必要としていた。また、変圧器
巻線の巻線工程の自動化の妨げとなつていた。さ
らに、巻線の絶縁処理上も問題があつた。

本考案は上記の事情に基づきなされたもので、
補助巻線の口出部処理に多くの工数を必要とせ
ず、しかも巻線工程の自動化が容易であり、巻線
の絶縁処理上の問題がない電磁装置を提供するこ
とを目的としている。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案の電磁装置は、閉磁路を形成する鉄心お
よび絶縁電線を巻回してなり前記鉄心に巻装され
た主巻線を有し、マザーボードの一方の面上に前
記主巻線の巻幅方向の一側面を対向させて取り付
けられた電気巻線主部と、 互いに平行な直線状導体パターンを担持し、前
記主巻線の最外周およびこの最外周に隣接する鉄
心の間に挿通され、前記主巻線最外周の前記マザ
ーボード対向面を除くほぼ3/4周を包囲して配置
されるとともに両端部を前記マザーボードに取り
付けられたフレキシブルPC板と、 前記マザーボードの他方の面の前記主巻線に対
向する位置に設けられ前記フレキシブルPC板の
直線状パターンのうち必要なものの間を電気的に
接続する導体パターン、 とを有することを特徴とする。

（作用） 上記構成の本考案電磁装置においては、巻線構
造の主巻線と、印刷配線の手法により構成した補
助巻線とを並用することにより、補助巻線の口出
部の処理工数を低減させ、主巻線、補助巻線各巻
線製造の自動化、機械化を容易としている。

（実施例） 第２図は本考案一実施例の模式的正面図、第３
図はその要部の展開図、第４図は前記実施例の下
面図である。これ等の図において、絶縁電線を巻
回してなる主巻線１は閉磁路を形成する鉄心２に
巻装されて、鉄心２とともに変圧器主要部３を構
成し、この変圧器主要部は図示しない取付部材に
よつてマザーボード４の一方の面の所定の位置
に、その一側面を対向させて取り付けられてい
る。

また、第３図に詳細に示すように、互いに平行
な直線状導体パターン５をその一面に担持したフ
レキシブルPC板６は、第２図に示すように変圧
器主要部３のマザーボード４に対向する面を除
き、主巻線１のほぼ3/4を包囲して前記主巻線１
とその最外周に隣接する鉄心２との間に挿入さ
れ、その両側のピン７は前記マザーボード４に設
けた透孔８に嵌入されている。

前記マザーボード４の他面には、第４図に示す
ように必要な補助巻線の数およびそれ等のターン
数を形成するのに必要な導体パターンが設けられ
ている。第４図に例示したのは、補助巻線数が１
であり、そのターン数が３の場合のパターンであ
る。すなわち、マザーボード４の他方の面には、
２列に設けたピン７係合用の透孔８の中、左側の
列の１番上のものと右側の列の上から２番目のも
の、左側の列の上から２番目のものと右側の列の
上から３番目のもの、左側の列の上から３番目の
ものと右側の列の上から４番目のものをそれぞれ
結ぶ導体片９が設けてあり、前記各透孔８から突
出したフレキシブルPC板６両端のピン７は、そ
れぞれ前記各対応する導体片９にハンダ付等によ
つて電気的に接続されている。

上記のようにすることにより、フレキシブル
PC板６の担持する直線状導体パターン５の中で、
相隣接する３条の導体と前記マザーボード４に設
けた導体片９とは、補助巻線を構成することとな
る。なお、第４図中１０は補助巻線のリード線を
示している。

上記のように本考案においては、絶縁電線の巻
回によることなく補助巻線を構成しているから、
補助巻線の口出部処理工数を減殺することができ
る。また、絶縁電線の巻回によつて構成するのは
主巻線のみであるから、主巻線の製造の自動化、
機械化が容易である。さらに、補助巻線を上記の
ように印刷配線の手法によつて構成しているた
め、巻線絶縁処理を容易且つ十分に行うことがで
きる。

また、フレキシブルPC板６は上記のように主
巻線最外周とこれに隣接する鉄心との間に挿入さ
れるので、主巻線の位置決めまたは脱落防止要素
として作用することができ、強固堅牢な変圧器と
なし得る。

さらに、フレキシブルPC板６をその導体パタ
ーン担持面を内側、すなわち主巻線１最外周に向
けて挿入すれば、フレキシブルPC板６は主巻線
１最外周に施すべき絶縁テープ巻回層を兼ねるこ
とができ、変圧器の一層のコスト低下が可能であ
る。

前記各図と同一部分には同一符号を付した第５
図は、は本考案の他の実施例の分解斜視図、第６
図はその要部拡大断面図である。この実施例にお
いては、マザーボード４に前記実施例のピン７挿
通用の透孔８に代え、フレキシブルPC板６の巾
に見合つた長さの２箇の矩形状長孔１１を設け、
これ等の長孔にフレキシブルPC板６の両端を貫
通させ、マザーボード４の他方の面において導体
パターン５の導体と導体片９とを電気的に接続す
る。第６図はその接続の一態様を示す。この接続
例ではハンダ付１２により直接接続している。な
お、図中１６は、フレキシブルPC板６の端部を
補強する補助板を示している。

また、前記各実施例に示したようにフレキシブ
ルPC板６の導体パターン５端末にピン７を設け
ることなく、第７図に示すようにマザーボード４
の透孔８にＬ字状ピン１７の一方の脚片１７ａを
挿通させこの脚片と導体片９、マザーボード４の
一方の面上にある他方の脚片１７ｂと導体パター
ン５の端末をそれぞれハンダ付１３により電気的
に接続するようにしてもよい。

また、第８図に示すように、マザーボード４上
面に受金１４を有するコネクタ１５を設け、これ
によりフレキシブルPC板６の導体パターン５の
導体片とマザーボード他面の導体片９とを電気的
に接続するようにしてもよい。

上記第５図以下に示した実施例においても、前
記第２図、第３図に示した実施例と同様の効果が
得られることは勿論である。

さらに、本考案は例示した変圧器に限定され
ず、補助巻線を具えた任意の電磁装置に適用し得
ることは明らかである。

［考案の効果］ 上記から明らかなように、本考案の電磁装置に
おいてはその補助巻線を主巻線とは別個に印刷配
線手法で形成してあるため、主巻線の巻線作業の
自動化、機械化が容易であり、また補助巻線の口
出部処理の工数を省くことができるので、品質の
均一な製品を安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の放電灯点灯変圧器の一例の回路
図、第２図は本考案一実施例の模式的正面図、第
３図はその要部の展開図、第４図は前記実施例の
下面図、第５図は本考案の他の実施例の分解斜視
図、第６図はその要部拡大断面図、第７図はこの
実施例の第１の変形例の要部拡大断面図、第８図
は第２の変形例の要部拡大断面図である。 １……主巻線、２……鉄心、３……変圧器主要
部、４……マザーボード、５……導体パターン、
６……フレキシブルPC板、７……ピン、８……
透孔、９……導体片、１０……リード線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 閉磁路を形成する鉄心および絶縁電線を巻回し
   てなり前記鉄心に巻装された主巻線を有し、マザ
   ーボードの一方の面上に前記主巻線の巻幅方向の
   一側面を対向させて取り付けられた電気巻線主部
   と、 互いに平行な直線状導体パターンを担持し、前
   記主巻線の最外周およびこの最外周に隣接する鉄
   心の間に挿通され、前記主巻線最外周の前記マザ
   ーボード対向面を除くほぼ3/4周を包囲して配置
   されるとともに両端部を前記マザーボードに取り
   付けられたフレキシブルPC板と、 前記マザーボードの他方の面の前記主巻線に対
   向する位置に設けられ前記フレキシブルPC板の
   直線状パターンのうち必要なものの間を電気的に
   接続する導体パターン、 とを有することを特徴とする電磁装置。