JPH0137785Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトランスフアプレスにおけるワーク反
転装置に関する。

従来、トランスフアプレスにおけるワーク反転
装置の先行技術として実開昭58−33129号に示す
ものがある。

上記トランスフアプレスのワーク反転装置は、
平行に対向して設けた一対のフイードバーに、対
向して回転自在な反転把持爪を設けてあり、上記
反転把持爪の回転軸を適宜に回動させることによ
りワークを適宜に反転させることができるもので
ある。すなわち、反転把持爪の回転軸には一体的
に歯車が設けてあり、この歯車と直接、又は間接
的に噛合するためのラツクの一端が、フイードバ
ーガイドの適宜位置に連結するものである。な
お、上記フイードバーガイドは、フイードバーの
長手方向へフイードバーを案内するものである。

したがつて、フイードバーが長手方向へ移動す
ることにより、ラツクに直接、間接的に噛合した
歯車が適宜に回転し、製品を把持した反転把持爪
が適宜に回動するものである。

しかし、フイードバーにおける反転把持爪の取
付け位置を適宜に変更する場合には、変更された
取付け位置に位置する反転把持爪の下方にまで延
伸したラツクを設ける必要があり、ラツクの交換
が厄介であるという問題点があつた。これは、ラ
ツクの一端がフイードバーガイドの適宜位置に連
結してあり、ラツクの位置をフイードバーの長手
方向の適宜位置に変更することができないからで
ある。

また、フイードバーにおける反転把持爪の取付
け位置が種々変更しても対処できるように、ラツ
クをフイードバーの長手方向へ延伸して設けた場
合には、ラツクに撓みが生じて、ラツクと噛合し
た歯車を所定の角度に回動させることができず、
反転把持爪により把持されたワークを所定の角度
に回動させることができないという問題点があつ
た。

そこで、本考案は上記の問題点を解決するため
に、反転把持爪の取付け位置を適宜に変更した場
合においてもラツクを交換することなく、所定の
角度に精密にワークを回動させることができるト
ランスフアプレスにおけるワーク反転装置を提供
することを目的とする。

以下、本考案に係る実施例について参考例を含
めて説明する。

第１図を参照するに、トランフアプレスの右側
（第１図において右側）には駆動側作動装置が設
けてあり、左側（第１図における左側）には従動
側作動装置が設けてある。上記駆動側作動装置
は、左右方向（第１図において左右方向）へ延伸
しかつ平行に対向して設けた一対のフイードバー
５の一端側を支承してあり、上記従動側作動装置
は一対のフイードバー５の他端側を支承してあ
る。テーブル１１上の一連の加工位置に支持され
たワーク３を把持するために、一対のフイードバ
ー５には複数の把持爪７が対向して設けてある。

上記構成により、駆動側、従動側作動装置を適
宜に操作することにより、一対のフイードバー５
は、アドバンス、リターンの作動として左右方向
へ移動するもであり、クランプ・アンクランプの
作動として互いに接近離反する前後方向（第１図
においては上下方向）へ移動するものである。更
に、三次トランスフアプレスにおいては、駆動
側、従動側作動装置を適宜に操作することによ
り、一対のフイードバー５はリフト・ダウンの作
動として上下方向へ移動するものである。

したがつて、クランプの作動としてフイードバ
ー５が互いに接近すべく前後方向へ移動すること
により、テーブル１１上の一連の加工位置に支持
されたワーク３を把持し、アドバンスの作動とし
て一対のフイードバー５が右方向へ移動すると共
に、アンクランプの作動として一対のフイードバ
ー５が互いに離反することにより、ワーク３を順
次工程へ送ることができるものである。そして、
リターンの作動として一対のフイードバー５が左
方向へ移動することにより元の状態に戻るもので
ある。

ワーク３を所定の角度に回動させるために、ト
ランスフアプレスの適宜位置には反転把持爪９を
備えたワーク反転装置１が設けてある。

二次元トランスフアプレスにおけるワーク反転
装置１の第１参考例が第２図、第３図、第４図示
されており、第２参考例が第５図、第６図に示さ
れている。そして本実施例の三次元トランスフア
プレスにおけるワーク反転装置１が第７図、第８
図に示されている。

第１、２の参考例について、第２図から第６図
までを参照するに、トランスフアプレスにおける
テーブル１１の前後（第２図、第５図において左
右、第３図においては上下、第４図、第６図にお
いて紙面に向つて表裏）の適宜位置、換言すれば
テーブル１１における反転把持爪９の取付け位置
の下方位置には左右に離隔した一対の支持部材１
３がそれぞれボルト（第４図参照）を介して取付
けてある。したがつて、ボルトを外して別の位置
に取付けることが可能であり、容易である。

上記支持部材１３には前後方向へ移動自在なラ
ツク部材１５が案内支承されており、このラツク
部材１５にはラツク部２３が形成してある。すな
わち、第１の参考例においては、一対の対向した
支持部材１３の対向面には前後方向へ延伸した段
部が形成してあり、この段部にはラツク部材１５
の左右の両端部が摺動自在に案内支持されてい
る。第２の参考例においては、支持部材１３には
前後方向へ延伸した係合溝が形成してあり、この
係合溝には、ラツク部材１５に一体的に設けた走
行部材２５の左右の両端部が摺動自在に案内支持
されている。

第１、第２参考例においてラツク部材１５に一
体的に設けた上記走行部材２５には、一体的にガ
イド部材２７が設けてある。このガイド部材２７
には、左右方向（第２図、第５図において紙面に
向つて表裏方向、第３図、第４図、第６図におい
ては左右方向）へ移動自在なフイードバー５が係
合してある。

上記構成により、ラツク部材１５は、フイード
バー５、走行部材２５、ガイド部材２７と一体的
に前後方向へ移動するものである。また、フイー
ドバー５はガイド部材２７に案内されて左右方向
へ移動するものであり、ラツク部材１５は左右方
向へ移動しないものである。

上記一対のフイードバー５の適宜位置には、回
転自在な反転把持爪９が対向して設けてある。よ
り詳細には、フイードバー５の適宜位置には、上
記反転把持爪９の回転軸１９を回転自在に支承し
た軸承ブロツク１７がボルト（第３図には印＋で
もつてボルト穴の位置が表示されている）によつ
て取付けられている。したがつて、ボルトを外し
て別の位置へ軸承ブロツク１７を取付けることが
可能であり容易である。

上記反転把持爪９を適宜に回転させるために、
反転把持爪９の回転軸１９の一端には、前記ラツ
ク部材１５のラツク部２３と噛合する歯車２１が
一体的に設けてある。

上記構成により、一対のフイードバー５が左右
方向へ移動することにより、左右方向へ移動不能
状態にあるラツク部材１５のラツク部２３に噛合
した歯車２１が回動し、反転把持爪９を所定の角
度に回動させることができるものである。

前述の第１、第２参考例を参考しつつ、本実施
例について第７図、第８図に基づいて説明する。

トランスフアプレスにおけるテーブル１１の前
後（第７図において左右第８図において紙面に向
つて表裏）適宜位置には、左右方向に離隔した一
対の支持部材１３がボルトによつてそれぞれ取付
けてある。上記支持部材１３は、第７図に示すよ
うに、水平部と、水平部の一側に形成した垂直部
とを備えたＬ字形状をなしており、かつ第８図に
示されるように左右一対よりなる。

前記左右一対の支持部材１３の間には、ラツク
部２３を備えたラツク部材１５が前後方向および
上下方向へ移動自在に設けてある。ラツク部材１
５は、支持部材１３の水平部の間に挾持された態
様で前後方向へ案内されるものであり、また垂直
部によつて上下に案内されるものである。

上記ラツク部材１５を前記フイードバー５と一
体的に上下方向、前後方向へ移動させるために、
フイードバー５とラツク部材１５との間には接続
装置が介在してある。

より詳細には、フイードバー５の下側には左右
方向へ延伸した断面コ字状の走行部材５′が設け
てあり、ラツク部材１５の前側には断面がほぼ逆
コ字状のガイド部材２７が上記走行部材５′に対
し、相対的に左右方向へのみ摺動自在であるよう
に係合してある。フイードバー５とラツク部材１
５が一体的に前後方向へ移動するために、ガイド
部材２７の前側には、突設部が立上り形成してあ
る。

上記構成により、ラツク部材１５は接続装置を
介してフイードバー５と一体的に前後方向、上下
方向へ移動するものである。一方、フイードバー
５が左右方向へ移動するときは、走行部材５′が
ガイド部材２７に案内され、ラツク部材１５の左
右方向の動きは拘束されているために、ラツク部
材１５は左右方向へは移動しないものである。

上記フイードバー５には、前述の第１、第２参
考例に示した同様の構成をもつ反転把持爪９を回
転自在に支承した軸承ブロツク１７がボルトを介
して取付けてあり、反転把持爪９の回転軸１９に
は、前記ラツク部材１５のラツク部２３と噛合す
るための歯車２１が一体的に設けてある。

前述の構成に基づき本実施例の作用及び効果に
ついて説明すると、クランプの作動として一対の
フイードバー５が互いに接近する方向へ移動する
ことにより、テーブル１１上の一連の加工位置に
支持されたワーク３を反転把持爪９により把持す
る。

リフトの作動として一対のフイードバー５が上
昇した後に、アドバンスの作動として一対のフイ
ードバー５が右方向へ移動することにより、ラツ
ク部材１５のラツク部２３と噛合した歯車２１も
右方向へ移動する。このときに、ラツク部材１５
が左右方向へ移動不能状態にあるため、歯車２１
は所定の角度だけ回動し、ワーク３を把持した反
転把持爪９は所定の角度だけ回動するものであ
る。

ダウンの作動として一対のフイードバー５が下
降した後に、アンクランプの作動として一対のフ
イードバー５が互いに離反する方向へ移動するこ
とにより、ワーク３の把持状態を解除することが
できる。リターンの作動として一対のフイードバ
ー５が左方向へ移動することにより、元の状態に
戻る。

上記ラツク部材１５は、テーブル１１上に取付
けた支持部材１３に、フイードバー５と一体的に
上下方向、前後方向へ移動自在に設けると共に、
左右方向へ移動不能に設けているため、軸承ブロ
ツク１７をフイードバー５に取付けたボルトを外
して、フイードバー５に対する軸承ブロツク１
７、反転把持爪９の取付け位置を変更する場合に
は、テーブル１１に対して支持部材１３を固定し
たボルトを外して支持部材１３の取付け位置を適
宜に変更するだけで足り、ラツク部材１５の交換
をする必要がなく、ラツク部材１５の交換が厄介
である等という従来の問題点が解消される。

以上のごとき実施例の説明により既に理解され
るように、要するに本考案の要旨は実用新案登録
請求の範囲の記載のとおりであるから、この考案
によれば、一対のフイードバーに対する反転把持
爪の取付け位置を変更する場合に、反転把持爪に
一体的に設けた歯車と噛合するラツクを支持する
支持部材の取付け位置を、テーブル上の適宜位
置、換言すればテーブルにおける反転把持爪の取
付け位置の下方位置に変更すれば足り、反転把持
爪の取付け位置に応じた長さを有する新たなラツ
クに交換する必要はないものである。

また、上記のように反転把持爪の取付け位置を
変えた場合には支持部材の取付け位置を変更すれ
ば足りるので、反転把持爪の種々の取付け位置に
対処するために、ラツクを延伸して設ける必要が
ない。

なお、本考案は前述の実施例にのみに限るもの
ではなく、適宜の変更を行うことにより、その他
種々の態様でも実施可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図はトランフアプレスの概略図である。第
２図は第１参考例の側断面図である。第３図は第
２図における平面図である。第４図は第２図にお
ける右側面図である。第５図は第２参考例の側断
面図である。第６図は第５図における右側面図で
ある。第７図は本考案の実施例の要部を示す側断
面図である。第８図は第７図における右側面図で
ある。 １……ワーク反転装置、５……フイードバー、
９……反転把持爪、１１……テーブル、１３……
支持部材、１５……ラツク部材、２１……歯車、
２３……ラツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平行に対向して設けた一対のフイードバー５
   を、アドバンス・リターンの作動をするために左
   右方向へ移動自在に設け、かつクランプ・アンク
   ランプの作動をするために互いに接近離反する前
   後方向へ移動自在に設けると共に、リフト・ダウ
   ンの作動をするために上下方向へ移動自在に設
   け、かつワークを反転するために上記一対のフイ
   ードバー５に対向して回転自在な反転把持爪９を
   設けてなるようトランスフアープレスにおけるワ
   ーク反転装置にして、反転把持爪９を支承した軸
   承ブロツクをフイードバー５に取付け、上記反転
   把持爪９に一体的に設けた歯車２１と噛合するラ
   ツク１５を、トランスフアプレスにおけるテーブ
   ル１１上に取付けた支持部材１３の水平部に案内
   されて前後方向へ移動自在に設けると共に垂直部
   に案内されて上下動自在に設け、かつラツク１５
   とフイードバー５とを相対的に左右方向へのみ移
   動自在に接続し、上記ラツク１５を、前記フイー
   ドバー５と一体的に上下方向、前後方向へ移動自
   在に設けると共に、左右方向へ移動不能に設けて
   なることを特徴とするトランスフアプレスにける
   ワーク反転装置。