JPH0137478Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の内容） 本考案は、自動車内装部品、たとえば座席、ド
アー等を被覆するカバー材に関し、詳しくは、表
面材、クツシヨン材及び裏面材が接着剤により一
体とされた積層物において、クツシヨン材を還状
かつ完全に圧縮して表面材と裏面材とを環状に密
着させたボタン形状を形成し、前記の環状に密着
した部分間においてクツシヨン材の圧縮程度を連
続的に変化させて、前記環状密着部分間を上方に
孤状となつてつなぐ凹溝部分を形成し、該凹溝部
分の弧状をクツシヨン材内に含浸した接着剤によ
り形状保持し、このボタン形状の環状密着部分
と、上に弧状の凹溝部分とにより、起伏に変化を
持たせるとともに鮮明な模様を形成したことをを
特徴とする、凹凸模様を付したクツシヨン性を有
するカバー材に関する。

（考案の背景） 自動車内装部品、たとえば座席、ドアー等の被
覆に用いられる、表面材、クツシヨン材および裏
面材からなるカバー材には、装飾のために、ミシ
ン縫製、ウエルダー工法により凹溝からなる模様
が形成される。

しかし、これらの凹溝はクツシヨン材が完全に
圧縮され、表面材と裏面材とが密着したものであ
り、模様としては単調なものであつた。

又、最近では、表面材、クツシヨン材および裏
面材を接着剤を介して熱プレスし、模様及び接着
を同時に行なつたカバー材も提案されている。そ
して、この模様は前記のミシン縫製、ウエルダー
工法により形成された凹溝と異なり、クツシヨン
材の圧縮が中程度で、表面材と裏面材とが密着し
ていない凹形状により構成され、この凹形状部分
においても弾性を有するものである。

しかし、模様を構成する凹形状部において、凹
形状の深さが浅いために、模様の鮮明さに欠ける
問題があつた。

（考案の目的） 本考案は、起伏に変化を持ち、かつ鮮明さを併
せ持つ凹凸模様を付したクツシヨン性を有するカ
バー材を提供するものである。

（考案の内容） 第１図は、本考案の凹凸模様を付したクツシヨ
ン性を有するカバー材（以下カバー材と記す）。
の一実施例の斜視図、第２図は、第１図の切断線
−線により切断した端部断面図である。

カバー材１は、表面材２、クツシヨン材３ａ，
３ｂ、裏面材４とが柔軟性を有する接着剤により
一体にされたものである。

表面材および裏面材はフアブリツク、合成樹脂
シートが用いられ、特に、表面材としては起毛処
理が施されたフアブリツク、裏面材としては綿布
が、外観の装飾性および自動車内装部品への装着
性において適している。

クツシヨン材は、軟質ポリウレタンフオームよ
り成り、一種類あるいは、硬度等の物性及び厚み
等の異なる数種類が組み合わされて構成される。

表面材、クツシヨン材及び裏面材を一体とする
接着剤は、接着後も柔軟性を有するものが用いら
れ、特に好ましいものとして、硬化剤及び発泡剤
を含むポリウレタンプレポリマーが使用される。

カバー材１には、クツシヨン材３ａ，３ｂが環
状に完全に圧縮され、表面材２と裏面材４とが環
状に密着した部分５、これにより形成されるボタ
ン形状６及び、クツシヨン材の圧縮が連続的に変
化して形成された凹溝部分７とにより、凹溝から
なるダイヤモンド形状の頂点にボタン形状を有す
る模様が付与される。

クツシヨン材の圧縮が連続的に変化して形成さ
れた凹溝部分７は、環状密着部分５，５の間にお
いて、圧縮の程度が連続的に変化し、環状密着部
分５，５の中間において圧縮の程度が最も小とさ
れたもので、環状密着部分５，５間において、上
に弧状の凹溝を形成する。そしてその凹溝部分の
弧状は、クツシヨン材内に含浸した前記接着剤に
より形状保持されている。

次に、本考案のカバー材の製造について説明す
る。第３図及び第４図は、この製造を説明するも
ので、第３図は成形型、第４図は製造時の断面図
である。

成形型８には、前記の表面材と裏面材との環状
密着部分５及びボタン形状６を形成する突起９、
及び、前記したクツシヨン材の圧縮が連続的に変
化してなる凹溝部分７を形成する突起１０が形成
されて構成される。

この成形型８上に、接着剤１１を介在して表面
材２、クツシヨン材３ａ，３ｂ及び裏面材４を積
層した物を載置し、プレス１２により熱プレス
し、模様の付与及び表面材、クツシヨン材及び裏
面材の接着を行なう。

接着剤は、表面材、クツシヨン材および裏面材
の互に接する面の少なくとも一方に塗布するか、
あるいは、あらかじめクツシヨン材に含浸させて
おいてプレス時に滲出させて用いる。なお前者の
場合には、熱プレス時に接着剤がクツシヨン材表
面の気孔を通つてクツシヨン材内に含浸する。

熱プレスの条件は、100〜180℃、５〜15Kg／
cm²、80〜300秒の範囲で加工素材、厚み、模様形
状により適宜決定される。そして、熱プレスによ
り接着剤が反応し、表面材、クツシヨン材及び裏
面材を接着一体化するとともに、クツシヨン材内
に含浸している接着剤によつて前記凹溝部分の形
状が保持される。

第５図は、本考案のカバー材１を装着した座席
シート斜視図である。

（考案の効果） 本考案のカバー材は、表面材、クツシヨン材及
び裏面材とが接着剤により一体とされた積層物に
おいて、クツシヨン材が環状にかつ完全に圧縮さ
れ、表面材と裏面材とが環状に密着したボタン形
状部分と、クツシヨン材の圧縮が連続的に変化し
て形成された凹溝部分とによつて凹凸模様を形成
したもので、凹溝部分のクツシヨン材の圧縮程度
が連続的に変化するために模様の起伏変化があ
り、かつ、クツシヨン材が環状かつ完全に圧縮さ
れたボタン形状部分においては周囲との凹凸差が
最大となり、鮮明な模様となり、起伏の変化と鮮
明さを併せ持つ模様となる。

又、クツシヨン材が完全に圧縮された部分にお
いては、表面材と裏面材とが密着して接着した状
態であるために、表面材とクツシヨン材及び裏面
材との接着強度は大変強固となる効果も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は、本考案を説明する図で、
第１図はカバー材の一実施例の斜視図、第２図
は、第１図中の切断線−線に沿つて切断した
端部断面図、第３図は成形型の一実施例の斜視
図、第４図は製造を説明する断面図、第５図は、
本考案のカバー材を装着した座席シートの斜視図
である。 １……カバー材、２……表面材、３ａ，３ｂ…
…クツシヨン材、４……裏面材、５……表面材と
裏面材との環状密着部分、６……ボタン形状、７
……クツシヨン材の圧縮が連続的に変化して形成
された凹溝部分、８……成形型、９，１０……突
起、１１……接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面材、クツシヨン材及び裏面材が接着剤によ
   り一体とされた積層物において、クツシヨン材を
   環状かつ完全に圧縮して表面材と裏面材とを環状
   に密着させたボタン形状を複数形成し、その環状
   に密着した部分間のクツシヨン材の圧縮程度を連
   続的に変化させて、前記環状密着部分間を上方に
   弧状となつてつなぐ凹溝部分を該積層物表面に形
   成し、該凹溝部分の弧状をクツシヨン材内に含浸
   した接着剤により保持したことを特徴とする、凹
   凸模様を付したクツシヨン性を有するカバー材。