JPH0137405Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はコンバイン用脱穀機に利用されるもの
で、特に下扱脱穀機の扱室側方に設けたフイード
チエンの扱室より前方に延出させた部分を前低後
高に傾斜させたものにおける穀稈供給装置に関す
るものである。

（従来技術） 従来、下扱脱穀機の穀稈供給台は、扱室前壁の
下向き湾曲開口した穀稈供給口の下縁に沿つて前
方に延出したもので形成されており、該供給台の
フイードチエン側部分は比較的高い位置にあり、
これに伴つてフイードチエンの始端部も高い位置
に設けられている。

（考案が解決しようとする問題点） このようにフイードチエン始端部の高い脱穀機
をコンバインに搭載すると、機体前方に設ける刈
取搬送部の始端部を、脱穀機のフイードチエン高
さに合わせるため高い位置に設けねばならず、刈
取搬送部全体が長大なものになる欠陥があつた。

そこで、刈取搬送部を小さくするためにフイー
ドチエンの始端部を低い位置に設けようとする
と、穀稈供給台のフイードチエン寄り部分が高位
にあるためフイードチエンの穀稈挾持位置と上下
差が生じ、どうしても刈取搬送部から引継いだ穀
稈の姿勢が乱れたり停滞したりして円滑な供給が
出来ず、又、穀稈供給台の始端部を下げてフイー
ドチエンに沿わせるようにすると、穀稈の姿勢は
乱れなくなる反面、扱口飛散が増大する欠陥を生
ずる。

本考案の技術的課題は、フイードチエンの始端
部を低くでき、ひいては刈取搬送部を小型化でき
るものであり乍ら、フイードチエン始端部で穀稈
が乱れたり停滞したりすることなく円滑に供給さ
れ、且つ、穀粒飛散を生じないようにすることで
ある。

（問題を解決するための技術的手段） 上記問題点を対決するために講じた本考案によ
るコンバイン用脱穀機における穀稈供給装置は次
の通りである。

下扱脱穀機３の扱室５側方に設けたフイードチ
エン１６の扱室５より前方に延出させた部分を前
低後高に傾斜させると共に、扱室５の前壁６には
下向きに湾曲開口した穀稈供給口６ａを形成し、
該供給口６ａの下縁に沿つて前方へ穀稈供給台２
３を延設したものにおいて、穀稈供給台２３のフ
イードチエン側を、扱室側の角部から前方のフイ
ードチエン反対側に向かう斜線で下方に折り曲
げ、一辺２３ａがフイードチエン１６に沿い、折
り曲げ線が稜線２３ｂとなる三角状傾斜面２３ｃ
を構成する一方、穀稈供給口６ａより前方に、間
隔をへだてて上部を機体に吊支して垂下させた可
撓体よりなる穀粒飛散防止板２６のフイードチエ
ン側部を上記稜線２３ｂに沿わせて扱室側に向け
斜設したことを特徴とするものである。

（作用） 刈取搬送部４の終端に設けた揚上搬送装置３０
からフイードチエン１６に受継がれた穀稈は、そ
の株元部を三角形状の傾斜面２３ｃ上で案内され
ながら乱れることなく扱室５内に導かれる。又、
扱室５内で脱穀されて穀稈供給口６ａより外方に
飛散しようとする穀粒は飛散防止板２６に突き当
たつて穀稈供給台２３上に落下せしめられ、後続
の供給穀稈で扱室５内に掻き込まれる。特にフイ
ードチエン１６側の傾斜面２３ｃは、その稜線２
３ｂに沿う飛散防止板２６で遮られており、傾斜
面２３ｃ上に穀粒が飛散することはない。

（実施例） 本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、
１は走行装置２に支持されたコンバインの機台で
あり、３は該機台１上に搭載した下扱式の脱穀
機、４は機台１前方に装架された刈取搬送部であ
る。

５は脱穀機の扱室で、その前壁６、後壁７間に
扱胴８が軸架されており、９は扱室５上部に設け
たシリンダーカバー、１０は扱室５下部に扱胴８
を囲むように湾曲させて張設した受網である。６
ａは前壁６の下部に開口した穀稈供給口で、その
下縁は受網１０に沿つて湾曲形成してあり、７ａ
は後壁７の下部に開口した穀稈排出口で、穀稈供
給口６ａと穀稈排出口７ａとは機体の一方の側壁
１１に開口した扱口１２により連通させてある。
１２ａは扱口１２の上唇に取付けた上唇板であ
る。

１３は扱室５内で穀稈供給口６ａ側の扱口上方
隅部に設けた入口指向板で、平面視三角形をなし
た斜面を扱室５内方に指向させるようにして二辺
を夫々前壁６、側壁１１に固着させてあり、扱室
５始端部で発生した穀粒や屑の機外飛散を防止す
ると共に前壁６と側壁１１の連結を強化するもの
である。又、１４は穀稈排出口７ａ側の扱口上方
隅部に設けた出口指向板で、前記入口指向板１３
と同様に斜面が扱室５内方に指向させてあり、穀
稈へのささり粒による機外飛散を防止し、後壁７
と側壁１１の連結を強化するものである。

１６は側壁１１の外方で扱口１２下縁に沿わせ
て設けたアンダーチエンタイプのフイードチエン
で、扱室５より前方に延出させた部分１６ａは前
低後高に傾斜させてある。１７はフイードチエン
１６に対向してその上方に設けたガイドレールで
ある。

１８は扱室５下方に設けた送風フアン、１９は
扱室５後方の四番漏斗２０をへだててその後方に
設けた排塵室で、送風フアン１８と排塵室１９間
に形成される選別室には揺動選別体２１が装架さ
れている。

２２は排塵室１９の上方に設けた排稈チエン
で、その始端部はフイードチエン１６の終端部に
連設され、終端部は後方の機外に臨ませてある。

２３は穀稈供給台で、第３図〜第５図に示す如
く前壁６に設けた穀稈供給口６ａの下縁に沿つて
下向きに湾曲形成して前方に延出させてあり、該
供給台２３のフイードチエン寄り部分を扱室５側
の角部Ａからフイードチエン反対側の先端部Ｂに
向かう斜線で下方に折り曲げ線が稜線２３ｂとな
る三角状の傾斜面２３ｃとなるよう形成されてい
る。

２４はフイードチエン１６に対して反対側に立
設した操作カバーで、操作レバー２５が上方に突
出しており、上記穀稈供給台２３の反フイードチ
エン側端部は操作カバー２４の内側の側板に取付
けてある。

２６は可撓体よりなる穀粒飛散防止板で、穀稈
供給口６ａより前方に、間隔をへだてて上部を機
体より突設した支持杆２７に吊支して垂下させて
あり、その折り曲げたフイードチエン側部分２６
ｂは、傾斜面２３ｃの稜線２３ｂに沿わせて扱室
５側に向け斜設されている。

２８は燃料タンクで、上記支持杆２７の上方に
取付けてある。２９は刈取搬送部４に設けた穂先
部揚上搬送装置でその終端部は穀稈供給台２３の
始端部に臨ませてある。３０は株元部揚上搬送装
置で、その終端部はフイードチエン１６に近接さ
せてあり、３０′は該搬送装置３０より後方のフ
イードチエン１６上まで延出させた案内バーであ
る。

本考案はこのように構成されており、刈取搬送
部４の株元部揚上搬送装置３０及び穂先部揚上搬
送装置２９に株元部及び穂先部を夫々搬送されて
きた穀稈はフイードチエン１６に受継がれ、フイ
ードチエン１６と案内バー３０′に挾持されなが
ら後方上方に移送され穀稈供給口６ａから扱室５
内に導かれる。

その際株元部はフイードチエン１６の傾斜に沿
つた三角状傾斜面２３ｃ上で案内されながら移送
されるので穀稈の姿勢が乱れたり停滞したりする
ことなく、又、穀粒飛散防止板２６は穀稈の通過
に追従して扱室５方向に撓むから穀稈は円滑に扱
室５に供給される。

そして扱室５内で脱穀されて穀稈供給口６ａか
ら外方に飛散しようとする穀粒は穀粒飛散防止板
２６に突き当たつて穀稈供給台２３上に落下せし
められ、後続の供給穀稈により扱室５内に掻き込
まれるが、特に穀粒飛散防止板２６のフイードチ
エン側部分２６ｂが三角状傾斜面２３ｃの稜線２
３ｂに沿つて扱室側に向け斜設されているから飛
散粒は穀粒飛散防止板２６のこの部分２６ｂに遮
られて傾斜面２３ｃ上に落下することなく穀稈供
給台２３上に落下し確実に扱室５内に回収され
る。

（考案の効果） 本考案においては、フイードチエン１６の扱室
５より前方に延出させた部分１６ａを前低後高に
傾斜させてその始端部の高さを低くなしたことに
より刈取搬送部４を小型化し得るものであり乍
ら、穀稈供給台２３のフイードチエン側をフイー
ドチエン１６の傾斜に沿う三角状傾斜面２３ｃに
形成したことにより、フイードチエン１６に受け
継がれた穀稈は、その株元部を上記傾斜面２３ｃ
上で案内されるから姿勢が乱れたり停滞すること
なく円滑に扱室５内に導かれるものであり、又、
穀粒飛散防止板２６のフイードチエン側を三角状
傾斜面２３ｃの稜線２３ｂに沿わせて扱室側に向
け斜設したことにより、穀稈供給口６ａより外方
に飛散しようとする穀粒は上記傾斜面２３ｃへは
落下せず穀稈供給台２３上に落下し、後続供給穀
稈により確実に扱室５内に掻込み回収される等の
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したものであつ
て、第１図は本考案装置を施したコンバインの側
断面図、第２図は要部の平断面図、第３図は要部
の斜視図、第４図は穀稈供給台の斜視図、第５図
は第４図Ｅ−Ｆ断面図、第６図は脱穀機の正断面
図、第７図は扱室の指向板取付部を示す平断面
図、第８図はその斜視図である。 ３……脱穀機、５……扱室、６……前壁、６ａ
……穀稈供給口、１６……フイードチエン、２３
……穀稈供給台、２３ａ……穀稈供給台の一辺、
２３ｂ……稜線、２３ｃ……傾斜面、２６……穀
粒飛散防止板、２６ｂ……穀粒飛散防止板のフイ
ードチエン側部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下扱脱穀機３の扱室５側方に設けたフイードチ
   エン１６の扱室５より前方に延出させた部分を前
   低後高に傾斜させると共に、扱室５の前壁６には
   下向きに湾曲開口した穀稈供給口６ａを形成し、
   該供給口６ａの下縁に沿つて前方へ穀稈供給台２
   ３を延設したものにおいて、穀稈供給台２３のフ
   イードチエン側を、扱室側の角部から前方のフイ
   ードチエン反対側に向かう斜線で下方に折り曲
   げ、一辺２３ａがフイードチエン１６に沿い、折
   り曲げ線が稜線２３ｂとなる三角状傾斜面２３ｃ
   を構成する一方、穀稈供給口６ａより前方に、間
   隔をへだてて上部を機体に吊支して垂下させた可
   撓体よりなる穀粒飛散防止板２６のフイードチエ
   ン側部を上記稜線２３ｂに沿わせて扱室側に向け
   斜設したことを特徴とするコンバイン用脱穀機に
   おける穀稈供給装置。