JPH0137194Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ポンプ軸に装着されたメカニカルシ
ールのシール部の損耗を防ぎ、かつ押圧力を調整
するためのポンプのメカニカルシール装置に係る
ものである。

従来、ポンプ軸にメカニカルシールを装着する
場合には、このメカニカルシールはポンプケース
に連接固着するシールケース部内に嵌合して設け
られていた。メカニカルシールのシール部は超硬
合金で製作された軸側のシールリングとケース側
のフローテイングシートよりなり、シールリング
を弾機によつてフローテイングシートに押圧する
ことによつて密封せしめていた。この押圧力は弾
機の長さを調節することによつて調整され、押圧
力が小さいと液洩れを生じ、押圧力が大きいと異
常な摩耗、発熱を生ずることがあつた。ポンプの
組立後のテストあるいは使用中に異常を発見した
場合には、ポンプを分解して、この押圧力の調整
を行なう必要があり、作業が厄介であつた。

また、メカニカルシールを収容するシールケー
ス部内はポンプケース内に連通しているので、砂
塵等を含んだ水を送水する場合には、この水にシ
ール部が侵漬され、シール部の摩耗を早める原因
となつていた。

本考案は、このシールケース内とポンプケース
内との間のポンプ軸の外周を密封するシールを設
け、シールケース内に高圧水を給水する給水孔
と、シール部に対応する位置に開口する窓部を密
封するカバーを設けることによつて、送水中に含
まれる砂塵がシールケース内に侵入することを防
ぐとともに、砂塵がシール内に侵入することも防
いでシールおよびメカニカルシールの損耗を防
ぎ、さらに、シール部の押圧力を調整するための
調整部に対応する位置に、開口して窓部を密封す
るカバーを設けることにより、ポンプケースを分
解することなく、この窓部からシール部の押圧力
を調整することを可能とし、調整作業を容易にし
て作業能率を向上しようとするものである。

以下、図面により本考案の１実施例について詳
細な説明を行なう。

図において、１はポンプケース３の軸受ケース
部５において回転自在に軸支されたポンプ軸、７
はキー９を介してポンプ軸１に固着されたポンプ
羽根、１１はポンプケース３のシールケース部１
３内に装着されたメカニカルシールで、つぎのよ
うに構成されている。すなわち、１５はシールケ
ース部１３に内部から嵌合し、ノツクピン１７に
よつて固定されたフローテイングシートで超硬合
金で製作され、Ｖリング１９、Ｖリング押え２１
によつてシールケース部１３に対して密封されて
いる。２３はフローテイングシート１５と密封、
当接して回転するシールリングで、超硬合金より
なり、ドライブカラー２５、Ｖリング押え２７、
Ｖリング２９を介して弾機３１によつてフローテ
イングシート１５に押圧されている。すなわち、
フローテイングシート１５とシールリング２３と
により、メカニカルシール１１のシール部３２が
形成されている。３３はポンプ軸１の外周に、パ
ツキン３５によつて密封されて嵌合する軸筒で、
ポンプ羽根７とともに、締付ナツト（図示せず）
によりポンプ軸１に固着され、Ｖリング２９によ
つてシールリング２３との間を密封されている。
３７は弾機３１の他端を係止するストツパリング
である。３９は弾機３１の押圧力を調整する調整
部で、ストツパリング３７を半径方向に貫通して
螺合する固定ねじ４１により、ストツパリング３
７を軸筒３３の適宜位置に固定して弾機３１の長
さを調整するものである。４３はシールケース部
１３内にねじ４５によりパツキン４７を介して固
着された内蓋で、内径部にスナツプリング４９に
よつて固定されたシール５１が設けられている。
５３はシール５１の回転止め用のストツパピンで
ある。５５は調整部３９に対応する直上位置に、
シールケース部１３に開口する窓部で、外部から
調整部３９の操作が可能な形状に形成されてい
る。５７は窓部５５をねじ５９，５９によつて着
脱自在に密封するカバーで、フラシング用の水の
給水管（図示せず）を接続する給水孔６１が設け
られている。６３はポンプ軸１に固着された水切
り板である。

以上の実施例において、ポンプ軸１が回転する
とポンプ羽根７が回転してポンプ作動が行なわれ
る。給水孔６１から給水される高圧水により、シ
ールケース部１３内の水圧がポンプケース３側よ
り高いので、ポンプケース３側から、水中に混じ
た砂塵等がシール５１に侵入してシール５１の摩
耗を早めることがなく、またシールケース部１３
内に侵入してシール部３３の摩耗を早めることが
ない。またＶリング２９によつてポンプ軸１に密
封され回転するシールリング２３と、シールケー
ス部１３にＶリング１９によつて密封されて固定
されたフローテイングシート１５との間で密封さ
れて、シールケース部１３の外部に水が漏洩する
ことがない。もし水漏れ、発熱等によつて、弾機
３１の押圧力を調整するに必要が生じた場合に
は、ねじ５９，５９を外ずして、カバー５７を取
り外ずし、窓部５５からねじ４１を弛めてストツ
パリング３７を適当な位置に移動してのち、ねじ
４１を締めて固定するものである。なお、カバー
５７を合成樹脂等の透明な材料で形成すれば、カ
バー５７を外ずすことなく、シール部３３の摩耗
状態を知ることもできるものである。

本考案によれば、送水中に含まれる砂塵によつ
てメカニカルシールのシール部が損耗することを
防ぐとともに、ポンプケースを分解することなく
容易にシール部の押圧力を調節することができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の側断面図である。 １…ポンプ軸、３…ポンプケース、１１…メカ
ニカルシール、１３…シールケース部、３２…シ
ール部、３９…調整部、５１…シール、５５…窓
部、５７…カバー、６１…給水孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポンプケース３を貫通するポンプ軸１を囲つて
   シールケース部１３を連接して設け、前記シール
   ケース部１３内と大気との間のポンプ軸１の外周
   を密封するメカニカルシール１１を設け、前記シ
   ールケース部１３内と前記ポンプケース３内との
   間のポンプ軸１の外周を密封するシール５１を設
   け、前記シールケース部１３内に高圧水を給水す
   る給水孔６１を設けるとともに、前記メカニカル
   シール１１のシール部３２の押圧力を調整するた
   めの調整部３９を設け、前記シールケース部１３
   の、前記調整部３９と対応する位置に開口する窓
   部５５を密封するカバー５７を設けたことを特徴
   とするポンプのメカニカルシール装置。