JPH0137050Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建築、構築物における乾式外装材から
なる内、外壁のコーナ部材である入隅部材に関す
る。特に、入隅部材を装着した際に、釘頭が外部
に露出せず、かつ、入隅部材の化粧面を打設する
ことなしに装着しうる入隅部材に係る。

従来から使用されているコーナ用部材、特に入
隅部材としては第１図に示す形状となつていた。
すなわち、入隅部材Ａは外壁材Ｂが直交する部分
を覆うように釘Ｃを介して固定されていた。その
ため、外壁の外観には釘頭が露出していたり、釘
頭を塗膜で被覆した状態になつていた。このため
前者の構造では、外観が悪いばかりでなく、風雨
により釘頭が錆たり、固定部から雨水が内部へ侵
入し構成材を腐食する欠点があつた。勿論、錆が
経時的に周囲を汚すものであつた。さらに、入隅
部材を固定する時に釘を外表面から打設するた
め、入隅部材自体の表面を極端に損傷する欠点が
あつた。

本考案はこのような欠点を除去するため、釘頭
を外壁材より下層に位置するような構造とし、外
壁、入隅部材の外表面には釘頭が一切表われない
ようにすると共に、弾性を介して外壁表面と接触
して防水、防雨、およびカバー機能を発揮する入
隅部材を提供するものである。

以下に図面を用いて本考案に係る入隅部材の一
実施例について詳細に説明する。第２図ａ，ｂは
本考案に係る入隅部材の一実施例を示す斜視図と
施工状態を示す説明図である。図において、１は
入隅部材で１枚の長尺金属製板材、例えば表面処
理鋼板、アルミニウム板を折り曲げて形成したも
のである。２はカバー部で垂直化粧面３と水平化
粧面４とを直角に形成し、その両化粧面の端部に
舌片５，６を設けたものである。舌片５，６は各
化粧面３，４の背面側、所謂外方に両化粧面３，
４の延長線に対し鋭角で折り曲げたものである。
この舌片５，６は主に内、外壁材Ｐの板厚の変化
に対応できるための逃げと内、外壁材Ｐとカバー
部２の背面が密着するのを防止して毛細管現象を
阻止すること、および弾力性を利用して安定性と
内、外壁材Ｐの保持力を強化するためのものであ
る。７は本体部で直角に配設した補強面８と固定
面９とからなり、補強面８は舌片５の先端を外方
に屈曲すると共に、水平化粧面４の背面に沿つ
て、例えば接触するような状態で積層するもので
ある。その大きさ₁は内、外装材Ｐの板厚ｔと
水平化粧面４の幅l₃と舌片６の高さh₁を合算した
寸法位である。また、固定面９は補強面８の突出
した部分の端縁を直角に折り曲げ、垂直化粧面３
と略平行にかつ、前記垂直化粧面３端縁より突出
した大きさに形成したものである。この突出した
部分は第２図ｂに示すように入隅部材１を胴縁１
０に釘Ｎを介して固定するためのものである。１
１は舌片で固定面９の先端を内方に屈曲したもの
であり、危険防止と補強の機能を有する。

次に施工例につき説明する。例えば第２図ｂに
示すように住宅の外壁として金属サイデイング材
Ｐ（厚さ25mm）が胴縁１０′側に２点鎖線で示すよ
うに施工され、そのコーナ部を入隅部材１で被覆
すると仮定する。また、入隅部材１は0.3mm厚の
塩ビ鋼板を第２図ａに示す断面に成形し、長さを
3636mmとしたものを用いる。なお、入隅部材１は
例えばｈ＝30mm、l₁＝72mm、l₂＝60mm、l₃＝42mm、
h₁＝４mmとしたものである。そこで、入隅部材１
の固定面９の背面９ａを胴縁１０′に接触させ、
矢印イ方向に平行移動し、舌片５が金属サイデイ
ング材Ｐ（２点鎖線で示す）の表面に当接した位
置よりも幾分矢印方向に押圧した位置で釘Ｎを介
して固定面９を胴縁１０″に固定する。次に矢印
イ方向に、連結部を切断し直角切断面とした金属
サイデイング材Ｐ（１点鎖線で示す）を垂直化粧
面３と固定面９間に挿入し、その雌型連結部を釘
Ｎで胴縁１０″に固定する。以下、金属サイデイ
ング材Ｐを順次連結すれば入隅部外壁が完成す
る。このように構成したコーナ部では釘Ｎの頭が
入隅部材１の外表面に全く露出せず、しかも入隅
部材１の化粧面には一切打痕もなく美しい外観と
なつていた。また、金属サイデイング材Ｐと入隅
部材１の力関係は固定面９の一端部を固定し、他
は相互に連結する構造のため弾力下で金属サイデ
イング材Ｐを押さえると共に、風雨の侵入を阻止
するものである。

以上説明したのは本考案に係る入隅部材１の一
実施例にすぎず、第３図ａ〜ｄに示すように形成
することもできる。

上述したように本考案に係る入隅部材によれ
ば、入隅部材の化粧面に固定用の釘頭が一切露
出せず、美しい外観とすると共に、耐久性を向上
させる。１枚の金属製板材を相互に力が関連す
る形状に形成したため、脱落、間〓の形成もな
く、かつ、防水性にもすぐれる。施工は簡単で
あり、高能率に施工できる。等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来から使用されている入隅部材の一
例を示す説明図、第２図ａ，ｂは本考案に係る入
隅部材の一実施例を示す斜視図と施工状態を示す
説明図、第３図ａ〜ｄはその他の実施例を示す斜
視図である。 １……入隅部材、２……カバー部、３……垂直
化粧面、４……水平化粧面、７……本体部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製板材を直角に折り曲げて垂直化粧面と水
   平化粧面を形成すると共に、両端部を中心角の面
   と反対側に、かつ前記両化粧面の延長線に対して
   鋭角に折り曲げて舌片を設けたカバー部と、前記
   水平化粧面の舌片端を水平化粧面の背面に沿つて
   該水平化粧面端縁より突出した大きさに補強面を
   形成し、該補強面の先端を直角に折り曲げると共
   に、前記垂直化粧面と略平行、かつ垂直化粧面よ
   り突出する大きさとした固定面を設けた本体部と
   から構成したことを特徴とする入隅部材。