JPH0137024Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は床フランジにより排水管と接続されて
床面上に据付けられる水洗式便器、特に便器本体
を床フランジに固着せしめるボルト−ナツトの係
合部分を便器本体下部に食込むように形成された
開口凹部内に設けるようになし、さらに同開口凹
部を蓋によつて閉塞するように構成した水洗式便
器に関する。

従来、床面上に据付けられる水洗式便器は第４
図及び第５図に示すように便器本体３０の下端部
の台座３１を両側方に所要幅形成して、この台座
３１部に排水口３４をはさんで両側方にボルト挿
通用の開口を設けて、排便管に固着される床フラ
ンジ３５にボルト−ナツト３２締結により取付け
られる構成となつている。このような取付構造の
便器においてはボルト−ナツト締結部が外部に露
出している必要があるので、通水路３３壁及び便
鉢３６壁がそのまま便器本体３０の側外壁を形成
しており、排水流路と外部が単壁により分離され
るような構造となしている。しかし排水流路と外
部とが単層壁のみで区画分離されていると、排水
流路内の洗浄水温度が低く外部温度がある程度高
くて湿度も高いような場合にはその温度差により
洗浄水溜水域部分の外壁に結露を生じるという問
題がある。特にトラツプ部を有して溜水しておく
構成の水洗式便器においては上記の結露現象が頻
繁に起きている現状である。

また取付用のボルトやナツトが外部に露呈する
ので外観も良くないという面もあつた。

本考案は上記の問題を解消しようとするもの
で、便器本体の略半下部をなす台座の両側下部に
床フランジと便器本体とを接続するボルト−ナツ
トを互いに締結可能となるような開口凹部を設
け、さらに同開口凹部を蓋体により閉塞して台座
側壁面と面一状態となすことにより、二重壁構造
によつて外壁面での結露を防止するとともに便器
本体の外観を整えるようにすることを目的とする
ものである。

本考案の水洗式便器は、以上の目的を達成する
ために、排便管の上端周りと便器本体の排水口周
りとを床フランジによつてシールして接続し、該
床フランジから立ち上げたボルトを便器本体の底
部壁に差し込むと共にナツトによつて固定する水
洗便器であつて、前記便鉢から前記排水口までの
排水路及び前記底部壁を含めて囲む台座を該排出
路の周りに空間を介在させて形成し、前記台座の
下端部周壁から前記床フランジに立ち上げたボル
トが挿通する部分の前記底部壁にかけてを抉つて
開口凹部を形成すると共に、該開口凹部を前記ボ
ルトへのナツトの螺合スペースとし、更に前記台
座の周壁と面一となる蓋体を前記開口凹部に着脱
自在に取り付けたことを特徴とする。

また、蓋体の裏面には開口凹部の縁部に密着す
る両面接着テープを貼り付けておけば、簡単な構
造で蓋体を開口後部に対して着脱できる。

以下、第１図から第３図に示す一実施例に基い
て説明すれば、便器本体１は便鉢２、同便鉢２の
中央部下端側に形成される溜水部３と隔壁４，５
により構成されるトラツプ部Ｔ、両隔壁４，５に
より形成されるトラツプ排水路６及び下向きに開
口される排水口７とにより洗浄水流路をなし、洗
浄水は便座８の全周に形成されるリム通水路９に
設けられたリム射水孔１０から便鉢２へ供給され
る。尚本実施例は防露型便器であり、トラツプ部
Ｔに溜水する洗浄水水位より所要量高い位置まで
この溜水域全体を囲うような空間Ｓを形成できる
二種壁構造となつている。１１は前面側底部に空
間Ｓを供するべく取付けられる発泡ポリウレタン
材等よりなる断熱材である。

１２は便鉢２を下側から支持するような側周壁
をなす台座１３の両側下部に凹設される開口凹部
で、同開口凹部形成壁は空間Ｓと上部、及び便器
本体１前後方向の両側壁により区画し、トラツプ
部Ｔ及び排出口７付近と内奥部壁１４により区画
するもので、底部壁１５にはボルト挿通用の開口
１６が穿設される。この底部壁１５から便器本体
１中心側には下方に突出する環状突部１７が台座
１３下端と同一面をなすように形成され、排便管
Ｅとの接続を確実なものとなるようにしており、
さらに台座１３下端から便器本体１を所要の円弧
を形成して横切るような第１突壁１８がまた便器
本体１の前側には第２突壁１９が同様に台座１３
と同一面状に形成され、床フランジＦを上記第
１、第２突壁１８，１９及び台座１３の一部両側
部により囲み込むことができる。

便器本体１は床フランジＦを挿通してとりつけ
られるボルトＢと開口凹部１２の底部壁１５上に
位置するナツトＮとの締結により行なうが、底部
壁１５より突出するボルトＢの螺子部にナツトＮ
を螺合するだけで簡単にでき、開口凹部１２の大
きさはナツトＮを回動させるスパナ等の頂部がは
いり込める程度のスペースを確保できるようにし
ておけばよい。

便器本体１の固着後、開口凹部１２の開口縁に
嵌合するとともに同開口凹部周縁の台座１３外側
面と面一状となる蓋体２０を取付けるが、この蓋
体２０は例えば両面接着テープ２１等を用いて接
着するようになせば外面に取付用のビス等が露出
せず、外観を損なうことがない。

また開口凹部１２内に所要の断熱材を充填すれ
ばトラツプ部Ｔと蓋体２０間の断熱が良好となり
蓋体２０外面に結露することを完全に防止でき
る。

尚、本実施例は水洗式大便器に関して述べた
が、床面上に立設されるストール小便器等にも、
台座下部に開口凹部及び蓋体を設け、この開口凹
部内でボルト−ナツト締結をなすように構成すれ
ば上記と同様の効果を奏するものである。

以上のように本考案によれば、便器の据付基部
の取付用のボルト−ナツトが露出しないので便器
本体の外観が良くなるとともに、二重壁構造とな
したので本体外部に結露を生じることがないとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る水洗式便器の一実施例を
示す腰掛式大便器の側断面図、第２図は同第１図
−線矢視図、第３図は便器本体の斜視図、第
４図は従来の便器据付例を示す側面図、第５図は
第４図の−線矢視図である。 １……便器本体、２……便鉢、６……トラツプ
排水路、７……排出口、１２……開口凹部、１３
……台座、２０……蓋体、Ｂ……ボルト、Ｎ……
ナツト、Ｆ……床フランジ、Ｅ……排便管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 排便管の上端周りと便器本体の排出口周りと
   を床フランジによつてシールして接続し、該床
   フランジから立ち上げたボルトを便器本体の底
   部壁に差し込むと共にナツトによつて固定する
   水洗便器であつて、前記便鉢から前記排出口ま
   での排出路及び前記底部壁を含めて囲む台座を
   該排出路の周りに空間を介在させて形成し、前
   記台座の下端部周壁から前記床フランジに立ち
   上げたボルトが挿通する部分の前記底部壁にか
   けてを抉つて開口凹部を形成すると共に、該開
   口凹部を前記ボルトへのナツトの螺合スペース
   とし、更に前記台座の周壁と面一となる蓋体を
   前記開口凹部に着脱自在に取り付けたことを特
   徴とする水洗式便器。 ２ 蓋体はその裏面に両面接着テープを貼り付け
   ていることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の水洗式便器。