JPH0136509Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は搬送車上の担架を医療用浴槽等に容易
確実に移乗させて湯浴させるべく搬送車を浴槽側
部の所定位置に係止固定する連結装置に関するも
のである。

従来から、歩行困難な下肢障害者や長期病臥者
等の患者は担架に抑臥した状態で搬送車により移
送され、担架に抑臥したまゝ浴槽に湯浴させるシ
ステムが使用されている。斯かるシステムには搬
送車上のレールに滑走体を介して移動可能な担架
が装着される一方、浴槽内には担架が移乗して湯
水内を昇降するレールが設けられている。ところ
が担架を安全に移乗させるためには両レールが軸
線上に整合し且つ機械的に接続させることが必要
である。従つて、搬送車のレールには連結レール
を折畳み自在に枢着させる一方浴槽側のレールに
は連結レールを導入する案内部材や掛止部材を設
けていた。しかしながら、浴槽と搬送車との間の
中央部に設けた連結レールを看護者が両側部から
身体を乗り出して接続操作したり、連結レールの
相対向する搬送車の側から該搬送車を前後左右に
移動調節するという極めて煩瑣な操作をしなけれ
ば連結することができなかつた。

本考案は上記の如き欠陥を一掃したものであつ
て、浴槽の１側床面傍に受枠を固設する一方、搬
送車の脚枠には一対のローラとその中央部に係止
杆を設け、搬送車を押送して両ローラを受枠外面
に接触させ、該接触状態を保持しながら横方向に
移動すれば係止杆の端部突起が受枠の傾斜面に摺
動案内されながら中央部の凹所に嵌入係合して搬
送車は浴槽に連結固定され、この連結固定された
とき、浴槽のローラレールと搬送車のローラレー
ルとが相互に間隔を有した位置で整合するので、
担架は滑走体を介して自在に移乗することができ
る構成としたものである。以下本考案の一実施例
を添附図面に基いて説明する。

１は昇降する浴槽であつて、該浴槽の一端壁側
は浴槽昇降機構を収納した筐体２が設けられ、該
筐体２の下部面側より平行な基枠３が平行に配設
される。筐体１の前壁４より昇降機構と一体的に
設けられて上下駆動される平行な１対のアーム５
が水平に突出し、この両アーム５に浴槽１の両側
部を支持されている。前記両基枠３間に装架した
梁材６の中央部より浴槽底壁を水密に摺動貫通し
た支柱７を起立し、その上端には取付板８とその
両端の支持部材９を介して複数のローラ１０と枠
板１１とからなる一対のローラレール１２を配設
する。一方前記基枠３は断面が方形に形成され、
その上面には受枠１４が固設される。この受枠は
中央部の僅かな平面部分に凹部１５が穿設され、
両端方向に緩やかな案内傾斜部１６が形成される
と共に外側部にも案内傾斜部１７が形成されてい
る。この受枠１４は基枠３に設けられているが、
特にこの構成とすることはなく、ローラレール１
２が水圧シリンダ等で支持されることにより上下
動するように構成すると固定浴槽を用いればよ
く、このような浴槽には基枠３と受枠１４とが１
体化したものを単に浴槽側壁部分に取付部材を介
して固着すればよい。

前記浴槽に受枠１４を介して連結する搬送車２
０は４隅にキヤスター２１を有する脚枠２２が形
成され、該脚枠２２の両側枠部２３間に差渡した
一対の横枠２４には台板２５を装架する。台板２
５上には支柱２６を起立し、支柱上端に固着した
取付板２７と支持部材２８とを介して一対のロー
ラレール２９が配設される。このローラレール２
９は前記浴槽内に設けられたローラレール１２と
全く同一構造のものである。

前記ローラレール２９に装着される担架３０は
長方形状のフレーム３１に湯水が通過する複数の
長孔３２を穿設した載置板３３が固設され、フレ
ーム３１の両側フレーム部分間の下面には断面Ｌ
字形状の一対の滑走体３４が相対向して設けら
れ、両滑走体３４の水平部が両側の列状ローラ１
０上に滑動自在に載置される。そして図示してい
ないがロツク機構によりローラレール２９上に固
定されるが、ロツク機構を開放して軽く看護者が
押すと担架はローラレール上を滑走移動する。

前記搬送車の下部の台板２５下面には両側部に
耳片３６を有する取付金具３７を固着し、該両耳
片３６には係止杆３８の中央部に上向きに設けた
両耳片３９が支軸４０で枢着される。係止杆３８
の耳片３９の両側部分には同一構造の圧縮ばね４
１が固設され、該ばね４１の上端は取付金具３７
に固設されている。係止杆３８の両端に両側枠２
３より外側方に突出し、その端部下面には突子４
２が設けられる。この係止杆３８は同一構造のば
ね４１で押圧されているので水平を保持してい
て、外力により端部が上下動してもまた水平状態
に復帰する。更に前記両側枠２３の横枠を取付け
た部分より外側方に突出させた取付部材４４の先
端にはローラ４５を回動自在に設ける。

以上の如く構成した本考案の作用を説明する。

病室ベツト上の患者は搬送車２０のローラレー
ルに装着した担架３０に移載される。それから、
浴室の浴槽近傍に押送されてくると浴槽１に横着
けするように平行に搬送車２０を配置し、搬送車
の１側に設けた１対のローラ４５を基枠３の外側
面に接触させて車体を移動すると係止杆３８の突
子４２は傾斜面１７より滑り上つて両傾斜面１６
の何れかの上面を摺動しながら、ばね４１の弾力
に抗して上方へ押し上げられてゆく。そして、中
央に設けた凹部１５に達すると、これに弾力的嵌
合し、浴槽１と搬送車２０とは連結される。この
連結状態のとき浴槽１内の１対のローラレール１
２と搬送車２０の１対のローラレール２９とは同
一直線上に整合する。そして、搬送車上の担架３
０を看護者がロツク機構を外して軽く押すと、滑
走体３４はローラレール２９上を走行してその先
端がローラレール２９先端より張り出してゆくが
次のローラレール１２のローラ上に乗り移り、担
架３０の全体がローラレール１２上に移乗したと
きロツク機構が自動的に作用して停止固定され
る。それから、昇降機構により浴槽１は第２図の
一点鎖線で示す位置まで上昇し患者は湯水中に浸
漬されて湯浴する。患者の湯浴中は図示していな
いが浴槽底壁に設けた気泡発生装置によりマツサ
ージしたり、医療手段を施こす。湯浴が終了する
と浴槽を下降して担架を搬送車に移乗する。

以上の如き作用を有する本考案装置は搬送車一
側の一対のローラを基枠外側面に接触させると浴
槽と搬送車の軸線が平行となり、更にこの状態で
搬送車を単に移動することのみからなる容易な操
作によつて凹部に突子が嵌合して相互が位置決め
固定され、両者のローラレールを整合させること
ができる。

更に浴槽と搬送車とのローラレールが整合する
と浴槽側壁が上下動するために両レールの内側端
間は滑走体の長さの1/3程度の間隔を有していて
も担架はレールより脱落するような危険性がなく
相互に乗り移ることが可能である。従つて、従来
医療用浴槽装置に設けた連結レールの如く煩雑な
接続操作がなく、浴槽の上下動や浴槽内のレール
を上下昇降する場合においてもその度ごとに連結
レールの取外し操作をなす必要がないようになつ
た。

また、浴槽と連結した搬送車を解除する場合は
看護者が係止杆の他側端を単に足で押圧すること
のみにより突子は凹部から脱出させることができ
る。

また更に搬送車の両側部の何れの側を浴槽両側
の何れの側にでも連結することができるので、第
１の湯浴患者が浴槽の一方の側より退浴するとき
は既に第２の患者が浴槽の他方側に搬送車を連結
させて入浴させることができ、多数の入院患者の
湯浴を迅速、短時間に操作終了させることができ
る。

本考案連結装置は搬送車の担架用ローラレール
が浴槽に設けたローラレールと整合するようにし
ているが、特に浴槽に限定する必要はなく、例え
ば手術台、リバビリテイシヨンの訓練台にローラ
レールを装着してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を装着した浴槽と担架付搬
送車の一部切欠平面図、第２図は第１図の一部切
欠正面図、第３図は浴槽と搬送車の要部拡大斜視
図である。 １…浴槽、２…筐体、３…基枠、７…支柱、１
２，２９…ローラレール、１４…受枠、１５…凹
部、２０…搬送車、３０…担架、３４…滑走体、
３８…係止杆、４２…突子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 昇降浴槽を摺動自在に貫通する支柱上端には
   担架移乗用のレールを設け、浴槽の外側部には
   浴槽と平行な外側面を有する水平な受枠を設
   け、該受枠は中央に凹部を有し両端側が低くな
   る案内傾斜面を有し、一方、前記浴槽と連結す
   る搬送車は上部に担架移乗用レールを設けると
   共に脚枠の中心には両端下面に突子を有して車
   体の横方向に張出した係止杆の中心部を上下方
   向揺動自在に枢着し、該枢着部の両側には同一
   構造の弾性部材を脚枠部材との間に装着し、更
   に、脚枠の両側縁部分で前記係止杆の両側方の
   位置には夫々一対の案内ローラを設け、該一対
   の案内ローラが受枠の外側面に接触して突子が
   前記凹部に嵌合したとき前記浴槽のレールと搬
   送車のレールとが直線上に整合する構成とされ
   ていることを特徴とする医療用浴槽と担架搬送
   車との連結装置。 (2) 前記受枠外側面の上部域には案内傾斜面を形
   成していることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第(1)項記載の医療用浴槽と担架搬送車と
   の連結装置。