JPH0136438Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、椅子とくに学習机や食卓テーブル
等に使用される椅子に関する。

従来の技術 従来、この種の椅子として、例えば実開昭58−
34655号に示されるように、各１対の前後脚部を
有する左右の支持脚体と、その前後脚部に列設さ
れた上下方向に複数個の固定ボルト挿通孔の任意
高さのものを貫通する左右に１対の固定ボルトに
より前記支持脚体に高さ位置変更自在に固着され
た座板と、前記後脚部間に固着された背もたれ板
とよりなる型式の椅子が知られている。

考案が解決しようとする問題点 この種の椅子は、使用者の体格にあわせて座板
の高さを任意に変更しえて便利であるが、座板の
有効奥行き、即ち座板の前端から背もたれ板まで
の距離や背もたれ板の座板に対する高さ位置は変
更しえない。したがつて、たとえば体格の小さい
子供のために座板の高さを低く設定したとして
も、座板の有効奥行きは一定であり、背と背もた
れ板との間が広すぎたり、また背もたれ板の座板
に対する高さが必要以上に高すぎたりして、結局
背もたれ板を有効使用しえない不都合の生じるこ
とがある。このような場合に背もたれ板を使用し
ようとすればいきおい不自然な姿勢をとらざるを
得ず、ひいては疲れ易くあるいは又悪い姿勢で座
る習慣がついたりする恐れがあつた。

而して、この考案は、好適な着座姿勢を得るに
は使用者の体格にあわせて座板の高さ位置のみな
らず、座板と背もたれ板との相対的な位置関係を
も調整する必要があるとの認識のもとになされた
ものである。その目的とするところは、座板の高
さ位置および有効奥行きを調整しうると共に、背
もたれ板の座板に対する高さ位置をも調整しうる
ようにして、使用者の体格に応じた好適な着座姿
勢を得られるようにした比較的構造簡単な椅子を
提供することにある。

問題点を解決するための手段 而して、この考案は座板を支持脚体間に高さ位
置変更自在に取付けると共に、背もたれ板支持枠
を前記支持脚体に前後位置変更自在に取付けるの
みならず、背もたれ板をも背もたれ板支持枠に上
下位置変更自在に取付けたものである。

即ち、この考案は前後脚部５，６と上水平桟部
７とをそれぞれ有する左右一対の支持脚体１，１
において前記前後脚部５，６の上部に上下方向に
複数個のボルト挿通孔９が列設され、該孔９に選
択的に挿通された左右に各１対の固定ボルト１
０，１０により前記両支持脚体１，１間において
座板２が高さ位置変更自在に取付けられる一方、
側面視略Ｌ字状の左右１対の背もたれ板支持枠
３，３がその水平部３ａに貫通された左右各１対
の固定ボルト１４，１４により前記上水平桟部７
に前後方向位置変更自在に取付けられると共に、
前記背もたれ板支持枠３の上方立上り部３ｂに上
下方向に複数個のボルト挿通孔１７が列設され、
該孔１７に選択的に挿通された左右各１対の固定
ボルト１６，１６により前記背もたれ板支持枠
３，３間においても背もたれ板４が高さ位置変更
自在に取付けられてなることを特徴とするもので
ある。

実施例 以下、この考案を図示実施例に基づいて説明す
る。

この実施例に示す椅子は、左右１対の支持脚体
１，１と、その間に取付けられた座板２と、前記
支持脚体１，１に取付けられた左右１対の背もた
れ板支持枠３，３と、その間に取付けられた背も
たれ板４とよりなる。

支持脚体１，１は、第１図ないし第３図に示す
ように、平行状に配設された前後脚部５，６の上
下に水平桟部７，８が連結された側面視略矩形状
のものである。そして、この脚体１，１は、左右
に１対対峙状に配置され、第１図に示すように、
前記前後脚部５，６の下部がそれぞれ連結棒１
８，１８により連結されている。そして、前記前
後脚部５，６の上部には、上下方向に所定間隔お
きに座板２を固定するための複数個のボルト挿通
孔９が列設され、また前記上水平桟部７，７に
は、前後方向に所定間隔おきに前記背もたれ板支
持枠３を取付けるための複数個のナツト１３が埋
設されている。

前記座板２は、第３図に示すように、その下面
の前後端に補強桟１１，１１が平行状に固着され
た平面視略正方形のもので、その補強桟１１，１
１の左右両端にはナツト１２，１２が埋設されて
いる。而して、この座板２は、第１図に示すよう
に、前記支持脚体１，１間に配設され、前記ボル
ト挿通孔９の同一高さの任意の１対に挿通された
固定ボルト１０，１０が上記ナツト１２，１２に
螺合されることにより、前記支持脚体１，１間に
おいて高さ位置変更自在に取付けられている。

前記背もたれ板支持枠３，３は、第１図に示す
ように、側面視略Ｌ字状のものであり、水平部３
ａには１対の固定ボルト１４，１４が貫通され、
又上方立上り部３ｂには背もたれ板４を取付ける
ための上下方向に複数個のボルト挿通孔１７が列
設されている。そして、上記固定ボルト１４，１
４が前記上水平桟部７に埋設されたナツト１３，
１３の任意の１対に螺合されることにより、前記
支持枠３，３が前記支持脚体１，１に前後位置変
更自在に取付けられている。この支持枠３，３間
に取付けられる背もたれ板４は、第３図に示すよ
うに、その左右両側面部４ａ，４ａに１対の埋設
されたナツト１５，１５を有するものである。そ
して、このナツト１５，１５に前記立上り部３ｂ
のボルト挿通孔１７の任意の１対に挿通された固
定ボルト１６，１６が螺合されることにより、背
もたれ板４が前記支持枠３，３間において上下位
置変更自在に取付けられている。

図中、１９は足置用の板であり、その両端が前
記前脚部５，５の内側下方に設けられた任意高さ
の段部５ａ，５ａに嵌合されて上下位置変更自在
に取付けられている。

而して、この実施例に係る椅子は、前記固定ボ
ルト１０，１４，１６の設定位置を適宜変更する
ことにより、座板２の高さ位置および座板２の有
効奥行きのみならず、背もたれ板４の座板２に対
する高さ位置をも段階的に変更しうるようになつ
ている。また、足置用の板１９の高さ位置も座板
２の高さ位置にあわせて上下に段階的に変更しう
るようになつている。

第２図は、座板２を最も低い位置に設定すると
共に、背もたれ板支持枠３，３を最も前方寄りに
設定し、かつ背もたれ板４を最も低い位置に設定
した状態を示すものである。

なお、前記背もたれ板支持枠３，３の前記支持
脚体１，１への取付けは、前記上水平桟部７に前
後方向に複数個のボルト挿通孔を列設し、該孔に
前記固定ボルト１４，１４を挿通させて前記上水
平桟部７の内側からナツトで締め付けるようにし
てもよい。

考案の効果 而して、この考案は上述の次第で、座板２が支
持脚体１，１間において高さ位置変更自在に取付
けられたものであるから、使用者の身長に合わせ
て、使用者が最も座わり易い座の高さを段階的に
選択できることはもとより、背もたれ板支持枠
３，３が上水平桟部７，７に前後方向位置変更自
在に取付けられたものであるから、該支持枠３の
取付け位置を適宜選択することにより、前記支持
枠３，３間に取付けられた背もたれ板４の座板４
に対する設定位置を前後に変位せしめることがで
き、実質的に座板２の有効奥行きを変更すること
ができる。従つて、使用者の体格に合わせて座板
２の有効奥行きを設定すれば、背もたれ板４を有
効に使用することができ、楽な着座姿勢を得るこ
とができる。

また、背もたれ板４が背もたれ板支持枠３，３
間に高さ位置変更自在に取付けられているから、
座板２に対する背もたれ板４の高さ位置をも変更
することができる。

このように、この考案によれば、子供から大人
に亘るまでの使用者の体格、特に低学年から高学
年に至る成長期にある学童の体格に応じた、より
好適な着座姿勢が得られる態様で実用に供するこ
とができる。

しかも、座板２および背もたれ板支持枠３の支
持脚体１，１への取付け、および背もたれ板４の
背もたれ板支持枠３への取付けは、いずれも固定
ボルト１０，１４，１６により行われるものであ
るため、従来品と同様に構造が簡単で強度的にも
優れたものとなしうる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すものであり、第
１図は全体斜視図、第２図は座板等の設定位置を
変更した状態を示す全体斜視図、第３図は分解し
て示した斜視図である。 １……支持脚体、２……座板、３……背もたれ
板支持枠、３ａ……水平部、３ｂ……上方立上り
部、４……背もたれ板、５……前脚部、６……後
脚部、７……上水平桟部、９，１７……ボルト挿
通孔、１０，１４，１６……固定ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後脚部５，６と上水平桟部７とをそれぞれ有
   する左右一対の支持脚体１，１において前記前後
   脚部５，６の上部に上下方向に複数個のボルト挿
   通孔９が列設され、該孔９に選択的に挿通された
   左右に各１対の固定ボルト１０，１０により前記
   両支持脚体１，１間において座板２が高さ位置変
   更自在に取付けられる一方、側面視略Ｌ字状の左
   右１対の背もたれ板支持枠３，３がその水平部３
   ａに貫通された左右各１対の固定ボルト１４，１
   ４により前記上水平桟部７に前後方向位置変更自
   在に取付けられると共に、前記背もたれ板支持枠
   ３の上方立上り部３ｂに上下方向に複数個のボル
   ト挿通孔１７が列設され、該孔１７に選択的に挿
   通された左右各１対の固定ボルト１６，１６によ
   り前記背もたれ板支持枠３，３間において背もた
   れ板４が高さ位置変更自在に取付けられてなるこ
   とを特徴とする椅子。