JPH0139480Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案はベツドに変換したり洋間に櫓こたつ
を設置するために利用することが出来るユニツト
家具用椅子に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

近時、日本の家屋には洋間が設けられることが
多く、この洋間には椅子やテーブルなどの家具を
設置するようにしている。

ところで、日本の家屋はセントラルヒーテイン
グを設備することが少ないので、冬期はストーブ
や櫓こたつによつて暖房を行なうことが多い。そ
の場合、和風間にはストーブあるいは櫓こたつの
いずれを設置してもなんら不便を感じることなく
便利に利用することができるのだが、洋間に椅子
やテーブルなどの家具の他に櫓こたつを設置する
と、この櫓こたつによつて洋間の自由空間を大き
く占有することになるため、この洋間が使いずら
くなり極めて不便である。

そこで、洋間に櫓こたつを設ける場合にこの洋
間に設置される椅子に座つて上記櫓こたつに足を
入れるようにして、上記洋間の自由空間をできる
だけ広く確保することが考えられている。

一方、複数の上記椅子を並設し、これら椅子の
座部面がなす平面をベツド面として利用すること
も考えられている。つまり、複数の椅子を櫓こた
つを設置するためや、ベツドに変換できるユニツ
ト家具として利用することが考えられている。

このようなユニツト家具としては実願昭57−
26697号に示されるものが提案されている。しか
しながら、この先行技術においてはユニツト家具
を構成する椅子の座部面が水平面に形成されてい
る。そのため、ベツドとして利用する場合には良
いのだが、利用者が着座するための椅子として利
用する場合には水平な座部面ではくつろいだ状態
の姿勢、つまり上半身を後方へ倒した姿勢を取る
ことができないから、座り心地が悪いという欠点
が生じる。

〔考案の目的〕

この考案は、座部面をベツド面として利用する
場合には水平に、着座する場合には利用者が楽に
座れるよう傾斜させることが出来るようにしたユ
ニツト家具用椅子を提供することにある。

〔考案の概要〕 この考案は、上面が前端側から後端側に向つて
低く傾斜した座部体と、この座部体の後端側に立
設された背部体と、一側面が傾斜面に形成されこ
の傾斜面を座部体の上面に接合させて載置すると
他側面がほぼ水平になるクツシヨン体とから構成
し、上記座部体の上面の傾斜角度を変えることが
できるようにしたユニツト家具を提供することに
ある。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面を参照して説
明する。第１図に示す椅子１は座部体２を備えて
いる。この座部体２の上面、つまり座部面３は前
端側から後端側に向つて低く傾斜しているととも
に、この後端側には平板状の背部体４が垂直に立
設されている。上記座部面３あるいは背部体４の
前面にはクツシヨン体５が接合される。このクツ
シヨン体５は一側面が座部面３とほぼ同じ角度で
傾斜した傾斜面６に形成され、他側面が水平面７
に形成されている。したがつて、クツシヨン体５
の水平面７を第１図に実線で示すように背部体４
の前面に接合させれば、椅子１の座部面３は後端
側に向つて低く傾斜し、背部面となるクツシヨン
体５の傾斜面６は上端側が下端側よりも後方へ倒
れた状態となる。また、クツシヨン体５の傾斜面
６を第１図に鎖線で示すように座部面３に接合さ
せれば、座部面３つまりクツシヨン体５の水平面
７が水平な状態で保持される。

このような構造の椅子１は第２図乃至第５図に
示すように利用される。つまり、第２図と第３図
は櫓こたつ１５を設置する場合で、この場合は４
つの椅子１をこれらの前面両端を接合させて設置
し、これらの前面によつて周辺部が囲まれた矩形
状の収容部１６を形成する。また、互いに隣り合
う椅子１の側面間には平面形状が椅子１とほぼ同
じ矩形で、上面が椅子１の座部面３と同じ高さに
形成された４つのスツール１７をそれぞれ設置す
る。また、上記収容部１６には上記櫓こたつ１５
を設置する。この櫓こたつ１５は下面にヒータ１
８が設けられ上記収容部１６とほぼ同じ大きさの
矩形状に形成された天板１９と、この天板１９の
下面四隅部から垂設された４本の長さ調節自在な
脚２０とから構成されている。そして、櫓こたつ
１５は４本の脚２０を収容部１６の四隅部に接合
させて設置されていて、その天板１９には周辺部
が上記椅子１の座部面３とスツール１７の上面と
で受けられた布団２１が掛けられている。また、
この布団２１の天板１９と対応する部分には化粧
板２２が載置されている。したがつて、上記収容
部１６内の熱は上記布団２１によつて外部に逃げ
るのが阻止されている。また、この場合椅子１は
その座部面３が傾斜した状態、つまりクツシヨン
体５がその水平面７を背部体４の前面に接合させ
た状態で設けられている。したがつて、利用者が
上記椅子１に着座してクツシヨン体５に寄り掛れ
ば、傾斜した座部面３とクツシヨン体５の傾斜面
とによつて上半身を後方へ倒した楽な姿勢を取る
ことができる。

一方、上記椅子１をベツドに利用する場合に
は、第３図と第４図に示すように一対のスツール
１７を並設するとともに、これらスツール１７の
両側面にそれぞれ座部体２の前端面を接合させて
４つの椅子１を設置する。また、クツシヨン体５
は傾斜面６を座部面３に接合させて載置する。す
ると、上記クツシヨン体５の水平面７が水平に保
持されるから、４つの水平面７と一対のスツール
１７の上面とが平面となり、この平面をベツド面
として利用することができる。

また、上記櫓こたつ１５はその脚２０を短かく
することによつて応接セツト用のテーブルとして
利用することができる。

〔考案の効果〕

以上述べたようにこの考案は、櫓こたつを設置
するための収容部を形成したり、ベツド面を形成
するためなどに用にられるユニツト家具の椅子
を、その座部面を前端側から後端側に向つて低く
傾斜させるとともに後端側に背部体が立設された
座部体と、一側面が傾斜面に形成されこの傾斜面
を上記座部面に接合させて載置することにより他
側面が水平となる水平面に形成されたクツシヨン
体とで構成した。したがつて、この椅子に利用者
が着座する場合にはクツシヨン体を背部体に接合
させれば、利用者は傾斜した座部面により上半身
を後方へ倒した姿勢をとることができ、またベツ
ドとして利用するときにはクツシヨン体の傾斜面
を座部面に接合させて設けることによりその水平
面が水平に保持されるから、この水平面をベツド
面として利用することができる。つまり、ベツド
あるいは椅子のいずれにも良好に利用することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は椅
子の側面図、第２図は櫓こたつを設置する収容部
を形成した状態の平面図、第３図は同じく側面
図、第４図をベツド面を形成した状態の平面図、
第５図は同じく側面図である。 １……椅子、２……座部体、３……座部面、４
……背部体、５……クツシヨン体、６……傾斜
面、７……水平面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面が前端側から後輌側に向つて低く傾斜した
   座部体と、この座部体の後端側に立設された背部
   体と、一側面が上記座部体の上面と対応する角度
   の傾斜面に形成されこの傾斜面を上記座部体の上
   面に接合させたときに他側面がほぼ水平になるク
   ツシヨン体とを具備したことを特徴とするユニツ
   ト家具用椅子。