JPH0135975B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、コンクリート電柱に埋設される足場
ボルト取付用埋込ナツトを電柱の形成時に型枠に
固定保持させるための治具に関するものである。

従来、コンクリート電柱は管状の型枠を水平に
置き、回転させながらコンクリートを投入し強い
遠心力を与え、緻密なパイプを作成して形成され
ている。そして、コンクリートの所定位置に埋設
させる足場ボルト取付用の埋込ナツトを所定位置
に固定させるために、第１図に示したような治具
を介して型枠に固定させている。即ち同図に示さ
れる固定治具６は型枠１３の取付孔１４に嵌合さ
せる取付胴部７の一端側に突設した軸杆８のねじ
部９を埋込ナツト１のねじ孔２に螺合させ、取付
胴部７の他端側に設けたねじ部１２を型枠１３の
外周面に取付けられたねじ付き支持具１５に螺合
させるようにして第１図イのように使用している
が、一般的に軸杆８の長さは埋込ナツト１を確実
に固定させるべくねじ孔２の深さに略一致する長
さに設けられ、かつ該軸杆８に設けたねじ部９も
長く設けられている。このために電柱成形後に、
インパクトレンチ等の工具を用いて第１図ロのよ
うに固定治具６を取外す際に該固定治具６ががた
つき、軸杆８のぶれで埋込ナツト１の電柱表面側
に露出するねじ孔２の開口側コーナーのねじ山或
いは開口端縁を被損させることがあり、この被損
で商品価値を著るしく低下させることがあつた。

本発明はこのような弊害を生ぜしめることのな
いように改良された固定治具を提供するべくなさ
れたものであり、軸杆８に設けられたねじ部９の
長さを取付胴部７に設けられたねじ部１２の長さ
より短かく形成することにより、電柱成形後に固
定治具を取出すに際してねじ部９が埋込ナツト１
のねじ孔２から完全に離脱した状態までねじ部１
２をねじ付き支持具１５に螺合させて、固定治具
６のがたつきで軸杆８をぶれさせないよう保持で
きるようにしたものである。

以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
第２図において１は従来から知られる構造をした
足場ボルト取付用の埋込ナツトであり、ねじ孔２
を設けた有底筒状の本体部３の上端に鍔部４を設
けて一体に形成され、ねじ孔２の開口端縁には足
場ボルトを装着し易くさせるために切欠段部５が
周設されている。

６は埋込ナツト１を固定保持するための固定治
具であり、型枠に対する取付胴部７の一端側に前
記ねじ孔２の深さに略同じ長さをした軸杆８を突
設し、さらに該軸杆８にねじ孔２に螺合するねじ
部９が設けてある。一方、取付胴部７の他端側に
鍔部１０を設け、該鍔部１０を介して六角形をな
す頭部１１が設けてあり、さらに、該取付胴部７
の鍔部１０寄りの外周面にねじ部１２を設けて一
体に形成されている。

そして、この取付胴部７に設けたねじ部１２の
長さl1は軸杆８に設けたねじ部９の長さl2に対し
て、l1＞l2なる条件を満足するように設定してあ
る。

第３図はこのように形成された本考案の固定治
具の使用状態を示したものであり、図中１３は全
体形状が管状をなした型枠、１４はこの型枠１３
を貫通するように所定個所に開設された固定治具
６の取付孔、１５は型枠１３の外周面に取付孔１
４を中心にして取付けられたねじ付き支持具であ
る。先ず、第３図イのように固定治具６には軸杆
８のねじ部９に埋込ナツト１を予かじめしつかり
と螺締させねじ部１２をねじ付き支持具１５に螺
締し取付胴部７を取付孔１４に嵌合して型枠１３
に取付け固定させる。

この型枠１３を水平に置き回転させながらコン
クリートを投入し、35〜50Gに達する強い遠心力
を与えて緻密なコンクリート１６の層を有するパ
イプより成る電柱を形成する。

そして、コンクリート１６が硬化した後に、イ
ンパクトレンチ等で頭部１１を回動させれば、前
記したようにl1＞l2なる条件にて形成されている
ねじ部９が第３図ロに示すように、ねじ孔２から
完全に離脱した状態でねじ部１２がねじ付き支持
具１５になお螺合していて、固定治具６をがたつ
かせず、従つて軸杆８にぶれを生じさせることな
く抜取ることができるから、ねじ部６でねじ孔２
の開口側コーナーを破損することはない。

なお、ねじ部９の長さl2は取付胴部７を基点に
してl1＞l2なる条件を満足すればよいから、第４
図イのようにねじ部９及び１２を夫々長くしても
よい。このようにねじ部９，１２を長くすれば型
枠１３及び埋込ナツト１に十分に締付けできるか
ら、電柱成形時の回転で固定治具６が埋込ナツト
１に対して緩むといつたようなこともなくしつか
りと固定できる。

以上に述べたように本発明の埋込ナツトの固定
治具は、型枠に取付けられたねじ付き支持具に螺
合させるべく取付胴部に設けたねじ部の長さを埋
込ナツトのねじ孔に螺合させるべく軸杆に設けた
ねじ部の長さよりも長くすることにより、電柱成
形後に固定治具を取外す際に軸杆のねじ部がねじ
孔より完全に離脱するまで取付胴部のねじ部をね
じ付き支持具に螺合させて固定治具をがたつきな
く保持して、埋込ナツトのねじ孔開口側コーナー
を破損することのないようにできるため電柱に埋
設された埋込ナツトに足場ボルトが確実に螺合さ
れ電柱に登つて作業する際の危険を全く解消する
こととなり、電柱の成形工程に大きな利益をもた
らすことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明に係わるもので第１図は従来の固定
治具の使用状態を示す断面図、第２図は本発明に
係わる固定治具と埋込ナツトの斜視図、第３図は
本発明の固定治具の使用状態を示す断面図、第４
図は固定治具の他の実施例を示す断面図である。 １……埋込ナツト、２……ねじ孔、６……固定
治具、７……取付胴部、８……軸杆、９，１２…
…ねじ部、１３……型枠、１４……取付孔、１５
……ねじ付き支持具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 型枠に開設された取付孔に嵌合させる取付胴
   部の一端側に軸杆を突設して該軸杆に埋込ナツト
   のねじ孔に螺合するねじ部を設け、一方、取付胴
   部の他端側に型枠を取着されたねじ支持具に螺合
   するねじ部を設けた固定治具において、軸杆に設
   けたねじ部の長さは取付胴部に設けたねじ部の長
   さより短かくして形成したことを特徴とするコン
   クリート電柱用埋込ナツトの固定治具。