JPH0134655Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はとくに大型車両に搭載されるコンデン
スタンクの支持構造に関する。

たとえばリヤエンジンバスなどの大型車両に搭
載されるコンデンスタンクは、容量が大きく高重
量化するから、その支持構造を確実なものとしな
ければ、車両の走行にともない繰り返して加わる
振動によつて上記コンデンスタンクが脱落する虞
れがある。

従来、上記コンデンスタンクは第１図と第２図
に示すように支持されていた。すなわち、樹脂製
のコンデンスタンクａの一側面にその底部側に開
放しかつ上部に向つて漸次狭幅となるテーパ状の
挿入凹部ｂを形成するとともに、この挿入凹部ｂ
の両側に係止爪ｃ，ｃを一体成形する。そして、
上記挿入凹部ｂにブラケツトｄを介してボデイｅ
に取着された係止体ｆを挿入することによつて、
係止体ｆの両側と上記係止爪ｃ，ｃとの係合でコ
ンデンスタンクａを支持するようにしていた。

しかしながら、このような支持構造によると、
コンデンスタンクａの重量をこれに一体成形され
た係止爪ｃ，ｃだけによつて受けることになるか
ら、コンデンスタンクａの容量が大きくなつて高
重量化した場合には係止爪ｃ，ｃの強度が不足
し、振動や衝撃が繰り返して加わることによつて
係止爪ｃ，ｃが破損するなどしてコンデンスタン
クａを確実に支持することができない。また、コ
ンデンスタンクａをその側面を介して支持するよ
うにすると、内部に収容された冷却水の水位が判
別しずらいということもあつた。

本考案は上記事情にもとづきなされたもので、
その目的とするところは、コンデンスタンクをそ
の底部を介して車両本体に支持するようにして、
コンデンスタンクが高重量化しても確実に支持す
ることができ、また内部の水位の確認をしやすく
した車両用コンデンスタンクの支持構造を提供す
ることにある。

以下、本考案の一実施例を第３図と第４図を参
照して説明する。図中１はたとえばリヤエンジン
バスなどのボデイ２の後部に区画されたエンジン
室である。このエンジン室１の側面は内壁３と外
壁４との２重壁構造となつていて、外壁４には注
水リツド５が形成されている。また、エンジン室
１の後面を形成する外壁４にはテールランプ６が
設けられているとともにこの下方に後面リツド７
が形成されている。上記ボデイ２の内壁３の注水
リツド５よりも下方の個所にはブラケツト８が一
端を連結固定して設けられている。すなわち、こ
のブラケツト８は平行に離間対向した一対のアー
ム片９，９の一端に取付部材１０が固着され、他
端には支持凹部１１およびこの支持凹部１１の両
側辺上端から外方に向つて水平に延出された支持
片１２，１２を有する支持部材１３が固着されて
なる。そして、ブラケツト８は上記内壁３の内外
面を上記取付部材１０と固定部材１４とで挟持し
これら両者をねじ１５で結合することによつて固
定されている。

このようにしてボデイ２に固定されたブラケツ
ト８にはコンデンスタンク１６が支持される。こ
のコンデンスタンク１６は合成樹脂によつて中空
状に成形されていて、その上部一端側にはキヤツ
プ１７が取着された注水口１８が形成され、底部
には全長にわたつて上記支持凹部１１と対応する
幅寸法で凸部１９が形成されている。この凸部１
９の長手方向中央部には図示しないラジエータと
ホース２０によつて接続される連通口２１が形成
され、両端には板状のリブ２２，２２が下方に延
出されている。そして、コンデンスタンク１６は
注水口１８を注水リツド５側に向けてその凸部１
９を上記支持凹部１１に嵌合させ、リブ２２，２
２を介してクランプ材２３，２３により上記支持
部材１３にねじ２４で結合されている。

このような構成によれば、コンデンスタンク１
６はその底部を介してブラケツト８の支持部材１
３で支持されているため、容量が大きくなつて高
重化しても確実に支持することができる。また、
コンデンスタンク１６の底部に形成された凸部１
９を支持部材１３の支持凹部１１に嵌合させてい
るため、コンデンスタンク１６を振動などで横ず
れすることなく支持でき、さらにコンデンスタン
ク１６をその底部を介して支持しているため、内
部に収容された冷却水の水位を注水リツド５から
容易に視認することができる。また、コンデンス
タンク１６の底部に凸部１９を形成したから、そ
れによつてコンデンスタンク１６の容量を増大で
きるばかりか、冷却水の量が少なくなつてもラジ
エータに空気が入りずらい。

なお、本考案は上記一実施例に限定されず、た
とえばブラケツト８は第５図と第６図に示すよう
に断面形状が上記一実施例の支持部材１３と同じ
形状、すなわち支持凹部１１と支持片１２，１２
を有する形状の部材をほぼＬ字状に折曲すること
によつてブラケツト８としてもよい。

また、第７図に示すようにコンデンスタンク１
６の底部に凸部１９を形成せずにこの底部全体を
断面Ｌ字状の一対の支持部材２５，２５がなす支
持凹部２６に嵌合させるようにしてもよい。

以上述べたように本考案は、ボデイに連結固定
されるブラケツトに支持部材を形成する一方、コ
ンデンスタンクの底部には上記支持部材に嵌合す
る凸部を下方に向かつて突出するとともに、この
凸部からさらに下方に向かつて突出するリブを設
け、このリブと上記支持部材とをクランプ材で固
定するようにした。したがつて、上記凸部により
コンデンスタンクの容量を増大させることがで
き、またコンデンスタンクの容量が大きくなり高
重量化しても、クランプ材によりリブが支持部材
に固定されているので、繰り返して加わる振動な
どによつて脱落するようなことなく確実に支持で
きる。さらに底部を介して支持していることによ
りその側面から内部に収容された冷却水の水位の
確認がしやすいなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の支持構造を示す側面図、第２図
は同じく第１図−線に沿う正面図、第３図は
本考案の一実施例を示す支持構造の側面図、第４
図は同じく正面図、第５図は本考案の他の実施例
を示す支持構造の側面図、第６図は同じく正面
図、第７図は本考案のさらに他の実施例の支持構
造の一部を示す正面図である。 ２……ボデイ、８……ブラケツト、１１，２６
……支持凹部、１６……コンデンスタンク、１９
……凸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に収容される液体の壁面を形成するととも
   に底部から下方に向かつて突出する凸部と該凸部
   から下方に向かつて突出するリブとを有するコン
   デンスタンクと、一端に上記凸部と嵌合する支持
   部材を形成させ他端をボデイに連結固定したブラ
   ケツトと、上記リブと上記支持部材とを固定する
   クランプ材を具備したことを特徴とする車両用コ
   ンデンスタンクの支持構造。