JPH0134595Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は緩衝機構つき自動車用ドアミラーの支
持装置に関するものである。

自動車用ドアミラーは、第１図に示す要部断面
図の如く、ミラー１を支持するミラーハウジング
２は合成樹脂よりなり、このミラーハウジング２
の下部は金属製のベース部３に嵌合されている。
このベース部３は中央部に垂直な貫通孔を有し、
この貫通孔を金属製のステー４の上部貫通孔４ａ
に重ね合せて、これらの貫通孔に、フランジ５ａ
を有する中空シヤフト５を通し、ベース部３の上
面と中空シヤフト５の上部に取りつけたスプリン
グ受５ｂとの間にスプリング６を圧縮介装して、
その弾性復元力によりベース部３をステー４に圧
着している。なお、前記シヤフト５の中空部には
リモートコントロール用のコード７を挿入するよ
うに構成している。

前記のような構造であるからミラーハウジング
２に外力が加えられると、ミラーハウジング２は
シヤフト５を中心としてステー４上で回動して加
えられた力を緩衝する。

このような従来の緩衝機構つきドアミラーの支
持装置にあつては、第２図に示す断面図の如く、
ステー４の形状が、シヤフト５と平行な垂直構造
である時は、ステー４の貫通孔４ａとシヤフト５
の外径との嵌合を高精度に加工することができ、
従つてミラー１の支持状態にガタが無く、振動に
よつて視認性を損じることがない。

しかし乍ら、ミラー１のデザインの点から第３
図に示す如く、ステー８が垂直線Ｈに対して角θ
だけ傾斜した構造である時は、ステー８が金属部
材により一体成形するものであるから、内部肉抜
き加工上、ステー８の貫通孔８ａは第３図に示す
ようにステー８の傾斜角θとほぼ同一の傾き角を
もつものとなる。このように貫通孔８ａに角θの
傾き角を設けるとシヤフト５との間に図示の間隙
ｄを生じて支持が不安定となり、このためミラー
１が振動して視認性を損じることがある。

本考案は、前記の如き従来の緩衝機構つきドア
ミラーの支持装置を改善し、その緩衝機能を損じ
ることなく、しかもあらゆる形状のステーに対し
ても確実にシヤフトを保持できるミラーの支持装
置を提供せんとするものである。

本考案は前記の目的を達成するため、ステー上
面の貫通孔の上部に、垂直方向の支持孔を有する
支持金具を固定し、上記の支持孔にシヤフトを嵌
合して支持したものである。本考案において垂直
方向とは、ドアミラーを自動車に装着した状態に
おいて水平面に対して垂直な方向をいう。次に第
４図により本考案の一実施例を説明する。第４図
は本考案を適用したステーにシヤフトを組付けた
一例を示す要部の断面図である。

第４図において、８は金属部材により一体成形
したステー、５はステー８に組付けられる中空の
シヤフト、９はステー８上の嵌合凹部１０に固定
され、かつ、シヤフト５を支持する支持金具であ
る。

前記ステー８は、垂直方向に対し傾斜した構造
であるから、その上面に設けた貫通孔８ａも上記
ステー８の傾斜角とほぼ等しい傾き角を有してい
る。

本実施例においては、貫通孔８ａを中心として
ステー８上に座ぐり状の嵌合凹部１０を設け、こ
の嵌合凹部１０にシヤフト５の支持金具９を圧入
固定する。この支持金具９は中央部にシヤフト５
と精度良く嵌合できる垂直な支持孔９ａを設けて
いる。

第５図は、第１図に示した従来例のドアミラー
に本考案を適用して、第４図に示した実施例の構
成を組み付けた状態を示す断面図であつて、各構
成部材はそれぞれ第１図又は第４図で説明した如
くである。

第５図の構成によれば、ステー８の上面に固定
された支持金具９の支持孔９ａがシヤフト５と高
精度で嵌合し、ガタ無く確実にミラーハウジング
２を保持することができる。このため、ミラーハ
ウジング２、及びこれに支持されたミラー１が振
動して視認性を損じる虞が無い。

また、本第５図の構成においても、ミラーハウ
ジング２が回動可能に支持され、スプリング６の
弾性復元力によつてベース部３がステー８の上面
に押圧されているので緩衝機能が果たされる。

上記の実施例においては支持金具９をステー４
上面の嵌合凹部１０に圧入固着したが、本考案を
実施する際、支持金具９をステー４の上面に固着
する手段は圧入に限らず、例えば取付ネジで固着
するなど任意の公知手段を適用して固着すること
ができる。

以上説明したように、本考案の支持装置によれ
ば、ステーが傾斜角を有していても、該ステーの
上面に固定した支持金具の支持孔とシヤフトとを
高精度で嵌合せしめて該シヤフトを確実に保持す
ることができるので、緩衝機構の機能を妨げるこ
となくミラーの振動を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はミラーハウジングとステーとの接続構
造を示す要部断面図、第２図は第１図のシヤフト
を中心とする縦断側面図、第３図はステーが傾斜
している状態におけるシヤフトの組付け状態を説
明する説明図である。第４図は本考案を適用した
ステーにシヤフトを組付けた要部断面図である。
第５図は、第１図に示した従来例に第４図の実施
例の構成部材を組み付けた状態の断面図である。 １……ミラー、２……ミラーハウジング、３…
…ベース部、４……ステー、４ａ……貫通孔、５
……シヤフト、５ａ……フランジ、６……スプリ
ング、７……コード、８……ステー、８ａ……貫
通孔、９……支持金具、９ａ……支持孔、１０…
…嵌合凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ミラーハウジングのベース部に設けられた貫通
   孔と、ステー上面に設けられた貫通孔と、上記双
   方の貫通孔に挿通されたシヤフトと、上記シヤフ
   トに外嵌されて前記ベース部をステー上面に向け
   て押しつけるスプリングとを有し、ステーに対し
   てミラーハウジングが回動可能に支持された緩衝
   機構つきドアミラーにおいて、 前記のステーは垂直方向に対して傾斜した形状
   であり、該ステーの上面に設けられた貫通孔はス
   テーの傾斜角とほぼ等しい傾き角を有し、上記ス
   テーの上面に垂直方向の支持孔を有する支持金具
   が固着されており、前記のシヤフトが上記の支持
   孔に嵌合されて垂直方向に支持されると共に前記
   ベース部の貫通孔に挿通されて該ベース部を介し
   てハウジングを回動可能に支持していることを特
   徴とする緩衝機構つきドアミラーの支持装置。