JPH0132987B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電子写真複写機等の静電記録装置に
用いるローラクリーニング装置の改良に関する。

一般に静電記録装置にあつては、周面に光導電
体層を設けたドラムやベルト上にコロナ帯電を行
つたのち光像露光を行つて潜像形成を行つたり、
誘電体層を設けたドラムやベルト上にイオン制御
方法等によつてイオン流等による潜像形成を行
う。これらの潜像形成を行う光導電体層又は誘電
体層を設けたドラムやベツトは像担持体として、
公知の電子写真現像方法によつてトナーの供給を
受け、トナー像として可視像化される。この像担
持体上のトナー像は転写シート上に転写され、ト
ナー像の転写を終えた像担持体は、次の像形成に
備えて残留トナーの払拭がなされる。像担持体上
の残留トナーを払拭する方法としてローラクリー
ニングによるクリーニング方法がある。本発明は
このローラクリーニング装置の改良に関するもの
である。

像担持体にクリーニングローラを当接させて、
摺擦もしくは付着させるこことによつて像担持体
上の残留トナーを清掃する方式においては、像担
持体上の残留トナーを除去することもさることな
がら、クリーニングローラに付着したトナーを除
去することも充分に行われる必要がある。

例えばクリーニングローラ表面が粗面をなした
ネオプレンゴム等の場合には、像担持体上の残留
トナーの払拭は比較的良好になされるが、クリー
ニングローラ表面に付着したトナーの除去は容易
ではない。クリーニングローラ上の付着トナーの
除去手段としては、毛ブラシ、金属製バイアスロ
ーラ、掻き取り用ブレード等の除去手段がある
が、毛ブラシ及び金属製バイアスローラの場合に
はそのトナー除去能力が劣り、一方掻き取り用ブ
レードの場合にはクリーニングローラ表面との摩
擦抵抗が大きく、ブレードのクリーニングローラ
への押圧力及びクリーニングローラの回転駆動ト
ルクも過大となつて実用上装置に組込むことは容
易ではない。

上記の問題を解決するため、クリーニングロー
ラ表面を滑面状とする対策がある。例えば特開昭
52−127240号公報、実開昭51−19752号公報等に
よる提案は、クリーニングローラ表面に合成樹脂
材の被覆層を設けるもので、該被覆層の材料とし
てポリエチレンやポリアミド等を使用している。
この被覆層を設けることにより掻き取りブレード
のクリーニングローラへの当接が容易になり、
又、クリーニングローラの駆動負荷も軽減する。
しかし前記材料の被覆層をもつたクリーニングロ
ーラは、実効上の硬度が上がり、像担持体上の残
留トナーをクリーニングするときにクリーニング
ローラに必要な条件である、トナーを包み込んで
付着させるという物理的な付着力が減少して、像
担持体をクリーニングする能力が低下する。

本発明はクリーニングローラ上に付着したトナ
ーを掻き取りブレードによつて容易に除去するこ
とができ、クリーニングローラの硬度を増加する
ことがなくて像担持体に対してのクリーニング性
能を低下することのないクリーニング装置を提供
することを目的としたもので、上記目的は像担持
体周面に押圧されると共に前記像担持体と従動回
転して残留トナーを除去するクリーニングローラ
を有するクリーニング装置において、前記クリー
ニングローラのローラ軸上に導電性弾性ゴム層を
設け、該導電性弾性ゴム層上に四弗化エチレン多
孔材料よりなる多孔物質層を設け、且つ前記クリ
ーニングローラに前記残留トナーの保持電荷と逆
極性のバイアスを印加するように構成した静電記
録装置のローラクリーニング装置により達成され
る。

以下、図面によつて本発明の詳細な説明を行
う。

第１図は第１の実施例を示す電子写真感光体ド
ラムのクリーニング部の概略配置図である。時計
方向に回転する像担持体としての電子写真感光体
ドラム１には、クリーニングローラ２を、その両
端部に設けた押圧用バネ部材５によつて感光体ド
ラム１中心方向（白矢印で示す）に押圧させ、本
実施例ではクリーニングローラ２は感光体ドラム
１に従動回転するよう構成した。クリーニングロ
ーラ２には、感光体ドラム１上に付着した残留ト
ナー７とは逆極性のバイアス電圧を電源８によつ
て保護抵抗９を介して印加し、残留トナー７を物
理的及び電気的付着力によつてクリーニングロー
ラ２上に吸着させ、感光体ドラム１周面上を清掃
する。

クリーニングローラ２上に吸着した残留トナー
７は掻き取り用ブレード３によつて掻き取られ、
落下して搬送用スパイラルローラ４上に落下す
る。スパイラルローラ４上に落下した残留トナー
７は、スパイラルローラ４の回転によつて一方向
に集められ、回収されるようになつている。ここ
でクリーニングローラ２は、ローラ軸上に導電率
が10^-6〜10^-10／cmで、ゴム硬度35゜〜65゜程度の
導電性ゴム材で覆われ、さらに表面層を多孔性物
質で被覆されて形成されており、このクリーニン
グローラ２は、押圧力200〜700ｇ（ローラ軸方向
の単位cm当たり）で像担持面を押圧するよう構成
されている。また本実施例で用いたクリーニング
ローラ２の外径は30φ、導電性ゴム厚は５mmであ
つた。一般に20φ〜40φ程度の外径のクリーニン
グローラが用いられる。これに保護抵抗９を介し
て感光層１ａ上の残留トナー７の電荷と逆極性の
バイアス電圧を電源８によつて印加できるように
構成されている。本実施例でのクリーニングロー
ラ２上の表面電位は1.0〜1.6KVに設定されてい
る。感光層１ａ上の残留トナー７はクリーニング
工程に入る前にある極性の電荷を有している。例
えばSeから成る光半導体を使用した電子写真の
プロセスでは極性の潜像を現像するためトナー
の電荷はで、クリーニングローラ２にの直流
バイアス電圧を印加することで、残留トナー７は
静電的にクリーニングローラ２に吸着される。ま
た、クリーニングローラ２は感光体ドラム１に適
当な力で押圧されているので、多孔性になしたク
リーニングローラ２表面にはトナー７粒子が喰い
込み、例えばフアンデルワールス力等による吸着
力も作用し、静電力を含めた吸着力によつてクリ
ーニング作用を促すこととなる。

クリーニング工程にはいる際の残留トナー７は
前記したようにの電荷を持つているが、感光層
１ａ上の残留トナー７と対応する位置にはの電
荷が有り、双方で吸引し合つている。そこで放電
極６に４〜6KV程度のAC高電圧を印加して放電
させることによつて感光層１ａ及びトナー７の電
荷を除電し、双方間に働く吸引力を低減させると
クリーニング効率は更に向上する。また積極的に
放電極にのDC高電圧を印加してコロナ放電
することによつて、トナーに電荷を付与し、
のバイアス電圧を印加したクリーニングローラ２
との静電的な吸着力を増大してクリーニング効率
を向上させる手段を取ることも可能である。

第２図は、第１図のクリーニングローラ２の断
面を拡大して示すもので、導電性の金属軸２１上
に導電性弾性ゴム層２２を設け、その最外層に柔
かい特性をもつた即ち可撓性の多孔質物質の表面
皮膜２３を設けている。

第３図及び第４図はクリーニングローラ２上の
表面皮膜の特性と、これによる感光体２上のトナ
ー粉体７を除去する効果を示す拡大断面図であ
る。第３図に示すようにクリーニングローラ２の
表面皮膜が硬い皮膜２３Ａである場合には、感光
体ドラム１上の残留トナー７は殆んど硬い表面皮
膜２３Ａには喰い込まない。このためクリーニン
グローラ２の硬い表面皮膜２３Ａとトナー粉体７
間に働く物理的な付着力は弱く、両者間には静電
的な付着力のみ作用することになり、クリーニン
グ効率は低下する。

之に対して多孔質皮膜は一般的に硬度は低く、
感光体１上のトナー粉体７にクリーニングローラ
２を押圧した場合、第４図に示すようにトナー粉
体７は多孔質皮膜２３に可なり喰い込んだ形とな
る。一般には樹脂皮膜を施すことによつてクリー
ニングローラ２とトナー粉体７との間に作用する
物理的付着力は低下するが、多孔質皮膜を施した
場合、トナー粉体７のクリーニングローラ２への
付着力は、皮膜２３を施さない時の弾性ゴムロー
ラへの付着力に殆んど損色ない。

本発明のクリーニングローラ２の最外層として
用いる多孔質物質としては、例えば四弗化エチレ
ン多孔材料（住友電工製商品名ポアフロン）が適
当である。ポアフロンは孔径で約10μmの大きさ
まで得られ、気孔率も85％程度のものが得られる
ことから、表面積は極めて大きく第４図に示すよ
うな表面の柔かいクリーニングローラが得られ、
クリーニング特性からみても極めて有利な皮膜を
得ることができる。実施例では10〜50μm厚程度
のポアフロンフイルムでクリーニングローラを皮
覆した。

クリーニングローラ２表面の皮膜材料としては
上述のポアフロンが優れた物理的付着力をもつ。
第５図は同条件下での各種皮膜材料のクリーニン
グ効率を示している。図から明らかなように、ポ
リイミドフイルムやポリエチレンテレフタレート
を被覆したクリーニングローラ２は極端にその付
着力が低い。

多孔質のポアフロンフイルムで被覆したクリー
ニングローラ２は、前記の２種類の皮膜と比較す
ると著しく良好な付着力を示し、ネオプレン弾性
ゴムを表面としたクリーニングローラと比較する
と多少劣るが、クリーニングローラ表面に付着し
たトナー粉体を除去することがネオプレンゴムの
場合目づまり状態となつて容易でないことを考慮
すると、耐久性等総合的に考えるとポアフロンフ
イルムで被覆したクリーニングローラは付着トナ
ーを除去することが容易で、格段に優れたもので
ある。ところでポアフロンは絶縁性なので、クリ
ーニングを繰返すうちに表面に電荷が蓄積し、ク
リーニングローラにバイアスを印加して、電気的
に残留トナー吸引する力が減じ、クリーニング効
果が低下してしまう危険性があるので、第１図に
示した導電性部材でなしたスクレバー３や他の部
材を介してアースに電荷を放電してやることが好
ましい。

多孔質のポアフロンフイルムで被覆したクリー
ニングローラは、表面層は柔かく、感光層面を摺
擦しても感光層表面を損傷することはない。又、
トナー粉体を包み込む効果が大きく、クリーニン
グローラの周速度を上げることなく、感光体ドラ
ムに従動することによつて容易にトナー除去を行
うことができる。本実施例においてはクリーニン
グローラは像担持体に従動することで優れたクリ
ーニング効果を得ているが、従動ではなく像担持
体の回転に同期して同方向に駆動されるようにな
してもよい。

更にポアフロンフイルムにあつては、表面エネ
ルギーは小さいので、トナー粉体との化学的な結
合を行うことはなく、ブレード等によつてクリー
ニングローラ面からのトナー回収も容易になし得
る特長をもつている。

本発明は、上記の物理吸着的なクリーニングに
加えて前記の電気的なクリーニング効果が併用さ
れたもので、優れたクリーニングがなされる。し
かし本発明はクリーニング装置として単独に使用
するよう限定するものではない。例えば第１図の
実施例で示したように、クリーニングに先立つて
除電用の放電極６を設けてAC又はAC，DCの重
畳した電圧で除電を行い、クリーニング効果を高
めることも可能である。また本発明を他の公知の
クリーニング手段、例えばブレードクリーニング
手段と併せ用いることによつて、より完壁なクリ
ーニング装置とし、或いはクリーニングにおける
負荷を分担して用いることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す電子写真感光
体ドラムのクリーニング部の概略配置図である。
第２図は第１図に用いたクリーニングローラの断
面図を示す。第３図、第４図は感光体とクリーニ
ングローラとの圧接部の拡大図を示す。第５図は
クリーニングローラの皮膜材料とそのクリーニン
グ効率とを示す。 １…像担持体（感光ドラム）、１ａ…感光層、
２…クリーニングローラ、３…掻き取りブレー
ド、４…トナー搬送スパイラルローラ、５…押圧
用バネ、６…除電用電極、７…残留トナー、８…
バイアス電源、９…保護抵抗、２１…金属軸、２
２…導電性弾性ゴム層、２３…多孔質物質。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 像担持体周面に押圧されると共に前記像担持
   体と従動回転して残留トナーを除去するクリーニ
   ングローラを有するクリーニング装置において、
   前記クリーニングローラのローラ軸上に導電性弾
   性ゴム層を設け、該導電性弾性ゴム層上に四弗化
   エチレン多孔材料よりなる多孔物質層を設け、且
   つ前記クリーニングローラに前記残留トナーの保
   持電荷と逆極性のバイアスを印加するように構成
   した静電記録装置のローラクリーニング装置。