JPH0132415B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、空気調和装置とこれを建物の壁を貫
通して取付けるためのスリーブの組合せに係る。

一般に壁内を貫通し設置される空気調和装置は
例えばホテル、宿舎、オフイス、共同住宅といつ
た軽い商業用及びその他の用途に適用されるが、
更に他の用途に適用されても良い。壁内を貫通し
て空気調和装置を設置することの利点は床面積が
節約できるところにある。地下に、造り付けのク
ローゼツトに、或いは他の同様な位置に前記空気
調和装置を設置することで貴重な床面積を占有す
る必要はない。床面積を節約することにより貸借
用に或いはその他の用途に利用可能な総面積が増
加する。一般的な設置場所は共同住宅の入口クロ
ーゼツトであろう。このクローゼツトを薄く広く
造ることにより、利用可能なクローゼツト空間を
減少させることなく空気調和装置が前記クローゼ
ツト内に設置され得るかも知れない。

更に、前記空気調和装置を壁内に設置すること
により、エンクロージヤー内の様々な区域に多数
の空調装置を配置することができ、これは調和済
空気を送出するための大規模の導管組織を必要と
する単一の大規模空気調和装置を一つのエンクロ
ージヤーに対して用いるよりは好ましい。更に、
複数の空気調和装置の利用がより優れた区域別制
御を可能にし、また総合エネルギー効率の向上を
もたらす。

壁内貫通型空気調和装置を共同住宅型建造物に
於て利用する場合、各装置毎に独立して加熱及び
冷却制御が可能となり、従つてエネルギ使用量を
個々の空気調和装置毎に適当に設計することがで
きる。

壁内貫通型空気調和装置を利用する建造物の建
築期間に於ては外壁建造中に前記空気調和装置の
設置のための開口部を儲ける必要がある。ここで
記述される如き構造に於ては、スリーブは建造物
の外側エンベロープ内に挿入され該壁は該スリー
ブを取囲むように構築され、その結果該スリーブ
は開口部を郭定し建造物の外側を貫通し延びる。
完成時には建造物の内壁及び外壁は該スリーブの
周りに構築される。

前述の導管内に設置される壁内貫通型空気調和
装置の場合には建造物の建築時に該空気調和装置
を設置する必要があつた。該装置自身が壁内に設
置された場合には、付加建設段階に於て該装置に
対する損傷がしばしば連続して生じることが見出
されている。更に、壁内に該装置自身が設置され
た場合しばしば建造物の安全が保証されず、また
建築中の該装置の盗難の問題が生ずる虞れがあつ
た。

本発明のスリーブは、電気系統と同様に導管組
織及び排水組織が建築中に該スリーブに接続し得
るように設計がなされている。この場合該スリー
ブは開口部を郭定するよう建造物中に設置され、
前記空気調和システムの如何なる作動部品も設置
の必要はない。前記導管組織は該装置によつて空
気調和を行おうとする適当な部屋に向つて延長す
る導管と共に該空間部分の最上部に設置されても
良い。前記空気調和装置は予定位置に設置される
のではあるが、前記排水導管組織は該空気調和装
置よりも前記スリーブに対して優先的に適合する
よう設けられる。前記スリーブはグリルの代わり
に該スリーブに保持される取外し可能な取付けパ
ネルを含んでも良い。該パネルは取付の間該スリ
ーブに構造上の完全性を付加し、該置後開口部を
覆い気象条件からエンクロージヤーを保全し、建
築中建造物内への不要の侵入を防止する。

同様に電力源も前記スリーブに接続されても良
い。一般に該スリーブにかかるコストは前記空気
調和装置のそれと比較して非常に少いため、前記
スリーブのみを設置することにより建設中建設者
の関わる資金はずつと少くなる。従つて、建造物
はスリーブのみを備えた状態にあるため、盗難や
装置の損傷といつた潜在的な問題が避けられる。
そこで建設者は建造物が空気調和装置を取付ける
のが望ましい完成段階に到るに於て始めて前記ス
リーブ内に組立てるべき空気調和装置を求めれば
良い。導管組織と排水導管接続部分は既に設けら
れているので、前記空気調和装置に連絡した簡単
な電気プラグをスリーブの電気連絡部分に接続
し、該装置をスリーブ内に挿入し、数本のボルト
を利用して該装置を固定し、サーモスタツトを接
続し、それで空気調和装置が整う。従つて、建設
者は限られた区域に空気調和を施すために実際に
空気調和装置を設置するだけの必要分以上に空気
調和装置に資本を固定するようなことはしていな
い。建築中、該装置は建築中の損傷或いは盗難の
恐れのない所で販売者によつて管理される。

かような型式のシステムのその他の利点は、前
記スリーブが建築中建造物を貫通し設置された状
態とし、建築後建造物が部分部分に分割して占有
されたところで借用者個人個人の要求に従つて完
成されるようになつていることにより、建設者は
使用されるべき場所を提供するに必要な装置を購
入するだけで良い、という点である。つまり、最
初に建造物の或る一部分が借りられ、その後残り
の部分が借りられるような場合、建設者は貸与部
分に提供するべき空気調和装置のみを購入すれば
良い。従つて、建設者の資本支出は建造物の実際
の使用部分に対して及び賃貸収入のキヤツシユフ
ローに対してより一層緊密に対応する。

本発明の一目的は、壁内貫通型空気調和装置を
受入れるスリーブ組立部品を提供することであ
る。

本発明の一目的は、前記空気調和装置の設置よ
りも建設中の建造物内の導管組織への接続を優先
して設計された導管連絡手段を有するスリーブ組
立部品を提供することである。

本発明の一目的は、前記空気調和装置の設置よ
りも建設中の建造物内に保持されることを優先し
て設計された排水導管連絡手段を有するスリーブ
組立部品を提供することである。

本発明の一目的は、建造物の壁を貫通する開口
部を郭定するスリーブ組立部品を供給するため
の、また後にその場所に空気調和装置を設置する
ための、安全、経済的且組立容易な手段を提供す
ることである。

本発明の一目的は、後に空気調和装置が速やか
に適所に収容され得るような、建造物の外壁への
スリーブ組立部品の設置手段を提供することであ
る。

本発明の一目的は、建造物内の各特定区画に於
て空気調和が必要となるような時まで空気調和装
置の購入を延期することにより、建設者が必要最
小限度の資金にて建造物の建設を行い得るように
する手段を提供することである。

他の目的は以下の詳細な説明及び付加の請求事
項により明らかとなるであろう。

本発明の実施例によれば上述の的は、空気調和
装置を保持し建造物の外壁内の開口部を貫通、延
長するスリーブ組立部品を設置することにより達
成される。該スリーブ組立部品は底面、側壁、上
面を有するスリーブ壁を含んでおり、これらの各
面はすべて前記空気調和装置がその内部に設置さ
れるであろう該装置受入れ開口部を郭定する如く
接合している。導管接合部分は前記スリーブ壁の
一部分に設置され、該接合部分はエンクロージヤ
ー内に調和済空気を送付するために建造物の導管
組織に接続し得るよう適合されており、また該空
気調和装置の組立部品を該スリーブ組立部品に接
続するよりも該導管組織をスリーブ組立部品に優
先して接続するように該空気調和装置よりの調和
済空気の供給に適合している。

前記空気調和装置及び該空気調和装置が壁を貫
通しその内部に設置されるが如きスリーブ組立部
品は、上面、底面及び側壁を有するスリーブ組立
部品であつて、壁内に設置された該空気調和装置
受入れ用のケーシングを郭定する如きスリーブ組
立部品と、該スリーブ組立部品に連絡し、且導管
組織が前記建造物に対して調和済空気を分配し得
るような前記建造物に対する位置にあるが如き導
管連絡手段であつて、該スリーブ内の該空気調和
装置の組立部品に連絡するよりも該スリーブの組
立部品に優先的に連絡すべきである如くの導管連
絡手段と、前記導管組織を通し空気を循環させる
ための屋内フアンを含む空気調和装置であつて、
屋内フアンよりの空気の流束を郭定する前記導管
連絡手段と共に該空気調和装置が建造物の該導管
組織に調和済空気を放出するが如き空気調和装置
とを含んでいる。

ここで取上げた実施例は建造物の壁を貫通し設
置されるよう設計されたヒートポンプ型式の空気
調和装置に用いられるスリーブ組立部品について
言及するであろう。本発明は冷却専用或いは加熱
専用装置、フアンコイル装置、凝縮装置、及びそ
の他の壁に設置される可能性のある応用例を含む
他型式の空気調和装置であつて建造物の建築中に
設置されたスリーブが組込まれるようなその他同
様の装置とも応用され得るということが理解され
るべきである。

先ず第１図を参照するとエンクロージヤーの壁
を貫通する開口部１６を郭定するスリーブ２０が
理解されよう。エンクロージヤーの壁はレンガ製
の外壁１４と間柱とプラスタボード製の内壁１２
として示されている。前記スリーブは建造物の内
側から外側へと伸びて設置されており、建造物と
同一平面をなす如く設置されるのが望ましい。ス
リーブ２０は上面２２と側壁２４，２６と下面２
８とを有し、これらはすべて空気調和装置が組立
てられるところの開口部１６を郭定している。

スリーブ２０の上面２２は上面延長部分２３を
有し、これは上面より内側方向に延長し且該延長
部分より上側方向に延長する導管連絡部分４０を
有する。導管連絡部分４０は円筒状の構造をして
おりエンクロージヤーに対して調和済空気を送付
するためにエンクロージヤー内に設置されたフレ
キシブルホース型式の導管に適合するよう設計さ
れている。図には示されていないが、上面２２は
空気調和装置より送付されるすべての空気流がそ
の内部を流れるであろう単一の矩形導管を取付け
るための上面より延長するタブを有しても良い。

スリーブ組立部品の底面２８に於ては、排水導
管３４に連絡した排水導管連絡部分３２に向つて
下方に傾斜する排水用の窪み３０があつても良
い。かような窪みは前記空気調和装置よりの凝縮
液を直接に或いは上方に位置する受器により間接
に受けるように、且、該凝縮液を適切に送出すよ
うに構成されている。

第２図はスリーブ２０を示しており、該スリー
ブはそれを貫通し延長するように設置された空気
調和装置１０を有している。空気調和装置１０に
ついてはフロントカバー６０が部分的に取り除か
れ、該装置の屋内部分の一部分が示されている。
この屋内部分にはフイルタ５８、屋内熱交換器５
６、及び屋内フアンスクロール５２に設置されフ
アンモータ５４によつて動力を供給される屋内フ
アン５０があつても良い。前記空気調和装置の屋
内部分での空気流は、図には示されないが該装置
の底部を通り、フイルタ５８を通り、屋内熱交換
器５６を通り、該空気調和装置のケーシング側壁
によつて囲まれた空気通路に沿つて屋内フアン５
２へと上昇する。そこで該空気は上記空気通路に
沿つて更に上方に向けて放出され、四箇所の導管
連絡部分４０からエンクロージヤーに達する導管
組織へと送出される。フレキシブルな導管がこれ
らの四箇所の導管連絡部分４０の各々に接続さ
れ、該導管が空気調和の必要とされる建造物内の
適当な位置にまで到つていることが予想されよ
う。サーモスタツト７５は部屋の空気温度の測定
のため及び空気調和装置を適当に作動させるため
に、該装置内に直接設置されても良いし、間接的
に壁に設置されても良い。前記サーモスタツトが
間接的に設置されることもまた空気調和装置内に
含まれるよう設置されることも容易となるよう
に、プラグ型式の接続装置で該装置と連絡されて
も良い。前記サーモスタツトが間接的に設置され
る場合、前記空気調和装置の設置後該接続装置が
サーモスタツトの配線を完成し得るように、適当
な接続装置を持つ接続線は建築期間中に建造物の
壁内に設置されても良い。図には示されていない
が前記空気調和装置の屋外部分は圧縮機、屋外コ
イル、及び四方弁を含むであろう。グリル６２は
該装置の外表面を覆うように示されている。

冷却運転中、凝縮液は屋内熱交換器に集まるか
も知れない。この凝縮液は該当技術に於て伝統的
である凝縮滴下皿内に集められ第１図に於て見ら
れた如く排水装置に送られる。加熱運転中、霜は
蒸発乾燥器として機能する屋外熱交換器に集まる
かも知れなく、除霜モードに於てはこの霜は溶解
する。再び、この水は該装置の底部に於ける排水
連絡部分に導かれる。凝縮液が建造物の外部に滴
下しないように、該排水連絡部分は凝縮液を処理
装置に送出すであろう。

図には示されていないが、電気連絡部分はスリ
ーブが建造物中に組立てられる際にスリーブに取
付けられても良く、その後空気調和装置がスリー
ブ内に組立てられる際にプラグ接続がなされる。
やはり図には示されていないが簡単なねじが設置
時にスリーブ内に空気調和装置を保持しても良
い。従つて、ここに記述されてきたようにスリー
ブ組立部品が壁内に設置される時には既に排水連
絡部分、電気連絡部分、及び導管連絡部分は設け
られている。該導管連絡部分はエンクロージヤー
の一部分をなす側面壁の後に隠されて、該導管連
絡部分が目につかないようにされるか、エンクロ
ージヤーを必要とないよう天井部分に対して空気
調和装置が同一平面をなすように設置されるとい
つたことが期待される。従つて第２図に見られる
ように、空気調和装置は壁から外部に向つて延長
するであろう。該装置の直上にエンクロージヤー
の壁が該装置のカバー６０に対して同一平面をな
すように外側方向に建設され、エンクロージヤー
の導管組織と導管連絡部分とを包むであろう。か
ような外側に延長した壁部分は天井にまで延長し
装置の外観をすつきりと引締めるであろう。前記
電気、導管、及び排水連絡部分はすべて空気調和
装置の組立部品よりも優先して設けられているた
め、各区域に空気調和能力が必要となつた際に空
気調和装置がスリーブ内に速やかに挿入し得るよ
うになつている。短期間区域をあける必要がある
時には、周囲の空気が建造物内に入らないよう単
にスリーブを覆うだけで良い。

以上に於ては本発明を特定の実施例について詳
細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内にて種々の修
正並びに省略が可能であることは当業者にとつて
明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は建造物の外壁に設置されたスリーブ組
立部品の部分断面図である。第２図は第１図と同
様の建造物の外壁に設置されたスリーブ組立部品
であつてその内部に空気中和装置を有するスリー
ブ組立部品の部分断面図である。 １０……空気調和装置、１２……内壁、１４…
…外壁、１６……開口部、２０……スリーブ、２
２……スリーブ上面、２３……スリーブ上面延長
部分、２４，２６……スリーブ側壁、２８……ス
リーブ底面、３０……窪み、３２……排水導管連
絡部分、３４……排水導管、４０……導管連絡部
分、５０……屋内フアン、５２……屋内フアンス
クロール、５４……フアンモータ、５６……屋内
熱交換器、６０……フロントカバー、６２……グ
リル、７５……サーモスタツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 空気調和装置と該空気調和装置を建物の壁を
   貫通して取付けるためのスリーブとの組合せにし
   て、 前記スリーブは建物の壁に形成された開口内に
   装着され前記空気調和装置を受入れるための開口
   部を郭定する上面及び底面並びに両側壁と前記空
   気調和装置が該スリーブ内に装着されるに先立つ
   て建物に空調された空気を分配するための導管を
   接続することを許すように建物に対して相対的に
   位置決めされた導管連絡部分とを有しており、 前記空気調和装置はフアンと、該空気調和装置
   が前記スリーブ内に装着されたとき前記フアンの
   吐出空気を前記導管を経て循環させるべく前記導
   管連絡部分へ導く空気通路とを有していることを
   特徴とする組合せ。