JPH0216190Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、空気熱源ヒートポンプユニツトによ
る建物の個別空調設備に関する。

従来行なわれているセパレート型空気熱源ヒー
トポンプによる空調方式は、最も一般的には、屋
外ユニツトを屋上やベランダなどの建物の外側に
設置し、建物内の室内あるいは天井裏空間に設置
した屋内ユニツトとの間で冷媒配管により接続し
てヒートポンプを形成するものであつた。しかし
このような場合、屋外において屋外ユニツトの設
置スペースを確保することが必要となり、建物の
外観も悪くなる。そして冷媒配管の距離が必然的
に長くなり効率の低下を招くことになるし、屋上
に設置する場合には立シヤフトを必要とし、配管
工事費も高くなる。

本考案はこのような問題の解決を目的としてな
されたもので、図面の実施例に示したように、空
調を必要とする部屋の同一階の天井裏において建
物外壁に近寄つた側に仕切壁１によつて小空間２
を形成し、この小空間２内に屋外ユニツト３を設
置し、この小空間２内の屋外ユニツト３に熱源用
外気を出入させるための開口４を該小空間２に面
する建物外壁に設け、前記の仕切壁１によつて区
分された小空間２以外の天井裏空間であつて且つ
空調を必要とする各部屋の天井に対応する天井裏
空間８に屋内ユニツト５を設置し、この屋内ユニ
ツト５と前記屋外ユニツト３との間において前記
仕切壁１を貫通して冷媒配管することによりヒー
トポンプを形成し、該屋内ユニツト５の給気をそ
の部屋の天井面に設けた吹出口６に供給する構成
としたことを特徴とする。

第１図は本考案の空調設備を適用したビル空調
の略断面図であり、マンシヨン、ホテル、オフイ
スビル等の各階に空調を必要とする部屋があり、
これらの各部屋において個別空調ができるように
したものである。すなわち、各階ごとに天井裏内
の外壁に開口４を設け、この開口４の近くの天井
裏空間に屋外ユニツト３を設置し、この屋外ユニ
ツト３を設置するための小空間２を仕切壁１によ
つて形成する。この屋外ユニツト３を設置する位
置は廊下の天井部となるような場所が好適であ
る。屋内ユニツト５はこの仕切壁１の近くの天井
裏空間８に設置され、両ユニツト間は冷媒配管１
３で接続する。この配置の１例を第２図に平面的
に示した。

第２図は、同一階に間仕切で区切られた部屋が
複数個あり、これらの各部屋を個別に空調できる
ように、各部屋ごとに独立したヒートポンプを構
成した例を示しており、廊下と閣部屋との間仕切
の上に仕切壁１を設け、廊下の天井裏を小空間２
に使用すると共に各部屋の天井裏空間８を屋内ユ
ニツト５の設置空間として使用したものである。
そのさい、各部屋を仕切るための間仕切に対応す
る天井裏にも仕切壁を設け、各部屋ごとに独立し
た天井裏空間８を形成させておく。各屋内ユニツ
ト５から室内への給気は、天井面に設けた吹出口
６にダクト７によつて行なう。この屋内ユニツト
５への外気の取入れは、例えば建物外壁に別に設
けた開口９からダクト１０によつて屋内ユニツト
５に導くことができ、また部屋の排気はドアガラ
リ等を経て便所や湯沸室等の排気装置１１を経て
排出することによつて換気することができる。な
お、各部屋の天井裏空間８にはその部屋の還気を
取入れるようにし、屋内ユニツト５がこの天井裏
に取入れられた各部屋の還気および／または外気
を吸込み、これを空気調和してダクト７を経て各
吹出口６から各部屋内に給気するようになつてい
る。また、比較的広い部屋の場合は屋外ユニツト
１台に対して屋内ユニツトを２台接続してマルチ
ユニツト方式とすることもできる。

第３図は、建物内排気を屋外ユニツト３を通じ
て行なうようにしたもので、屋外ユニツト３の下
部に排気口１７を設け、この排気口１７から、ダ
ンパ１２を取付けた排気取入通路１６を経て屋外
ユニツト３にその階の排気を導く構成とし、この
排気と外気とを単独または混合して屋外ユニツト
３に取入れできるようにして熱回収を図つたもの
である。１３は屋内ユニツトと接続する冷媒配管
を示している。

第４図は仕切壁１に空気連通孔１４を設け、天
井裏空間の空気を屋外ユニツト３に導いて熱回収
できるようにしたものである。この場合、部屋か
ら天井裏空間に導かれた換気の１部をこの連通孔
１４に導くこともできるが、屋内ユニツトへの還
気は天井裏空間を経由しないで、ダクト等により
室内から直接屋内ユニツトに導くようにすること
もできる。

このようにして本考案によると、屋外ユニツト
と屋内ユニツトとの冷媒配管距離を短くできて効
率がよくなると共に、天井裏空間を空気通路とし
て有効に利用でき、工事の簡易化と共に設置費用
も低廉となり、しかも建物の美観の面でも良好で
あるし、中間期においては圧縮機停止のまま両ユ
ニツトのフアン運転だけで外気冷房できるなど、
実用面で数々の優れた点を有する個別空調方式を
提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の空調設備の配置系統を示した
ビルの略断面図、第２図は本考案の空調設備の配
置例を示す平面略図、第３図は屋外ユニツトの取
付状態を示す略断面図、第４図は屋外ユニツトの
他の取付状態を示す略断面図である。 １……仕切壁、２……天井裏の小空間、３……
屋外ユニツト、４……開口、５……屋内ユニツ
ト、６……吹出口、７……ダクト、８……天井裏
空間、１３……冷媒配管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 空調を必要とする部屋の同一階の天井裏にお
   いて建物外壁に近寄つた側に仕切壁１によつて
   小空間２を形成し、この小空間２内に屋外ユニ
   ツト３を設置し、この小空間２内の屋外ユニツ
   ト３に熱源用外気を出入させるための開口４を
   該小空間２に面する建物外壁に設け、前記の仕
   切壁１によつて区分された小空間２以外の天井
   裏空間であつて且つ空調を必要とする各部屋の
   天井に対応する天井裏空間８に屋内ユニツト５
   を設置し、この屋内ユニツト５と前記屋外ユニ
   ツト３との間において前記仕切壁１を貫通して
   冷媒配管することによりヒートポンプを形成
   し、該屋内ユニツト５の給気をその部屋の天井
   面に設けた吹出口６に供給する構成とし、該屋
   内ユニツト５にはその部屋の還気と外気が単独
   または複合して取入れられ且つ該屋外ユニツト
   ３にはその階の排気が取入れられる構成とした
   空気熱源ヒートポンプユニツトによる個別空調
   設備。 (2) 仕切壁１は空調を必要とする部屋と廊下との
   間仕切りに沿つて天井裏に設けられる実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の空気熱源ヒートポ
   ンプユニツトによる個別空調設備。