JPH0740916Y2 - 単層型通風用パネルダクト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は単層型通風用パネルダクトに係り、壁や床等の
構造面が複数のパネルユニットを配列して構成される建
物の空調システムなどに利用できる。

〔背景技術〕

近年、住宅等の建物においてはプレハブ化が進められ、
予め箱型に形成されたカプセルユニットあるいはパネル
ユニット等を箱型に組み立てることにより居室を構成す
ることがなされている。このようなプレハブ式建物は施
工が容易でコストダウンが可能であるうえ、予め各ユニ
ットが工場で精度よく製造されるため、密閉性が高く、
断熱性が高いため冷暖房を効率よく行うことが可能で
る。一方、近年の住宅では、生活水準の向上に伴って、
冷暖房機などを設置する部屋数が増えている。

ここで、従来は各室毎に室内機を設置していたのに対
し、配管や室内機の設置スペースや施工の煩雑さを低減
するとともに、大型空調装置による効率のよい運転を実
現するため、室内機の機能を室外機と一体化させて屋外
等の一個所にまとめた集中空調システムが開発されてい
る。

このシステムでは、集中空調ユニットで冷房や暖房等の
所定の空調処理を一括して行い、予め調和された空気を
各室に分配供給しており、この空気分配のために、建物
の構造体内に集中空調ユニットから各室に到る通風用ダ
クトのみを設けている。

このような、通風用ダクトの設置にあたり、パネルユニ
ット構造の建物に好適なものとして、床面部分に中空箱
状のダクトパネルユニットを用い、各ユニットが組立て
られた状態で床面内に一連のダクトが形成されるように
した通風用パネルダクトが提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、前述のような通風用パネルダクトでは、建物
の床面部分の厚さが限られているため、ダクトを二層に
して重ねるスペースを確保することは困難であり、単層
の床面部分には吸込用または送出用の何れかのダクトし
か配置できない。

このため、例えば、二階床面には空調ユニットから各室
に到る送出用ダクトのみを配置し、室内の空気を回収す
るための吸込用ダクトとしては、例えば階段裏に設けた
吸込口から一階床面を通して空調ユニットに戻る吸込用
ダクトを別個に設けている。

しかし、送出用および吸込用のダクトを別個に施工する
必要があるうえ、各々は一階床面および二階床面に別れ
ており、構造が複雑化し、設置スペースが大きくなると
ともに、作業が煩雑なものとなるという問題があった。

なお、本考案と関連性を有する従来技術として実開昭58
-148538号がある。

本考案の目的は、吸込用および送出用のダクトが同一面
内に配置でき、構造が簡単かつ設置が容易な単層形通風
用パネルダクトを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、複数のパネルユニットを配列して構成される
建物の床面内に形成される通風用パネルダクトであっ
て、前記床面内に建物を縦貫する中空箱状のメインダク
トパネルと、このメインダクトパネルの側面に端面が密
接される中空箱状のサブダクトパネルと、を配列し、こ
れらダクトパネルが互いに密接する面に開口を設けてメ
インダクトパネルからサブダクトパネルへ連通する一連
のダクトを形成すると共に、メインダクトパネル内を長
手方向に沿って３列のダクトに仕切って中央に独立した
ダクトを形成したものである。

ここで、メインダクトおよびサブダクトとしては、外径
が通常のパネルユニットと略同様な形状寸法とされ、か
つ内部が気密化された中空箱状のダクトパネルユニット
を用いればよい。

また、これらのダクトパネルの配置としては、例えば、
メインダクトを建物の廊下部分に合わせて設置し、この
廊下部分から各居室に向かってサブダクトが延びるよう
に構成することが望ましい。

さらに、メインダクトの端部等に空調ユニットを接続
し、メインダクトの両側部分およびサブダクトを送出用
ダクトとする一方、メインダクトの中央部分を吸込用と
し、各々適宜な開口等を設けて各居室や廊下部分に開放
させればよい。

〔作用〕

このような本考案においては、空調ユニットにより空調
処理された調和済空気がメインダクトパネルの両側部分
を通してサブダクトパネル内に送出され、建物内の各室
に分配供給される。

一方、各室内の空気は建物の廊下部分等を通してメイン
ダクトパネル部分に収集され、メインダクトの中央部分
に吸い込まれて空調ユニットに回収される。

従って、送出用および吸込用のダクトを一層の床面部分
内に設けることができ、構造が簡単かつダクトパネルの
敷き詰めにより簡単に施工が可能となり、これにより前
記目的が達成される。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図において、本実施例の二階住宅１は、各階床面が
パネルユニットを敷き詰めて構成されるものであり、二
階床面部分（一階天井裏部分）には本考案に基づく単層
形通風用パネルダクト２が設置されている。

このパネルダクト２は、住宅１の中央を縦貫する廊下３
に沿って配置されたメインダクトパネル10と、廊下３の
両側に配置された居室４の各々に延びるサブダクトパネ
ル20とを組み合わせて構成されたものである。

第２図において、メインダクトパネル10は、内部を三列
に仕切られ、両側が送出用メインダクト11,12とされ、
中央が吸込用ダクト13とされている。また、メインダク
トパネル10には、吸込用ダクト13を廊下３内空間に開放
させる吸込口14が形成されている。

一方、サブダクトパネル20は、端面をメインダクトパネ
ル10の側面に密着接続され、かつ各々の密着面に形成さ
れた開口により送出用メインダクト11,12に連通されて
いる。このサブダクトパネル20は、メインダクトパネル
10の両側に二系統づつ計四系統配置され、四つの居室４
に対応されている。なお、各系統のサブダクトパネル20
はそれぞれ通常のユニットの半分の幅のものを二本づつ
用いられている。ここで、一方のサブダクト21には下向
きの吹出口23、他方のサブダクト22には上向きの吹出口
24が設けられ、各々の内部は一階および二階の各居室４
に開放されている。

ところで、メインダクトパネル10の端部には屋外に配置
された空調ユニット30が接続される。

この空調ユニット30は、吸込んだ空気に対して冷房また
は暖房および換気等の所定の空調処理を行い、予め所望
の状態に調和させたうえで送出するものである。送出用
メインダクト11、12には、空調ユニット30の送出側パイ
プ31が接続され、吸込用メインダクト13には、吸込側パ
イプ32が接続されている。

このように構成された本実施例においては、空調ユニッ
ト30で空調処理された調和済空気は送出用パイプ31から
送出用メインダクト11,12に圧送供給され、それぞれに
連通されたサブダクト21,22を通して吹出口23,24から各
居室４に分配供給される。

一方、各居室４の空気はドア部分のスリット等から廊下
３に流出し、吸込口14から吸込用ダクト13内に取り込ま
れ、吸込用パイプ13を通して空調ユニット30に回収され
る。

このような実施例によれば、吸込用ダクト13を送出用ダ
クト11,12とともにメインダクトパネル10内に配置する
ため、単層構造により吸込用および送出用の二種類のダ
クトを同一床面内に配設することができる。

このため、吸込用および送出用のダクトを共に二階床面
部分にまとめることができ、一階等の他の床面部分に別
途ダクトを設置する必要がなく、空間利用効率を向上で
きるとともに、構造および施工を簡略化できる。

また、メインダクトパネル10およびサブダクトパネル20
は、他のパネルユニットとともに床面部分に敷き詰める
だけで一連のダクトを形成できるため、構造および施工
が著しく簡略化できる。

さらに、メインダクトパネル10を三列に仕切り、中央部
分を吸込用ダクト13とし、両側部分を送出用メインダク
ト11,12としたため、送出用のサブダクトパネル20を両
側に接続することができ、住宅１の全体に調和済空気を
供給する際のサブダクト21,22を適度な長さで各々が均
等な長さとなるように設定できる。

なお、本考案は前記実施例に限定されるものではなく、
以下に示すような変形をも含むものである。

すなわち、サブダクトパネル20は、通常のパネルユニッ
トの半分幅のものを二本づつ用いるものに限らず、一本
づつで一系統としてもよく、あるいは通常幅のものを用
いてもよい。

また、各ダクト21,22にそれぞれ上下に対応する送出口2
3,24を配置するものに限らず、各々に上下に向かう開口
を設けてもよい。

さらに、送出口23,24はサブダクトパネル20の中間部分
にも配置してもよい。

一方、メインダクトパネル10において、吸込用ダクト13
の吸込口４は廊下３の奥の部分に限らず、途中に複数設
けてもよい。

また、吸込口４は一階天井側に下向きに開口されるもの
に限らず、二階床面、吸込口４を上向きに開口させて二
階の廊下３からの空気を吸い込んでもよいが、この場合
には細かなネット等による落下防止等の対応を行うこと
が望ましい。

さらに、前記実施例では、単層形送風用パネルダクト２
を二階床面内に配設したが、一階住宅にあっては一階床
面内に、三階以上の住宅にあってはそれぞれの床面内に
配設してもよく、実施する住宅に合わせて適宜選択すれ
ばよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、メインダクトパ
ネル内を三層に仕切って中央に独立したダクトを設ける
ようにしたので、吸込用および送出用のダクトを同一床
面内に配置でき、構造を簡略化できるとともに、施工を
極めて容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２図は同実
施例の要部を示す斜視図である。 １……住宅、２……単層型通風用パネルダクト、10……
メインダクトパネル、11,12,13……三列に配置された送
出用および吸込用のダクト、20……サブダクトパネル、
30……空調ユニット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のパネルユニットを配列して構成され
   る建物の床面内に形成される通風用パネルダクトであっ
   て、前記床面内に建物を縦貫する中空箱状のメインダク
   トパネルと、このメインダクトパネルの側面に端面が密
   接される中空箱状のサブダクトパネルと、を配列し、こ
   れらダクトパネルが互いに密接する面に開口を設けてメ
   インダクトパネルからサブダクトパネルへ連通する一連
   のダクトを形成すると共に、メインダクトパネル内を長
   手方向に沿って３列のダクトに仕切って中央に独立した
   ダクトを形成したことを特徴とする単層型通風用パネル
   ダクト。