JPH0132010B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は長孔面取りカツターに関し、長孔の一
側面側からカツターを挿入し、長孔の所定位置に
カツターを位置決め後、このカツターを回転する
ことにより、上記長孔における面取り作業を、表
裏同時に遂行することのできる長孔面取りカツタ
ーの提供を目的とするものである。

第１，２図は、それぞれ長孔３，４を穿孔した
部品１，２を示し、第１図は板状の部品１、第２
図は筒状の部品２を示すものである。

これらの部品１，２の長孔３，４の穿孔加工に
際して発生するバリ取り作業は通常ヤスリによる
面取り加工によつて遂行されるのであるが、手作
業による面取り加工には、加工作業者の個人差も
大きく影響し、以下のような欠点が存在する。

(1) 作業者の疲労が大きく、作業時間が掛る (2) 面取り寸法を均一に加工できない (3) 第２図の円筒状の部品の長孔における裏側の
加工が困難である。

そこで、本発明はこれらの欠点なく面取り加工
を行なうことができるとともに長孔の表裏面の面
取り作業を同時に行なうことのできる長孔面取り
カツターの提供を目的とするもので、以下にその
具体的な実施例を図面とともに説明する。

第３，４図は本発明カツターの第１実施例を示
すもので、カツター本体１０の先端面取刃１１を
偏平状に形成するとともにこの面取刃部１１に
は、カツター本体１０の外周線イよりαなる角度
を有する前後１対の面取刃１２，１３を間隔ｔを
置いて対設することにより構成してある。

また、上記前側の面取刃１２側にはθなる角度
を有する先端刃１４を設けてある。

上記構成から成る長孔面取りカツターによる面
取り加工方法について説明すると、先ず部品１あ
るいは２に穿孔された長孔３，４に対して第３図
示の状態の長孔面取りカツターを、軸心線ロにお
いて90°回転した第４図示の状態下にしつつ、そ
の面取刃部１１を挿入するとともに前後両面取刃
１２，１３を長孔３，４の表裏面に位置決めした
後、カツター本体１０を連結した回転駆動部（図
示しない）を始動して、面取刃部１１を回転する
ことにより、長孔３，４の表裏両面の面取り加工
を同時に完了することができるものである。

上記方法による場合の面取り後の長孔の部分を
示したのが第８図である。

しかるに、第４図に示す、先端面取刃部１１の
偏平部を水平にした状態下に、長孔３，４に挿入
かつ面取刃１２，１３の位置決めを行つた後に、
当該面取刃部１１を回転することにより面取り作
業を実施する場合に換えて、当初よりカツター本
体１０を回転しつつ、長孔３，４の端部に挿入し
た後、前後両面取刃１２，１３を長孔３，４の表
裏面に位置決めしつつ、長孔３，４の長さ方向に
面取り加工を実施することが可能で、この方法に
よつて面取り加工を実施した場合には、第７図に
示す如く、長孔３，４の端部にカツター本体１０
の先端刃１４の外径φ₁に相当する径の丸穴３ａ，
４ａが残ることになる。

第３，４図に示す実施例の場合には先端面取刃
部１１を偏平状に形成した場合には、上記両作業
方法による実施が可能であるが、第９図に示す如
く、カツター本体１０′の先端面取刃部１１′を偏
平に形成することなく、カツター本体１０′と同
一径から成る軸部に、αなる角度を有する１対の
前後面取刃１２′，１３′を間隔t′を置いて対設す
るとともに先端刃１４′を設けて構成した長孔面
取りカツターの場合には、上記後者の方法による
し、また、第３，４図の実施例の長孔面取りカツ
ターの構成上、先端刃１４を設けることなく実施
することができる反面、かゝる先端刃１４を具備
しない構成から成る長孔面取りカツター（図示し
ない）により、面取り作業を実施する場合には、
上記前者の方法による。

さて、上述してきた実施例から解るように面取
刃１２，１３のαなる角度は、面取り寸法に対応
した角度により構成するとともに面取刃１２，１
３の対設間隔ｔは面取りせんとする部品１，２等
の肉厚に対応した間隔により構成するものであ
る。

しかして、面取刃１２，１３の対設間隔ｔを面
取りせんとする部品の肉厚に対応せしめて、任意
に設定し得るように構成したのが、第５，６図の
第２実施例の長孔面取りカツターである。

同図において、２０は先端偏平部２１に、第１
実施例と同様にαなる角度を有する前側面取刃２
３を設けた前側カツター部で、この前側カツター
部２０の軸部外周には後述する後側カツター部の
連結用のネジ部２４を螺設してある。

２５は先端部に、第１実施例と同様のαなる角
度を有する後側面取刃２６を、上記前側面取刃２
３の対向し得る方向に設けた後側カツター部で、
この後側カツター部２５の内側周面には上記前側
カツター部２０のネジ部２４に螺合するネジ部２
７を螺設してある。

しかして、前側カツター部２０のネジ部２４に
後側カツター部２５のネジ部２７を螺合しつつ前
側カツター部２０に後側カツター部２５を螺着す
ることにより、長孔面取りカツターを構成するこ
とができる。

また、当該長孔面取りカツターによれば、前側
カツター部２０に対する後側カツター部２５の螺
合度合により、面取刃２３，２６間の間隔を任意
に調整することができ、面取りせんとする部品の
肉厚に対応せしめる後側カツター部２５の螺合操
作による間隔ｔの調整後、第５図に示す如く、止
ネジ２８を螺着することにより、前後両カツター
部２０，２５の両者を互いに固着することにより
部品１，２における長孔３，４の面取り用の長孔
面取りカツターを構成することができる。

尚、第６図は第５図の長孔面取りカツターの前
側カツター部２０の先端偏平部２１を水平状態に
して挿入した状態で、挿入後、両面取刃２３，２
６を長孔３，４の表裏両面に位置決めした状態を
示すものである。

面取り加工方法については上述した第１実施例
の長孔面取りカツターと同様の方法により実施す
ることができるので、説明を省略する。

第５，６図示のθなる角度を有する先端刃２９
を前側カツター部２０に設けた場合の実施例と、
これを具備しない実施例についての説明について
も、第１実施例と同様であるので説明を省略す
る。

以上の説明から明らかな通り、本発明の長孔面
取りカツターによれば、従来の手作業による面取
り作業員の疲労を解消し、作業時間を短縮するこ
とができる。

また、各部品の長孔相互間における面取り寸法
を均一に加工することができ、面取り寸法精度な
らびに部品精度を向上することができる。

さらに、長孔の一側面方向より、表裏両面の面
取り加工を同時に遂行することができるとともに
円筒状の部品における長孔の裏側の面取り加工を
も容易に行なうことができる。

特に、一方の面取刃を他の面取刃に対して軸方
向移動自在にした場合には、前後面取刃の対設間
隔を、被加工部品の長孔の肉厚に対応せしめつつ
調整でき、肉厚の異なる多種類の被加工部品の長
孔の面取り加工に使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は長孔を備える板状および円筒状部
品のそれぞれの斜視図、第３，４図は本発明長孔
面取りカツターの第１実施例を示す平面図、側面
図で、それぞれ部品の長孔の面取り加工方法を示
し、第５，６図は本発明長孔面取りカツターの第
２実施例を示す平面図、側面図で、第５図は一部
を縦断して示すとともに第５，６図はともに部品
の長孔の面取り加工方法を同時に示し、第７，８
図は第３〜６図示の長孔面取りカツターによる面
取り加工後の長孔を示す部分図、第９図は本発明
長孔面取りカツターの第３実施例を示す一部を省
略した側面図である。 １……板状部品、２……円筒状部品、３……長
孔、４……長孔、１０……カツター本体、１１…
…先端偏平状の面取刃部、１２……前側面取刃、
１３……後側面取刃、１４……先端刃、２０……
前側カツター部、２１……先端偏平部、２３……
前側面取刃、２４……ネジ部、２５……後側カツ
ター部、２６……後側面取刃、２７……ネジ部、
２８……止ネジ、２９……先端刃。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 面取角度を有する面取刃を面取刃部の前後に
   対設するとともに、面取刃部の先端に少なくとも
   前記前側の面取刃と一体の先端刃を設けたことを
   特徴とする長孔面取りカツター。 ２ 前記面取刃部の前後に対設した面取刃の少な
   くとも前側の面取刃と面取刃部の先端の先端刃と
   を偏平に形成したことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載の長孔面取りカツター。