JPH0130851B2 - - Google Patents

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JPH0130851B2
JPH0130851B2 JP11280085A JP11280085A JPH0130851B2 JP H0130851 B2 JPH0130851 B2 JP H0130851B2 JP 11280085 A JP11280085 A JP 11280085A JP 11280085 A JP11280085 A JP 11280085A JP H0130851 B2 JPH0130851 B2 JP H0130851B2
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copolymer
acid
hydroxystyrene
hydroxystyrenes
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JP11280085A
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Masaaki Sekya
Osamu Matsumoto
Hiroshi Fujiwara
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Cosmo Oil Co Ltd
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Maruzen Oil Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、ヒドロキシスチレン類とマレイミド
類とからなる新規な共重合体の製造法に関するも
のであり、詳しくは、ヒドロキシスチレン類とマ
レイミド類とをラジカル開始剤、酸、塩基、光、
熱および放射線の少なくとも1種により共重合反
応させることにより、重合体の側鎖にフエノール
基とイミド基とを有する新規な共重合体を製造す
る方法に関するものであり、特に水を1%以上含
有した状態でヒドロキシスチレン類とマレイミド
類を共重合させることを特徴としている。水が存
在することによりプロセス上、共重合熱が除去し
やすくさらに、ヒドロキシスチレン類が水和する
ため共重合が制御しやすくなるメリツトを見い出
した。 (従来の技術) 従来、ヒドロキシスチレンを酢酸、コハク酸、
アクリル酸、レブリン酸、安息香酸、アスコルビ
ン酸、あるいは炭酸ガス等で重合させることは特
開昭57−44607に、ギ酸、シユウ酸、グリコール
酸、サリチル酸等で重合させることは特開昭57−
44608に、分子量調節剤として、水、アルコール、
フエノール、アセトン、ジメチルスルホン、ジメ
チルスルホキシド、ニトロメタン、テトラヒドロ
フラン、ホルムアミド、あるいはアセトニトリル
等の存在下に有機カルボン酸によりパラヒドロキ
シスチレンを重合させることは特開昭57−44609
に開示されている。 また、マレイミド類のホモ重合はR.C.P.
Cubbon、Polymer、、419(1966)やK.Kojima
他、J.Polymer Sci.、A−1、、1121(1966)
や山田正盛他、高化、26、393(1969)に記述され
ている。 さらに、パラヒドロキシスチレンあるいはメタ
ヒドロキシスチレンとメタクリル酸メチルあるい
はスチレンとの共重合反応は、M.Kato.J.
Polymer Sci.、A−1、、2175(1969)に、パ
ラアセトキシスチレンとスチレンとの共重合反応
は、F.Danusso他、Chim.Ind.(Milan)47、585
(1965)に記述されている。一方、マレイミドと
塩化ビニリデン、メタクリル酸メチルあるいはス
チレンとの共重合反応は、G.Van Paesschen他、
Makromol.Chem.78、112(1964)に、N−メチ
ルマレイミドあるいはN−エチルマレイミドと塩
化ビニルとの共重合反応は、大塚三千夫他、工
化、72、2505(1969)に、N−フエニルマレイミ
ドと塩化ビニルとの共重合反応は、大塚三千夫
他、工化、73、1062(1970)に、N−フエニルマ
レイミドとメタクリル酸メチルあるいはスチレン
との共重合反応は、山田正盛他、高化、24、326
(1967)に記載されている。 (解決しようとする問題点) 本発明者らは、ヒドロキシスチレンから合成さ
れる機能性高分子の製造について種々検討してき
たが、その研究の一環としてさらに耐熱性の優れ
たヒドロキシスチレン系重合体を得るべく研究を
行なつた。一部の重合体の耐熱性は、重合鎖中に
イミド基を含ませること、あるいは重合体にイミ
ド基含有化合物を混合することによつて改善され
ることが知られているので、メタあるいはパラヒ
ドロキシスチレン類とマレイミド類との共重合を
試み、新規なヒドロキシスチレン類とマレイミド
類との共重合体の合成に成功した。本発明方法で
得られるヒドロキシスチレン類とマレイミド類と
の共重合体は、耐熱性、接着性、成膜性等におい
て優れ、色相が良好であり、本発明方法によれば
高分子量の共重合体も容易に得られる。 したがつて、本発明の目的は、メタまたはパラ
ヒドロキシスチレン類とマレイミド類との共重合
体の製造法を与えることである。本発明の第2の
目的は、耐熱性、接着性、成膜性に優れ、色相が
良好な材料である新規なヒドロキシスチレン類と
マレイミド類との共重合体の製造法を与えること
である。さらに他の目的は、各種の有機溶媒に可
溶なヒドロキシスチレン類とマレイミド類との線
状共重合体の製造法を与えることである。 (問題点を解決するための手段) すなわち、本発明の要旨は、 一般式() (ただし、R1、R2およびR3は水素または炭素数
1〜4のアルキル基を表わし、R6は水素、アラ
アルキル基あるいはアセチル基を表わし、Zは炭
素数1〜4のアルキル基を表わし、mは0、1、
2または3であり、R6O基はビニル基に対してメ
タ位あるいはパラ位である。)で表わされるヒド
ロキシスチレン類と一般式() (ただし、R4およびR5は水素または炭素数1〜
4のアルキル基を表わし、R7は水素、炭素数1
〜10のアルキル基、フエニル基、アラアルキル基
あるいはアセトキシ基を表わす。)で表わされる
マレイミド類とを該ヒドロキシスチレン類と該マ
レイミド類とのモル比が10:90〜90:10の範囲
で、ラジカル開始剤、酸、塩基、光、熱および放
射線の少なくとも1種により、共重合溶媒として
水を1%以上含有させ、水を1〜80%含有する場
合には120〜350℃の温度範囲で、水を80%以上含
有する場合には0〜50℃の温度範囲で共重合させ
ることを特徴とする重合鎖が本質的に一般式
() および一般式() (ただし、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、mお
よびZは前記に同じ、そしてR6O基は主鎖に対し
てメタ位あるいはパラ位である。)で示される構
成単位が線状に結合してなるヒドロキシスチレン
類とマレイミド類との共重合体の製造法に存す
る。 本発明において共重合反応の原料として使用す
るヒドロキシスチレン類は純品でも良いが、通常
工業的に得られる粗製ヒドロキシスチレン類でも
良い。一般には純度は別として、パラヒドロキシ
スチレンならパラヒドロキシスチレンのみを用い
るが、希望によつては、例えばパラヒドロキシス
チレンとメタヒドロキシスチレンとの混合物、あ
るいはパラヒドロキシスチレンとパラヒドロキシ
−α−メチルスチレンとの混合物等2種以上のヒ
ドロキシスチレン類の混合物を用いることもでき
る。ヒドロキシスチレン類の好ましい具体例は、
パラヒドロキシスチレン、メタヒドロキシスチレ
ン、パラヒドロキシ−α−メチルスチレン、メタ
ヒドロキシ−α−メチルスチレン、パラヒドロキ
シ−α−エチルスチレン、パラアセトキシスチレ
ン等であり、そしてパラヒドロキシスチレンがさ
らに好ましい。このように、ヒドロキシスチレン
類のフエノール性水酸基はビニル基等のアルケニ
ル基に対してメタ位またはパラ位にある。Zは一
般にはメチル基であり、mは通常1または0であ
る。 これらのヒドロキシスチレン類およびそれらの
製法は公知であり、例えば、パラヒドロキシスチ
レンの製造方法ならびに合成方法は特開昭57−
4407に記載されている。メタヒドロキシスチレン
も上記パラヒドロキシスチレンと同様にして製造
あるいは合成され得る。パライソプロペニルフエ
ノール(別名パラヒドロキシ−α−メチルスチレ
ン)も同様にして合成され得る。アセトキシスチ
レンは例えばヒドロキシスチレンを無水酢酸と反
応させて合成される。 本発明の他方の共重合体原料であるマレイミド
類も勿論純品でも良いが、通常工業的に得られる
粗製マレイミド類でも良い。一般には純度は別と
して、マレイミドならマレイミドのみ、N−フエ
ニルマレイミドならN−フエニルマレイミドのみ
を用いるが、希望によつては、例えばマレイミド
とN−フエニルマレイミドとの混合物等2種以上
の混合物を用いることもできる。マレイミド類の
好ましい具体例はマレイミド、N−メチルマレイ
ミド、N−エチルマレイミド、およびN−フエニ
ルマレイミド等である。マレイミド類およびその
製法は公知であり、例えばマレイミドの場合に
は、ピロールをクロム酸混液で酸化することによ
り、あるいはマレアミドを塩化亜鉛と加熱するこ
とにより、または無水マレイン酸と尿素を反応さ
せこのマレウル酸を脱水し、N−カルバミルマレ
イミドを得これをさらに熱分解することにより得
られる。N−アルキルマレイミドの場合には、L.
E.CoLeman、Jr.他、J.Org.Chem.、24、135
(1959)に記載されているように、無水マレイン
酸と第1級アミンとを反応させてN−アルキルマ
レアミン酸を合成し、これを無水酢酸と酢酸ナト
リウムで脱水環化させて得られる。N−フエニル
マレイミドは、第1級アミンとしてアニリンを用
いることによりN−アルキルマレイミドと同様に
して製造することができる。N−アセトキシマレ
イミドの場合には、山田正盛他、有合化、23
166(1965)に記載されているように無水マレイン
酸とアルカノールアミンとの反応により、N−オ
キシアルキルマレアミン酸を得これを無水酢酸と
酢酸ナトリウムにより脱水、エステル化して得ら
れる。 本発明のヒドロキシスチレン類とマレイミド類
との共重合体の製造は次のようにして行なうこと
ができる。すなわち、ヒドロキシスチレン類とマ
レイミド類とを10:90〜90:10の範囲のモル比で
共存させ、ラジカル開始剤、酸、塩基、光、熱お
よび放射線の少なくとも1種により、共重合溶媒
として水を1%以上含有させ、水を1〜80%含有
する場合には120〜350℃の温度範囲で、好ましく
は130〜250℃の温度範囲で、水を80%以上含有す
る場合には0〜50℃の温度範囲で、好ましくは5
〜40℃の温度範囲において、塊状重合、溶液重
合、乳化重合、懸濁重合、などの様式で行なうこ
とが出来る。 ラジカル開始剤を用いる場合には、例えばメチ
ルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシ
ドなどのヒドロペルオキシド、ジ−ターシヤリ−
ブチルペルオキシドなどのジアルキルペルオキシ
ド、過酢酸、過安息香酸、過安息香酸ターシヤリ
−ブチル、ターシヤリ−ブチルペルオキシトリフ
エニルアセテート、ジ−ターシヤリ−ブチルモノ
ペルオキシオギザレートなどの過酸およびそのエ
ステル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過
酸化ベンゾイルなどのジアシルおよびジアロイル
ペルオキシド、2,2′−アゾビスイソブチロニト
リルなどのアゾ化合物、テトラメチルチウラムジ
スルフイドなどの二硫化物、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩等の開始剤を用
いることが出来る。ラジカル開始剤の使用量は反
応系に対し0.01〜10重量%が適当である。 光による開始の場合には超高圧水銀灯による紫
外線の照射を行なうことにより共重合を開始する
ことが出来る。光の照射量は、例えば250W超高
圧水銀灯を用いた場合、45cmの距離で1分から1
時間の照射が適当である。 放射線による開始の場合にはコバルト60からの
ガンマー線を照射することにより共重合を開始す
ることが出来る。例えば線量率10-3から103rad/
秒が適当である。 酸を開始剤に用いる場合には、例えばシユウ
酸、硫酸、過塩素酸、トリフルオロ酢酸などのプ
ロトン酸、三ふつ化ほう素、塩化アルミニウム、
四塩化チタン、塩化第二すず、塩化第二鉄などの
ルイス酸を開始剤に用いることが出来る。 塩基を開始剤に用いる場合には、例えば、水酸
化ナトリウムなどの水酸化物、アミンなどのルイ
ス塩基を開始剤に用いることが出来る。酸または
塩基の使用量は反応系に対し0.001〜5重量%が
適当である。 本発明の共重合体を得るためには、ヒドロキシ
スチレン類とマレイミド類とのモル組成比はあま
り制限されなく、モル組成比は10:90〜90:10で
ある。しかし、さらに効率的に共重合反応を行な
わすためにはモル組成比は30:70〜70:30程度に
するのが良い。 本発明方法の実施に当つては、溶液重合とする
のが通常好ましいが、両単量体を自己溶媒として
塊状重合を行なうことも可能である。また乳化重
合あるいは懸濁重合を行なうことも出来る。 乳化重合の場合には、乳化剤として、オレイン
酸ナトリウム、アルキルスルホン酸のような脂肪
酸のアルカリ金属塩などのアニオン界面活性剤、
アミン塩、第四級アンモニウム塩などのカチオン
界面活性剤、アルキルフエノールのエチレンオキ
シド付加物などの非イオン界面活性剤などを用い
ることが出来る。 懸濁重合の場合には、保護コロイドとして、で
んぷん、ペクチン、アルギン酸塩、ゼラチン、ヒ
ドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリル酸、およびポリビニルピロリ
ドンなどの水溶性高分子または微細な無機物質と
して、硫酸バリウム、リン酸マグネシウムなどを
添加することが出来る。 共重合の際には、溶媒として水が非常に重要な
因子となつて来る。これはヒドロキシスチレン類
が親水性単量体であるためである。これ以外に共
重合の溶媒として、アルコール、フエノール、エ
チルフエノール、アセトン、ジメチルスルホン、
ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、ホルムアミド、アセト
ニトリル、酢酸エチル、プロピレンカーボネー
ト、クロロホルム、ピリジン、酢酸、塩化メチレ
ンおよびトルエンあるいはこれらの混合溶媒、ま
たはこれらと水との混合溶媒を用いることが出来
る。 共重合反応に必要な時間は、用いる条件によつ
て一定ではないが、一般に数分から48時間程度、
好ましくは0.5から12時間程度である。 本発明方法の生成物であるヒドロキシスチレン
類とマレイミド類との共重合体は、それ自体は公
知の高分子反応によつて共重合体中のフエノール
核に各種の置換基を容易に導入することができ
る。例えばポリパラヒドロキシスチレンの場合に
開示されている方法により、ハロゲン(特公昭56
−39762号)、ハロメチル基(特開昭59−43006
号)、メチロール基(特公昭44−7350号)、スルホ
ン酸基(特公昭55−24444号)、スルホメチル基
(特開昭49−66581号)、リン酸基(特開昭53−
47489号)、アルキルリン酸基(特開昭53−47489
号)、アルキルアミノメチル基(特公昭55−25202
号)、アルキルアンモニウムメチル基(特公昭55
−25202号)、ニトロソ基(特開昭54−148892号)、
ニトロ基(ジヤーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソ
サイテイー、Journal of the Chemical
Society、1964、2619〜2620頁)を導入し得る。 本発明により得られるヒドロキシスチレン類と
マレイミド類との共重合体は、化学的、物理的、
生物学的にすぐれた性状を有し、超耐熱性樹脂、
感光性樹脂、キレート樹脂、耐熱性接着剤、塗
料、液晶配向剤、複合材料用高分子マトリツクス
剤、金属表面処理剤、ガラスやワイヤー用のコー
テイング剤、酸化防止剤、殺菌剤、磁気テープ用
バインダー、セラミツク用バインダー、光フアイ
バー被覆剤、各種分離膜等として広範な用途を有
する機能性高分子材料である。特にこの新規な共
重合体は加工性、色相に優れており、この重合体
から無色透明あるいは白色のフイルム、テープ、
繊維、積層板、ワニス、成形品を容易に製造出来
る。 次に、この新規なヒドロキシスチレン類とマレ
イミド類との共重合体は微細加工用感光性レジス
トとして、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の
各種露光に適用出来、特に基板への良好な密着
性、耐熱性、耐ドライエツチング性、解像性に優
れている。また、この新規な共重合体は、エポキ
シ樹脂と配合し熱硬化性樹脂組成物として有用で
ある。 以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に
例示するが、これらは単に例示の目的で示すもの
であつて、本発明の範囲を限定するものではな
い。本実施例中GCとあるのはガスクロマトグラ
フイーの略であり、GPCとあるのはゲル・パー
ミエーシヨン・クロマトグラフイーの略である。 実施例 1 あらかじめ窒素置換した500mlの重合管に所定
量の再結晶精製パラヒドロキシスチレンと所定量
の蒸留精製パラエチルフエノール(GC分析によ
る純度99.3%)と所定量の蒸留水とを仕込み、手
早くほぼ均一に溶解した。またこれとは別に、あ
らかじめ窒素置換した500mlの重合管に所定量の
再結晶精製N−フエニルマレイミドを所定量の蒸
留精製パラエチルフエノールあるいは有機溶媒に
溶解させた溶液を、室温ですばやく、上記パラヒ
ドロキシスチレンを含む重合管に移し、窒素気流
下でミキサー(大洋科学工業(株)製、
AUTOMATIC MIXER、S−5N)により撹拌
した。所定量の開始剤を用いる場合には、N−フ
エニルマレイミドを含む溶液にすばやく添加し撹
拌溶解させた。その後、パラヒドロキシスチレン
とN−フエニルマレイミドとを含む溶液を所定温
度の恒温重合槽にて、所定時間共重合反応させ
た。共重合反応後、共重合溶液をほぼ20倍量のn
−ヘプタン溶剤に投入することにより、共重合体
を析出させた後、ロ過したあと十分に、n−ヘプ
タンにて洗浄し、さらにロ過をして分離した。こ
の共重合体を30℃で恒量になるまで真空乾燥し生
成収量を求めた。この生成共重合体はいずれも白
色であつた。またこの生成共重合体のGPC分析
を行ない分子量と分子量分布を測定し、生成共重
合体のミクロ構造をIR分析、NMR分析により測
定し、特に、 13C−NMR分析により、パラヒド
ロキシスチレンとN−フエニルマレイミドとの共
重合体中の組成を決定した。さらに、この生成共
重合体の軟化点(Ts、℃)を測定した。これら
の結果をまとめて第1表に示す。 Exp.1のIRスペクトルを第1図として、その
13C−NMRスペクトルを第2図として示す。
【表】 実施例 2 実施例1と同じ手順でヒドロキシスチレン類と
マレイミド類との共重合反応を行なつた。反応条
件および結果を第2表に示した。
【表】 参考例 1 実施例1のExp.1で得たパラヒドロキシスチレ
ンとN−フエニルマレイミドとの共重合体2.84g
(重量平均分子量30250、共重合体中のパラヒドロ
キシスチレン58.3モル%)とオルトナフトキノン
ジアジド0.88gとをエチルセルソルブアセテート
40gとN、N−ジメチルホルムアミド10gとに溶
解させてレジスト液となし、該レジスト液をアル
ミニウム板上に塗布して2.1g/m2のレジスト層
を形成した。しかして、これを105℃の温度にて
40分間プリベークを施こし、しかる後に波長320
〜500nmの紫外線により陽画オリジナルの下で
露光を行なつた。その後、レジストの現像を温度
50℃にて4重量%のリン酸三ナトリウムおよび3
重量%のケイ酸ナトリウムの水溶液で行ない、さ
らにリンスを水で行なつて陽画像を得た。 一般に、ホトレジストの性能を表わす一つの方
法として、油性インキを塗布した後、オフセツト
印刷機によりプリントした場合の摩耗を示すこと
なくプリントできる枚数が用いられ、このレジス
トのオフセツトプリント性能は8万枚以上と非常
に優れたものであつた。これはポリパラビニルフ
エノールとオルトナフトキノンジアジドの場合の
2倍以上の性能であつた。 参考例 2 実施例1のExp.1で得たパラヒドロキシスチレ
ンとN−フエニルマレイミドとの共重合体28.4g
(重量平均分子量30250、共重合体中のパラヒドロ
キシスチレン58.3モル%)とシエル社製ビスフエ
ノール系エポキシ樹脂エピコート828(エポキシ当
量190、分子量約380)19.0gとを混合(フエノー
ル性水酸基/エポキシ基
【式】が1.0) し、これを190〜210℃で加熱溶解させた。この溶
解物をガラス製(内側にセロハンを貼つている)
の型に流し込み、180℃で1時間、さらに250℃で
3時間加熱し、淡黄色透明の注型物を得た。この
注型物から切り出した試験片について熱変形温度
(HDT)を測定したところ207℃であつた。 参考例 3 参考例2において、硬化促進剤として、BF3
2メチルイミダゾール1gを190〜210℃で、パラ
ヒドロキシスチレンとN−フエニルマレイミド共
重合体28.4gとシエル社製ビスフエノール系エポ
キシ樹脂エピコート828 19.0gとの加熱溶融物にすばやく添加した以外は
全て、参考例2と同様にして硬化反応を行なつた
ところ、熱変形温度(HDT)が248℃ときわめて
優れた注型物が得られた。 参考例 4 参考例2で用いたものと同様のパラヒドロキシ
スチレンとN−フエニルマレイミド共重合体28.4
gとダウ社製ビスフエノール系エポキシ樹脂
DER331−J 18.9gとパラアミノベンズアルデ
ヒド0.5gとを500gのメチルエチルケトンに溶解
してワニスとした。このワニスをブリキ板および
ガラス板に流し塗りし、それを室温で4時間乾燥
した後180℃で1時間、さらに220℃で1時間熱処
理して膜厚・約15μの塗膜を得た。かくして得た
ガラスを支持体とする塗膜を室温で48時間メチル
エチルケトンに浸漬し、またはメチルエチルケト
ン還流下で12時間放置し、該塗膜の程度を調べた
ところ、どちらの試験においても、塗膜はメチル
エチルケトンにおかされず非常に安定で、良好な
硬化がなされていた。またブリキ板を支持体とす
る塗膜について、碁盤目試験、耐屈曲性試験を行
なつたところ、結果は非常に良好であり、鉛筆硬
度は5Hであつた。 参考例 5 参考例2で用いたものと同様のパラヒドロキシ
スチレンとN−フエニルマレイミド共重合体28.4
gとダウ社製ビスフエノール系エポキシ樹脂
DER331−J 18.9gとBF3・ピペリジン0.5gと
を400gのアセトンに溶解してワニスとした。こ
のワニスにガラスクロス(日本硝子(株)製朱子織、
マイクログラスES−21NH)を浸漬し、室温に
て2時間放置後60℃で10分間、90℃で30分間乾燥
した。かくして得られたプリプレグクロスは室温
において粘着性が全く無く作業性が非常に良好で
あつた。また上記の熱処理では硬化反応も起こら
ず貯蔵安定性に富んでいた。次いで、このプリプ
レグクロスを36枚紡糸方向をそろえて重ね合せ
て、190℃でまず常圧下、次いで210℃で30Kg/cm2
の圧力下で30分間熱プレスした。この熱プレスし
たものをさらに220℃で3時間ポストキユアして
積層板を得た。この積層板には気泡などが全く含
まれておらず、脱泡性が非常に良好であつた。得
られた積層板の試験片を250℃の空気オーブンに
て、50時間、100時間、300時間放置して重量減少
を測定した結果各々0.41重量%、0.52重量%、
0.72重量%の減少であつた。 上述したとおり、本発明の製造方法により得ら
れたヒドロキシスチレン類とマレイミド類との共
重合体およびその変成物はホトレジスト、成型材
料、塗料、および積層板として有用であることも
明らかである。 (発明の効果) 本発明方法によれば、新規な重合体であるとこ
ろのヒドロキシスチレン類とマレイミド類との共
重合体が容易に得られ、これらの共重合体は耐熱
性、成膜性、接着性に優れ色相も良好な樹脂であ
つて、前記したとおり、ホトレジスト、成型材
料、塗料、積層板等多数の用途に好適に使用し得
るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1のExp.1で得られた生成物の
IRスペクトルであり、そして第2図はその 13C
−NMRスペクトルである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式() (ただし、R1、R2およびR3は水素または炭素数
    1〜4のアルキル基を表わし、R6は水素、アラ
    アルキル基あるいはアセチル基を表わし、Zは炭
    素数1〜4のアルキル基を表わし、mは0、1、
    2または3であり、R6O基はビニル基に対してメ
    タ位あるはパラ位である。)で表わされるヒドロ
    キシスチレン類と 一般式() (ただし、R4およびR5は水素または炭素数1〜
    4のアルキル基を表わし、R7は水素、炭素数1
    〜10のアルキル基、フエニル基、アラアルキル基
    あるいはアセトキシ基を表わす。)で表わされる
    マレイミド類とを該ヒドロキシスチレン類と該マ
    レイミド類とのモル比が10:90〜90:10の範囲
    で、ラジカル開始剤、酸、塩基、光、熱および放
    射線の少なくとも一種により、共重合溶媒として
    水を1%以上含有させ、水を1〜80%含有する場
    合には120〜350℃の温度範囲で、水を80%以上含
    有する場合には0〜50℃の温度範囲で共重合させ
    ることを特徴とする重合鎖が本質的に一般式
    () および一般式() (ただし、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、mお
    よびZは前記に同じ、そしてR6O基は主鎖に対し
    てメタ位あるいはパラ位である。)で示される構
    成単位が線状に結合してなるヒドロキシスチレン
    類とマレイミド類との共重合体の製造法。
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