JPH0130618B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はタイヤ成形機におけるプライ折返し方
法の改良に関するものである。

タイヤ成形に際し、成形ドラムにプライを巻付
け、ビードを貼り付けた後、プライの折返しを行
う方法としてブラダーと称する膨張可能な空気袋
を用いて行なう方法がある。

従来、ブラダーの膨張により、プライの折返し
を行なう場合、ブラダーを膨張開始位置へ移動さ
せて、ビードとの関係位置を一定にして、ブラダ
ーの膨張によるプライの折返し反力で、関係位置
が変らないようにストツパーで位置を固定してい
たが、良質のタイヤを製造する上で、十分な効果
が得られなかつた。

本発明は上記した点に鑑み提案されたもので、
膨張可能なブラダーを用いてプライの折返しを行
うようにしたプライ折返し方法において、前記ブ
ラダーを膨張開始位置に移動させた後、圧縮空気
を供給してブラダーを膨張させ、膨張するブラダ
ーによりプライの折返しを行ないながらブラダー
のプライ折返し反力によつてブラダーの縁部つか
み部材を軸方向外側に移動させ、前記膨張とあい
まつてブラダーをプライの巻締方向へ移動させる
ことを特徴とし、その目的とするころは、タイヤ
の品質を向上させることができるプライ折返し方
法を提供しようとするものである。

本発明は上記のようにブラダーによりプライの
折返しを行ないながらブラダーのプライ折返し反
力によつてブラダーの縁部つかみ部材を軸方向外
側に移動させ、前記膨張とあいまつてブラダーを
プライの巻締方向に移動させるようにしているの
で、プライとプラダーとの接触面の粘着力により
ビード回りのプライを引張りながら、プライを折
返すことができ、ビード回りに巻付けられるプラ
イの締りが良くなり、成形するタイヤの品質を向
上させることができる。

以下本発明を図示実施例に基づいて説明する。

第１図はタイヤ成形機の概略構成を示す図で、ヘ
ツドストツク１の内部には主軸２の回転用電動機
及び駆動装置を内蔵すると共に主軸２を回転可能
に支持する軸受が備えられている。主軸２の先端
部分には成形ドラム４が嵌込まれ、キー９により
主軸２の回転が伝達されるようになつている。７
は成形機の電気制御盤、３はテールストツクで、
エアーシリンダ１０により主軸２の方向へ移動可
能で同テールストツク３の軸端１１と主軸２の先
端はテールストツク３がドラム４側へ移動された
とき連結され、主軸２を回転可能に支持するよう
になつている。

５，６はブラダー装置で、第１図は待機位置を
示しているがタイヤ成形が開始されると、エアー
シリンダ１２，１３により成形ドラム４の端面ま
で移動できるようになつている。

ブラダー装置５，６は同一構成であり、ブラダ
ー装置５について説明すると、２５はエアーシリ
ンダ１２に連結されたシリンダブラケツトで、同
ブラケツト２５には、ビート保持リング１７、こ
れを保持するブラケツト１８、ナツト２１を介し
てブラケツト１８が連結されたエアーシリンダ１
９のピストン２０からなるビード保持装置がエア
シリンダー１９で、主軸方向に移動可能に装着さ
れている。３１はローラを示す。またシリンダブ
ラケツト２５には、縁部つかみ部材３２を介して
ブラダー５及び補助ブラダー２２を取付けた取付
板２３が、ロツド３０、ガイド２４を介して装着
されており、ブラダー５及び２２には、図示して
いないエアー配管等を経て圧縮空気が供給される
ようになつている。ロツド３０はガイド２４内に
摺動可能に嵌込まれ、ガイド２４はシリンダブロ
ツク２５に固着されており、ガイド２４には、ロ
ツド３０の嵌装孔を開放又は閉鎖するロツクピン
２９がピストン２６に連結されて上下動するよう
に設けられ、このピストン２６はエアー配管が接
続される通路２７から圧縮空気が供給されると、
上昇してロツド３０の嵌装孔を開設し、第８図に
示すようにロツド３０の戻りを自由にすると共に
通路２８から圧縮空気が供給されると下降して嵌
装孔を閉鎖し、第６図に示すようにロツド３０の
戻りを制限するようになつている。１４は成形ド
ラム４に巻付けられたプライ、１５はプライ１４
の折曲げに使用されるフインガーを示し、まず第
２図に示すように成形ドラム４にプライ１４を巻
付けると共にビード１６をセツトした後、第３図
に示すようにエアシリンダ１９を作動させると、
ピストン２０によりブラケツト１８がドラム４側
に接近し、フインガー１５がローラ３１により収
縮されながらプライ１４を折曲げると共にドラム
４の端面に折曲げられたプライ１４上に、保持リ
ング１７に保持されたビード１６が圧着され、ビ
ード１６の圧着位置とブラダー位置との相対間隔
Ｚを設定すると共にロツド３０と下降されている
ロツクピン２９との間に間隙Ｙを設定する。この
状態で、第４図に示すようにブラダー５内に圧縮
空気の供給してブラダー５の膨張を開始させる
と、第５図に示すようにブラダー５がプライ１４
を持ち上げ、ビード１６の回りにブライを巻付け
始める。

さらにブラダー５の膨張が進むと、第６図に示
すようにビード回りにプライを折り返し始めブラ
ダー５の膨張が最大限近くになると、第７図に示
すように補助ブラダー２２に圧縮空気を供給し、
プライ１４をドラム４上に折返し確実に圧着させ
る。この時点でブラダー５内部の空気を排出す
る。この間、第６図に示す状態でブラダー５が膨
張すると、ブラダー５のプライ折返し反力で縁部
つかみ部材３２を介してロツド３０が後退し、ロ
ツクピン２９との間隙ＹがＯになると停止され
る。このようにしてブラダー５を移動させること
により、ブラダーの膨張とあいまつてプライ１４
とブラダー５との接触面には粘着力があるため、
プライ１４はビード回りを巻締め方向に引張られ
ながら折返されることになる。

従つてプライの締りをよくすることができ、良
質のタイヤを成形することができるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図はプライ折返しブラダーを有するタイヤ
成形機の概略構成図、第２図乃至第７図はブラダ
ーによるプライ折返し動作を説明する断面図、第
８図はブラダー反力による戻り防止ストツパーの
構造を示す断面図である。 ４：成形ドラム、５，６：ブラダー装置、１
２，１３：エアーシリンダ、１４：プライ、２
２：補助ブラダ、２３：ブラダー取付板、２４：
ガイド、２５：シリンダーブラケツト、２６：ピ
ストン、２９：ロツクピン、３０：ロツド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 膨張可能なブラダーを用いてプライの折返し
   を行なうようにしたプライ折返し方法において、
   前記ブラダーを膨張開始位置に移動させた後、圧
   縮空気を供給してブラダーを膨張させ、膨張する
   ブラダーによりプライの折返しを行ないながらブ
   ラダーのプライ折返し反力によつてブラダーの縁
   部つかみ部材を軸方向外側に移動させ、前記膨張
   とあいまつてブラダーをプライの巻締方向に移動
   させることを特徴とするプライ折返し方法。