JPH0129936B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、例えば、湿田などの排水を良くす
るために耕盤を破砕して暗渠用の縦溝を形成する
溝成形装置であつて、農業土木産業をその利用分
野とする。

従来技術 従来、この種の技術として、実開昭54−138301
号公報に開示されているが、この技術は下端にチ
ゼルを有するシヤンクの前方に円板コールタを設
けると共に、左右両側に横方向所定間隔おきに複
数個の円板コールタを並設した心土破砕機であ
る。

発明が解決しようとする問題点 ところで、このような従来技術では、心土破砕
作業即ち耕盤破砕作業を行うと、チゼル及びシヤ
ンクによつて切削された切削土が心土破砕機の進
行に伴い、シヤンクの前側に案内されて土壌表面
に排出されることによつて、シヤンクの通過した
跡にできる縦溝の上端左右に畝状の盛土が形成さ
れて、この左右の盛土が崩壊して、左右の盛土が
縦溝の上端をブリツヂ状に塞いだ盛土となつてし
まうために、雨水はこの盛土によつて左右に分水
されてしまい、雨水をこの縦溝を介してチゼルの
形成した暗渠に速やかに流す作用、或いは圃場に
溜つた水をこの縦溝を介して暗渠に流れ込ませる
作用は阻害されてしまい、これがために、せつか
く圃場の耕盤破及び溝成形砕作業をしても、排水
効果を半減させていた。

問題点を解決するための手段 そこで、この発明は、上記した問題点に鑑みて
提案するものであつて、次のような技術手段を講
じた。即ち、移動農機の後方に作業機連結リンク
機構によつて連結されたフレームに耕盤破砕を行
う掘進体を刃体の下部に備えたサブソイラー機構
を設けると共に、このサブソイラー機構の後方に
刃体が形成した縦溝を挾むように位置して表土に
切込む左右一対の切込円板を下方に突出するよう
に設け、この左右の切込円板の間に前部が位置し
て刃体の縦溝成形時に刃体により縦溝の側部に盛
り上げた盛土及び左右の切込円板の間の表土を切
削し浚い取つて浅溝を形成する犁を配設したこと
を特徴とする溝成形装置の構成とする。

作用及び効果 この発明は圃場において、移動農機を圃場の一
方の端から他方の端へ向かつて進行させると圃場
の端における作業開始時には、掘進体のサクシヨ
ンによつて刃体は下降しつつ形成する縦溝を深
め、刃体の後方で左右の切込円板が表土に切込む
と共に、犁によつて左右の切込円板の間の表土を
切削し出す。そして、その後は掘進体が所定の耕
深を進行し、掘進体が進行しつつ耕盤を破砕して
できた切削土及び刃体が進行しつつ切削してでき
た切削土が刃体に沿つて押し上げられ、縦溝の上
端側部に畝状の盛土を形成するが、刃体の後方で
左右の切込円板によつて切込まれた表土と共にそ
の盛土は犁によつて切削され浚い取られて、縦溝
に連通する浅溝が形成されるので、従来技術のよ
うに縦溝の上端に形成された盛土によつて縦溝の
上端が塞がれる現象をなくして、雨水が縦溝の左
右に分水されるのを防止すると共に、逆に圃場内
に溜つた水はその浅溝に集められて縦溝を介して
下方の暗渠に流れることができ、圃場の排水効果
を高めることができる。

実施例 つぎに、この発明の一実施例を図面に基ずき説
明する。

まず、構成から説明する。移動農機の後部に３
点リンク機構を介して昇降自在に連結されたサブ
ソイラー１は下方に突出する刃体２を設け、この
刃体２はサブソイラー１の前進動作に伴い、圃場
の土壌に縦溝３を掘削し、刃体３の下端に設けた
掘進体４は土壌下部の硬い耕盤を破砕し、刃体３
の後方には掘進体４の後から耕盤中に暗渠（図示
省略）を形成させるための弾丸５を刃体３の下端
後部に連結したチエン６の後端に取付けいる。

そして、このサブソイラー１の前記刃体２の後
方には、サブソイラー１の取付フレーム７の後端
部より下方へ突設せられた取付腕７ａの下端部に
は左右に分岐し、前後方向に沿つた取付面を有し
た支持フレーム８，８を対向して設け、この支持
フレーム８，８に切込円板９，９を軸支して、こ
の切込円板９，９が土壌面の草藁を切断すると共
に、土壌の表土に切込むように構成している。

また、この取付腕７ａの下端部には先端部が切
込円板９，９の間に位置して切込円板９，９の間
の横幅のある案内部１０ａを有すると共に、この
案内部１０ａの後側を左側の切込円板９の後側よ
り左側方へ突出するように構成した犁１０を取付
け、この犁１０によつてサブソイラー１が暗渠及
び縦溝３を掘削する際に縦溝３の上端左右に生ず
る畝状の盛土及び切込円板９，９の間の表土を切
削し浚い取つて、浅溝１１を形成すると共に、切
削した表土を案内部１０ａを介して犁１０の後部
より浅溝１１の左側方に排出するように構成して
いる。

また、サブソイラー１の上部から前方へ延設し
た揺動アーム１２の中程を左右方向で水平状の支
点ピン１３で取り付けフレーム８に枢着し、この
取付フレーム８に取付けた軸受体１３ａのベアリ
ング１４，１４で前方に突出する入力軸１５を軸
支し、入力軸１５の軸芯に対して偏芯させもうけ
た偏芯部１６にベアリングを介して球面ブツシユ
１７を嵌着し、揺動アーム１２の前端に嵌着した
球面１８と上記の球面ブツシユ１７とに外嵌した
揺動プレート１９は、入力軸１５を移動農機の動
力取出軸（図示省略）によつて自在継手軸を介し
て回転駆動したとき、球面ブツシユ１８と共に上
下動して球面ブツシユ１７，１８との夫々の嵌入
面摺動しながら、揺動アーム１２を支点ピン１３
の廻りに上下に揺動振動させるように揺動連動機
構を構成している。

つぎに、上記実施例における作用効果について
説明する。圃場において、移動農機を進行させつ
つ溝成形装置を下降して接地させると、サブソイ
ラー１の揺動する掘進体４のサクシヨンにより掘
進体４が所定耕深になるまで刃体２の形成する縦
溝３は順次深られ、順次土壌の表土に切込円板
９，９が切込まれると共に、犁１０が切込円板
９，９の間の表土を切削しはじめる。そして、掘
進体４が耕盤に嵌入して所定の耕深に達した後は
前後に揺動する掘進体４によつて掘削された耕盤
の切削土及び前後に揺動する刃体２によつて切削
された土壌の切削土は一定量となり、これらの切
削土は掘進体４及び刃体２に押圧されるため、縦
溝３の前側壁と刃体２の前側部に沿つて順次上側
に押上げられて縦溝３の上端左右に畝状の盛土が
形成される。そして、後続の切込円板９，９は縦
溝３の両側の表土に浅く切込むと共に、犁１０に
よつて切込円板９，９の間の表土及び上記畝状の
盛土を切削して浚い取つて浅溝１１を形成し、そ
して、浚い取られた上記表土及び畝状の盛土は案
内部１０ａを介して浅溝１１の左側の表土面に排
出される。このようにして圃場の一方の端から進
行させた移動農機が圃場の他方の端に到達する
と、溝成形装置上昇させると共に、移動農機を回
向させて前の作業行程から所定間隔を置いて折返
し作業を継続する。そして、何回か上記の作業行
程を繰返して一つの圃場の耕盤破砕及び溝成形作
業を完了する。

上記実施例では、サブソイラー１の刃体２及び
掘進体４が前後に揺動しているので、土壌中耕深
の深い縦溝３及び暗渠が容易に形成することがで
き、刃体２の切削した切削土及び掘進体４の掘削
した切削土は逃げ場がなく縦溝３の前側壁と刃体
２の前側部に沿つて縦溝３の上端左右に畝状の盛
土になるが、この盛土は後続の切込円板９，９に
よつて切込まれた切込円板９，９の間の表土と共
に犁１０によつて切削され浚い取られて形成され
た浅溝１１の横側方に排出されるので、綺麗に浅
溝１１を形成することができて、圃場内の水及び
雨水はこの浅溝１１に集り易く、この浅溝１１に
集まつた水は縦溝３を介して速やかに耕盤に形成
された暗渠に流れ、圃場の排水効果を高めること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施例の一つを示し、第１図は
斜視図、第２図は犁及び切込円板の平面図、第３
図はサブソイラーの揺動部の一部切欠縦断側面図
である。 付号の説明、１……サブソイラー、２……刃
体、３……縦溝、４……掘進体、５……弾丸、６
……チエン、７……取付フレーム、７ａ……取付
腕、８……支持フレーム、９……切込円板、１０
……犁、１０ａ……案内部、１１……浅溝、１２
……揺動アーム、１３……支点ピン、１３ａ……
軸受体、１４……ベアリング、１５……入力軸、
１６……偏芯部、１７，１８……球面ブツシユ、
１９……揺動プレート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 移動農機の後方に作業機連結リンク機構によ
   つて連結されたフレームに耕盤破砕を行う掘進体
   を刃体の下部に備えたサブソイラー機構を設ける
   と共に、このサブソイラー機構の後方に刃体が形
   成した縦溝を挾むように位置して表土に切込む左
   右一対の切込円板を下方に突出するように設け、
   この左右の切込円板の間に前部が位置して刃体の
   縦溝成形時に刃体により縦溝の側部に盛り上げた
   盛土及び左右の切込円板の間の表土を切削し浚い
   取つて浅溝を形成する犁を配設したことを特徴と
   する溝成形装置。