JPH0128759B2 - - Google Patents

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JPH0128759B2
JPH0128759B2 JP15699381A JP15699381A JPH0128759B2 JP H0128759 B2 JPH0128759 B2 JP H0128759B2 JP 15699381 A JP15699381 A JP 15699381A JP 15699381 A JP15699381 A JP 15699381A JP H0128759 B2 JPH0128759 B2 JP H0128759B2
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JP
Japan
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water
lower alcohol
concentrate
solvent
butanol
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JP15699381A
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JPS5857399A (ja
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Toshio Odajima
Shigeru Juchi
Yoshihiro Uchida
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OOSAKA YAKUHIN KENKYUSHO KK
Original Assignee
OOSAKA YAKUHIN KENKYUSHO KK
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、薬用ニンジンの地上部または地下
部を原料として得られる新規なニンジンサポニ
ン、その分離法及び製造法並びに用途に関する。 この発明の発明者らは、この発明の出願前に薬
用ニンジンのオタネニンジンより分離されてギン
ゼノサイドRh2と命名された構造不明のニンジン
サポニンを研究し、その化学構造を決定すると共
に特に抗腫瘍作用を有することを見出しこの発明
をなすに至つた。 すなわちこの発明は新規なニンジンサポニンで
ある式(): で表される3−O−β−D−グルコピラノシル−
20(S)−プロトパナキサジオール(ギンゼノサイ
ドRh2)を提供するものであり、このサポニンは
次のような特性を有する。 (1) 融点は218〜220℃である。 (2) 〔α〕19 D+21.8゜(C=0.93、メタノール)の旋
光性を有する。 (3) C36H62O8・H2Oの分子組成を有す。 (4) 赤外線吸収スペクトル(KBr、cm-1)は3328
(ブロード)、2937、1450、1377、1076、1018に
特有の吸収極大を有す。 (5) 210nmより長波長には紫外線吸収を示さな
い。 (6) 13C核磁気共鳴スペクトル(d5−ピリジン、
δc)は130.7(25−C)、126.4(24−C)、106.7
(D−グルコース部アノメリツク−C)、88.9
(3−C)、78.7(D−グルコース部5′−C)、
78.0(D−グルコース部3′−C)、75.7(D−グル
コース部2′−C)、73.0(20−C)、72.1(D−グ
ルコース部4′−C)、71.0(12−C)等のシグナ
ルを示す。 (7) 臭いはなく、無色の針状結晶(メタノール−
水から結晶化)である。 (8) メタノール、エタノール、n−ブタノール、
ピリジン、ジメチルスルホキシドに易溶、クロ
ロホルム、酢酸エチル、エーテル、アセトンに
可溶、ベンゼン、ヘキサン、石油エーテルに不
溶である。 (9) 薄層クロマトグラフイ〔TLC、担体:プレ
コートシリカゲル60F254、0.25mm、メルク社
製;展開溶媒:クロロホルム:メタノール:水
(7:3:1、下層)〕においてRf値0.65を示
す。 またTLC〔担体:逆相プレートシリカゲル
60F254プレート、0.25mm、メルク社製;展開溶
媒:メタノール:水(3:1)〕においてRf値
0.5を示す。 TLC上、1%硫酸セリウム−10%硫酸水溶
液を噴霧し、加熱すると茶紫色を呈する。 (10) 標準緩衝液(PH4.01、和光純薬社製)中、粗
ヘスペリジナーゼで酵素分解すると20(S)−プ
ロトパナキサジオールが1モル得られる。 (11) メタノリシス処理(9%塩化水素−乾燥メタ
ノール中加熱還流)するとメチルグルコシドが
1モル得られる。 この発明のギンゼノサイドRh2はヒトに対する
抗腫瘍剤として極めて有用なものであり、適用範
囲が広く、かつ副作用がほとんど認められない。 この発明における抗腫瘍剤の投与量は病状に応
じて異なるが、成人に対する内服の場合、サポニ
ン成分として1日あたり50〜1000mg、好ましくは
100〜300mgを2〜3回に分けて投与することによ
つて効力を発揮することができる。また外用の場
合は1〜10%親水軟膏または疎水軟膏の形で用い
る。適用範囲としては胃癌、直腸癌、乳癌、子宮
癌、口腔癌、食道癌、胆癌、胆管癌、胆道癌、膵
臓癌、腎腫瘍、前立腺癌、亜性甲状腺腫瘍、肺
癌、脳腫瘍、肝臓癌、舌癌、胸腺腫、皮膚癌、肉
腫などガンを含めたほとんどあらゆる腫瘍に対し
て有効である。 この発明による抗腫瘍剤は、この発明のサポニ
ン成分単体、またはサポニン成分と固体もしくは
液体の賦形剤とからなるものである。そして投与
法ならびに投与の剤型としては、通常、散剤、錠
剤、乳剤、カプセル剤、茶剤、顆粒剤、液剤(酒
精剤、チンキ剤、流エキス剤、シロツプ剤などを
含む)などの内服の形がある。また注射剤、点滴
剤の形で体内注入するか、あるいは軟膏剤、液
剤、外用散剤、シツプ剤、坐薬、噴霧剤、慈養浣
腸剤、乳剤などの形で外用であつてもよい。ここ
に使用される固体または液体の賦形剤としては、
当該分野で公知のものが使用される。ただ前述し
たような1回の投与量に必要なこの発明の化合物
を含むように製剤化するのが望ましい。 いくつかの具体例を挙げると散剤、その他の内
服用粉末剤における賦形剤としては、乳糖、澱
粉、デキストリン、リン酸カルウム、炭酸カルシ
ウム、合成および天然ケイ酸アルミニウム、酸化
マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウム、ステア
リン酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、乾燥酵
母などが挙げられ、外用散剤の場合は酸化亜鉛、
タルク、澱粉、カオリン、ホウ酸末、ステアリン
酸、亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグ
ネシウム、沈降炭酸カルシウム、次没食子酸ビス
マス、硫酸アルミニウムカリウム末などが挙げら
れる。液剤における賦形剤としては水、グリセリ
ン、プロピレングリコール、単シロツプ、エタノ
ール、脂肪油、エチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ソルビトールなどが挙げられる。
さらに軟膏剤の場合には脂肪、脂肪油、ラノリ
ン、ワセリン、グリセリン、ミツロウ、モクロ
ウ、パラフイン、流動パラフイン、樹脂、高級ア
ルコール、プラスチツクス、グリコール類、水、
界面活性剤などを組み合わせて作つた疎水性基剤
あるいは親水性基剤(乳剤性基剤、水溶性基剤お
よび懸濁剤性基剤を含む)が賦形剤として使用さ
れる。 次に、この発明のギンゼノサイドRh2の抗腫瘍
作用の試験結果を示す。 1 培養癌細胞に対するギンゼノサイドRh2の増
殖抑制作用 (a) 試験法 この試験には、モリス肝癌細胞、ルイス肺
癌細胞、ヒーラー癌細胞及びメラノーマB−
16癌細胞を用いた。予め細胞の増殖率が50%
になるように牛胎児血清添加濃度を2%に調
節したライボビツツ氏L−15倍培養地(以下
L−15倍培地と称す)とHAM′S−F10倍地
(これらの培地の組成を後記の第2表と第3
表に示した)を7:3に混合した培養液中
に、ギンゼノサイドRh2を0.1μg/ml〜10μ
g/mlの各濃度で加えたものに、それぞれモ
リス肝癌細胞は1×104個、ルイス肺癌細胞
は5×104個、ヒーラー癌細胞は5×104個、
メラノーマB−16癌細胞は1×104個を移殖
した。また別にギンゼノサイドRh2を加えて
いない培養液に同個数の各癌細胞を加え対照
群(コントロール)とした。これらの培養液
を36℃で4日間平板培養し(各5枚)、対照
群の増殖した癌細胞数とギンゼノサイドRh2
添加群の増殖癌細胞数とを比較してギンゼノ
サイドRh2各濃度の癌細胞増殖抑制率を下記
式で算出する。 癌細胞増殖抑制率(%)=〔(培養後の対照
群平均癌細胞数−培養後のギンゼノサイド
Rh2添加群平均癌細胞数)/(培養後の対照
群平均癌細胞数−培養開始時の対照群癌細胞
数)〕×100 (b) 試験結果 4日間培養後の対照群癌細胞平均数はモリ
ス肝癌細胞で培養開始時の1×104個が0.51
×105個に増加、ルイス肺癌細胞は5×104
が2.83×105個に、ヒーラー癌細胞では5×
104個が4.94×105個に、メラノーマB−16癌
細胞では1×104個が0.86×105個に増殖し
た。この癌細胞増殖に対しギンゼノサイド
Rh2の抑制効果をギンゼノサイドRh2添加群
の培養後の平均細胞数より、前記算出式によ
り抑制率(%)として求めた。その結果は第
1表の通りである。
【表】 このようにギンゼノサイドRh2は10μg/
mlという低濃度でモリス肝癌細胞に対し97
%、ルイス肺癌細胞に対して76%、ヒーラー
癌細胞に対して60%、メラノーマB−16癌細
胞に対して58%と顕著な癌細胞増殖抑制効果
を示している。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 2 移植癌に対するRh2の抗腫瘍効果(延命効
果) (a) 試験方法 マウス移植可能なガン細胞であるメチルコ
ラントレン肉腫(以下Meth−Aと略する)
に対するギンゼノサイドRh2の抗腫瘍効果を
延命効果によつて検した。すなわち、体重18
〜22gのBALB/C系マウス(雄)を1群
50匹とし1×106個のMeth−A細胞をマウス
腹腔内に移植し、翌日よりマウスに対し、ギ
ンゼノサイドRh2を0.85%生理食塩水に溶解
した溶液を1日1回10mg/Kgの割合で連続腹
腔内注射投与した。別に1×106個のMeth−
A細胞を腹腔内に移植し、翌日より0.85%生
理食塩水のみを連続投与したものを対照群と
した。 (b) 試験結果 結果を第4表に示したが、Meth−A細胞
を接種後、対照群では50匹のマウスの生存率
は13日目で50%以下となり、15日目ですべて
のマウスが死亡したのに対し、ギンゼノサイ
ドRh2投与群では19日目まですべてのマウス
が生存し、生存率100%であつた。以後20日
目で生存率64%、21日目で40%、23日目で24
%であつた。 このようにギンゼノサイドRh2は明らかに
移植癌に対し延命効果をもたらし、抗腫瘍効
果を有すると判定される。
【表】 以上のごとく本発明のギンゼノサイドRh2は生
体外及び生体内の実験で癌細胞を直接障害するこ
とはないが、その増殖性を顕著に抑制することは
明らかで、従来の制癌剤とは異なつた性質を有す
る。 また更に従来の制癌剤と異なる点は、肝癌細胞
をギンゼノサイドRh2を添加した培養液で長時間
培養すると形質変換がおこり、正常細胞への転換
が認められることである。 すなわちラツトモリス肝癌組織より分離・培養
した肝癌細胞(MH1C1)を20μg/mlの濃度でギ
ンゼノサイドRh2を含む培養液中で継代培養を続
けた。このときの培養液は10%牛胎児血清、ペニ
シリン(50μg/ml)、ストレプトマイシン(50μ
g/ml)を含むL−15倍培養液を標準培養液と
し、培養液の交換は週2回、細胞の継代は週1回
規則的に行つた。 この肝癌細胞を20μg/mlギンゼノサイドRh2
を含む培養中で継代培養(24±2代)を続ける
と、小型、円型で核が大きく細胞質に乏しく光学
顕微鏡下で細胞境界が不明瞭であるという特徴を
もつ肝癌細胞群の中に、正常細胞の如く微細な顆
粒を含む豊富な細胞質をもちしかも細胞間境界も
明確な大型細胞が生じ、次第にその数が増大して
くる。この大型細胞は正常細胞の如く、0.33%軟
寒天内にコロニーを形成しにくく、肝癌細胞と比
べてコロニー形成率は1/4以下であり著しく低下
しており、ウレアサイクルの代謝活性が著しく促
進されており、アルギニン欠乏培養液中のL−
3H−オルニチンの取り込みは肝癌細胞の2倍に
も達している。このように癌細胞を正常化細胞に
導く傾向を有するのはこの発明のギンゼノサイド
Rh2のひとつの特徴である。 さらにこの発明は、薬用ニンジン特にオタネニ
ンジン(パナツクス・ギンゼング、シー・エー・
メイヤー)の地上部又は地下部を乾燥した所謂白
参か好ましくはこの白参を蒸して乾燥した所謂紅
参から式()のサポニンを得る分離法及び製造
法を提供するものであり以下に詳しく説明する。 すなわち、この発明の方法には、上記原料を溶
媒で抽出して各種ギンゼノサイドの混合物(以下
トータルギンゼノサイドと称する)を分離し、こ
れからこの発明の目的物質であるギンゼノサイド
Rh2を分離する方法、並びに上記トータルギンゼ
ノサイドからギンゼノサイドRh2を分離した残渣
に化学的処理と酵素処理とと行いギンゼノサイド
Rh2を製造する方法が含まれる。 この発明の方法においては、まず原料の薬用ニ
ンジンを脱脂処理せずに、あるいはベンゼンやn
−ヘキサンのような通常の脂溶性有機溶媒を用い
て脱脂処理後抽出が行われる。 次いで下記のような方法で抽出が行われトータ
ルギンゼノサイドが得られる。 (a) 原料をその約2〜5倍重量の水またはメタノ
ール、エタノールのごとき低級アルコールと共
に加熱還流して過して抽出液を得る。この抽
出操作は必要に応じて繰り返して行つてもよ
い。これらの抽出液を合し減圧下で溶媒を留去
して抽出エキスとする。この抽出エキスを通常
の方法でn−ブタノールと水とに分配し、n−
ブタノール部の溶媒を減圧下で留去してn−ブ
タノールエキスとしてトータルギンゼノサイド
が得られる。 (b) 原料をその約2〜5倍重量の水またはメタノ
ール、エタノールのごとき低級アルコールまた
は含水低級アルコールと共に加熱還流し過し
て抽出液を得る。この抽出操作は必要に応じて
繰り返して行つてもよい。抽出液を合して濃縮
しその濃縮物を水または約30%(容量%)以下
の低級アルコール含有水(例えば含水メタノー
ルや含水エタノール)に溶解する。得られた溶
液を巨大網状構造で多孔性の架橋されたポリス
チレン系樹脂吸着剤(例えばアンバーライト
XAD−1、アンバーライトXAD−2、いずれ
もローム・アンド・ハース社製など)に接触吸
着させる。これらの吸着剤は含有サポニン量の
20〜300倍量、望ましくは40〜150倍量用いられ
る。次いで水または約30%以下の低級アルコー
ル含有水で樹脂をよく洗い、次いでエタノール
やメタノールのような低級アルコールや、約30
%以上の低級アルコール含有水で溶離し濃縮し
てトータルギンゼノサイドが得られる。 (c) 原料をその約2〜5倍重量の水またはメタノ
ール、エタノールのごとき低級アルコール又は
含水メタノール、含水エタノールのごとき含水
低級アルコールと共に加熱して過し、抽出液
を得る。この抽出操作は必要に応じて繰り返し
行つてもよい。この抽出液を合して濃縮し、濃
縮物をn−ブタノールに溶解し、次いで水を加
え振盪し、静置し、得られたn−ブタノール部
を濃縮してトータルギンゼノサイドが得られ
る。 上記のような方法で得られたトータルギンゼノ
サイドは各種のニンジンサポニンが含有され、こ
れから目的物質の式()のニンジンサポニンギ
ンゼノサイドRh2が次の方法で分離される。 すなわち、上記のトータルギンゼノサイドを約
3〜7倍重量のメタノール、エタノールのごとき
低級アルコールに溶解し、その溶液を、激しく撹
拌している約7〜15倍容量のエーテル、クロロホ
ルム、ヘキサン、ベンゼンなどの脂溶性溶媒好ま
しくはエーテル中に滴下した後、過して沈澱を
別し、液を減圧下で留去して濃縮する。この
濃縮物を前記のような脂溶性溶媒、メタノール、
エタノールもしくはn−プロパノールのごとき低
級アルコール、又は該脂溶性溶媒と低級アルコー
ルとの混合物とに溶解し、その溶液をシリカゲル
(例えばメルク社製、60〜230メツシユなど)にま
ぶした後、赤外線ランプなどで乾燥する。このシ
リカゲルを、予めシリカゲルを充填したカラムの
上に積層充填し、前記のごとき脂溶性有機溶媒と
前記のごとき低級アルコールの混合溶媒、好まし
くはクロロホルム−メタノール混合溶媒で溶出す
る。例えばクロロホルム:メタノールの容積比が
50:1、20:1、15:1、10:1のもので順次溶
出し、その10:1混合溶媒による溶出分の溶媒を
減圧留去して濃縮物を得る。また上記のように濃
縮物の溶液をシリカゲルに一旦まぶしたものを処
理する代りに、濃縮物の溶液を直接シリカゲルク
ロマトグラフイに付してもよい。 得られた濃縮物は次のようにして精製される。 すなわち上記濃縮物はまず逆相シリカゲルカラ
ムクロマトグラフイに付される。例えばボンダパ
ツクC18、ウオーターズ社製などのシリカゲルを
用い、溶出溶媒としては前記のごとき低級アルコ
ールと水との混合物が用いられる。好ましいのは
メタノール−水混合物の容量比が1:1のものと
1:4のもので順に溶出しこの場合は後者の溶出
液の濃縮物が次の工程に付される。逆相シリカゲ
ルクロマトグラフイの溶出液の濃縮物を再度シリ
カゲルクロマトグラフイに付して精製し目的物質
のギンゼノサイドRh2が得られる。すなわちメル
ク社製60〜230メツシユのシリカゲルなどを用い、
溶出溶媒としては前記のような脂溶性有機溶媒−
低級アルコールの混合溶媒、好ましくはクロロホ
ルム−メタノール(容量比10:1)が用いられ
る。 また上記方法において、トータルギンゼノサイ
ドの低級アルコール溶液を脂溶性溶媒中に滴下し
て生成した沈澱物から次の方法で製造することが
できる。 すなわちこの沈澱物を前記のような脂溶性溶
媒、メタノール、エタノールもしくはn−プロパ
ノールのごとき低級アルコール、又は該脂溶性溶
媒と低級アルコールとの混合物とに溶解し、その
溶液をシリカゲル(例えばメルク社製、60〜230
メツシユなど)にまぶした後赤外線ランプなどで
乾燥する。このシリカゲルを、予めシリカゲルを
充填したカラムの上に積層充填し、クロロホルム
−メタノール−水(65:35:10)混合溶媒の下層
で溶出し分割したギンゼノサイドRb1、Rb2
Rb3、Rc及びRdの混合溶液又はこれらの各ギン
ゼノサイド単体の溶液を得、濃縮する。また上記
のように濃縮物の溶液をシリカゲルに一旦まぶし
たものを処理する代りに、濃縮物の溶液を直接シ
リカゲルクロマトグラフイに付してもよい。 次に上記濃縮物を30〜70%の酢酸水溶液好まし
くは40〜60%の酢酸水溶液に溶解した後加熱する
ことによつて各ギンゼノサイドの20位に結合して
いる結合糖を加水分解反応で除去する。得られた
反応液をn−ブタノールで抽出し、抽出液を飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し次いで水で洗
浄後、減圧で溶媒を留去する。得られた濃縮物を
シリカゲルカラムクロマトグラフイ〔例えばメル
ク社製シリカゲル、60〜230メツシユ;溶出溶
媒:前記のごとき脂溶性溶媒−低級アルコール−
水の混合溶媒、好ましくはクロロホルム−メタノ
ール−水(10:3:1)混合溶媒の下層〕で分離
精製し、20(S)−プロサポゲニンと20(R)−プロ
サポゲニンの混合物を得る。これに前記のごとき
低級アルコール好ましくはメタノールを加え不溶
部の20(R)−プロサポゲニンを別し、液の溶
媒を減圧下で留去し、PHを6.5〜7.0に好ましくは
6.86に保持し、セルラーゼのごとき糖分解酵素を
加え約34〜37℃にて数日間撹拌反応させ3位のグ
ルコース基に結合している結合糖を酵素加水分解
反応で除去する。得られた反応液をn−ブタノー
ルで抽出してその溶媒を留去して濃縮し、濃縮物
をシリカゲルカラムクロマトグラフイ〔例えばメ
ルク社製シリカゲル60〜230メツシユなど;溶出
溶媒:前記のごとき脂溶性溶媒−低級アルコール
混合溶媒好ましくはクロロホルム−メタノール
(10:1)混合溶媒〕に付して分離精製してギン
ゼノサイドRh2が得られる。 更に上記のオタネニンジン(パナツクス・ギン
ゼング、シー・エー・メイヤー)の外に、ギンゼ
ノサイドRb1、Rdを多量に含有する三七ニンジ
ン(パナツクス・プソイド・ギンゼング、ワーリ
ツヒまたはパナツクス・ノトギンゼング、パーキ
ル)及びアメリカニンジン(パナツクス・キンキ
ユホリウム、リンネ)、並びにギンゼノサイド
Rb2を含有するトチバニンジン(パナツクス・ヤ
ポニカス、シー・エー・メイヤー)及びヒマラヤ
ニンジン(パナツクス・プソイドギンゼング、ズ
ブスプまたはヒマライチウス・バル、アングステ
イフロリイウス)などのパナツクス属植物を原料
として前記の方法によつてギンゼノサイドRh2
得ることができる。また20S−プロトパナキサダ
イオール核を骨格とし類似した糖配位を有するサ
ポニンを含有する他の植物、〔例えばウリ科のア
マチヤズル(ギノステムマ・ペンタフイルルム・
マキノ及びその類縁植物)〕からも前記の方法で
ギンゼノサイドRh2を得ることができる。 次にギンゼノサイドRh2の分離及び製造法を実
施例で示す。 実施例 1 紅参からギンゼノサイドRh2の抽出単離 オタネニンジンの紅参(長野県産、5Kg)を細
断した後、メタノール(15)を加え、5時間加
熱還流する。過してメタノール油出液を得、残
渣に新たにメタノール(15)を加え、加熱抽出
する。同様の操作を合計5回行い、得られたメタ
ノール抽出液を合し、減圧で溶媒留去してメタノ
ール抽出エキス(1.1Kg)を得る。このメタノー
ル抽出エキス(1.1Kg)をn−ブタノールと水
(1:1、8)に分配する。n−ブタノール部
を減圧で溶媒留去し、トータルギンゼノサイド
(420g)を得る。 このトータルギンゼノサイド(420g)をメタ
ノール(200ml)に溶解し、激しく撹拌している
エーテル(2)中に滴下する。生じた沈澱(溶
媒を留去して320gのエキスが得られた)を別
し液を減圧で溶媒留去しエーテル可溶部エキス
(78g)を得た。このエキス(75g)をクロロホ
ルム−メタノール混合溶媒(1:1;200ml)に
溶解し、その溶液をシリカゲル(60〜230メツシ
ユ、メルク社製、200g)にまぶした。赤外線ラ
ンプで乾燥する。これを、予めシリカゲル(60〜
230メツシユ、メルク社製、1.5Kg)る充填したカ
ラムの上に積層充填し、クロロホルム−メタノー
ル混合溶媒の50:1容量比のもの3、20:1の
もの2、15:1のもの2及び10:1のもの4
で順次溶出する。このうちクロロホルム−メタ
ノール(10:1)溶出液を減圧で溶媒留去して得
た濃縮物(11.3g)を、逆相シリカゲルカラムク
ロマトグラフイ〔担体:ボンダパツクC18、ウオ
ーターズ社製250g;溶出溶媒:メタノール−水
(1:1、1→4:1、1)〕に付して分離
後、更にシリカゲルカラムクロマトグラフイ〔担
体:シリカゲル、60〜230メツシユ、メルク社
製;溶出溶媒:クロロホルム−メタノール(10:
1)〕で精製し、ギンゼノサイドRh2(50mg)を得
た。 実施例 2 ギンゼノサイドRb1、Rb2、Rb3、Rc、Rdの混
合物からギンゼノサイドRh2の製造 実施例1においてトータルギンゼノサイドをメ
タノールに溶解し、この溶液をエーテル中に滴下
して生じた沈澱の濃縮エキスの30gを、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフイ〔60〜230メツシユ、
メルク社製シリカゲル;溶出溶媒:クロロホルム
−メタノール−水混合溶媒(65:35:10の下層)
に付し、ギンゼノサイドRb1、Rb2、Rb3、Rc及
びRdの溶液を得、溶媒を留去して濃縮物(30g)
を得た。これを50%酢酸水溶液(150ml)に溶解
し、70℃で3時間加熱する。反応液をn−ブタノ
ール(500ml)で抽出する。この抽出液を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液次いで水で洗浄後、減圧
で溶媒を留去した。得られたエキスをシリカゲル
カラムクロマトグラフイ〔メルク社製シリカゲ
ル、60〜230メツシユ、300g;溶出溶媒:クロロ
ホルム−メタノール−水混合溶媒(10:3:1の
下層)〕に付し、得られた溶出液の溶媒を減圧下
で留去し、20(S)プロサポゲニンと20(R)−プ
ロサポゲニンとの混合物(5.8g)を得た。この
混合物にメタノール(50ml)を加え、過した
〔不溶部の溶媒を留去して20(R)−プロサポゲニ
ン3.1gを得た〕。液を減圧で溶媒留去した後、
標準緩衝液(PH6.86、和光純薬工業社製、200ml)
とセルラーゼ(シグマ社製、2g)を加え、37℃
で3日間撹拌した。反応液をn−ブタノール
(500ml)で抽出した後溶媒を留去し得られたエキ
スをシリカゲルカラムクロマトグラフイ〔メルク
社製シリカゲル、60〜230メツシユ、40g;溶出
溶媒:クロロホルム:メタノール(10:1)混合
溶媒〕に付して分離精製し、ギンゼノサイドRh2
(480mg)を得た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式(): で表される3−O−β−D−グルコピラノシル−
    20(S)−プロトパナキサジオール。 2 式(): で表される3−O−β−D−グルコピラノシル−
    20(S)−プロトパナキサジオールと医薬的に受容
    な賦形剤とからなる抗腫瘍剤。 3 オタネニンジン(パナツクス・ギンゼング、
    シー・エー・メイヤー)の地下部もしくは地上部
    又はこれを水蒸気処理したものを脱脂処理するか
    せずして下記方法: (a) 水または低級アルコールにて抽出し、その濃
    縮物をn−ブタノールと水に分配し、そのn−
    ブタノール部を濃縮する、 (b) 水、低級アルコールまたは含水低級アルコー
    ルにて抽出し、その濃縮物を水または約30%以
    下の低級アルコール含有水に溶解し、この溶液
    を巨大網状構造で多孔性の架橋されたポリスチ
    レン系樹脂吸着剤と接触させた後、低級アルコ
    ールまたは約30%以上の低級アルコール含有水
    で溶離し濃縮する、または (c) 水、低級アルコールまたは含水低級アルコー
    ルで抽出し、その濃縮物をn−ブタノールに溶
    解し、次いで水を加え振盪後得られたn−ブタ
    ノール部を濃縮する、 のいずれかによつて得た濃縮物を低級アルコール
    に溶解し、この溶液を撹拌下の脂溶性有機溶媒中
    に滴下した後、その液の濃縮物をシリカゲルカ
    ラムクロマトグラフイ(溶出溶媒:脂溶性有機溶
    媒と低級アルコールとの混合溶媒)に付し、溶出
    液の濃縮物を、逆相シリカゲルカラムクロマトグ
    ラフイ(溶出溶媒:低級アルコール−水混合液)
    とシリカゲルカラムクロマトグラフイ(溶出溶
    媒:脂溶性有機溶媒と低級アルコールとの混合溶
    媒)に付して精製することからなる式(): で表される3−O−β−D−グルコピラノシル−
    20(S)−プロトパナキサジオールの分離方法。 4 使用する脂溶性有機溶媒がエーテル、クロロ
    ホルム、ヘキサンまたはベンゼンである特許請求
    の範囲第3項記載の方法。 5 使用する低級アルコールがメタノール、エタ
    ノールまたはn−プロパノールである特許請求の
    範囲第3項記載の方法。 6 オタネニンジン(パナツクス・ギンゼング、
    シー・エー・メイヤー)の地下部もしくは地上部
    又はこれを水蒸気処理したものを脱脂処理するか
    せずして下記方法: (a) 水または低級アルコールにて抽出し、その濃
    縮物をn−ブタノールと水に分配し、そのn−
    ブタノール画分を濃縮する、 (b) 水、低級アルコールまたは含水低級アルコー
    ルにて抽出し、その濃縮物を水または約30%以
    下の低級アルコール含有水に溶解し、この溶液
    を巨大網状構造で多孔性の架橋されたポリスチ
    レン系樹脂吸着剤と接触させた後、低級アルコ
    ールまたは約30%以上の低級アルコール含有水
    で溶離し濃縮する、または (c) 水、低級アルコールまたは含水低級アルコー
    ルで抽出し、その濃縮物をn−ブタノールに溶
    解し、次いで水を加え振盪後得られたn−ブタ
    ノール部を濃縮する、 のいずれかによつて得た濃縮物を低級アルコール
    に溶解し、この溶液を撹拌下の脂溶性有機溶媒中
    に滴下した後、取した沈澱物をシリカゲルカラ
    ムクロマトグラフイ(溶出溶媒:クロロホルム−
    メタノール−水混合溶媒の下層)に付してギンゼ
    ノサイドRb1、Rb2、Rb3、Rc及びRdの混合物又
    は各単体の溶液を得、その濃縮物を酢酸水溶液と
    共に加熱した後、反応液をn−ブタノールで抽出
    し、抽出液を塩基で中和し、水で洗浄した後濃縮
    し、この濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラ
    フイ(溶出溶媒:脂溶性有機溶媒−低級アルコー
    ル−水の混合溶媒)に付し、得られた溶出液の濃
    縮物を低級アルコールに加え不溶部分を別し、
    液を濃縮し、その濃縮液に加水分解酵素を加え
    て反応させ、反応液をn−ブタノールで抽出し、
    その濃縮液をシリカゲルクロマトグラフイ(溶出
    溶媒:脂溶性有機溶媒と低級アルコールとの混合
    溶媒)に付して精製することからなる式(): で表される3−O−β−D−グルコピラノシル−
    20(S)−プロトパナキサジオールの製造法。 7 使用する脂溶性有機溶媒がエーテル、クロロ
    ホルム、ヘキサンまたはベンゼンである特許請求
    の範囲第6項記載の方法。 8 使用する低級アルコールがメタノール、エタ
    ノールまたはn−プロパノールである特許請求の
    範囲第6項記載の方法。
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