JPH01285138A - 釣竿穂先 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は炭素繊維等を補強繊維として成形された釣竿穂
先に関する。

〔従来技術〕

一般に釣竿は、径が段階的に細くなるように形成した複
数本の着脱自在な中空管と、その最先端部に装着される
テーパ状の穂先とから構成されている。このうち穂先は
適度の弾性をもって先端部ほどシナリを生ずるような特
性を有することが必要とされている。従来、市販されて
いる穂先としては、炭素繊維などの弾性率の高い補強繊
維を樹脂中に長手方向に引き揃えて中実棒に成形し、そ
の中実棒の先端部側を先端ほど細くテーパ状に表面切削
して製作したものが主流になっている。

しかし、炭素繊維を補強繊維として使用した従来の釣竿
穂先は、炭素繊維の弾性率が非常に高いために、穂先の
出し入れ等の取り扱い時とか、或いはリールの巻きすぎ
により過剰な曲げを与えたときなどに、細い先端部が節
単に折れてしまうということがあった。また、炭素繊維
は弾性率が非常に高いため、穂先の剛性かはパ単一に決
まってしまい、シナリの程度に幅広い変化をもたせる設
計をすることができないという問題があった。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、上述した従来の欠点を解消し、取り扱
い時等において先端部が簡単に折損するようなことがな
く、また剛性の設計にも幅広い範囲で設定を可能にする
釣竿穂先を提供することにある。

〔発明の構成〕

上記目的を達成する本発明は、長繊維状の補強繊維が樹
脂中で長平方向に引き揃え成形された中実棒を形成する
と共に、この中実棒の先端部側を先端ほど細くテーパ状
にした釣竿穂先を基本構成にしている。そして、前記中
実棒を炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維のいずれか
が配列された中心層と、炭素繊維より伸度が大きいアラ
ミド繊維またはガラス繊維が配列された中間層と、炭素
繊維が配列された外層との少なくとも３層から構成する
と共に、前記テーパ状の先端部側において前記外層が除
去されて、前記中間層が外層として配置されていること
を特徴とするものである。

本発明において中実棒とは、樹脂と長繊維状の補強繊維
とが中空部を介在させることなく充填されて成形されて
いる棒状体のことをいう。

このように中実棒を形成する樹脂には、エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましく使
用される。

本発明において上記中実棒は、長平方向を横切る横断面
で中心層、中間層、外層の少なくとも３層を構成するも
のであることが必要である。

このうち、中心層には補強繊維として長繊維状の炭素繊
維、アラミド繊維、ガラス繊維のいずれかが選択的に配
列され、中間層には炭素繊維より伸度が大きい長繊維状
のアラミド繊維またはガラス繊維のいずれかが配列され
、また外層には長繊維状の炭素繊維が配列されるように
する。また、上記中実棒は穂先形成のため、その先端部
側が先端ほど細くなるようにテーパ状に表面切削されて
おり、それによって基端部側では上記３層構造を有して
いるが、先端部側では表面の外層が除去されて、中間層
が外層として存在するようになっている。

上記中間層の存在は、本発明による作用効果をもたらす
上で非常に重要である。この中間層には、上述のように
炭素繊維よりも伸度の大きなアラミド繊維またはガラス
繊維が配列されており、これによって穂先全体に靭性が
付与されることになる。また、ここに配置するアラミド
繊維またはガラス繊維は炭素繊維に比べて弾性率が小さ
いので、これによって全体的な剛性の低減コントロール
を可能にすることになる。

そして、本発明の穂先では、その先端部側には炭素繊維
が配列された外層が除去されており、これに代わって上
記中間層が外層として存在するようにしであるから、穂
先は曲がりやすく、しかも適度の靭性を具備したものと
なる。したがって、炭素繊維１００％を配列した従来の
穂先のように、取り扱い時に簡単に折損してしまうよう
なことはなくなる。また、穂先を設計するとき、中間層
中のアラミド繊維またはガラス繊維の量を適宜選択する
ことにより、穂先が発生すべきシナリ　（曲がり）の程
度を広範囲に設定することができる。

このように中間層に配置するアラミド繊維またはガラス
繊維の量としては、中心層、中間層。

外層の３層とも存在する穂先基端部に占める補強繊維全
量を基準にして、その全補強繊維量の３０〜８０重量％
、さらに好ましくは４０〜７０重景％に相当するように
することが望ましい。

本発明において中心層に配置する補強繊維は、外層の補
強繊維とは異なり、穂先の全長にわたって存在するよう
になっている。この補強繊維は、炭素繊維、アラミド繊
維、ガラス繊維のいずれを使用してもよいが、特に好ま
しくは炭素繊維を使用するのがよい。炭素繊維を使用す
ることにより、これが外層中の炭素繊維と相俟って穂先
全体に一層高い補強効果を与えることができる。また、
この中心層の補強繊維としてアラミド繊維またはガラス
繊維を使用するときは、これが中間層中のアラミド繊維
またはガラス繊維と相俟って、穂先の発生するシナリの
設計幅を一層広げることができる。

第１図は本発明の実施例からなる釣竿穂先を縦断面で示
したものであり、第２図はテーバ加工する前の中実棒を
断面で示したものである。

いずれの図とも、本発明を理解しやすくするため、長手
方向に対する径方向の寸法比率を実際よりも拡大して示
しである。

第１図に示す穂先Ｅにおいて、矢印Ｐで示す方向は先端
側である。この穂先Ｅは、その横断面が中心層１．中間
層２．外層３から構成された中実棒５によって形成され
ている。これら３層のうち、中心層ｌは熱硬化性樹脂中
に長繊維状の炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維のい
ずれかを補強繊維として、より好ましくは炭素繊維を長
手方向に配列しており、中間層２はアラミド繊維または
ガラス繊維を配列しており、また外層３は炭素繊維を配
列している。

このような中実棒５の先端部側は、表面がテーパ状に先
端ほど細くなるようにしである。そのため、この先端部
側には外層３が存在しないようになっており、それに代
わって中間層２が外層として存在している。すなわち、
中実棒５の基端部側は第２図に示すように３層構造であ
るが、先端部側は第３図に示すように２層構造になって
いる。

このように先端部側をテーパ状にした中実棒５は、まず
第４図に示すように全長にわたり等しい直径で、かつ中
心層１．中間層２．外層３の３層から構成される中実棒
５′を成形し、この中実棒５”の表面を鎖線Ｓに沿って
テーパ状に切削加工することによって得ることができる
。

また、図には示されていないが、このようにテーパ加工
された中実棒５の表面全体には樹脂が塗布され、表面仕
上げがなされている。

〔発明の効果〕

上述したように、本発明の釣竿穂先は、補強繊維を配列
して成形した中実棒の先端部側をテーパ状にしたものに
おいて、その中実棒を炭素繊維、アラミド繊維、ガラス
繊維のいずれかが配列された中心層と、炭素繊維より伸
度が大きいアラミド繊維またはガラス繊維が配列された
中間層と、炭素繊維が配列された外層との少なくとも３
層から構成すると共に、テーパ状にした先端部側におい
て前記外層が除去され、前記中間層が外層として配置さ
れるような構造にしたので、前記中間層によって剛性調
整や靭性付与を行うことができる。

したがって、本発明の釣竿穂先では、従来の炭素繊維だ
けを配列した穂先のように、取り扱い時等において先端
部を簡単に折損するようなことがなくなる。また、剛性
の設計にも幅広い範囲で設定が可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例による釣竿穂先を模式的に示す
縦断面図、第２図は第１図のｎ−ｎ矢視図、第３図は第
１図のｍ−ｍ矢視図である。 また、第４図は上記釣竿穂先に加工する前の中実棒を模
式的に示す縦断面図、第５図は第４図のＶ−Ｖ矢視図で
ある。 １・・・中心層、２・・・中間層、３・・・外層、５・
・・中実棒、Ｅ・・・釣竿穂先。 代理人　弁理士　小　川　信　−

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 長繊維状の補強繊維が樹脂中で長手方向に引き揃え成形
   された中実棒を形成すると共に、この中実棒の先端部側
   を先端ほど細くテーパ状にした釣竿穂先であり、前記中
   実棒を炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維のいずれか
   が配列された中心層と、炭素繊維より伸度が大きいアラ
   ミド繊維またはガラス繊維が配列された中間層と、炭素
   繊維が配列された外層との少なくとも３層から構成する
   と共に、前記テーパ状の先端部側において前記外層が除
   去されて、前記中間層が外層として配置されている釣竿
   穂先。