JPH1119251A

JPH1119251A - バドミントンラケット

Info

Publication number: JPH1119251A
Application number: JP9177030A
Authority: JP
Inventors: Hideo Matsunaga; 英夫松永
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 1997-07-02
Filing date: 1997-07-02
Publication date: 1999-01-26

Abstract

(57)【要約】【課題】シャフト部が高しなりであると共に捩り剛性
が高く、しかもグリップ部に伝わる振動が少ないバドミ
ントンラケットを提供する。【解決手段】シャフト部４の先端側にフェース部５が
設けられ、基端側にグリップ部６が設けられている。こ
のシャフト部４は、真円形断面形状の中空筒状の本体部
４ａと、この本体部４ａの外面に設けられ、シャフト部
４の長手方向に延在する凸条７、凹条８を有する。シャ
フト部４のうち剛性を高めるべき位置に複数条の凸条
７、凹条８が並設されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はバドミントンラケッ
トに係り、特にシャフト部のしなり特性が向上されたバ
ドミントンラケットに関する。また、本発明は、振動減
衰性に優れたバドミントンラケットを提供することを目
的とする。

【０００２】

【従来の技術】バドミントンラケットは、第２図の如
く、シャフト部１の先端にフェース部２を設けると共
に、基端側にグリップ部３を設けたものである。従来広
く用いられているバドミントンラケットのシャフト部１
は、第３図に示す如く、真円形断面形状の中空筒状部材
よりなる。

【０００３】別の断面形状のシャフト部として、第４図
に示す如く、内周面にリブ４をシャフト部長手方向に延
設したシャフト部１Ａが知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】バドミントンラケット
のシャフトには、バドミントンラケットを振ったときに
適度にしなるしなやかさが要求されるのであるが、第３
図の如く、真円形断面形状のシャフト部１においては、
所望のしなり特性が得られると共に、キックポイントを
選定しにくい。また、シャフト部１の軸心回りの捩り剛
性も小さい。

【０００５】さらに、第３図のシャフトは同一径同一厚
の中空構造であるために、フェース面における打球時の
振動が減衰することなくシャフトを通りグリップ部に伝
わるところから、使用者の手、腕に加えられる振動も大
きい。なお、このようなフェース部からの振動を吸収す
るために粘弾性体をフェース部に装着したり、グリップ
部に振動吸収材付グリップレザーを巻いたりすることが
必要になることもあるが、このようにするとバドミント
ンラケットの重量が増加してしまう。

【０００６】第４図に示すシャフト部１Ａは、リブを所
望の位置に設けることが難しく、また完成したバドミン
トンラケットのシャフト部の内面を目視でチェックでき
ないという短所がある。

【０００７】本発明は、上記従来の問題点を解決し、良
好なしなり特性を有すると共に捩り剛性も高いシャフト
部を有するバドミントンラケットを提供することを目的
とする。

【０００８】また、本発明は、振動吸収性に優れたバド
ミントンラケットを提供することを目的とする。

【０００９】さらに、本発明は、振動吸収材を装着する
ことなく優れた振動減衰性を有したバドミントンラケッ
トを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明のバドミントンラ
ケットは、フェース部と、中空のシャフト部と、グリッ
プ部とを有するバドミントンラケットにおいて、該シャ
フト部の外面の少なくとも一部分に、シャフト部軸線に
沿った方向に延びる凸条及び／又は凹条が設けられてい
ることを特徴とするものである。

【００１１】本発明では、凸条及び／又は凹条を複数条
並設するのが好ましい。この場合、複数条の前記凸条及
び／又は凹条を並設した部分のシャフト部の軸心と垂直
な断面形状が該軸心を対称点とした点対称形状であるこ
とが好ましい。

【００１２】かかる本発明のバドミントンラケットは、
シャフト部に凸条及び／又は凹条を設けているため、シ
ャフト部の曲げ剛性及び捩り剛性が高い。また、キック
ポイントの位置を自在に選択することができる。

【００１３】なお、シャフト部に２個以上の凸条及び／
又は凹条を並設することにより、シャフト部の振動モー
ドを変えてシャフト部で振動を減衰させることができ
る。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して実施の形態
について説明する。第１図（ａ）は実施例に係るバドミ
ントンラケットの正面図であり、第１図（ｂ）は同
（ａ）のＢ−Ｂ線に沿う拡大断面図、第１図（ｃ）は同
（ａ）のＣ−Ｃ線に沿う拡大断面図である。

【００１５】このバドミントンラケットにおいても、シ
ャフト部４の先端側にフェース部５が設けられ、基端側
にグリップ部６が設けられている。このシャフト部４
は、中空筒状の本体部４ａと、この本体部４ａの外面に
設けられた、シャフト部４の長手方向に延在する凸条７
及び凹条８とからなる。

【００１６】第１図（ａ）のＢ−Ｂ断面では４個の凸条
７と４個の凹条８とが設けられているが、Ｃ−Ｃ断面で
は２個の凸条７と２個の凹条８とが設けられている。

【００１７】このように構成されたシャフト部４を有す
るバドミントンラケットは、凸条及び／又は凹条の数、
長さ、位置を選択することによりシャフト部の断面２次
モーメントを自由に設計でき、高たわみで低捩れのバド
ミントンラケットを提供できる。また、凸条及び／又は
凹条の位置（とくに凹条の位置）を選択することによ
り、シャフト部のキックポイントの位置を調整すること
もできる。

【００１８】また、複数条の凸条及び／又は凹条を並設
することにより、フェース部から伝わるシャトルヒット
時の振動の振動モードを変えることができ、シャフト部
において振動を減衰させることができる。この結果、グ
リップ部６に伝わる振動が減少する。

【００１９】本発明において、凸条７の高さは０．１〜
３．０ｍｍとくに０．１〜２．０ｍｍとりわけ０．５〜
１．０ｍｍであることが好ましい。凸条７の長さは５〜
２５０ｍｍとくに１０〜１００ｍｍとりわけ１０〜５０
ｍｍであることが好ましい。凹条８の深さは０．１〜
３．０ｍｍとくに０．１〜２．０ｍｍとりわけ０．５〜
１．０ｍｍであることが好ましい。凹条８の長さは５〜
２５０ｍｍとくに１０〜１００ｍｍとりわけ１０〜５０
ｍｍであることが好ましい。

【００２０】本発明では、同一断面において第１図
（ｃ）のように凹条８のみを設けても良く、第１図
（ｄ）のように凸条７のみを設けても良い。また、シャ
フト部４の全体において凹条のみを設けても良く、凸条
のみを設けても良い。

【００２１】なお、凹条８や凸条７の数は図示以外であ
っても良い。ただし、凸条及び又は凹条を設けた箇所に
おけるシャフト部長手方向と垂直な断面形状は、第１図
（ｂ）〜（ｅ）のようにシャフト部の軸心を対称点とし
た点対称形状であることが好ましい。

【００２２】凸条及び又は凹条を配置する範囲は、キッ
クポイントの配置位置等に応じて適宜選定すれば良い
が、手元調子にするにはシャフト長さの１／２よりグリ
ップ側、先調子にするにはシャフト長さの１／２よりフ
ェース側とするのが好適である。

【００２３】本発明のバドミントンラケットのシャフト
部は、金属（合金を含む）製、ＦＲＰ（繊維強化合成樹
脂）製あるいは金属−ＦＲＰ複合材製であることが好ま
しい。なお、繊維強化合成樹脂製のシャフト部を製造す
るには、例えば、凸条又は凹条に対応する凹条又は凸条
が長手方向に延設された筒状の外型を用いる。強化繊維
にフェノール、エポキシ、不飽和ポリエステル等の熱硬
化性樹脂を含浸したプリプレグに、ポリエステル、ポリ
プロピレン等の耐熱フィルムを貼着し、このプリプレグ
を膨張自在なマンドレルに耐熱フィルム側が内面に位置
するように巻回する。そして、上記の筒状の外型内に挿
入した後、マンドレル内にエア又はガスを注入して巻回
プリプレグを外型の径内面に圧接し、更に加熱処理を加
えてエア又はガスを膨張させて巻回プリプレグを外型の
径内面に緊張圧接した後、マンドレル内から排気し、樹
脂硬化した管体を外型より抜き出すと共にマンドレルを
硬化管体から抜き出すことにより繊維強化合成樹脂管を
製造する。この場合には、耐熱フィルムの内面に離型剤
で滑面層を形成しても良いし、また、外型として、径内
側面に離型剤で形成した滑面層を有するものを用いても
良い。

【００２４】このシャフト部を形成する材料の繊維強化
合成樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂の
他、ビニルエステル樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂等が使用され、その中では、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂が好ましく、エポキシ樹脂が特に好
ましい。

【００２５】強化繊維としては、カーボン繊維、ガラス
繊維、各種セラミックス繊維の他、ポロン繊維、鋼、ス
テンレス等の金属繊維、アモルファス繊維、芳香族ポリ
アミド等の有機繊維（例えば、ケブラー繊維やチラノ繊
維）それらの混織物が使用され、その中では、カーボン
繊維、ガラス繊維が好ましく、カーボン繊維が特に好ま
しい。

【００２６】強化繊維の太さは、一般には３〜１３μｍ
が好ましく、３〜４μｍが特に好ましい。

【００２７】シャフト部４を金属製とする場合、金属と
してはチタン、アルミ合金、スチールなどが好ましい。

【００２８】金属製のシャフト部にあっては、プレス加
工、鋳型等により凸条及び又は凹条を形成することがで
きる。

【００２９】金属とＦＲＰとの複合素材としては、カー
ボン繊維、ガラス繊維、有機繊維（ボロン繊維、ケブラ
ー繊維）、チタン、アルミ合金、スチールなどが好まし
い。この場合、凸条及び又は凹条はモールド内圧成型法
などにより形成することができる。

【００３０】この繊維強化合成樹脂管よりなるシャフト
部４にあっては、本体部４ａの外径（直径）を５〜１０
ｍｍとくに７〜８ｍｍ、内径（直径）を２〜６ｍｍとく
に３〜５ｍｍ、本体部４ａの肉厚（外周面の半径と内周
面の半径との差）を１〜３ｍｍとくに１〜２ｍｍとする
のが好ましい。

【００３１】金属製のシャフト部の場合、本体部４ａの
外径（直径）を５〜１０ｍｍとくに７〜８ｍｍ、内径
（直径）を５．５〜９．５ｍｍとくに６．０〜７．５ｍ
ｍ、本体部４ａの肉厚（外周面の半径と内周面の半径と
の差）を０．１〜１．５ｍｍとくに０．２〜１．０ｍｍ
とするのが好ましい。

【００３２】なお、シャフト部４はストレートでも良い
が、先端側（フェース側）が基端側（グリップ側）より
も細いテーパ状であることが好ましく、先端側の直径が
基端側の直径の６０〜９０％程度となるようにするのが
好ましい。シャフト部の長さは２５０〜３５０ｍｍ程度
が好ましい。

【００３３】

【発明の効果】本発明のバドミントンラケットは、シャ
フト部が高しなりを有すると共に捩り剛性が高い。ま
た、キックポイントの調整も可能である。

【００３４】また、本発明のバドミントンラケットは、
グリップ部に伝わるシャトルヒット時の振動を減衰させ
ることも可能である。なお、この振動減衰のために振動
吸収材を装着することも不要であり、余分な重量が付加
されることも無い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るバドミントンラケットを
示しており、（ａ）図は正面図、（ｂ）図、（ｃ）図、
（ｄ）図及び（ｅ）図はシャフト部の断面図である。

【図２】従来のバドミントンラケットの正面図である。

【図３】図２のIII-III 線に沿う断面図である。

【図４】従来のバドミントンラケットのシャフト部１Ａ
の断面図である。

【符号の説明】

１，１Ａ，４シャフト部２，５フェース部３，６グリップ部４ａ本体部７凸条８凹条

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】フェース部と、中空のシャフト部と、グ
リップ部とを有するバドミントンラケットにおいて、該
シャフト部の外面の少なくとも一部分に、シャフト部軸
線に沿った方向に延びる凸条及び／又は凹条が設けられ
ていることを特徴とするバドミントンラケット。
【請求項２】請求項１において、前記凸条及び／又は
凹条を複数条並設したことを特徴とするバドミントンラ
ケット。
【請求項３】請求項２において、複数条の前記凸条及
び／又は凹条を並設した部分のシャフト部の軸心と垂直
な断面形状が該軸心を対称点とした点対称形状であるこ
とを特徴とするバドミントンラケット。