JPH01283366A - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JPH01283366A
JPH01283366A JP31694288A JP31694288A JPH01283366A JP H01283366 A JPH01283366 A JP H01283366A JP 31694288 A JP31694288 A JP 31694288A JP 31694288 A JP31694288 A JP 31694288A JP H01283366 A JPH01283366 A JP H01283366A
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filament
potential
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幹夫 木下
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太田 和三郎
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中沢 政志
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、金属薄膜或いはIC,LSIなどを構成する
半導体薄膜などの形成に適した薄膜形成装置に関する。
従来の技術 従来、被薄膜形成基板上に薄膜を形成する手段としては
、種々のものが提案され、その方法も極めて多岐にわた
っている。主なものとしても、例えばイオンブレーティ
ング法やCVD法やPVD法などがある。
例えば、蒸発源と被蒸着物の間に高周波電磁界を発生さ
せて、活性ガス又は不活性ガス中で蒸発した物質製イオ
ン化して真空蒸着を行なうイオンブレーティング法があ
る。また、蒸発源と被蒸着物との間に直流電圧を印加す
るDCイオンブレーティング法もある。これらのイオン
ブレーティング法は、例えば特公昭52−29971号
公報や特公昭52−29091号公報等により知られて
いる。
また、本出願人により既に提案されている特開昭59−
89763号公報に示されるような薄膜蒸着装置もある
。これは、ます、被蒸着用の基板を保持する基板ホルダ
と、この基板ホルダに対向する蒸発源との間にグリッド
を設け、このグリッドを基板ホルダに対して正電位とす
る。更に、グリッド・蒸発源間に熱電子発生用のフィラ
メン1〜を設ける。このような構成により、蒸発源から
蒸発した蒸発物質はフィラメントから放出される熱電子
によりイオン化される。このイオンはグリッドを通過す
ると、グリッド側から基板ホルダへ向かう状態の電界の
作用により加速され、基板に衝突することにより、密着
性のよい簿膜が基板上に形成されるというものである。
この他、各種の薄膜形成方法・装置がある。
発明が解決しようとする課題 しかし、従来の薄膜形成方式による場合には、形成され
た薄膜の基板に対する密着性が弱かったり、耐熱性のな
い基板への膜形成が困難という課題がある。特に、前述
した特開昭59−89763号公報方式による場合にお
いて、高融点物質を用いた場合には、電子銃による蒸発
源を用いる必要がある。この結果、装置の機能、ゴス1
〜面で大掛かりなものとなってしまう。また、電子銃を
用いた場合には、その電子が空間に飛び出してしまい、
かとついて、蒸発物質からなる蒸発源を用いた場合でも
、蒸発源加熱用電源の片端子を接地電位にすると、蒸発
物質と同時に熱電子も飛び出してしまい、プラズマ状態
に影響を与え、制御しにくくなる等の課題がある。
よって、基板−F−に極めて強い密着性を持つ緻密な薄
膜を形成することができ、この際、基板として耐熱性の
ない例えばプラスチックス板などをも用いることができ
、高融点物質及びその化合物薄膜であっても安価に形成
することかできる薄膜形成装置が要望されている。
課題を解決するための手段 請求項1記載の発明では、活性ガス又は不活性ガス或い
は活性ガスと不活性ガスとの混合ガスの導入口を備えた
真空槽を設け、この真空槽内において蒸発物質を蒸発さ
せる蒸発源を設け、前記真空槽内に配設されて前記蒸発
源に対向する状態で薄膜形成用の基板を保持する基板ホ
ルダを電気的絶縁性を有する材質により形成して設け、
前記蒸発物質が通過する隙間を有するグリッドを前記蒸
発源とこの基板ホルダとの間に配置させて設け、熱電子
発生用のフィラメントをこのグリシ1−と前記蒸発源と
の間し;配置させて設け、前記グリッドの電位を前記フ
ィラメン1−の電位に対し正電位となるよう所定の電位
関係とさせる電源手段を設ける。
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載発明中の
基板ホルダに代えて、電気的導電性を有する材質により
形成された基板ホルダとし、この基板ホルダを前記真空
槽内に介在部材を介して電気的絶縁状態で配置させる。
さらに、請求項3記載の発明では、請求項1記載発明中
の基板ホルダに代えて、請求項2記載の発明と同様に、
対向電極により基板を保持させ、かつ、電気的に他部か
ら浮いた状態で蒸発源を加熱させる加熱電源手段を設け
る。
作用 蒸発源からの蒸発物質のイオン化がフィラメントからの
熱電子によって極めて高い状態で行なわれるので、基板
上に付着力、膜表面の平滑性或いは結晶性に優れた薄膜
が成膜される。この際、高イオン化により高いエネルギ
ーを有するので、熱エネルギーを付与しない低温成膜も
可能となる。
よって、基板としては耐熱性の劣るプラスチックス板等
でもよい。さらには自身が電気的絶縁性を有する材質に
より形成され、又は、自身は電気的導電性を有する材質
により形成されるが介在部材を介して電気的絶縁状態と
されることにより、電気的に絶縁状態にある基板ホルダ
により基板を保持させ、基板の電位が浮動電位であるの
で、基板近傍での電位差が比較的小さく、正イオンによ
るイオン衝撃が極めて減少し、緻密で欠陥の少ない薄膜
が形成される。
また、請求項3記載の発明によれば、蒸発源に対する加
熱電源手段が電気的に他部から浮いた状態にあり、蒸発
源からの熱電子の放出がなく、フィラメントにより放出
される熱電子のみとなり、安定したプラズマ状態として
良質の薄膜形成を行なわせることができるものとなる。
実施例 以下、本発明の第一の実施例を第1図に基づいて説明す
る。まず、真空槽1が設けられている。
この真空槽1はベースプレート2上にベルジャ3をバッ
キング4を介して一体化することにより構成されている
。ここに、ベースプレート2の中央部には導入口として
の孔2aが形成されて図示しない真空排気系に連結され
、真空槽1内の気密性を維持しつつ、周知の方法により
真空槽1内に活性ガス又は不活性ガス或いは活性ガスと
不活性ガスとの混合ガスを導入し得るように構成されて
いる。
そして、このような真空槽1内には上方から下方に向け
て順に基板ホルダ5とグリッド6とフィラメント7と蒸
発源8とが適宜間隔をあけて設けられている。これらの
部材中、基板ホルダ5は介在部材として支持体9を介し
、他のグリッド6、フィラメント7、蒸発源8は各々支
持体を兼用する電極10,11.12を介して真空槽1
内に水平状態に支持されている。これらの支持体9及び
電極10〜12は何れもベースプレート2との電気的な
Mli性を保つ状態でベースプレート2を貫通して真空
槽1外部に引出されている。即ち、これらの電極10〜
12は真空槽1の内外の電気的な接続・給電を行なうた
めのもので、その他の配線具とともに導電手段となり得
るものであり、ベースプレート2の貫通部等においては
気密性が確保されている。
ここで、一対の前記電極12により支持された蒸発源8
は蒸発物質を蒸発させるためのものであリ、例えばタン
グステン、モリブデンなどの金属をコイル状に形成して
なる抵抗加熱式として構成されている。もつとも、コイ
ル状に代えて、ボート状、棒状又は線状に形成したもの
でもよい。更には、このような蒸発源に代えて、電子ビ
ーム蒸発源などのように従来の真空蒸着方式で用いられ
ている蒸発源であってもよい。
また、一対の電極11により支持されたフィラメント7
は熱電子発生用のものであり、タングステンなどにより
形成されている。このフィラメント7の形状としては、
例えば複数本のフィラメントを平行に配列させたり、網
目状に配列させてなり、前記蒸発源8から蒸発した蒸発
物質の粒子の広がりをカバーし得るように設定されてい
る。
そして、電極1oにより支持されたグリッド6は、蒸発
物質が通過する隙間を有する形状、例えば網目状に形成
されている。
さらに、支持体9を介して支持された基板ホルダ5には
、前記蒸発源8に対向する面(下面)側に位置させて、
薄膜を形成すべき基板13が適宜の方法しこより保持さ
れている。
また、このように真空槽1内に設けたグリッド6、フィ
ラメント7、蒸発源8等の部材を電位的に所定の電気的
な関係とする電源手段14が真空槽1外に設けられ、前
記各電極10〜12を利用してこれらの各部材に接続さ
れている。
まず、蒸発源8は電極12を介して加熱用の交流電源1
5に接続されている。次に、直流電源16が設けられ、
この直流電源16の正極側は電極10を介してグリッド
6に接続されている。フィラメント7は一対の電極11
を介して直流電源17の両端に接続されている。なお、
図示の状態ではこの直流電源17の正極側が接地されて
いるが、負極側を接地してもよく、或いは交流電源を用
いてもよい。何れにしても、グリッド電位側がフィラメ
ント電位に対し正電位となるような電位関係に設定され
ている。これにより、真空槽1内にはグリッド6から基
板13に向かう電界と、グリッド6から蒸発源8に向か
う電界とが逆向きに形成される。
しかして5本実施例の基板ホルダ5はヘースプレート2
と電気的絶縁状態にある支持体9に接続されているので
、アルミニウムなどの電気的導電性を有する材質により
形成したもの(即ち、電極10等と同等材料)でもよい
が、テフロン、ガラスなどの電気的絶縁性を有する材質
により形成したものでもよい。電気的絶縁性材質による
場合には絶縁性を有する支持体9は必ずしも必要ではな
い。何れにしても、基板ホルダ5に支持される基板13
の電位は浮動電位状態にある。
これらの電源15〜17により電源手段14が構成され
るものであるが、図中に示す接地は必ずしも必要ではな
い。また、実際的なこれらの電気的な接続には、種々の
スイッチ類を含み、これらの操作により、基板13上へ
の成膜プロセスを実施するわけであるが、これらのスイ
ッチ類については省略する。
このような薄膜形成装置の構成による薄膜形成動作につ
いて説明する。まず、図示の如く、薄膜を形成すべき基
板13を基板ホルダ5に保持セラ1・させる一方、蒸発
源8には蒸発物質を保持させる。用いる蒸発物質はどの
ような薄膜を形成するかに応じて定められるものである
が、例えば、アルミニウムや金などの金属、或いは金属
の酸化物、弗化物、硫化物、或いは合金等が用いられる
。また、真空槽1内は予め10−4〜1O−7Paの圧
力とされ、必要に応じて活性ガス又は不活性ガス或いは
これらの混合ガスが10〜10−”Paの圧力で導入さ
れる。ここでは、例えばアルゴンArなどの不活性ガス
が導入されているものとする。
このような状態で、本装置を作動させると、グリッド6
には正極の電位が印加され、フィラメント7の一端には
負極の電位が印加され、フィラメント7には電流が流れ
る。これにより、フィラメント7は抵抗加熱されて熱電
子を放射する。真空槽1内のアルゴン分子はこのフィラ
メント7から放射された熱電子との衝突により、その外
殻電子がはじき出され、正イオンにイオン化される。
一方、蒸発源8に保持された蒸発物質は加熱により蒸発
する。蒸発源8から蒸発した物質、即ち蒸発物質の粒子
は上方の基板13に向かって広がりつつ飛行する。この
際、その一部及び前記導入ガスはフィラメント7から放
出された熱電子との衝突により外殻電子がはじき出され
、正イオンにイオン化される。即ち、フィラメント7よ
り発生する熱電子は蒸発物質の一部をイオン化するのに
供される。
このように一部イオン化された蒸発物質は、グリッド6
を通過し、さらにイオン化されたガスにより正イオンに
イオン化を促進され、グリッド6から基板13△向かう
電界の作用により基板13側へ加速される。この際、本
実施例にあっては基板ホルダ5が電気的に絶縁状態にあ
り、基板13の電位が浮動電位であるため、イオンの大
部分は基板13の表面の原子をスパッタリングするため
に必要な最低エネルギー(数10eV)以下のエネルギ
ーで基板表面に衝突する。なお、このような基板13の
浮動電位はプラズマの空間電位に対し低電位であるので
、基板13近傍の電界はやはりグリッド6から基板13
へと向かうため、この電界は基板13側へ向かうイオン
の運動を阻止するものではない。従って、イオンは十分
に基板13表面に向かうことになる。また、基板13近
傍に存在する電子は蒸発物質や導入ガスをイオン化する
際に発生したものであるが、その一部は基板13近傍の
電界に逆らって基板13へ到達する。
このように、本実施例によると、薄膜を損傷させる高エ
ネルギーのイオンの入射は極めて少なく、かつ、低エネ
ルギーのイオンは十分に基板13へと供給されるので、
基板13に対し極めて密着性の強い薄膜を形成でき、耐
熱性のない基板13をも使用できる。
なお、フィラメント7からの熱電子はフィラメント温度
に対応する運動エネルギーを持ってフィラメント7から
放射されるので、正電位のグリッド6に直ちには吸引さ
れずに、これを−旦通過した後、グリッド6によるクー
ロン力により引き戻され、再度グリッド6を通過する、
というように、グリッド6を中心として振動運動を繰返
し、大部分はグリッド6に吸収されることになる。
従って、一部イオン化されてグリッド6を通過する蒸発
物質は、上述の如くグリッド6の近傍において上下に振
動運動する熱電子及び前述の如くイオン化された導入ガ
スの衝突により、さらにイオン化が促進される。また、
グリッド6を通過した蒸発物質中で未だにイオン化され
ていない部分は、さらにグリッド6と基板13との間に
おいて、前述の如くイオン化された導入ガスとの衝突に
より、正イオンにイオン化され、1イオン化率が高めら
れる。
このように、本実施例によれば、蒸発物質のイオン化が
極めて高いので、真空槽1内に活性ガスを単独で、或い
は不活性ガスとともに導入して成膜を行なうことにより
、蒸発物質と活性ガスとを化合させ、この化合による化
合物薄膜を形成する場合であっても、所望の物性を有す
る薄膜を容易に得ることができる。
例えば、不活性ガスとしてアルゴンAr、活性ガスとし
て酸素02を導入し、真空槽1内の圧力を10−”Pa
に調整し、蒸発物質としてアルミニラムAnを選択すれ
ば、基板13上にAf1203の薄膜を形成することが
できる。また、蒸発物質としてSi又はSiOを用いれ
ばS i O2の薄膜を得ることができる。蒸発物質と
してLnやZnを選択すれば、各々In2O3,ZnO
の薄膜を得ることができる。一方、ガスとしてH,S 
、蒸発物質としてC,dを選択すればCdSの薄膜を得
ることができる。さらに、活性ガスとしてアンモニアを
アルゴンとともに用い、かつ、蒸発物質としてTi又は
Taを用いれば、各々TiN又はTa、Nなどの薄膜を
得ることも可能である。
ところで、本実施例においては、蒸発物質及び導入ガス
のイオン化には、フィラメント7による熱電子が有効に
寄与するので、10””Pa以下の圧力の高真空下にお
いても蒸発物質のイオン化が可能である。このため、薄
膜中へのガス分子の取込みを極めて少なくすることがで
きるため、高純度の薄膜を得ることができる。また、薄
膜の構造も極めて緻密なものとすることが可能である。
即ち、通常の薄膜の密度はバルクのそれよりも小さいと
されているが、本実施例によればバルクの密度に極めて
近似した密度のものが得られることも大きな特徴の一つ
である。この結果、本実施例方式の薄膜形成装置によれ
ば、IC,L、SIなどを構成する半導体薄膜や、その
電極としての高純度な金属薄膜の形成、さらには光学薄
膜の形成に極めて適したものとなる。
結局、本発明は、強い反応性を持たせることができると
いうCVD法の長所と、緻密な強い膜形成を可能とする
高真空中で成膜するというPVD法の長所とを同時に実
現する、従来に無い画期的な薄膜形成装置といえる。そ
して、蒸発物質、がイオン化し、高いエネル、ギーを電
気的に有する(電子・イオン温度)ので、反応性を必要
とする成膜や結晶化を必要とする成膜を、温度(反応温
度や結晶化温度)という熱エネルギーを与えることなく
実現でき、低温成膜が可能となる。従って、基板13と
しては耐熱性の弱いプラスチックス板などであってもよ
いものとなる。特に、基板の電位を浮動電位としている
ため、基板近傍での電位差が比較的小さく、正イオンに
よるイオン衝撃が極めて小さいため、緻密で欠陥の少な
い薄膜を形成できる。よって、IC,LSI等の生産性
の向上、光学薄膜などの品質の向上等を達成することが
でき、半導体分野や光学分野に応用し得るものとなる。
つづいて、本発明の第二の実施例を第2図により説明す
る。前記実施例で示した部分と同一部分は同一符号を用
いて示す。まず、本実施例では、前記実施例の基板ホル
ダ5に相当する基板支持部材として対向電極18が設け
られている。この対向電極18は支持体9を介した電極
19により支持されており、この電極19は電極10〜
12と同様にベースプレート2との電気的な絶縁性を保
つ状態でベースプレート2を貫通して真空槽1外部に引
出されている。電極19に支持された対向電極5には、
前記蒸発源8に対向する面(下面)側に位置させて、薄
膜を形成すべき基板13が適宜の方法により保持されて
いる。
また、蒸発源8は前記実施例と同様であるが、例えばタ
ングステン、モリブデン、タンタルなどの高融点かつ昇
華性金属等をコイル状に形成してなる抵抗加熱式として
構成されている。
また、このように真空槽1内に設けたグリッド6とフィ
ラメント7との電位関係につき、フィラメント電位に対
しグリッド電位が正電位とさせる電源手段としての直流
電源16.17が設けられている。なお、フィラメント
7用の電極11間には直流電源17が接続されているが
、この電源は交流電源であってもよい。また、前記直流
電源16の負極側は直接接地されているが、接地との間
に直流電源を介在させ、フィラメント7にバイアスをか
けるようにしてもよい。
一方、蒸発源8には電極12間に接゛続された交流電源
15が加熱電源手段とされている。この電源は交流に限
らず、直流電源であってもよい(正負の極性も任意)。
このような電源15は図示の如く、電極12により蒸発
源8にのみ接続され、電気的に他部(接地を含む)から
浮いた配線状態とされている。これにより、蒸発源8か
ら蒸発物質が蒸発する場合においても、熱電子が殆ど放
出されないように設定されている。
なお、対向電極5は電極19を介して直接接地されてい
るが、接地との間に直流電源を介在させ、バイアスをか
けるようにしてもよい。また、図中に示す接地は必ずし
も必要ではない。
このような薄膜形成装置の構成による薄膜形成動作につ
いて説明する。基本的には、前記実施例に準する。まず
、図示の如く、薄膜を形成すべき基板13を対向電極5
に保持セットさせる一方、蒸発源8には蒸発物質を保持
させる。用いる蒸発物質はどのような薄膜を形成するか
に応じて定められるものであるが、例えば、タングステ
ン、モリブデン、タンタル、クローム等の金属や、炭化
チタン、炭化タンタル等の金属化合物又は合金等が適宜
用いられる。また、真空槽1内には予め活性ガス又は不
活性ガス或いはこれらの混合ガスが10〜1O−3Pa
の圧力で導入される。ここでは、説明の具体性のため、
例えば酸素等の活性ガスが導入されているものとする。
このような状態で、本装置を作動させると、蒸発源8に
保持された蒸発物質が電源15による加熱で蒸発する。
蒸発源8から蒸発した物質、即ち蒸発物質の粒子は上方
の基板13に向かって広がりつつ飛行し、グリッド6を
通過する。
一方、直流電源j−7により加熱されたフイラメン1へ
7からは熱電子が放出される。このようにフィラメント
7から発生した熱電子は、グリッド6の電界により加速
されつつ、グリッド6へ向かって飛行し、導入ガス分子
及び蒸発源8からの蒸発粒子に衝突して、これらを陽イ
オンにイオン化する。このようにして、グリッド6の近
傍の空間にプラズマ状態が生ずる。この際、熱電子の放
出はフィラメント7からのみであり、蒸発源8からは放
出しないため、電源16.17の調整のみで安定したプ
ラズマ状態とすることができる。
このようにイオン化された蒸発粒子或いはガス分子は、
グリッド6から対向電極5へ向かう電界の作用により、
加速されつつ飛行し、高速で基板13に衝突し、基板1
3上に所望の薄膜が形成されることになる。このような
薄膜は蒸発物質をイオン化してなるイオン粒子の衝突に
よるため、基板5への密着性に優れ、結晶性、配向性の
良好なるものとなる。
このように、本実施例によれば、蒸発物質のイオン化が
極めて高いので、真空槽1内に活性ガスを単独で、或い
は不活性ガスとともに導入して成膜を行なうことにより
、蒸発物質と活性ガスとを化合させ、この化合による化
合物薄膜を形成する場合であっても、所望の物性を有す
る薄膜を容易に得ることができる。
例えば、不活性ガスとしてアルゴンAr、活性ガスとし
て酸素02を導入し、真空槽1内の圧力を10〜1O−
2Paに調整し、蒸発物質としてタングステンを選択す
れば、基板13上には酸化タングステンの薄膜を形成す
ることができる。また、蒸発物質としてモリブデンを用
いれば酸化モリブデンの薄膜を得ることができる。さら
に、蒸発物質としてタンタルやクロームを選択すれば、
各々酸化タンタル、酸化クロームの薄膜を得ることがで
きる。一方、活性ガスとしてアンモニアをアルゴンとと
もに用い、蒸発物質としてタンタルを選択すれば窒化タ
ンタルの薄膜を得ることができる。
本実施例においても、バルクの密度に極めて近似した密
度のものとして得られるという特徴が維持され、高融点
かつ昇華性物質等の化合物薄膜についても、良質な薄膜
を形成することができ、IC,LSIなどを構成する半
導体薄膜等の形成に極めて適したものとなる。
発明の効果 本発明は、上述したように構成したので、蒸発源からの
蒸発物質のイオン化がフィラメントからの熱電子によっ
て極めて高い状態で行なわれるため、基板上に付着力、
膜表面の平滑性或いは結晶性に優れた薄膜を成膜するこ
とができ、この際、高イオン化により高いエネルギーを
有するので、熱エネルギーを付与しない低温成膜も可能
となり、基板としては耐熱性の劣るプラスチックス板等
をも用いることができ、高融点物質やその化合物の薄膜
であっても簡単・安価にして良好に形成することができ
、さらには電気的に絶縁状態にある基板ホルダにより基
板を保持させ、基板の電位を浮動電位としたので、基板
近傍での電位差を比較的小さくし、正イオンによるイオ
ン衝撃を極めて減少させ、緻密で欠陥の少ない薄膜を形
成でき、さらに、請求項3記載の発明によれば、蒸発源
に対する加熱電源手段が電気的に他部から浮いた状態に
あり、蒸発源からの熱電子の放出がなく、フィラメント
により放出される熱電子のみとなり、安定したプラズマ
状態として良質の薄膜形成を行なわせることができるも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第一の実施例を示す概略正面図、第2
図は本発明の第二の実施例を示す概略正面図である。 1・・・真空槽、5・・・基板ホルダ、6・・・グリッ
ド、7・・・フィラメント、8・・・蒸発源、9・・・
介在部材、13・・・基板、14・・・電源手段、15
・・・加熱電源手段、18・・・対向電極

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、活性ガス又は不活性ガス或いは活性ガスと不活性ガ
    スとの混合ガスの導入口を備えた真空槽と、この真空槽
    内において蒸発物質を蒸発させる蒸発源と、前記真空槽
    内に配設されて前記蒸発源に対向する状態で薄膜形成用
    の基板を保持する電気的絶縁性を有する材質により形成
    された基板ホルダと、前記蒸発源とこの基板ホルダとの
    間に配置されて前記蒸発物質が通過する隙間を有するグ
    リッドと、このグリッドと前記蒸発源との間に配置させ
    た熱電子発生用のフィラメントと、前記グリッドの電位
    を前記フィラメントの電位に対し正電位となるよう所定
    の電位関係とさせる電源手段とからなることを特徴とす
    る薄膜形成装置。 2、活性ガス又は不活性ガス或いは活性ガスと不活性ガ
    スとの混合ガスの導入口を備えた真空槽と、この真空槽
    内において蒸発物質を蒸発させる蒸発源と、前記蒸発源
    に対向する状態で薄膜形成用の基板を保持する電気的導
    電性を有する材質により形成された基板ホルダと、この
    基板ホルダを前記真空槽内に電気的絶縁状態で配置させ
    た介在部材と、前記蒸発源と基板ホルダとの間に配置さ
    れて前記蒸発物質が通過する隙間を有するグリッドと、
    このグリッドと前記蒸発源との間に配置させた熱電子発
    生用のフィラメントと、前記グリッドの電位を前記フィ
    ラメントの電位に対し正電位となるよう所定の電位関係
    とさせる電源手段とからなることを特徴とする薄膜形成
    装置。 3、活性ガス又は不活性ガス或いは活性ガスと不活性ガ
    スとの混合ガスの導入口を備えた真空槽と、この真空槽
    内において蒸発物質を蒸発させる蒸発源と、前記真空槽
    内に配設されて前記蒸発源に対向する状態で薄膜形成用
    の基板を保持する対向電極と、前記蒸発源と対向電極と
    の間に配置されて前記蒸発物質が通過する開口部を有す
    るグリッドと、このグリッドと前記蒸発源との間に配置
    させた熱電子発生用のフィラメントと、前記フィラメン
    トの電位に対し前記グリッドの電位が正電位となる電位
    関係とさせる電源手段と、電気的に他部から浮いた状態
    で前記蒸発源を加熱させる加熱電源手段とからなること
    を特徴とする薄膜形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009046343A (ja) * 2007-08-17 2009-03-05 Kobe Univ 高純度酸化モリブデン薄膜およびその製造方法

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