JP2009046343A - 高純度酸化モリブデン薄膜およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】モリブデン(Mo)および酸素(O)以外に不純物を実質的に含まない高純度酸化モリブデン薄膜およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の高純度酸化モリブデン薄膜は、バンドギャップが2.5eV以上であり、かつ、モリブデン(Mo)との原子比が3:1で、実質的に不純物を含まないものである。本発明の高純度酸化モリブデン薄膜の製造方法とは、モリブデンフッ化物錯体を含む反応溶液に基材を浸漬させ、当該基材表面に酸化モリブデンを析出させる方法である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の高純度酸化モリブデン薄膜は、バンドギャップが2.5eV以上であり、かつ、モリブデン(Mo)との原子比が3:1で、実質的に不純物を含まないものである。本発明の高純度酸化モリブデン薄膜の製造方法とは、モリブデンフッ化物錯体を含む反応溶液に基材を浸漬させ、当該基材表面に酸化モリブデンを析出させる方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、実質的に不純物を含まない高純度の酸化モリブデン薄膜およびその製造方法に関する。
酸化モリブデン(MoO3)は、シリコンの2.5〜3倍のバンドギャップを有することから、パワー半導体への応用が期待されている。また、酸化モリブデンは、優れたガス応答性やエレクトロクロミック特性も有しており、これを窒素酸化物センサや表示デバイス、調光デバイスなどへ適用することも試みられている。
上記酸化モリブデン薄膜を形成する方法としては、従来、パルスレーザーアブレーション(PLA)法、スパッタリング法、熱蒸発、化学真空蒸着(CVD)法、電着法、ゾルゲル法などが用いられている。しかしながら、いずれの技術も、工業的な実施を行うには、大規模な設備を要し、また、高いエネルギーを要するため、コスト面においても改善の余地がある。さらに、均一な組成を有し、かつ、不純物の混入がない、高純度な薄膜を得るのは容易ではない。
一方、複雑な設備が不要で、簡便に金属酸化物薄膜を形成できる方法として、液相析出法(Liquid Phase Deposition:LPD法)が知られている。本発明者らは、LPD法により種々の金属酸化物の構造体(粒子、薄膜など)を形成できることを報告している。また、本発明者ら以外からも、液相析出法を採用する技術は提案されており、例えば、特許文献1,2には、液相析出法で鋼板表面に酸化チタンや酸化ジルコニウムなどの金属酸化物皮膜を形成すること、また、特許文献3には、電池の負極材料に関して、当該負極表面に液相析出法により、チタンやジルコニウムなどの酸化物からなる被覆部を形成させることがそれぞれ記載されている。
特開2004−283858号公報
特開2004−285395号公報
特開2007−141666号公報
しかしながら、特許文献1〜3には、液相析出法で金属酸化物皮膜(被覆)を形成した旨記載されているが、それがいかなる条件下で形成されたものであるか、また、生成した金属酸化物がどのような特性(構造、物理的あるいは化学的性質)を有するものであるかといったことについては何ら具体的には記載されていない。
本発明は、このような状況に着目してなされたものであって、その目的は、モリブデン(Mo)および酸素(O)以外に不純物を実質的に含まない高純度酸化モリブデン薄膜およびその製造方法を提供することにある。
本発明の高純度酸化モリブデン薄膜とは、バンドギャップが2.5eV以上で、かつ、モリブデン(Mo)と酸素(O)との原子比が3:1であり、実質的に不純物を含まないところに特徴を有する。
上記薄膜は、酸化数+VIのモリブデン(Mo6+)を含有するものであるのが好ましく、また、上記薄膜を形成する酸化モリブデンが、六方晶系の結晶構造を有するものであるのが望ましい。さらに、液相析出法により形成されてなるものは、特別な製膜装置等が不要であり、製膜後に焼成処理などを行わなくても、常温、常圧下において、容易に、酸化モリブデン薄膜が得られるので好ましい。
本発明の高純度酸化モリブデン薄膜の製造方法は、モリブデンフッ化物錯体を含む反応溶液に基材を浸漬させ、当該基材表面に酸化モリブデンを析出させるところに特徴を有する。本発明の製造方法は、液相析出法を採用するものであり、常温、常圧下で反応が進行するため、特別な設備や操作が不要であり、簡便に高純度の酸化モリブデン薄膜を形成できる。
前記モリブデンフッ化物錯体が溶解した反応溶液は、モリブデン酸とフッ化水素酸とを用いて調製するのが好ましい。
上記酸化モリブデン薄膜を備えた半導体素子、半導体型センサおよび光学素子も本発明に含まれる。
本発明の酸化モリブデン薄膜は、モリブデンおよび酸素以外の成分を実質的に含まない極めて高い純度を有している。
本発明法によれば、特別な装置や、複雑な反応工程を採用することなく、穏やかな反応条件で、高い結晶性を有し、且つ、実質的に不純物を含有しない高純度酸化モリブデン薄膜が得られる。
本発明、および本発明法により製造される酸化モリブデン薄膜は、触媒、電池、エレクトロクロミックウインドウ、などの調光デバイス、量子ドットデバイスなどへの応用が期待される。
本発明の高純度酸化モリブデン薄膜とは、バンドギャップが2.5eV以上であり、且つ、モリブデン(Mo)と酸素(O)との原子比が3:1であり、実質的に不純物を含まないところに特徴を有している。本発明において、「実質的に不純物を含まない」とは、各種分析方法により本発明の酸化モリブデン薄膜の組成を分析した場合に、モリブデンと酸素以外のピークが観察されないことを意味する。モリブデンおよび酸素以外の成分(不純物)の含有量が、測定限界以下(0.1質量%)であることを意味する。
モリブデンおよび酸素の含有量は、例えば、XPSスペクトルのピーク面積から算出できる。すなわち、まず、標準物質として単結晶酸化モリブデンを用い、その面積強度比を測定し、得られた面積強度比からモリブデンと酸素との割合を算出する。次いで、XPSスペクトルから本発明の酸化モリブデン薄膜のMoおよびOの強度を算出し、予め算出した単結晶酸化モリブデンのMoとOの割合を用いて、その原子比を比較することにより、薄膜中のモリブデンおよび酸素の含有量が算出できる。なお、この場合、試料導入において用いた他の材料、例えば、カーボン、貴金属等については、試料の測定に先立ち、ブランク値を測定し、値を補償すればよい。また、本発明の酸化モリブデン薄膜の組成は、後述する実施例で採用しているICP発光分析装置によっても算出することができる。
酸化モリブデン(MoO3)は、モリブデン原子1に対して、酸素原子3が結合した化合物である。したがって、上記薄膜の組成は、本発明の酸化モリブデン薄膜が、モリブデン、酸素以外の成分を含有していない高純度の酸化モリブデン薄膜であることを示している。
本発明の高純度酸化モリブデン薄膜は、2.5eV以上の広いバンドギャップを有するものである。好ましくは2.9eV以上であり、さらに好ましくは3.0eV以上である。上限は、特に限定されない。
本発明の酸化モリブデン薄膜は、酸化数+VIのモリブデンを含有するものであるのが好ましい。通常、モリブデンは、+II〜+VIの酸化状態を取り得るが、酸化数+VIのモリブデンを含むものは、Mo/O比を3とすることを意味し、安定な結晶型を有することになるので好ましい。
本発明の酸化モリブデン薄膜は、液相析出法で形成されたものであるのが好ましい。液相析出法で形成された薄膜は、従来、採用されてきたCVD法やスパッタリング法のように、薄膜形成時の条件によってモリブデンイオンの酸化状態が変化し難く、また、後述する本発明の製造方法を採用すれば、不純物の混入する余地が少ないので、高いMoO3純度の酸化モリブデン薄膜が確保できる。
本発明の酸化モリブデン薄膜は、後述する実施例の図5(XRD測定の結果を示す図)に示されるように、高い結晶性を有している。また、本発明の酸化モリブデン薄膜は、六角柱状の酸化モリブデン結晶からなり、この結晶構造は六方晶系に分類される。なお、本発明に係る酸化モリブデンの結晶は、薄膜形成時の反応時間の経過と共に成長するが、酸化モリブデンの結晶が析出し、成長して、基材表面を覆う酸化モリブデン薄膜が生成した場合、六角柱の底面を構成する正六角形の1辺をa、高さをbとしたときの結晶のアスペクト比(b/a)は、4程度となる(図14など)。
本発明の酸化モリブデン薄膜の厚みは特に限定されない。上述のように、本発明に係る酸化モリブデンの結晶は、反応時間の経過と共に成長するので、反応時間を適宜調整して、用途に応じた厚みを有する薄膜を調製すればよい。
本発明の高純度酸化モリブデン薄膜を製造する方法とは、モリブデンフッ化物錯体を含む反応溶液に基材を浸漬させ、当該基材表面に酸化モリブデンを析出させるところに特徴を有する。
上述のように、本発明の製造方法とは液相析出法を採用するものである。ここで、液相析出法とは、溶液内での金属フッ化物錯体の加水分解平衡反応を利用するもので、下記式のように表される。
上記式(1)で表される加水分解平衡反応は、反応系内に、F−イオンを配位子として取り込み、出発原料である金属フッ化物錯体よりも安定なフッ化物錯体もしくは化合物を形成するようなフッ素イオン捕捉剤(例えば、(2)式に示すH3BO3など)を添加することにより、上記(1)式の平衡反応を酸化物の生成側へと移動させて、金属酸化物を析出させるものである。
上記液相析出反応は、常温、常圧下で進行るため、特別な設備や操作が不要であり、また、容易に所望の形状の金属酸化物が得られるため好ましい。また、液相析出反応を採用すれば、ゾルゲル法や、スピンコート法のように原料を溶解させるための有機溶剤を使用する必要がなく、生成する薄膜に有機物が混入する余地が少ない。また、スパッタリング法や、PLA法などは、薄膜形成時におけるMoとOの化学量論比のコントロールが難しく、均一な組成の薄膜を得難い、あるいは、生成した薄膜中に酸素欠陥が生じ易いといった問題が生じる場合がある。これに対して、本発明の製造方法により得られる薄膜では、上記問題は生じ難く、純度の高い酸化モリブデン薄膜が容易に得られるため好ましい。
本発明法では、上記金属フッ化物錯体として、モリブデンフッ化物錯体(H2MoO4−HF)を用いる。モリブデンフッ化物錯体は、アルカリ金属イオンを含まない酸化モリブデン、酸化モリブデンの含水結晶、モリブデン酸などを原料として調製すればよい。例えば、酸化モリブデンを原料とする場合であれば、酸化モリブデンの粉体をHF水溶液に溶解させればよく、また、モリブデン酸を使用する場合であれば、モリブデン酸にフッ化水素酸(HF)を添加して調製すればよい。これらの中でも、モリブデン酸とフッ化水素酸から、モリブデンフッ化物錯体を調製する方法は、酸化数+VIのモリブデンを安定に得ることができ、また、モリブデンフッ化物錯体を生成させる際に、原料であるモリブデンを溶解させるための助剤などが不要であるので、生成する薄膜への不純物の混入も防げるため好ましい。
反応溶液中におけるモリブデンフッ化物錯体の濃度は、0.1〜0.5Mとなるようにするのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3Mであり、さらに好ましくは0.15〜0.25Mである。モリブデンフッ化物錯体の濃度が低すぎると、酸化モリブデンの析出に時間を要するか、もしくは析出が起こらない場合がある。一方、濃度が高過ぎると、析出初期において析出物が液相中に無秩序に発生し、薄膜の形状が定まらない場合がある。
本発明では、モリブデンフッ化物錯体の加水分解平衡反応の平衡を酸化物生成側へと移動させるため、フッ素イオン捕捉剤を使用する。フッ素イオン捕捉剤としては、上記式(1)で表される加水分解平衡反応において、配位子であるフッ素イオンとより安定な錯体を形成するものはいずれも使用可能であり、具体的には、ホウ酸(H3BO3)、アルミニウム(金属Al)などが挙げられる。これらのフッ素イオン捕捉剤の使用量は、出発原料として用いるモリブデンフッ化物錯体に対して(フッ素イオン捕捉剤/モリブデンフッ化物錯体)5〜30(モル比)とするのが好ましく、より好ましくは5〜20であり、さらに好ましくは10〜15である。
溶媒としては、上記モリブデンフッ化物錯体およびフッ素イオン捕捉剤が溶解し得るものであれば特に限定されず、水、アセトニトリルなどが使用可能である。また、必要に応じて、上記出発原料等に加えて、ドーピング、もしくは、析出状態、析出速度等の改善のための添加物、例えば、界面活性剤などを使用してもよい。ただし、より純度の高い酸化モリブデン薄膜を得たい場合には、これらの添加物を用いないことが推奨される。
上記酸化モリブデンを析出させる基材としては、サファイア基板、シリコン基板、アルミナ基板、ITO基板などが挙げられる。これらの基材は、本発明の薄膜を用いる用途に応じて適宜選択すればよいが、これらの中でも優れた機械的特性、化学的安定性および光透過性を有するサファイア基板を用いるのが好ましい。
上記加水分解平衡反応を行う反応容器としては、ナトリウム(Na)やカリウム(K)、さらにはカルシウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の溶出がない樹脂製(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、フッ素樹脂等)の容器を用いるのが好ましい。モリブデンはアルカリ金属などとの親和性が高く、酸化モリブデン薄膜の析出反応系内にアルカリ金属が存在する場合には、生成した結晶の層間に、アルカリ金属を取り込み、結晶構造が変化したり、析出膜に着色が生じる場合がある。したがって、かかる現象を防ぐためにも、析出膜形成時の反応容器としては、アルカリ溶出がないものを用いることが推奨される。
本発明法では、上述のようにして調製したモリブデンフッ化物錯体を含む反応溶液に、基材を浸漬させた後、さらに、反応溶液にフッ素イオン消費剤を添加混合して、基材上に酸化モリブデン薄膜を析出させる。反応条件は特に限定されず、大気圧下、10〜120℃(より好ましくは30〜50℃)で、基板浸漬後、フッ素イオン捕捉剤を添加して撹拌を続ければ、1時間ほどで基材上に結晶核が析出し始め、さらに、10〜40時間(より好ましくは12〜24時間)ほどで、基材表面に酸化モリブデンの薄膜(析出膜)が生成する。酸化モリブデン薄膜の厚みは反応時間に依存するため、所望の厚みの薄膜が形成されるよう適宜調整すればよいが、例えば、厚みを持たせたい場合(例えば誘電体)には、反応時間を18〜24時間、ごく薄い薄膜を得たい場合には12〜16時間とすればよい。
所定時間の経過後、基材を反応溶液から取り出し、生成した薄膜(析出膜)を蒸留水で洗浄し、乾燥すれば、本発明の酸化モリブデン薄膜が得られる。得られた酸化モリブデン薄膜には、必要に応じて焼成処理などを施してもよい。加熱温度は、目的に応じて適宜変更すればよく、通常、500〜1000℃の範囲内である。
なお、このとき反応溶液中には未反応の出発原料が含まれているが、かかる出発原料は、回収した後、精製することで、再び原料として利用することが出来る。
上記本発明の酸化モリブデン薄膜は、広いバンドギャップを有することから、半導体素子および半導体型センサに好適に用いられる。この場合、本発明の酸化モリブデン薄膜を、基板上に薄膜として展開し、電子伝導を賦与するため、電極および導線が薄膜と接触し、電子伝導性を生じる形状を備えていればよい。また、本発明の酸化モリブデン薄膜は、指定したバンドギャップを示す可視紫外吸収を利用した光学素子などにも好適に用いられる。光学素子としては、モリブデンの価数の変化に応じて変色を生じさせるエレクトロクロミズム素子等が挙げられ、これらの光学素子の変色を生じるデバイスとして本発明の酸化モリブデン薄膜が用いられる。さらに、本発明の酸化モリブデン薄膜は、二次電池の電極(負極)材料としても有用である。
以下、実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
<製造例:液相析出法による酸化モリブデン薄膜の形成>
容量300mlの樹脂製の容器に、2.82質量%フッ化水素酸(HF;ステラケミファ株式会社製)を入れ、ここに、濃度0.5mol・dm-3となるようにモリブデン酸(H2MoO4;ナカライテスク株式会社製)を溶解させ、モリブデンフッ化物錯体溶液を調製した。一方、ホウ酸(H3BO3;ナカライテスク株式会社製)を蒸留水に溶解させ、濃度0.5mol・dm-3のホウ酸水溶液を調製した(フッ素イオン捕捉剤として使用)。
容量300mlの樹脂製の容器に、2.82質量%フッ化水素酸(HF;ステラケミファ株式会社製)を入れ、ここに、濃度0.5mol・dm-3となるようにモリブデン酸(H2MoO4;ナカライテスク株式会社製)を溶解させ、モリブデンフッ化物錯体溶液を調製した。一方、ホウ酸(H3BO3;ナカライテスク株式会社製)を蒸留水に溶解させ、濃度0.5mol・dm-3のホウ酸水溶液を調製した(フッ素イオン捕捉剤として使用)。
別々に調製したこれらの溶液を容量100mlの樹脂製反応容器中で混合し、析出反応溶液を調製した。析出反応溶液中におけるH2MoO4、H3BO3の濃度は、それぞれ0.2mol・dm-3、0.3mol・dm-3であった。
基材としては、サファイア基板(R(1-102)面)、α−Al2O3基板、ITO基板をそれぞれ使用した。これらの基材は、脱脂、超音波洗浄した後、析出反応溶液中に浸漬、垂直懸架させた。40℃の恒温槽中に反応容器を設置し、所定時間反応させた後、基材を析出反応溶液から取り出し、基材および基材表面に生成した析出膜を蒸留水で洗浄した後、室温で乾燥させた。いくつかの試料は、400℃、500℃、600℃に加熱したマッフル炉中、空気気流下で、1時間焼成した。
<析出膜の同定および物性評価>
以下の手順により、析出膜の同定および物性の評価を行った。
以下の手順により、析出膜の同定および物性の評価を行った。
[薄膜表面および断面のSEM観察]
フィールドエミッション走査電子顕微鏡(FE−SEM「JSM−6335F」、日本電子株式会社製、加速電圧:15kV)を使用して、析出膜の表面および横断面を観察した。なお、試料表面の帯電を防止するため、カーボンコーター(「CC−40FM」、メイワフォーシス株式会社製)を用いて、予め、試料表面を炭素フィルムで被覆した。このとき同時に、製造例で得られた酸化モリブデン結晶のアスペクト比(六角形の一辺:a、高さ:b、アスペクト比:b/a)を求めた(図14)。
フィールドエミッション走査電子顕微鏡(FE−SEM「JSM−6335F」、日本電子株式会社製、加速電圧:15kV)を使用して、析出膜の表面および横断面を観察した。なお、試料表面の帯電を防止するため、カーボンコーター(「CC−40FM」、メイワフォーシス株式会社製)を用いて、予め、試料表面を炭素フィルムで被覆した。このとき同時に、製造例で得られた酸化モリブデン結晶のアスペクト比(六角形の一辺:a、高さ:b、アスペクト比:b/a)を求めた(図14)。
図1,2は、サファイア基板上における酸化モリブデン結晶の析出状態の経時変化を示すSEM像である。図1(a)は、基材を析出反応溶液に浸漬、懸架し、1時間経過したときのサファイア基材表面であり、(b)は2時間経過後、(c)は3時間経過後の析出状態をそれぞれ示している。図1(a)〜(c)より、反応の進行と共に、結晶粒が成長している様子が確認できる。また、図2(a)〜(f)から、反応時間の経過に伴い結晶粒の数が増加し、反応開始から36時間経過後には、成長した結晶により基材上に膜が形成されていることが確認できる(図2,図3)。また、これらのSEM像より、本発明に係る酸化モリブデンの結晶は六角柱状の結晶であることが分かる。
[Mo析出量の経時変化測定:ICP分析]
ICP発光分析法(ICP−AES「ULTIMA 2000」、株式会社堀場製作所製)を使用して、基材上へのMo析出量を測定した。測定試料には、所定時間経過後の基材を希アンモニア溶液に浸漬させて析出物を溶解させて調製した。
ICP発光分析法(ICP−AES「ULTIMA 2000」、株式会社堀場製作所製)を使用して、基材上へのMo析出量を測定した。測定試料には、所定時間経過後の基材を希アンモニア溶液に浸漬させて析出物を溶解させて調製した。
図4より、酸化モリブデンの結晶の析出が始まってから、13〜14時間程度経過する前までは、Mo析出量の変化は大きくないが、13〜14時間経過後は、反応時間の経過と共に、Mo析出量が大きく増加していることが確認できる。
[析出膜の結晶構造:XRD測定]
薄膜アタッチメントを備えたX線回折装置(「RINT−TTR」,株式会社リガク製、Cu−Kα線照射(1.54Å,50kV,300mA))を用い、2θ法により析出膜の結晶構造を調べた。走査速度は4゜/minとし、測定範囲は5〜55°とした。なお、X線の試料への入射角は1゜とした。得られたX線回折パターンを図5に示す。
薄膜アタッチメントを備えたX線回折装置(「RINT−TTR」,株式会社リガク製、Cu−Kα線照射(1.54Å,50kV,300mA))を用い、2θ法により析出膜の結晶構造を調べた。走査速度は4゜/minとし、測定範囲は5〜55°とした。なお、X線の試料への入射角は1゜とした。得られたX線回折パターンを図5に示す。
図5に確認されるX線回折ピークは、いずれも純粋な六方晶相の酸化モリブデンを示すものであり、製造例で得られた酸化モリブデン薄膜は、六方晶系に帰属される結晶からなることが分かる。また、不純物に由来するピークは確認されなかった。この結果より、低温反応で、且つ、焼成を行っていないのにもかかわらず、製造例の析出膜は高い結晶性を有するものであることが分かる。
[析出膜表面および断面の観察:TEM観察]
高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM,「JEOL JEM2010」,日本電子株式会社製)を用いて析出膜のTEM観察を行った。断面の観察には、析出膜から剥離した沈殿を試料として使用した。この試料をエポキシマトリックス中に埋設させた後、30℃で72時間硬化させた。ウルトラミクロトーム(「ウルトラカットUCT」、ライカマイクロシステムズ株式会社製)を使用して、薄い断面層測定用の試料を調製した。得られたTEM像を図6(a)に示す。また、図6(b)に上述の高分解能透過型電子顕微鏡を用いて測定した析出膜の制限視野電子回折(SAED、カメラ長60cm)分析の結果を示す。
高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM,「JEOL JEM2010」,日本電子株式会社製)を用いて析出膜のTEM観察を行った。断面の観察には、析出膜から剥離した沈殿を試料として使用した。この試料をエポキシマトリックス中に埋設させた後、30℃で72時間硬化させた。ウルトラミクロトーム(「ウルトラカットUCT」、ライカマイクロシステムズ株式会社製)を使用して、薄い断面層測定用の試料を調製した。得られたTEM像を図6(a)に示す。また、図6(b)に上述の高分解能透過型電子顕微鏡を用いて測定した析出膜の制限視野電子回折(SAED、カメラ長60cm)分析の結果を示す。
TEM像(図6(a))には、はっきりとした格子縞が確認でき、この結果から求められる格子面間隔は0.37nmであった。これは、六方晶系酸化モリブデン(MoO3)の(210)面に一致する。これに対応する電子線回折像である図6(b)には、はっきりとした反射スポットが現れている、このことから、析出膜はいくらか配向を有していることが分かる。
[析出膜および試料溶液の電子状態の観察:XPS測定]
析出膜の電子状態は、X線光電子分光装置(XPS;「JPS−9010MC」,日本電子株式会社製)を使用して観察した。測定は、Mg−KαをX線源(1253.6eV)を用い、管電位:10kV,管電流:10mAにおいて測定した。試料は炭素粘着性シートに設置し、スペクトルの校正は、C1s電子のピーク(Eb=284.6eV)を内部基準として行った。図7〜9に測定結果を示す。
析出膜の電子状態は、X線光電子分光装置(XPS;「JPS−9010MC」,日本電子株式会社製)を使用して観察した。測定は、Mg−KαをX線源(1253.6eV)を用い、管電位:10kV,管電流:10mAにおいて測定した。試料は炭素粘着性シートに設置し、スペクトルの校正は、C1s電子のピーク(Eb=284.6eV)を内部基準として行った。図7〜9に測定結果を示す。
製造例で得られた酸化モリブデン(MoO3)析出膜表面のXPS測定の結果を示す図7〜9には、モリブデン(Mo)の3d、酸素(O)の1sおよび炭素(C)の1sに相当するピークが現れている以外には、他の元素の存在を示すピークは存在していない。この結果は、酸化モリブデン膜が、純度の高いものであることを示している。
図7には、酸化モリブデン(MoO3)析出膜のモリブデンの3dレベルXPSスペクトルが示されており、図7に見られるダブレットのパターンは、3.15eVのエネルギー分離を伴うモリブデン3d準位のMo3d5/2およびMo3d3/2へのスピン軌道分裂に由来するものである。モリブデンの3d5/2および3d3/2準位の結合エネルギーは、232.7eVと235.8eVに観測され、これらは、Mo6+の3dダブレットと同定される。図8は、析出膜のO1sの内殻準位を示すXPSスペクトルであり、XPSのO1sピークは2成分からなる。結合エネルギー530.6eVの位置に観測されるピークはMoO3中の酸素に由来するものと同定され一方、結合エネルギー532.4eVの位置に見られる小さいピークは、析出膜に結合したあるいは試料表面に吸着した水分子に由来するものと同定される。
図9は、製造例で得られた析出膜の純度の特定を目的とした、XPS測定によるMoO3析出膜表面の組成分析の結果を示すスペクトルである。このスペクトルには、Mo3d、O1sおよびC1sに相当するピークが表れており、また、他の成分の存在を示すピークは確認されておらず、製造例のMoO3析出膜が非常に純度の高いものであることが分かる。
[成分分析]
得られた薄膜中に含まれる成分の分析は、ICP発光分析装置(HORIBA ULTIMA2000)を用いて行った。始めにサファイア基板上に析出したMoO3薄膜を5%HF水溶液によりすべて溶出させ、水溶液とした。得られた水溶液をICPにより分析しMoの質量を得た。なお、サファイア基板はHF水溶液には不溶であるため、基板の質量減少分は溶出したMoO3質量に相当する。したがって、基板の質量減少量からMoの質量を差し引くことによりOの質量を算出した。その結果、Mo/O比(原子比)は2.98であり、ほぼ3であった。
得られた薄膜中に含まれる成分の分析は、ICP発光分析装置(HORIBA ULTIMA2000)を用いて行った。始めにサファイア基板上に析出したMoO3薄膜を5%HF水溶液によりすべて溶出させ、水溶液とした。得られた水溶液をICPにより分析しMoの質量を得た。なお、サファイア基板はHF水溶液には不溶であるため、基板の質量減少分は溶出したMoO3質量に相当する。したがって、基板の質量減少量からMoの質量を差し引くことによりOの質量を算出した。その結果、Mo/O比(原子比)は2.98であり、ほぼ3であった。
[光吸収スペクトル測定:UV−vis測定]
光吸収の観察は、紫外可視近赤外分光光度計(「V−7200型」,日本分光株式会社製)を使用し、波長範囲350−800nmで行った。測定試料は、サファイア基板に厚さ200nmにて調製したMoO3薄膜を使用し、透過法によって測定した。
光吸収の観察は、紫外可視近赤外分光光度計(「V−7200型」,日本分光株式会社製)を使用し、波長範囲350−800nmで行った。測定試料は、サファイア基板に厚さ200nmにて調製したMoO3薄膜を使用し、透過法によって測定した。
[バンドギャップの測定]
析出膜の光学的バンドギャップは、光吸収スペクトルの測定結果を元に、下記式に基づいて算出した。
析出膜の光学的バンドギャップは、光吸収スペクトルの測定結果を元に、下記式に基づいて算出した。
上記式中、αは吸収係数、Egはエネルギーバンドギャップ、は光子エネルギーを示し、そして、nが1の場合は、直接遷移(direct band gap)を示す。図10には、α−Al2O3基板上に形成したMoO3薄膜について、(αhν)2をy軸に、hνをx軸にとってプロットした結果を示す。
図10より、(αhν)2と、hνとの関係が線形であることが分かる。また、得られたグラフ(図10)のエネルギー軸の吸収係数が0の位置に直線外挿して得られた直接遷移の値は、3.1eVであった。
[熱質量分析]
熱質量分析(TG)および示差熱分析(DTA)は、熱重量示差熱分析装置(「Thermo Plus 8120」、株式会社リガク製)を使用し、常圧下、昇温速度10℃/minで、測定温度範囲は室温から500℃として行った。
熱質量分析(TG)および示差熱分析(DTA)は、熱重量示差熱分析装置(「Thermo Plus 8120」、株式会社リガク製)を使用し、常圧下、昇温速度10℃/minで、測定温度範囲は室温から500℃として行った。
図11は、製造例で得られた酸化モリブデン粉末のTGおよびDTA曲線を示す図である。TG曲線には、220℃、220〜430℃、430℃を超えたところに3つのステージが存在しており、DTA曲線にも同様の温度域でステージが確認されており、40〜220℃および220〜430℃に吸熱ピークが、430℃には発熱ピークが確認できる。液相析出法は、水溶液系の反応であるため、析出膜には吸着水あるいは結合水としていくらかの水分子が含まれている。したがって、これらの熱分析の結果のうち、最初の質量減少および吸熱ピークは物理的に吸着した水分子の脱水に起因するものであると考えられる。220〜430℃のピークは、結合水の脱着に起因するものと考えられる。なお、全質量減少量は6.6%であった。430℃の発熱ピークは、六方晶系から高温で安定な斜方晶酸化モリブデン相(α−MoO3)への構造変化と特定できる。最終的には、430℃を超える温度で加熱することにより、斜方晶の無水酸化モリブデンが得られた。
[析出膜の熱による構造変化]
サファイア基板上に形成した酸化モリブデン薄膜表面性状の、熱による変化を図12に示す。図12(a)は、加熱前の状態を示し、図12(b)は500℃、図12(c)は600℃でそれぞれ加熱した後の表面性状を示している。加熱前、六角柱状の形態を示していた酸化モリブデン結晶は、500℃での加熱後には、ひび割れが生じているのが観察され(図12(b))、さらに、600℃での加熱後には、六角柱状の結晶が、板状の結晶へと変化していることが確認できる(図12(c))。また、図12には、上記(a)〜(c)の状態に相当するX線回折パターンを併せて示している(図12(a):加熱前、図12(b):500℃での加熱後、図12(c):600℃での加熱後)。加熱前の回折像では、六方晶系の酸化モリブデンに相当するパターンが確認できるが(図12(a))、500℃での加熱後には、斜方晶系の酸化モリブデンに相当するパターンが確認できる(図12(b))。さらに、500℃以上の加熱で、結晶相は完全に斜方晶の酸化モリブデンに変化している(図12(c))。
サファイア基板上に形成した酸化モリブデン薄膜表面性状の、熱による変化を図12に示す。図12(a)は、加熱前の状態を示し、図12(b)は500℃、図12(c)は600℃でそれぞれ加熱した後の表面性状を示している。加熱前、六角柱状の形態を示していた酸化モリブデン結晶は、500℃での加熱後には、ひび割れが生じているのが観察され(図12(b))、さらに、600℃での加熱後には、六角柱状の結晶が、板状の結晶へと変化していることが確認できる(図12(c))。また、図12には、上記(a)〜(c)の状態に相当するX線回折パターンを併せて示している(図12(a):加熱前、図12(b):500℃での加熱後、図12(c):600℃での加熱後)。加熱前の回折像では、六方晶系の酸化モリブデンに相当するパターンが確認できるが(図12(a))、500℃での加熱後には、斜方晶系の酸化モリブデンに相当するパターンが確認できる(図12(b))。さらに、500℃以上の加熱で、結晶相は完全に斜方晶の酸化モリブデンに変化している(図12(c))。
[析出膜の電気的特性]
析出膜のサイクリックボルタンメトリーは3極式電気化学セル中において、インジウムスズ酸化物(ITO)被覆ガラス上に形成したMoO3の析出膜(1cm2)を作用電極、Ag/AgCl/KClを参照電極とし白金板(1cm2)を対極とし、−0.6〜+1.5V間で測定を行った。測定は、1M 過塩素酸リチウム(LiClO4)プロピレンカーボネート溶液と窒素中で行った。掃引速度は、1mV・s-1とした。
析出膜のサイクリックボルタンメトリーは3極式電気化学セル中において、インジウムスズ酸化物(ITO)被覆ガラス上に形成したMoO3の析出膜(1cm2)を作用電極、Ag/AgCl/KClを参照電極とし白金板(1cm2)を対極とし、−0.6〜+1.5V間で測定を行った。測定は、1M 過塩素酸リチウム(LiClO4)プロピレンカーボネート溶液と窒素中で行った。掃引速度は、1mV・s-1とした。
図13には、還元波も酸化波も見られず、本電位内においては本発明の酸化モリブデン薄膜は、電気化学的に安定であることが分かる。
本発明の酸化モリブデン薄膜は、モリブデンおよび酸素以外の成分を実質的に含まない極めて高い純度を有している。また、本発明法によれば、特別な装置や、複雑な反応工程を採用することなく、穏やかな反応条件で、高い結晶性を有し、且つ、実質的に不純物を含有しない高純度酸化モリブデン薄膜が得られる。
したがって、本発明に係る酸化モリブデン薄膜は、触媒、電池、イオン交換材料、エレクトロクロミックウインドウ、などの調光デバイス、量子ドットデバイスなどへの応用が期待される。
Claims (9)
- バンドギャップが2.5eV以上で、かつ、モリブデン(Mo)と酸素(O)との原子比が3:1であり、実質的に不純物を含まないことを特徴とする高純度酸化モリブデン薄膜。
- 上記薄膜が、酸化数+VIのモリブデン(Mo)を含有する請求項1に記載の高純度酸化モリブデン薄膜。
- 上記薄膜を形成する酸化モリブデンが、六方晶系の結晶構造を有するものである請求項1または2に記載の高純度酸化モリブデン薄膜。
- 上記薄膜が液相析出法により形成されてなるものである請求項1〜3のいずれかに記載の高純度酸化モリブデン薄膜。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の高純度酸化モリブデン薄膜を製造する方法であって、
モリブデンフッ化物錯体を含む反応溶液に基材を浸漬させ、当該基材表面に酸化モリブデンを析出させることを特徴とする高純度酸化モリブデン薄膜の製造方法。 - 前記モリブデンフッ化物錯体が溶解した反応溶液を、モリブデン酸とフッ化水素酸とを用いて調製する請求項5に記載の高純度酸化モリブデン薄膜の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の高純度酸化モリブデン薄膜を備えることを特徴とする半導体素子。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の高純度酸化モリブデン薄膜を備えることを特徴とする半導体型センサ。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の高純度酸化モリブデン薄膜を備えることを特徴とする光学素子。
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CN111298786A (zh) * | 2020-01-07 | 2020-06-19 | 重庆化工职业学院 | 一种微米六棱柱MoO3-x光催化材料的制备方法 |
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2007
- 2007-08-17 JP JP2007213066A patent/JP2009046343A/ja active Pending
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