JPH0128146Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は局部洗浄機能を有する便器の洗浄用シ
リンダーに係るもので、洗浄の際に常に適温の洗
浄水が洗浄用シリンダーの噴出孔から噴出するも
のである。

従来の局部洗浄機能を有する便器の洗浄水の噴
出機構としては、洗浄レバーを操作することによ
り、水道圧が温水タンクにかかると同時に温水が
温水タンクより押し出され水道圧によつて加圧さ
れた温水は、ノズル部にかかりノズル部の洗浄用
シリンダー先端に設けられた噴出孔より噴出する
方式と洗浄レバーを操作すると、ポンプが作動し
温水タンク内の温水がノズル部の洗浄用シリンダ
ーに達し、該洗浄用シリンダー先端に設けられた
噴出孔より噴出する方式の２種類がある。従来の
局部洗浄機能を有する便器の温水タンクの温度コ
ントロール及び加温ヒーターの安全装置は、サー
モスタツト及び温度ヒユーズ等により行なわれて
いる。従来のノズル部の機構としては、洗浄レバ
ーと洗浄用シリンダーが連動しており洗浄レバー
を操作すると機械的に洗浄用シリンダーが予め設
定された位置まで移動する手動タイプと温水圧に
よりノズル部の洗浄用シリンダーが予め設定され
た位置までスライドする自動タイプの２タイプが
ある。何れのタイプでも洗浄用シリンダーの構造
としては同じである。すなわちノズル部の洗浄用
シリンダーには空洞部が設けてあり、該シリンダ
ー先端部に洗浄水噴出用の噴出孔が適当数開穿さ
れており空洞部に連通している。以上が従来の局
部洗浄機能を有する便器の洗浄機構である。

現在、局部洗浄機能を有する便器の問題点とし
て、温水洗浄レバー及びスイツチを操作し洗浄水
を噴出した際、初期洗浄水が温水でなければなら
ないはずが、冷水が噴出するということがある。
従来の局部洗浄機能を有する便器は、サーモスタ
ツト、温度ヒユーズ等が備えられ温度管理が行な
われている。しかし従来の温度管理は、温水タン
クの温度調節又加温ヒーターの異常発熱の防止が
目的とされている。従つて設定通りの温度の温水
が温水タンクよりノズル部へ供給されるが、温水
タンクからノズル部までの配管及びノズル部は金
属でできており温水より低い温度状態にあるた
め、ノズル部の洗浄用シリンダーに設けられた噴
出孔から噴出するまでの流路で温水が熱を奮わ
れ、結果的に冷水が噴出孔より噴出される。つま
り、冷水が噴出する原因は、温水タンク以降の経
路の熱損失であり、従来の局部洗浄機能を有する
便器は対策が何等なされていないため、使用感が
非常に悪かつた。

本考案は以上の欠点を解消するために考案され
たもので、常に適温の洗浄水が噴出する快適な局
部洗浄機能を有する便器を提供するものであり、
その構成は、局部洗浄機能を有する便器の洗浄用
シリンダーにおいて、形状記憶合金からなる感温
体を噴出孔が開閉自在になるように洗浄用シリン
ダー上に噴出孔に対して間隙を有して設けたこと
を特徴とする局部洗浄機能を有する便器である。

形状記憶合金とはチタン・ニツケル合金、銅・
アルミ・亜鉛合金等で、加熱あるいは冷却されて
温度が変化すると、母相とマルテンサイト相の間
を可逆的にマルテンサイト変態し、形状を変える
特性を持つたものである。マルテンサイト相にお
いてある形状が与えられていても、この金属は温
度が上昇して母相に戻つたときには母相にて記憶
されている形状に戻る。従つて、バイメタルとは
異なり、形状を自由に定めることができるもので
ある。

以下に図面を用いて本考案を詳述する。

第１図は本考案に係る一実施例の洗浄用シリン
ダー１の断面図であり、上記従来の洗浄用シリン
ダー上に形状記憶合金からなる感温体３を設け噴
出孔２を開閉自在にしたものである。洗浄用シリ
ンダー１上にはCu−Al−Zn系の形状記憶合金で
できた略板状の感温体３が適当数開穿された噴出
孔２と隙間５をもつてピン接合等の機械的手段に
より固定されている。該感温体３は予め設定した
温度以上を感知すると矢印の方向に約90度屈曲変
形し設定温度以下になると元の位置へ復帰する。

次に動作を説明する。洗浄レバーを操作するこ
とにより温水タンクから温水が洗浄用シリンダー
１の空洞部４に送られてくるが初期の段階は途中
の流路の熱損失により冷水が送られる。冷水は空
洞部４より噴出孔２から噴出するが感温体３にぶ
つかり隙間５より上方へ行かず水平方向へ排出さ
れる。従つて冷水が人体の局部に当たらない。そ
の後温水がシリンダー１内の空洞部４に送り込ま
れ形状記憶合金よりなる感温体３が設定温度を感
知すると形状が噴出孔を開けるように約90度変形
し噴出孔２から温水が噴出される。その後操作ス
イツチにより温水の供給が停止されるとシリンダ
ーの空洞部４内の温水圧力が下がり感温体３も設
定温度以下になり元の位置に感温体３は復帰す
る。連続使用する場合は感温体５はまだ元の位置
へ復帰していないため、連続して温水は噴出孔２
より噴出される。

本考案は以上のように形状記憶合金からなる感
温体を設けることにより、ある時間をおいての使
用の場合でも、初期の冷水は局部に到達せず排出
され、温度が設定温度に達すれば形状記憶合金が
感温し温水を噴出孔より噴出させることが可能と
なつた。また連続使用でも形状記憶合金が感温し
感温体は開いたままの状態なので、洗浄レバーを
操作すると無駄なく噴出孔より温水が噴出され実
用的価値大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の洗浄用シリンダー
の断面図である。 １……洗浄用シリンダー、２……噴出孔、３…
…感温体、４……空洞部、５……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 局部洗浄機能を有する便器の洗浄用シリンダー
   において、形状記憶合金からなる感温体を噴出孔
   が開閉自在になるように洗浄用シリンダー上に噴
   出孔に対して間隙を有して設けたことを特徴とす
   る局部洗浄機能を有する便器。