JPH01279797A - 複合電気Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、耐食性と更にリン酸塩化成処理性を向上させ
たＺｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板、特にめっき皮膜中に金属
粒子を分散させた複合電気Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板に
関するものである。

（従来の技術） 亜鉛めっき鋼板は、素地鋼に対する電気化学的保護作用
をもつと同時に、一般の腐食環境において表面に不動態
皮膜を形成するという亜鉛のもつ優れた防食機能の故に
、自動車、家電製品或いは建材等に広く使用されている
。かかる用途の中でも近年、自動車用表面処理鋼板は、
特に、寒冷地における道路への塩類の散布を考慮して、
厳しい腐食環境にも耐えうるような高耐食性が要求され
るようになってきた。しかし、亜鉛は母材鋼板に比べ卑
な金属であり、皮膜自身の腐食は速く、充分な耐食性を
もたせるためにはめっき付着量を増大させる必要がある
。しかし、めっき付着量の増大は、生産性の低下を招く
ことになる。

そこで、こうした杖況を背景に近年、亜鉛と比較的責な
金属であるＮｉとの合金をめっきしたＺｎ　−Ｎｉ合金
めっき鋼板が開発され、実用化されている。

Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板は、犠牲防食性の高いＺｎめ
っき、言い換えれば皮膜自身の腐食速度の速いＺｎめっ
きに、責な電位を示すＮｉを含有させて合金化すること
で、皮膜自身の腐食速度を遅くし、耐食性を向上させた
ものである。しかし、腐食がある程度進行するとＮｉの
置換析出によるＮｉ成分の濃化が起こり、充分な犠牲防
食性が失われ、腐食が更に進行すると鋼板より責な電位
を示すようになり、先に鋼板の腐食が起こる。特にこの
現象は鋼板の端面や疵付部で著しい。

また、Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板は、めっきのまま使用
されることはまれで、特に自動車用ではリン酸塩化成処
理および電着塗装の工程を経て使用されることが多い、
そして、塗装は近年、アニオン型電着塗装に代わりカチ
オン型電着塗装を使用するところが増えているが、カチ
オン電着塗装ではクレータ−と称する塗膜欠陥が発生し
やすい、特に、この欠陥はＺｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板の
ような亜鉛系合金めっき鋼板に多く見られる。

塗装は、更にカチオン型電着塗装後に中塗り、上塗りが
施されるが、亜鉛系合金めっき鋼板は冷延鋼板に比べて
、この３コート後の塗膜の二次密着性でも著しく劣って
いる。

この原因として、亜鉛系合金めっき鋼板ではリン酸塩化
成処理において析出する結晶がＨｏｐｅｉ　ｔｅ（Ｚｎ
＊（ＰＯ４）＊　Ｈ４ＨｚＯ）であるのに対し“て、冷
延鋼板ではＰｈｏｓｐｈｏｐｈｙｌｌｉｔｅ　（Ｚｎｚ
Ｐｅ（ＰＯａ）　！　・４８！Ｏ）であり、析出するリ
ン酸塩結晶が相違するためと考えられる。リン酸塩皮膜
としては後者の結晶の方が塗膜の二次密着性、特に温水
浸漬後の密着性である耐水密着性に優れていると考えら
れる。

そこで、Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板の上にＰｈｏｓｐｈ
ｏ−Ｐｈｙｌｌｉｔｅに冨んだリン酸塩結晶を析出させ
て塗膜の二次密着性を改善し、併せてクレータの発生を
防止する方法として、ＦｅもしくはＦｅに冨んだめっき
を上層に配置するめっきの複層化が提案されている（特
開昭５７−１９８２９３号、特開昭５８−５２４８３号
、特開昭５８−５２４８４号、特開昭６０−１７７１８
７号）、シかし、この方法は浴組成が異なるめっき浴を
必要とし、浴管理等の工程面で不利を招く。

（発明が解決しようとする課題） 本発明の課題は、Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板におけるＮ
ｉ成分の濃化による犠牲防食性の喪失を抑制して耐食性
を向上させることにある。

更にもう一つの課題は、めっき浴の主浴組成を変えるこ
とな（Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき綱板のリン酸塩化成処理性
をも改善し、耐食性と併せて塗膜の二次密着性および塗
装性能を向上させることにある。

（課題を解決するための手段） 本発明者らは、上記課題を達成すべく種々検討した結果
、マトリックスのＺれ−Ｎｉ合金めっき皮膜中にＺｎ或
いはＭｎの金属粒子を分散させれば、めっき自身の腐食
速度が遅いというＺｎ−Ｎｉ合金の優れた特性を損なう
ことなく、Ｎｉ成分の濃化を抑制することができて耐食
性を著しく向上させることができること、更にこの上に
Ｆｅの金属粒子を分散させたＺｎ−Ｎｉ合金めっきを施
せば主浴組成を上層と下層で変えることなくリン酸塩化
成処理性をも向上させることができることを見出し、本
発明に至った。

ここに、本発明の要旨は下記の■及び■の複合電気Ｚｎ
−Ｎｉ合金めっき鋼板にある。

■鋼板表面に、Ｚｎ或いはＭｎの金属粒子を１種もしく
は２種含有させたＺｎ−Ｎｉ合金めっき層を有する複合
電気Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板。

■上記Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき層を下層に、Ｆｅの金属粒
子を含有させたＺｎ−Ｎｉ合金めっき層を上層に有する
複合電気Ｎｉ−Ｚｎ合金めっき綱板。

上記本願の第１発明および第２発明の複合電気Ｚｎ−Ｎ
ｉ合金めっき鋼板は、鋼板の片面だけにめっきしたもの
であってもよく、また両面にめっきを施したものであっ
てもよい。

また、第２発明の複合電気Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板は
、添付図に示すように下層めっきと上層めっきの界面は
必ずしも明確に現れるとは限らない。

鋼板（１）表面のＺｎ−Ｎｉ合金めっき層（２）の下の
方にＺｎ或いはＭｎの金属粒子（３）が、上の方にＦｅ
の金属粒子（４）が分散したものとなる。

（作用） 以下、本発明の複合電気めっき鋼板について詳細に説明
する。

本願第１発明は、マトリックスのＺｎ−Ｎｉ合金めっき
皮膜中にＺｎ或いはＮｉの金属粒子を１種もしくは２種
分散せしめことを特徴としている。Ｚｎ或いはＭｎの金
属粒子を分散させることでＮｉ成分の１喚析出によるＮ
ｉ成分の濃化を抑制することができて、犠牲防食能の喪
失を防ぐことができる。その結果、めっき皮膜自身の腐
食が遅いというＺｎ−Ｎｉ合金の効果と相俟って、板の
端面や疵付部の耐食性が向上する。

Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき皮膜中にＺｎおよびＭｎの金属粒
子を分散させることでＮｉ成分の濃化が抑制される理由
は、これら金属粒子は卑な金属であるので、それら自身
が溶解することにより、Ｚｎ−Ｎｉ合金のマトリックス
中のＺｎ成分の溶出を抑えるので、Ｎｉ成分の濃化が抑
制されるのである。

このようなＺｎおよびＭｎの金属粒子の作用効果を充分
に発揮させるためには、１種もしくは２種合計でマトリ
ックスとこれら金属粒子とを合わせた皮膜全体の０．１
〜２０ｗ　ｔ％分散させるのが望ましい。

０．１ｗｔ％より少ないと効果が小さく、２０−１％を
超えると皮膜の耐食性能が低下してくる。

本願第１発明において、ＺｎおよびＭｎの金属粒子の大
きさは特に規定はしないが、２μ−以下の大きさものが
望ましい、また、マトリックスのＺｎ　−Ｎｉ合金めっ
き皮膜組成は、Ｎｉを５〜３０−ｔ％含有するＺｎ−Ｎ
ｉがよい。このような範囲内のＮｉ含有量のものであれ
ば、Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき皮膜が有する本来の特性が得
られるとともに加工性、成形性も悪くない。

次に、本願第２発明は、上記の金属粒子を分散させたＺ
ｎ−Ｎｉ合金めっき層の上に、Ｆｅの金属粒子を分散さ
せたＺｎ　　Ｎｉ合金めっき層を配置したことを特徴と
している。　Ｆｅの金属粒子を分散させたＺｎ−Ｎｉ合
金めっき層を上層に配置することで、Ｐｈｏｓ−ｐｈｏ
ｐｈｙｌｌｉｔｅに富んだ微細結晶の化成皮膜を形成す
ることができるのでリン酸塩化成処理性が向上する。そ
の結果、カチオン電着性、塗膜の二次密着性が改善され
る。

このようなＦｅの金属粒子の作用効果を充分に得るため
には、マトリックスとＦｅの粒子とを合わせた皮膜全体
の０．１〜８０−ｔ％分散させるのが望ましい、　Ｏ，
１ｗｔ％より少ないと効果が小さく、８０ｗｔ％を超え
ると加工性能が低下してくる。

この上層めっきは、マトリックスのＺｎ−Ｎｉ合金めっ
き皮膜が下層のマトリックスのＺｎ−Ｎｉめっき皮膜と
同じであるから、めっき浴管理等の工程が簡単である。

即ち、下層および上層ともその主浴組成を変えることな
く、分散させる金属粒子を変えるだけで所望の複合めっ
きを行うことができる。

また、本願第２発明においても、Ｆｅの金属粒子は２μ
−以下の大きさのものが望ましい、更に、マトリックス
のＺｎ−Ｎｉ合金めっき皮膜組成についても、上層およ
び下層ともに前記と同じＮｉ含有量のものとするのがよ
い。

本発明の複合電気Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板は次のよう
にして製造することができる。

本願第１発明の複合電気Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板は、
公知のＺｎ−Ｎｉ合金電気めっき浴にＺｎ或いはＭｎの
金属粒子を１種もしくは２種添加し、ｐＨ１浴温、電流
密度等のめっき条件を調整して複合めっきすることで製
造することができる。このとき金属粒子の添加量が少な
いと耐食性向上が小さく、過度に添加すると共析量が必
要以上に増して、加工性が阻害されるので、めっき浴に
添加する量は１〜１００　ｇ　／　１種度が望ましい。

また、本願第２発明の複合電気Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼
板は、前記と同じ方法で複合めっきした鋼板を更にＦｅ
の金属粒子を添加したＺｎ−Ｎｉ合金電気めっき浴で同
様にめっき条件を調整して複合めっきすることで製造す
ることができる。このとき、めっき浴に添加するＦｅＯ
量が少ないとリン酸塩化成処理性の向上が小さく、過度
に添加すると加工性の低下を招くので、その添加量は１
〜１００　ｇ　／　１種度が望ましい。

以下、実施例により本発明をさらに説明する。

（実施例１） 冷延鋼板を母材として下記（ｉ）に示すめっき条件でＺ
ｎおよびＭｎの金属粒子を１種又は２種分散させた複合
電気Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板を作製した。

比較例として同じ母材を用い、下記（１１）に示すめっ
き条件でＺｎめっき鋼板を作製した。

（ｉ）複合Ｚｎ　−Ｎｉ合金めっき条件（ａ）めっき浴 Ｚｎ５Ｏａ　・７ＨｚＯ：　１６０ｇ／ｆＮｉＳＯｎ・
６Ｈ＊Ｏ：　２４０ｇ／ｊ！ＮａｘＳＯａ　　　　　：
　１００　ｇ　／　１をベースにし、これにＺｎ粉末（
平均粒径：１μｍ）を２０８　／　ｌ添加したもの、Ｍ
ｎ粉（平均粒径：１μｍ）を２０　ｇ　／　Ｉ！添加し
たものおよびＺｎ粉＋Ｍｎ粉を合計で２０ｇｅｌ添加し
たもの。

（ｂ）＋１）Ｉ：　１．８ （Ｃ）浴温度；５０°Ｃ （ｄ）電流密度：６０＾／ｄａｂ” （ｉｉ）Ｚｎめっき条件 （ａ）めっき浴 Ｚｎ５Ｏａ　・７）１！Ｏ：　４００ｇ／　ＩＩＮａｚ
ＳＯａ　　　　：　１００　ｇ　／　１（ｂ）　ｐＨ：
　１．８ （Ｃ）浴温度：５０°Ｃ （ｄ）電流密度：　６０Ａ／ｄｍ” 得られた各めっき鋼板について、ＪＩＳ　Ｚ　２３７Ｈ
こ準する塩水噴霧試験を行い耐食性を評価した。その結
果を第１表に示す。

なお、耐食性は、ｌｎ、　Ｍｎの金属粒子を分散させて
いないＮｉ含有量が１２−ｔ％、めっき付着量が３０ｇ
／ｍ！の通常のＺｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板を基準にし、
これらの子板、端面およびクロスカットの各部について
の耐食性を比較し、その優劣をもって評価した。

Ｏは、Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板よりもかなり優れてい
る、○は優れている、Δは同等、×は劣っている、××
はかなり劣っている、を表す。

第１表より明らかな如く、本発明例（Ｎ１１３〜毘５）
の複合電気Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板は、平板、端面お
よびクロスカットの各部とも比較例阻１およびＮ１１２
のＺｎめっき鋼板および基準としたＺｎ−Ｎｉ合金めっ
き鋼板よりも耐食性に優れる。

（実施例２） 冷延鋼板を母材として、上記（１）に示すめっき条件で
Ｚｎ或いはＭｎの金属粒子を分散させたＺｎ−Ｎｉ合金
めっきを下層に、この上に下記（ｉｉｉ　）に示すめっ
き条件でＦｅの金属粒子を分散させたＺｎ−Ｎｉ合金め
っきを上層に施して、２層の複合電気Ｚｎ−Ｎｉ合金め
っき鋼板を作製した。

比較例として実施例１と同じＺｎめっき鋼板、下層或い
は上層のいずれか一方が通常のＺｎ−Ｎｉ合金めっきを
施した２層めっき鋼板、通常の１層のＺｎ−Ｎｉ合金め
っき鋼板および上層にＦｅ　−Ｚｎ合金をめっきを施し
た２層めっき鋼板を作製した。

（ｉｉｉ）上層複合Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき条件（ａ）め
っき浴 ＺｎＳＯ４・７ＨＩＯ：　１６０ｇ／ｊ！Ｎ１５Ｏ，・
６ＨｚＯ：　２４０　ｇ　／　ＩＮａｔＳＯａ　　　　
：　１００　ｇ　／　ｌ−をベースにし、これにＦｅ粉
末（平均粒径：１μｍ）を２０　ｇ　／　ｌ添加したも
の。

（ｂｌ　ｐＨ：　１．０〜２．５ （Ｃ）浴温度：５０〜６０゛Ｃ （ｄ）′＠流密度：６０〜１００Ａ／ｄａ”得られた各
めっき鋼板に下記（ｔｖ）に示す条件でリン酸塩化成処
理を施し、次いで（ｖ）に示す条件で塗装を施した。

（ｉｖ）リン酸塩化成処理条件 自動車用浸漬タイプのリン酸亜鉛化成処理液（日本パー
カライジング社製：　ＰＢＬ３０８０）を用い、液温４
３℃×１２０秒処理。

（ｖ）塗装条件 （ａ）カチオン電着塗装 自動車用の通常のカチオン電着塗料（日本ペイント社製
Ｕ−８０）を電圧３００ｖで電着時間３分として塗装、
その後、塗装焼付を１８０℃で３０分実施。

塗膜厚：２０ｔＩ請 Φ）中塗り 自動車用メラミンアルキッド系塗料を使用。

塗膜厚＝４０μｍ （Ｃ）上塗り 自動車用メラミンアルキッド系塗料を使用。

塗膜厚：４０μ蒙 塗装後の各鋼板について、耐食性、リン酸塩化成処理性
、カチオン電着性および塗料の二次密着性を評価した。

これらの評価結果を第２表にまとめて示す。

耐食性は、素地鋼板に達するクロスカットを入れ、ＪＩ
Ｓ　Ｚ　２３７１に準じる塩水噴霧試験を５００時間行
い、クロスカット部の最大ふくれ幅を測定して評価した
。

リン酸塩化成処理性は、結晶粒径を走査電子顕微鏡によ
り測定し、結晶平均粒径をもって評価した。また、Ｐ値
はＨｏｐｅｉｔｅとＰｈｏｓｐｈｏｐｈｙｌｌｉｔｅの
ピークをＸ線回折で測定し、下記に示すＰｈｏｓｐｈｏ
ｐｈｙ−１１ｉｔｅのピーク高さの比率をもって評価し
た。

Ｐ値（％）　＝　（Ｐｈｏｓｐｈｏｐｈｙｌｌｉｔｅの
Ｘ線回折ピーク高さ／　（Ｐｈｏｓｐｈｏｐｈｙｌｌｉ
ｔｅのＸ線回折ピーク高さ＋ＨｏｐｅｉｔｅのＸ線回折
ピーク高さ））Ｘ１００カチオン電着性は、１−当たり
のクレータ−発生数をもって評価した。◎はクレータ−
の発生なし、０はｔｃｉａ当たり１〜５個発生を表す。

二次密着性は、５０℃イオン交換水に１０日間浸漬した
後、２１１ｍマスのゴバン目にカットを入れ、テープ剥
離テストを行い、全マス（１００マス）目に対する剥離
したマス目の数をもって評価した。Ｏは剥離マス目が５
以下、Δは同６〜１５を表す。

第２表より明らかな如く、本発明例（Ｎｏ、６、Ｎα７
）の複合電気Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板は、耐食性、リ
ン酸塩化成処理性、電着性、二次密着性の全ての特性に
優れる。これに対して比較例随８、階９の二層めっき鋼
板はリン酸塩化成処理性に劣るために塗膜の二次密着性
性が悪く、比較例Ｎｌｌｌ０．　Ｎ（Ｌｌｌの二層めっ
き鋼板はリン酸塩化成処理性に優れるが耐食性に劣り、
比較例随１１のＺｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板はいずれの特
性とも悪い。

（発明の効果） 以上説明した如く、本発明の複合電気Ｚｎ−Ｎｉ合金電
気めっき鋼板は、マトリックスのＺｎ−Ｎｉ合金めっき
皮膜中にＺｎ或いはＭｎの金属粒子を１種以上分散させ
たものであるから、Ｎｉ成分の濃化が抑制できて耐食性
が大きく向上する。また、本願第２発明の複合電気Ｚｎ
−Ｎｉ合金電気めっき鋼板は、更に上層にＦｅの金属粒
子を分散させたＺｎ−Ｎｉ合金めっきを施したものであ
るから、Ｐｈｏｓｐｈｏｐｈｙｌｌｉｔｅに冨んだ微細
結晶の化成皮膜が得られるので耐食性と併せてリン酸塩
化成処理性も大きく向上する。

【図面の簡単な説明】

添付図は、本願第２発明の複合電気Ｚｎ　　Ｎｉ合金め
っき綱板を説明する一部断面模式図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）鋼板表面に、Ｚｎ或いはＭｎの金属粒子を１種も
   しくは２種含有させたＺｎ−Ｎｉ合金めっき層を有する
   複合電気Ｚｎ−Ｎｉ合金めっき鋼板。
2. （２）特許請求の範囲第１項記載のＺｎ−Ｎｉ合金めっ
   き層を下層に、Ｆｅの金属粒子を含有させたＺｎ−Ｎｉ
   合金めっき層を上層に有する複合電気Ｎｉ−Ｚｎ合金め
   っき鋼板。