JPH0127464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はルーフの一部を透光性のガラスルー
フとなした車両に使用するガラスルーフ用遮光板
に関するものである。

〔従来技術〕

近年、バン型車両の後部に広い居住空間を確保
したものが注目されており、かかる車両におい
て、さらに居住性および意匠性を向上せしめる目
的で、ルーフの一部にガラスルーフを設けること
が提案されている。

ところで、従来ガラスルーフ等に使用する遮光
板としては、ルーフ内に遮光板を収納して引き出
すようにしたもの、あるいはルーフに巻取器を設
けて、これに収納した遮光用カーテンを引き出す
ものなどが知られている。これらはルーフパネル
を二重構造としたり、巻取器の設置スペースを要
し、さらにレールやガイドを設ける必要もあるな
ど、構造が複雑でかつコストも高い。

〔考案の目的〕

この考案は上記従来の問題点に鑑み、車両ルー
フの要所に設けたガラスルーフに使用する構造簡
単で、安価、かつ操作性に優れた遮光板を提供す
ることを目的とする。

〔考案の構成〕

すなわち、この考案の遮光板は、ガラスルーフ
の対向縁に沿つて遮光板支持ブラケツトを設け、
遮光板は上記支持ブラケツトの対向間隔よりも広
幅の断熱性およびバネ性を有する板材により構成
するとともに、ヒンジ部により折り曲げ可能とし
てある。

しかして、上記遮光板はこれをヒンジ部で両側
を上方に折り曲げてその両端を支持ブラケツトの
受け面に当接支持せしめたのち、ヒンジ部を上方
へ押し上げ、押し上げ途中で折り曲げ方向を反転
せしめてルーフパネル下面に保持せしめる。

〔実施例〕

第１図はバン型車両のルーフＲを室内側より見
上げた図である。ルーフＲには中央部Ｒ１を残し
てその両側の車両中間部および後部にそれぞれル
ーフサイドレールＲ２近傍に至る大小の開口Ｒ
３，Ｒ４が設けてあり、各開口Ｒ３，Ｒ４のおの
おのにはこれらを覆うように遮光板１ａ，１ｂが
それぞれ設けてある。図は開口Ｒ３，Ｒ４の各一
方にのみ遮光板１ａ，１ｂを取り付けた状態を示
す。

上記遮光板１ａ，１ｂは大きさが異なるのみで
構造は同一であり、上記遮光板１ａの取り付け状
態を第２図に示す。これらの図において、ルーフ
開口Ｒ３には外方より、ルーフアウタパネルＲ５
と連続した面をなすべく彎曲せしめたガラスルー
フＷが覆着してある。ガラスルーフＷは、車室内
へ外気を導入すべく、図示しないヒンジ機構によ
りその中央側端部Ｗ１を中心にして、ガラスルー
フＷの外側端Ｗ２を僅か持ち上げるようにして、
上方へ回動可能としてある。

ガラスルーフＷの中央側端部Ｗ１と外方側端部
Ｗ２には、これらに沿つたルーフ中央部Ｒ１の下
面およびルーフサイドレールＲ２の上面にそれぞ
れ合成樹脂製の支持ブラケツト２，３が設けてあ
る。支持ブラケツト２，３は、第３図、第４図に
示すごとく全体をＵ字状に成形してその谷部を受
け面２ａ，３ａとしてあり、かつこれに設けた抜
き穴２１，３１にネジを挿通して上記中央部Ｒ１
およびルーフサイドレールＲ２に固定される。

遮光板１ａは上記支持ブラケツト２，３の対向
間隔よりも広幅の断熱性およびバネ性を有する板
材よりなり、第５図に示すごとく、これに設けた
インテグラルヒンジ１１により折り曲げ可能であ
る。すなわち、遮光板１ａは、第６図に示すごと
く、断熱性に優れた軽量な合成樹脂発泡体の板状
材１２，１３中に撓みばね力を付与するハードボ
ード等の基材１４，１５を埋設してなり、両板状
材１２，１３の表皮部１２１，１３１は互いに融
着接続されて折り曲げ可能なインテグラルヒンジ
１１を構成している。板状材１２，１３の端縁に
は各二ケ所に切り込み１２２，１３２（第５図）
が形成してあり、該切り込み１２２，１３２には
板状材１２，１３に埋設した軸部材１２３，１３
３が露出せしめてある。また、板状材１３の表面
にはストラツプ１６が取り付けてある。

遮光板１ａを取り付ける場合には、第２図に示
すごとく、ストラツプ１６を設けた面を室内側に
位置せしめ、上方に折り曲げた両端に配した上記
軸部材１２３，１３３を支持ブラケツト２，３の
受け面２ａ，３ａに当接支持せしめる（図中鎖
線）。しかしてこの後、遮光板１ａを上方へ押し
上げると（図中矢印）、ヒンジ１１の上昇に伴な
つて折り曲げ方向は反転し、撓みばね力が反転し
てヒンジ形成部がルーフＲ下面に弾接する（図示
の状態）。これにより、遮光板１ａはその両端が
支持ブラケツト２，３に圧接し、支持ブラケツト
２，３とルーフＲ下面とにより確実に保持され
る。

遮光板１ａを取り外す場合には、ストラツプ１
６をつかんでこれを引き下げる。

〔考案の効果〕

以上のごとく、この考案の遮光板は、これを折
り曲げ可能な断熱性かつバネ性を有する板材で構
成するとともに、彎曲面をなすガラスルーフの対
向縁に沿つて設けた支持ブラケツトとルーフパネ
ル下面とにより、上記遮光板を彎曲面をなすガラ
スルーフの下面を覆う位置に保持せしめるように
なしたので、従来装置のごとくルーフパルを二重
構造としたり、巻取器を設置し、あるいは引き出
し用レールやガイドを設ける必要はなく、構造簡
単かつ安価である。加えて、操作もワンタツチで
容易、かつスムーズである。

なお、上記実施例において、板状材の表皮にフ
アブリツクを使用した場合には、フアブリツクを
縫合することによりインテグラルヒンジとするこ
とができる。

また、板状材として、それ自身撓みばね力を有
するストラクチヤフオームなどを使用すれば、上
記基材は必要としない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の遮光板を具備する車両ルー
フを室内より見上げた図、第２図は第１図の−
線に沿う断面図、第３図、第４図はそれぞれ支
持ブラケツトの斜視図、第５図は遮光板の斜視
図、第６図はその断面図である。 Ｒ……ルーフ、Ｒ１……ルーフ中央部、Ｒ２…
…ルーフサイドレール、Ｗ……ガラスルーフ、１
ａ，１ｂ……遮光板、２，３……支持ブラケツ
ト、２ａ，３ａ……受け面、１１……ヒンジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両ルーフの一部に形成したガラスルーフの下
   面を覆う遮光板において、上記ガラスルーフの対
   向縁に沿つて遮光板支持ブラケツトを設け、遮光
   板は上記支持ブラケツトの対向間隔よりも広幅の
   断熱性およびバネ性を有する板材により構成する
   とともに、ヒンジ部によりこれを折り曲げ可能と
   なし、上記遮光板はヒンジ部で両側を上方に折り
   曲げてその両端を上記支持ブラケツトの受け面に
   当接支持せしめたのち、ヒンジ部を上方へ押し上
   げ、押し上げ途中で折り曲げ方向を反転せしめて
   ルーフパネル下面に保持せしめるようになしたこ
   とを特徴とするガラスルーフ用遮光板。