JPH0127167Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は連続演奏可能なコンパクトデイスクプ
レーヤの昇降装置に搭載される複数のコンパクト
デイスクの収容されたトレイケースを、昇降装置
の所定搭載位置に自動的にローデイングして搭載
することのできるコンパクトデイスクプレーヤ用
トレイケースのローデイング装置に関するもので
ある。

〔従来技術〕

従来、この種のコンパクトデイスクプレーヤの
昇降装置には、トレイケース搭載用の板状のベー
スが張り出して取り付けられているだけなので、
トレイケースはこのベース上の所定位置に手動で
セツトしなくてはならず、セツトの状態いかんに
よつてはベースに対するトレイケースの位置ずれ
が生じてしまうことがあつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記の従来事実を考慮してなされたも
ので、トレイケースを昇降装置のベースの移動台
の任意の位置に載せるだけで、トレイケースを自
動的にローデイングしてベースの所定搭載位置に
正確に搭載することのできるコンパクトデイスク
プレーヤ用トレイケースのローデイング装置を提
供することを目的とする。

〔考案の概要〕

上記の目的を達成するため、本考案のコンパク
トデイスクプレーヤ用トレイケースのローデイン
グ装置では、昇降装置の昇降部から水平に張り出
して形成されトレイケースを搭載して所定位置ま
で昇降動するベースと、このベースを囲むように
してベース直下の機台側から配設され前記のトレ
イケースを搭載してベースに対して水平方向に前
後動可能な移動台と、この移動台を駆動しかつ移
動台上のトレイケースを移動台の移動方向に移動
させる駆動装置とで構成され、トレイケースが移
動台の移動方向の任意位置に搭載された時には、
移動台が所定位置で停止した後でもトレイケース
だけを移動させてトレイケースをベース上の所定
搭載位置にまで確実にローデイングするようにな
つている。

〔考案の実施例〕

以下に本考案の望ましい実施例を図面を参照し
ながら説明する。

第１図には本考案の適用されたコンパクトデイ
スクオートプレーヤが示されている。このコンパ
クトデイスクオートプレーヤは機台１上に配設さ
れたプレーヤ本体２、クランパ３、プレーヤ本体
２の側方に隣設して配置される昇降装置４、およ
び昇降装置４を介してプレーヤ本体２とは反対側
に配置されるキヤリヤ５とからなつている。

昇降装置４は、機台１上に垂設された支持部材
６の案内レール７，７に昇降部８側から軸着され
たローラ９，９が案内されて、昇降部８が案内レ
ール７，７の長手方向に昇降動できるようになつ
ている。昇降部８の壁面１０下部には壁面１０と
直交する関係でベース１１が前方へ張り出して固
設されており、トレイケース１２の搭載用となつ
ている。したがつて、ベース１１は昇降部８の昇
降動とともに昇降動することとなる。ベース１１
の上面１１ａにはベース１１の張り出し方向に沿
つて、凸部１３が直線状に形成されており、トレ
イケース１２がベース１１上に搭載された時、ト
レイケース１２の下面に形成された案内溝１４と
係合してトレイケース１２の横方向の搭載ずれを
規制できるようになつている。

トレイケース１２は多段状に形成されており、
図示を省略した複数のコンパクトデイスクのそれ
ぞれを各別に収容したトレイ１５，１５…が収容
されている。また、トレイケース１２の下面中央
部には案内溝１４と平行してラツク１６が刻設さ
れている。このラツク１６の後端部は欠歯部１６
ａとなつている。

ベース１１の直下で機台１上には案内部材１７
が固着されている。案内部材１７はその両側が起
立して側枠１７ａ，１７ｂとなつており、側枠１
７ａ，１７ｂの上端部からは外方に直角に屈曲し
て案内板部１７ｃ，１７ｄが張り出し形成されて
いる。案内部材１７の側枠１７ａ，１７ｂ間には
シヤフト１９が回転自在に跨設され、シヤフト１
９の中央部ではシヤフト１９と同軸的にギヤ２０
が固着されている。ギヤ２０は保持部材２１によ
り回転自在に軸着された減速ギヤ２２と噛み合つ
ている。この減速ギヤ２２はトレイケース１２が
ベース１１上に搭載された時、トレイケース１２
の裏面に刻設されたラツク１６と対応して噛み合
うようになつている。シヤフト１９の両側部では
側枠１７ａ，１７ｂを介してギヤ２０と同径のギ
ヤ２３，２４が固着されている。ギヤ２３には側
枠１７ａ側から回転自在に軸着された減速ギヤ２
５が、また、ギヤ２４には側枠１７ｂ側から回転
自在に軸着された減速ギヤ２６がそれぞれ噛み合
わされている。これらの減速ギヤ２５，２６は後
述の移動台３４を駆動するためのものであり、前
述の減速ギヤ２２と同径となつている。ギヤ２３
には同軸的にギヤ２７が固着されており、モータ
２８の駆動ギヤ２９と噛み合わされている。した
がつて、モータ２８により駆動ギヤ２９に回転力
が与えられると、ギヤ２７を介してシヤフト１９
が回転し、このシヤフト１９の回転がそれぞれ同
径のギヤ２０，２３，２４を介してそれぞれの減
速ギヤ２２，２５，２６へと伝わり、減速ギヤ２
２，２５，２６はそれぞれ同一方向に同期して回
転することとなる。３０は支持部材３１に取り付
けられたモータ２８駆動用のスイツチである。ま
た、３２，３３は後述の移動台３４の下部に転接
されるローラである。

移動台３４は状に形成されており、側枠部３
５，３６および前枠部３７とからなつている。側
枠部３５，３６の後端部外側からは支持片３５
ａ，３６ａが垂下して形成され、この支持片３５
ａ，３６ａの内側にローラ３８，３９が案内部材
１７の案内板部１７ｃ，１７ｄの厚さ分だけ離間
してそれぞれ軸着されている。このローラ３８，
３９で案内板部１７ｃ，１７ｄの上下面を挾持し
て、移動台３４は案内部材１７に嵌挿され、矢印
Ａ−Ｂ方向に移動できるようになつている。ま
た、移動台３４の両側枠部３５，３６の後端部か
らは枠体４０が起立して形成され、トレイケース
１２のストツパとなつている。移動台３４の状
上面はトレイケース１２の搭載面となつており、
この搭載面上にトレイケース１２が搭載される。
側枠部３５，３６の裏面には長尺のラツク４１，
４２が側枠部３５，３６の長手方向に沿つて固着
されている。このラツク４１，４２は案内部材１
７側の減速ギヤ２５，２６にそれぞれ噛み合うよ
うになつている。ラツク４１，４２の前端部には
欠歯部４１ａ，４２ａが形成され、減速ギヤ２
５，２６の空転部となつている。移動台３４の前
枠部３７でその内側中央部には切欠き部４３が形
成され、この切欠き部４３を通して前枠部３７か
らクリツクバネ４４が突出している。このクリツ
クバネ４４は減速ギヤ２２と対応した位置にあ
り、トレイケース１２が移動台３４上に搭載され
てベース１１上を矢印Ｂ方向に移動する場合にの
みトレイケース１２のラツク１６の歯に噛み合
い、トレイケース１２が移動台３４とともに矢印
Ｂ方向に移動して前枠部３７から滑落しないよう
になつている。なお、４５はスイツチ３０用の切
欠き部である。また、昇降部８の壁面にはスイツ
チ４６が配設されている。このスイツチ４６はモ
ータ２８を停止させるためのものである。

以下に、このように構成された本実施例の作動
を説明する。

いま、移動台３４が矢印Ｂ方向の所定位置（２
点鎖線図示位置）に引き出された状態にあつて、
トレイケース１２を移動台３４の搭載面に搭載す
る。搭載にあつたつてはトレイケース１２の案内
溝１４をベース１１側の直線状の凸部１３に係合
させればよい。トレイケース１２の搭載によつて
トレイケース１２の下面がスイツチ３０に接触
し、スイツチ３０をONさせるとモータ２８が回
転し、駆動ギヤ２９、ギヤ２７を介してシヤフト
１９が回転し、ギヤ２０，２３，２４とそれぞれ
噛み合つている減速ギヤ２２，２５，２６が同期
して同方向に回転を始める。この時、減速ギヤ２
５は移動台３４のラツク４１と、また、減速ギヤ
２６はラツク４２とそれぞれ噛み合つているが、
減速ギヤ２２はトレイケース１２の搭載位置いか
んによつてはトレイケース１２のラツク１６とは
噛み合わずに欠歯部１６ａ下にある場合もある。
この場合は減速ギヤ２２が欠歯部１６ａ下で空転
している状態である。減速ギヤ２５，２６の回転
により、移動台３４はラツク４１，４２を介して
矢印Ａ方向へ移動する。この移動台３４の移動と
同時にトレイケース１２も減速ギヤ２２にラツク
１６が噛み合いながら移動する。移動台３４の矢
印Ａ方向への移動は枠体４０の背面が昇降部８の
壁面１０に当接する直前まで行なわれる。移動台
３４の枠体４０が昇降部８の壁面１０に当接する
直前状態に至ると、減速ギヤ２５，２６はラツク
４１，４２の歯面から外れ、欠歯部４１ａ，４２
ａ下で空転する。しかし、減速ギヤ２２の方はま
だトレイケース１２のラツク１６と噛み合つてい
るので、トレイケース１２は減速ギヤ２２の回転
により移動台３４上を矢印Ａ方向に向けて枠体４
０に当接するまで滑動する。そして、トレイケー
ス１２が昇降部８側のスイツチ４６に接触する
と、スイツチ４６はONされモータ２８の回転が
停止されて、ベース１１上へのトレイケース１２
の搭載状態が完了する。そして、昇降装置が作動
し、ベース１１が昇降部８とともに所定位置まで
昇降動して停止すると、キヤリア５が所定のトレ
イ１５をトレイケース１２からプレーヤ本体２へ
と送り込み演奏状態となる。

演奏が終了し、図示を省略したコンパクトデイ
スクを収容したトレイ１５がプレーヤ本体２側か
らトレイケース１２内へと戻されると、昇降装置
４が所定位置まで作動して停止する。すると、モ
ータ２８が逆回転して駆動ギヤ２９、ギヤ２７を
介して回転力をシヤフト１９に伝え、減速ギヤ２
２，２５，２６を回転させる。減速ギヤ２２はト
レイケース１２のラツク１６と噛み合つているの
で、トレイケース１２を矢印Ｂ方向へ移動させよ
うとする。しかし、移動台３４のクリツクバネ４
４がトレイケース１２のラツク１６の歯と噛み合
つてトレイケース１２の移動を規制するので、ト
レイケース１２はクリツクバネ４４に規制される
までの若干量しか単独移動できないこととなる。
減速ギヤ２２によりトレイケース１２がクリツク
バネ４４を介して移動台３４を若干量移動させる
と、それまでラツク４１，４２の欠歯部４１ａ，
４２ａ下で空転していた減速ギヤ２５，２６もラ
ツク４１，４２とそれぞれ噛み合い、移動台３４
を矢印Ｂ方向に移動させる。移動台３４の移動と
同時にトレイケース１２も減速ギヤ２２により移
動し、移動台３４が所定位置にまで至るとモータ
２８の回転が停止されトレイケース１２の移動が
終了する。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案のコンパクトデイ
スクプレーヤ用トレイケースのローデイング装置
によるときは、トレイケースをベースの移動台の
任意の位置に載せてもベースの所定搭載位置に自
動的にローデイングを行なうことができ、また、
トレイケースがベース上から引き出された時に
は、トレイケースは移動台上の所定位置に正確に
搭載された状態で出てくるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の適用されたコンパクトデ
イスクオートプレーヤの正面図、第２図は本考案
装置の斜視図、第３図は本考案装置を構成するベ
ースと移動台の配置関係を示す斜視図、第４図は
第３図の−線断面図、第５図は第３図の−
線断面図、第６図は第３図の平面図、第７図は
本考案装置を構成する移動台の底面図、第８図は
本考案装置の平面図、第９図は本考案装置の側面
図である。 ４……昇降装置、１１……ベース、１２……ト
レイケース、１６，４１，４２……ラツク、１７
……案内部材、２２，２５，２６……減速ギヤ、
２８……モータ、３４……移動台、４４……クリ
ツクバネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機台上に配設された昇降装置の昇降部から水平
   に張り出して設けられ複数のコンパクトデイスク
   を収容した多段式のトレイケースを搭載して前記
   昇降部とともに所定位置まで昇降動するベース
   と、該ベースを囲成して前記機台上に配設され前
   記トレイケースを搭載して前記ベースの水平方向
   に前後動可能な移動台と、該移動台及び前記トレ
   イケースを前記水平方向に移動させる駆動装置と
   からなり、該駆動装置は前記トレイケースが前記
   移動台の移動方向任意位置に搭載された時前記ト
   レイケースを前記移動台の所定搭載位置まで移動
   させることを特徴とするコンパクトデイスクプレ
   ーヤ用トレイケースのローデイング装置。