JPH0126926Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、車両等における原動機の動力伝達
装置に用いられる変速装置のうち、電動式変速装
置の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

車両等においては、原動機の動力を有効に利用
するため、動力伝達装置に変速装置が用いられ
る。その変速装置の駆動方式として電動アクチユ
エータを利用した電動式変速装置が自動二輪車等
に適用される。

変速装置の変速パターンとしては、第４図に示
すように、変速レバーを手で移動させて変速する
ものか、第５図に示すように、ロータリ方式とな
つていて、足踏み式によつて一段づつ変速するも
のがある。従来、これらの変速操作は１段づつ行
うのが通常であり、特に、電動式変速装置におい
ては、機構上、一段づつ順次に変速する以外にな
く、いわゆる飛び越し変速は不可能である。

〔解決しようとする問題点〕

ところが、実際に車両を運転する場合には、必
ずしも順次に増速や減速の変速操作をするばかり
ではなく、例えば、２速又は３速でアクセルを一
杯にして急激な加速によつて、急速に増速して定
常走行速度に達しさせた後、直ちにトツプギヤ
（５速）に入れて定常走行状態に移りたいとき、
あるいは、５速又は４速で走行中に、急激なエン
ジンブレーキをかけたいために、変速ギヤから直
ちに２速ギヤに変速したい場合などがある。

このような、いわば飛び越し変速操作は、特
に、電動式の変速装置では不可能であり、必ず、
段階的に順次に変速しなければならないので、変
速操作は２回あるいは３回の操作となり、どうし
ても或る程度の変速所要時間がかかり、前述のよ
うな急速な変速操作の要望を満足させることがで
きない。

〔考案の目的〕

そこで、この考案の目的は、電動式変速装置に
おける飛び越し変速装作の要望に応えるために、
容易かつ円滑に、なるべく短時間に飛び越し変速
操作を行うことができる電動式変速装置を実現す
ることにある。

〔考案の構成〕

この目的を達成するために、この考案は、電動
アクチユエータによつて変速ギヤ切換動作をさせ
る電動式変速装置において、クラツチ断の検知要
素と、シフトアツプ及びシフトダウンの変速指令
の検知要素と、ギヤ位置表示要素と、待機時間設
定機能を有する制御部とからなり、該制御部は前
記クラツチ断と前記変速指令との入力信号によつ
て変速信号を前記電動アクチユエータに出力する
とともに、前記待機時間設定機能による設定時間
経過後にまで前記クラツチ断と前記変速指令との
入力信号があれば再び変速信号を前記電動アクチ
ユエータに出力する制御装置を設けたことを特徴
とする。

〔作用〕

この考案は以上のような構成としたので、変速
ギヤ切換指令を与えて、電動アクチユエータによ
つて、変速ギヤ切換動作をさせ引続き変速ギヤ切
換指令を与えておけば、前記変速ギヤ切換動作完
了を見はからつて設定した待機時間経過後に、再
び変速ギヤ切換動作が行われる。すなわち、１回
の切換指令によつて、何段でも変速ギヤ切換動作
を行わせることができる。

〔実施例〕

以下この考案を図示の実施例について説明す
る。第１図乃至第３図は、この考案の要部である
制御装置の実施例を示し、第１図はブロツク図、
第２図は回路図、第３図はアルゴリズムを示す。

第１図において、変速装置のギヤを切換える動
作をするアクチユエータ１は制御部２からの出力
信号によつてシフトアツプ又はシフトダウンの動
作をする。制御部２への入力信号として、クラツ
チスイツチ３と、シフトアツプスイツチ４と、シ
フトダウンスイツチ５とがある。また、現在のギ
ヤ位置を表示するギヤ位置表示（指針、ランプ又
は液晶など）６がある。

運転者が変速をしようとして、クラツチを切る
とクラツチスイツチ３が閉になる。そしてシフト
アツプしたいときはシフトアツプスイツチ４を、
シフトダウンしたいときはシフトダウンスイツチ
５を押せば、制御部２はアクチユエータ１に動作
指令を送り、ギヤが切換えられる。また、ギヤ位
置表示６が新しいギヤ位置を示すので、運転者は
クラツチを接続して変速操作は完了する。

このとき、運転者が２段以上の変速を一時に行
いたいときは、シフトアツプ又はシフトダウンの
スイツチを押し続けておけば、制御部内にある待
機時間機構が、第１次の変速ギヤ切換動作の完了
を見はからつてパルスを発生するので、再びギヤ
切換動作が行われるので、所望のギヤ位置を表示
で見て、クラツチを接続すればよい。このように
して、例えば、１速から３速へ、あるいは、４速
から２速へのような飛び越し変速が容易にでき
る。

第２図に回路の構成例を示す。運転者がクラツ
チを切つて、クラツチスイツチ３が閉じると、制
御部２のエネイブル端子がＬレベルになり、制御
部２はシフトアツプ又はシフトダウン信号の受付
けが可能となる。次に、シフトアツプスイツチ４
又はシフトダウンスイツチ５が閉じると、発振回
路７が作動し、制御部２にシフトアツプ又はシフ
トダウン信号が入力され、制御部２から出力信号
がアクチユエータ１に送られ、変速ギヤ切換動作
が行われる。

続けて一時に飛び越し変速をしたい場合は、変
速スイツチ４又は５を押し続けていると、発振回
路７はパルスを発生し、シフトアツプ又はシフト
ダウン入力信号にパルスが入るので、そのパルス
数だけ、制御部２から出力信号がアクチユエータ
１に出され、シフトアツプ又はシフトダウンの変
速動作がなされる。

第３図は、以上に述べた情報処理のアルゴリズ
ムである。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明したように、この考案によれ
ば、電動式変速装置において、シフトアツプ又は
シフトダウンの指令信号を入力するスイツチを押
し続けているだけで、次々と順次に変速ギヤ切換
動作がなされる。すなわち、１回の変速操作で、
いわゆる飛び越し変速も可能となる。従来、飛び
越し変速は２回以上の変速操作を必要としていた
のに比べると、運転者にとつて、容易かつ迅速に
変速できることとなり、実用的効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は、この考案の要部である制
御装置の実施例を示し、第１図はブロツク図、第
２図は回路図、第３図はアルゴリズムである。第
４図及び第５図は変速ギヤ切換パターンである。 図において、１はアクチユエータ、２は制御
部、３はクラツチスイツチ、４はシフトアツプス
イツチ、５はシフトダウンスイツチ、６はギヤ位
置表示、７はパルス発振回路である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電動アクチユエータによつて変速ギヤ切換動作
   をさせる電動式変速装置において、クラツチ断の
   検知要素と、シフトアツプ及びシフトダウンの変
   速指令の検知要素と、ギヤ位置表示要素と、待機
   時間設定機能を有する制御部とからなり、該制御
   部は前記クラツチ断と前記変速指令との入力信号
   によつて変速信号を前記電動アクチユエータに出
   力するとともに、前記待機時間設定機能による設
   定時間経過後にまで前記クラツチ断と前記変速指
   令との入力信号があれば再び変速信号を前記電動
   アクチユエータに出力する制御装置を設けたこと
   を特徴とする電動式変速装置。