JPH0125857Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主として灯油等の液体燃料を燃焼
熱により加熱し気化して燃焼させる燃焼装置の改
良に関する。

従来のこの種の液体燃料燃焼装置（以下、単に
「気化バーナ」という）においては、下方に位置
するブロアにより吸気された外気を、送風筒を通
して飛散リングを下端に有する吊鐘型の気化筒内
に強制送風し、かつ該気化筒を前記ブロアの回転
駆動軸の先端に取付けて同期回転させるととも
に、燃料パイプから気化筒内に送油された液体燃
料（以下、単に「燃料」という）を、気化筒の高
速回転による遠心力により微粒化し、飛散リング
との間に形成した間隙から燃焼筒内に噴霧させて
イグナイタのアーク放電により着火して生燃焼さ
せ、この第一次燃焼による燃焼熱を利用して前記
気化筒を加熱して該気化筒内の燃料を気化し、こ
の気化ガスを前記燃焼筒と燃焼盤との間に形成さ
れたガス室に導いて該燃焼盤の周側壁面に開口さ
せたガス噴出口から前記燃焼筒内に噴出させるこ
とにより第二次燃焼を行なわせるようにした構成
を有するものが知られている。

しかしながら、このような従来構造の気化バー
ナでは、気化筒を回転させると、その周囲、特に
基部において旋回流が発生し、この旋回流に燃焼
炎が引き込まれて燃焼が不安定の状態、つまりリ
フト現象が生じ易い不都合があつた。

この考案は、上記した従来の欠点を解消するこ
とを目的としたもので、その要旨とするところ
は、送風筒から強制送風を行なうとともに、回転
駆動する気化筒内に供給される液体燃料を燃焼筒
内に噴霧しつつ着火して生燃焼による第一次燃焼
を行なわせ、かつこの第一次燃焼による燃焼熱に
より該気化筒を加熱して液体燃料を気化し、ガス
室を経て燃焼盤のガス噴出口から気化ガスを噴出
させて前記燃焼筒内で第二次燃焼を行なわせてな
る燃焼装置において、該燃焼盤の下部周側壁面に
前記ガス噴出口に対面する保炎部と保炎部間に設
けられた通気部とを有する燃焼促進体を起立形成
したことを特徴とするものである。

次に、この考案を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。

第１図及び第２図は、この考案に係る第１実施
例を示すもので、図中１は底面開口部から外気を
吸引して上方に向け強制送風するブロアである。
該ブロア１の案内筒２には、フアン３を回転させ
る駆動モータ４が内蔵され、該駆動モータ４には
回転駆動軸５が同期回転自在に設けられていると
ともに、該回転駆動軸５の先端部５ａは、有底の
燃焼筒６内に挿通されている。該燃焼筒６内には
有底の燃焼盤７が設けられ、該燃焼盤７の周側壁
面７ａには多数のガス噴出口８が開口していると
ともに、該燃焼盤７の外周壁面と前記燃焼筒６の
内周壁面との間にガス室９が囲繞形成されてい
る。

また、図中１０は、前記ガス室９を貫通して燃
焼筒６内に臨む送風筒で、前記ブロア１からの送
風経路に連通するように固定されているととも
に、その外周側面を上方から被冠するように吊鐘
形の気化筒１１が配設されている。該気化筒１１
は、前記回転駆動軸５の先端部５ａに固着されて
回転駆動させてなるもので、その内部には前記送
風筒１０の上端開口部に臨む燃料拡散リング１２
が設けられ、かつそれらの取付基部に微小間隙ａ
を形成してなるとともに、その下端周面にはスポ
ツト溶接により適宜の飛散間隙ｂを形成する飛散
リング１３が設けられている。

該気化筒４４の燃料拡散リング１２内には、液
体燃料を供給する燃料パイプ１４のノズル部１４
ａが臨み、該気化筒１１の高速回転による遠心力
により、第１図に実線矢印で示すように、液体燃
料を間隙ａを通して気化筒１１の内周側面側に噴
出させ、さらにその下部の飛散間隙ｂを通して燃
焼筒６内の燃焼盤７の周側壁面７ａに向け微粒化
状液体燃料Ｆを噴霧させるものである。

また、図中１５は前記燃焼盤７の下部周側壁面
部に起立形成した燃焼促進体で、該燃焼促進体１
５は櫛歯状をなし、かつその各々の保炎部１５ａ
を前記燃焼盤７の周側壁面７ａの下部に開口する
ガス噴出口８に対向させて僅かな間隙Ｌをもつて
塞ぐように近接位置させてなり、保炎部１５ａ間
には通気部１５ｂを設けてなる構成を有する。

さらに、図中１６は前記気化筒１１から噴霧さ
れる微粒化燃料Ｆを放電作用により着火燃焼させ
るイグナイタ電極棒で、その電極の放電部１６ａ
を前記燃焼促進体１５の保炎部１５ａに臨ませて
それらの間で放電させてなるようになつている。
放電方法としては、一般的な電極棒１６を二本使
用する方法でもよい。

また、第３図はこの考案に係る他の実施例２を
示すもので、上記燃焼促進体１５に改良を施し、
スリツト状の通気部１５ｂを所定間隔をもつて切
設し、かつ各々の通気部１５ｂ間の保炎部１５ａ
を水平方向に捻転形成してなる構成を有するもの
である。

第４図は、この考案に係る他の実施例３を示す
もので、第３図に示す燃焼促進体１５との相異点
は、捻転形成された保炎部１５ａの先端部が気化
筒１１側に傾きをもつて起立している点、保炎部
１５ａの下部に燃焼盤のガス噴出口が存在する点
である。

第５図は、この考案に係る他の実施例４を示す
もので、実施例３の燃焼促進体１５においてイグ
ナイタ電極棒の放電部１６ａと相対する部分の保
炎部１５ａを取り除き、位置させた例である。

この考案は、以上説明したように、気化バーナ
を構成する燃焼盤の下部周側壁面に開口するガス
噴出口を僅かな間隙をもつて塞ぐように燃焼促進
体を垂直あるいは傾きをもつて起立形成したこと
から、この燃焼促進体の遮蔽作用により、気化筒
の回転に伴う旋回流に燃焼炎が引き込まれるのを
防止することができるとともに、燃焼促進体の
各々の保炎部の先端を早期に赤熱することが可能
になることから、燃焼反応が促進されるため素早
く安定した燃焼状態が得られ、また保炎部間に通
気部を設けることにより、イグナイタでの着火性
能を高めるとともに第一次燃焼用の空気をすみや
かに供給することが出来るなど、実用性にすぐれ
た効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る液体燃料燃焼装置の一
実施例を示す要部切欠断面図、第２図は第１図Ａ
部における要部拡大断面斜視図、第３図はこの考
案に係る他の実施例２を示す要部拡大断面斜視
図、第４図はこの考案に係る他の実施例３を示す
要部拡大断面斜視図、第５図はこの考案に係る他
の実施例４を示す要部拡大断面斜視図、である。 １……ブロア、２……案内筒、３……フアン、
４……駆動モータ、５……回転駆動軸、６……燃
焼筒、７……燃焼盤、７ａ……周側壁面、８……
ガス噴出口、１０……送風筒、１１……気化筒、
１２……燃料拡散リング、１３……飛散リング、
１４……燃料パイプ、１５……燃焼促進体、１５
ａ……保炎部、１５ｂ……通気部、Ｆ……微粒化
燃料。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 送風筒から強制送風を行なうとともに、回転
   駆動する気化筒内に供給される液体燃料を燃焼
   筒内に噴霧しつつ着火して生燃焼による第一次
   燃焼を行なわせ、かつこの第一次燃焼による燃
   焼熱により該気化筒を加熱して液体燃料を気化
   し、ガス室を経て燃焼盤のガス噴出口から気化
   ガスを噴出させて前記燃焼筒内で第二次燃焼を
   行なわせてなる燃焼装置において、 該燃焼盤の下部周側壁面に前記ガス噴出口に
   対面する保炎部と保炎部間に設けられた通気部
   とを有する燃焼促進体を起立形成したことを特
   徴とする液体燃料燃焼装置。 (2) 該燃焼促進体を櫛歯状に形成し、該各々の保
   炎部を前記燃焼盤の下部周側壁面に対向位置さ
   せたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項に記載の液体燃料燃焼装置。 (3) 該燃焼促進体にスリツトを所定間隔をもつて
   形成し、該各々のスリツト間の保炎部を水平方
   向に捻転形成したことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項に記載の液体燃料燃焼装
   置。 (4) 該燃焼促進体の保炎部を垂直あるいは傾きを
   もつて起立形成したことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載の液体燃料燃焼装
   置。 (5) 該燃焼促進体において、イグナイタ電極棒の
   放電部と相対する部分の保炎部を取り除き形成
   し、位置させたことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項に記載の液体燃料燃焼装置。