JPH01250675A - シール装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は例えばスターリングエンジンの膨張ピストンあ
るいは圧縮ピストンに適用され、各ピストンとシリンダ
との間をシールするシール装置に係り、特にシリンダ及
びピストンリングとの接触面の面圧を低くすることが可
能なものに関する。

（従来の技術） 第４図乃至第６図を参照して従来例を説明する。第４図
は従来のシール装置を採用したピストンの構成を示す断
面図であり、図中符号１はシリンダである。このシリン
ダ１内にはピストン２が摺動可能に配置されており、こ
のピストン２の外周側には環状溝３が複数段にわたって
形成されており、それぞれの環状溝３内にはピストンリ
ング４が装着され、このピストンリング４によってピス
トン２の摺動を許容しつつピストンとシリンダ１との間
のシールをなしている。

上記環状溝３及びピストンリング４の構成を第５図を参
照して詳細に説明する。上記ピストンリング４は空間５
の圧力により溝３の接地面６に押付けられており、それ
によって高圧側空間５から低圧側空間７側に流体が漏洩
することを防止している。

ところが、上記高圧側空間５と低圧側空間７との圧力差
が大きい場合には、上記ピストンリング４がシリンダ１
に押付けられる力、すなわち接触面８における面圧が大
きくなってしまう。それによって、ピストンリング４と
シリンダ１との間の摩擦が大きくなって、ピストンリン
グ４及びシリンダ１の摩耗が懸念される。

かかる問題に対して第６図に示すような構成が検討され
ている。これはピストンリング４を段付構造とし、かつ
ピストン２についてもそれに対応させて段付構造とした
ものである。かかる構成とすることによりピストン２の
段付部及びピストンリング４の段付部との間に中間空間
９を形成する。

これによって高圧側空間５側の圧力が作用する受圧面が
第５図に示した構成に比べて小さくなる共に、上記中間
空間９の部分は接地当初低圧側空間７の圧力に近くなっ
ているので、結果として接触面８の面圧が低下し、それ
によってシリンダ１及びピストンリング４の摩耗が軽減
されることになる。

しかしながら上記構成によると以下のような問題がある
。すなわち、中間空間９内に接触面１０を介して高圧側
空間５内の高圧流体が流入し、それによって、中間空間
９内の圧力が上昇して、その上昇した圧力がピストンリ
ング４の而１１に作用するので、結局接触面８における
圧力低下が効果的になされないという問題があった。

（発明が解決しようとする課題） 上述したように従来の構成にあっては、ピストンリング
がシリンダ側に大きな圧力によって押付けられ、それに
よってシリンダ及びピストンリングの摩耗が懸念される
という問題があり、又、これを解決するべくピストン及
びピストンリングを段付構造とした場合には、高圧側空
間から中間空間への漏洩、それによる圧力抑制効果の低
下という問題があり、本発明はこのような点に基づいて
なされたものでその目的とするところは、ピストンリン
グをシリンダ側に押付ける圧力を低下させ、それによっ
てシリンダ及びピストンリングはもとより、装置全体の
健全性の維持を図ることが可能なシール装置を提供する
ことにある。

［発明の構成コ （課題を解決するための手段） 上記目的を達成するべく、本願発明の第１請求項による
シール装置は、シリンダと、このシリンダ内に摺動可能
に配置され段付環状溝を１つ又は複数備えたピストンと
、上記段付環状溝に装着され上記シリンダ及びピストン
との間をシールする段付ピストンリングとを備え、上記
段付ピストンリングを境にして一方を高圧側空間、他方
を低圧側空間とするとともに、上記段付環状溝及び段付
ピストンリングの段付部との間に中間空間を形成してな
るシール装置において、上記低圧側空間と中間空間とを
連通ずるようにしたことを特徴とするものである。

又、第２諸求項によるシール装置は、シリンダと、この
シリンダ内に摺動可能に配置され段付環状溝を１つ又は
複数備えたピストンと、上記段付環状溝に装着され上記
シリンダ及びピストンとの間をシールする段付ピストン
リングとを備え、上記段付ピストンリングを境にして一
方を高圧側空間、他方を低圧側空間とするとともに、上
記段付環状溝及び段付ピストンリングの段付部との間に
中間空間を形成してなるシール装置において、上記段付
ピストンリングの段付部近傍の剛性を低くして低圧側空
間方向に撓ませるようにしたことを特徴とするものであ
る。

（作用） まず、ピストンの環状溝及びピストンシリンダを段付構
造としたのは、高圧側空間がらの圧力が作用する受圧面
の面積を縮小して、ピストンリング及びシリンダの接触
面における面圧を低くし、それによってピストンリング
及びシリンダの摩耗を軽減させる為である。かかる構成
にあって、第１請求項によるシール装置の場合には、中
間空間と低圧側空間とを連通させているので、中間空間
を低圧状聾に保持することができる。したがって上記受
圧面の縮小、それによる接触面の血圧低下効果を確実な
ものとするとかできる。

尚、中間空間と低圧側空間とを連通させる手段としては
、該部分におけるピストン及びピストンリングの少なく
とも一方に連通用の溝、あるいは貫通孔等を形成するこ
とがあげられる。又、その際上記溝あるいは貫通孔等を
どのような形状であるいはどのようなルートで形成する
かは任意である。実施例ではその代表的な例としてピス
トン側に溝を放射状に形成したものを示す。

次に第２請求項によるシール装置であるが、これはピス
トンリングの段付部近傍の剛性を低下させることにより
、ピストンリングの該部分を高圧側空間から低圧側空間
方向に撓ませるものである。

それによって、高圧側空間及び中間空間との境界部にお
けるピストンリング及びピストンとの接触がより確実な
ものとなり、高圧側空間から中間空間側への漏洩が効果
的に抑制され、高圧側空間からの受圧面の縮小、それに
よる接触面の面圧低下効果を確実なものとする。

尚、剛性を低下させる手段としては、例えば切欠を設け
てその部分を薄肉としたり、あるいはその部分の材質を
他の部分の材質より剛性の低いものとすることが考えら
れる。又、上記切欠の場合であるが、切欠形状を特に限
定しないことはもとより、切欠を連続的（例えば環状）
に形成するか、あるいは断続的に形成するか等について
も任意である。実施例では環状の切欠を形成したものを
代表的な例として示す。

又、本発明のシール装置がスターリングエンジンの膨張
ピストンあるいは圧縮ピストン以外のピストン・シリン
ダ機構にも適用できるものであることは勿論である。

（実施例） 以下第１図を参照して本願発明の第１の実施例を説明す
る。尚、従来と同一部分には同一符号を付して示しその
説明は省略する。この実施例では中間空間９と低圧側空
間７とを連通ずるような溝１０１をピストン２側の接触
面６位置に放射状に形成したものである。すなわち、中
間空間９を溝１０１を介して低圧側空間７と連通させる
ことにより、中間空間９内を低圧に保持し、それによっ
て接触面８に作用する面圧抑制を効果的に図らんとする
ものである。

以上の構成を基にその作用を説明する。まず中間空間９
は溝１０１を介して低圧側空間７と連通されており、よ
って中間空間９内は低圧に保持される。したがって段付
構造として高圧側の受圧面の面積を減らすことによる接
触面８の面圧低下をより確実なものとすることができる
。それによってピストンリング４及びシリンダ１の摩耗
を抑え、シール性能の維持を図ることができる。

又、本実施例の場合には接触面６位置のピストン２側に
溝１０１を放射状に形成するという極めて簡単な構成に
より所望の効果を得ることができ、既設のものに対して
も容易に適用可能である。

尚、この実施例では接触面６位置のピストン２側に溝１
０１を形成したが、それに限定されるものではなく、接
触面６位置のピストンリング４側に溝を放射状に形成す
るようにしてもよい。又、溝ではなく連通ずる貫通孔を
形成してもよいことは前述した通りである。さらにはピ
ストン２及びピストンシリンダ４の両方に形成してもよ
い。

次に第２図を参照して第２の実施例を説明する。

この第２の実施例は上記第１の実施例において、ピスト
ンリング４の上面側であって半径方向の略中間位置に切
欠１０２を形成したものである。この切欠１０２は環状
に連続して形成されたものでも、又断続的に形成された
ものであってもよい。

このような切欠１０２を形成することにより、ピストン
リング４を積極的に撓ませて、それによって接触面１０
におけるピストンリング４とピストン２の密着性を良好
なものとし、接触面１０を介しての高圧側空間５から中
間空間９側への漏洩を防止するものである。

以上この実施例によると、まず溝１０１を介して中間空
間９と低圧側空間７とを連通させて、中間空間９を低圧
に保持することができるとともに、切欠１０２の形成に
よりピストンリング４を積極的に撓ませて、接触面１０
におけるピストンリング４とピストン２との密着性を良
好なものとすることができるので、前記第１の実施例以
上に中間空間９を低圧に保持することができ、それによ
って接触面８における接触面圧抑制を効果的に図ること
ができる。尚、剛性を低下させる手段として材質を部分
的にかえる方法でもよいことは既に述べた通りである。

次に第３図を参照して第３の実施例を説明する。

この第３の実施例は本発明を３ピース型ピストンリング
４に適用したものである。すなわちピストンリング４は
３つのピース４ａｓ４ｂ、及び４ｃとから構成されてい
る。その他の構成は前記第１の実施例と同様である。

したがって、前記第１の実施例と同様の効果を奏するこ
とができるのはもとより、ピストンリング４が３ピース
型であるので、夫々のピース４ａ乃至４Ｃが相互に合口
を塞ごうとするので、接触面１０を介しての空間５側か
ら空間９側への漏洩を効果的に抑制することができ、よ
って接触面８における接触面圧抑制をより確実なものと
することができる。

［発明の効果コ 以上詳述したように本発明によるシール装置によると、
ピストンリングとシリンダの接触面における接触面圧を
効果的に抑制することができ、ピストンリング及びシリ
ンダの摩耗を抑え、その健全性の維持を図ることができ
る等その効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例を示すシール装置の一部
断面図、第２図は第２の実施例を示すシール装置の一部
断面図、第３図は第３の実施例を示すシール装置の一部
断面図、第４図乃至第６図は従来例の説明に使用した図
で、第４図はシール装置を一部切欠いて示す正面図、第
５図及び第６図はシール装置の一部断面図である。 １・・・シリンダ、２・・・ピストン、４・・・ピスト
ンリング、５・・・高圧側空間、７・・・低圧側空間、
８・・・ピストンリングとシリンダとの接触面、９・・
・中間空間、１０１・・・溝、１０２・・・切欠。 出願人代理人　　弁理士　鈴江武彦 第４図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）シリンダと、このシリンダ内に摺動可能に配置さ
   れ段付環状溝を１つ又は複数備えたピストンと、上記段
   付環状溝に装着され上記シリンダ及びピストンとの間を
   シールする段付ピストンリングとを備え、上記段付ピス
   トンリングを境にして一方を高圧側空間、他方を低圧側
   空間とするとともに、上記段付環状溝及び段付ピストン
   リングの段付部との間に中間空間を形成してなるシール
   装置において、上記低圧側空間と中間空間とを連通する
   ようにしたことを特徴とするシール装置。
2. （２）シリンダと、このシリンダ内に摺動可能に配置さ
   れ段付環状溝を１つ又は複数備えたピストンと、上記段
   付環状溝に装着され上記シリンダ及びピストンとの間を
   シールする段付ピストンリングとを備え、上記段付ピス
   トンリングを境にして一方を高圧側空間、他方を低圧側
   空間とするとともに、上記段付環状溝及び段付ピストン
   リングの段付部との間に中間空間を形成してなるシール
   装置において、上記段付ピストンリングの段付部近傍の
   剛性を低くして低圧側空間方向に撓ませるようにしたこ
   とを特徴とするシール装置。