JP2000291805A - シ−ル構造 - Google Patents

シ−ル構造

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JP2000291805A
JP2000291805A JP11099703A JP9970399A JP2000291805A JP 2000291805 A JP2000291805 A JP 2000291805A JP 11099703 A JP11099703 A JP 11099703A JP 9970399 A JP9970399 A JP 9970399A JP 2000291805 A JP2000291805 A JP 2000291805A
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JP
Japan
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seal ring
piston rod
storage recess
gap
heel
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JP11099703A
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English (en)
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Mitsuhiro Kashima
光博 加島
Sadaaki Hara
定昭 原
Masahide Kanda
政秀 神田
Koji Mitsushima
弘二 満嶋
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シールリングがピストンロッドと接触し、フ
リクションの増大、摩擦熱による異常摩耗、耐久性の低
下を防止する。 【解決手段】 ピストンロッド2と、ピストンロッド2
を摺動可能に支持するシリンダヘッド1と、ピストンロ
ッド2とシリンダヘッド1との間に介装されたシールリ
ング5とを備えたシール構造において、前記シールリン
グ5はシリンダヘッド1の摺動面に設けられた収納凹部
25に収装され、外周部が収納凹部25と密着し、内周
部がピストンロッドと密着するリップ部10と、作動油
の圧力が上昇し、シールリング5に作用する圧力を収納
凹部25の壁面で支持するヒール部11と、ヒール側の
内周とピストンロッドとの間の隙間40aとを有し、前
記リップ部10の受圧面積を前記ヒール部11の支持面
積よりも小さく形成し、ヒール部11の外周と収納凹部
25の内周との間に所定のシールリング変形吸収用の隙
間40を画成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧シリンダなど
のシ−ル構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、油圧シリンダなどの軸
受部のシ−ル構造としては、実開平4−138160号
に記載されたものがある。これはシールリングの嵌め込
み溝が内外径とも平行で、シールリングの軸方向の受圧
面積は内外リップ径全面であり、よってヒール部の支持
面積は前記受圧面積とほぼ同じとなっている。
【0003】このため高圧がリップ部に作用すると、こ
れを受けてヒール部の面圧が高くなり、摺動面へのはみ
出し変形及び摺動面に対する面圧勾配が大きいため、作
動油膜の掻き取り性が大きく、作動条件によっては掻き
出しによる油漏れが生じるという問題があった。
【0004】さらに、高圧になるほど、作動油膜の掻き
取り性が強くなる構成となっているため、摺動部が無潤
滑状態となりフリクションが増大し、摩擦熱が発生し、
長時間の連続作動時に、摺動部の熱変質を引き起こし、
異常摩耗するという問題も考えられる。
【0005】また特表平9‐504081号には、背面
に隙間を有するシ−ルリングにおいて、内外周に隙間を
設けた特殊形状シールに関する技術が開示されている。
【0006】これは圧力によるヒール部へのはみ出し防
止の目的で、内外径の隙間を可能な限り(材料の変形応
力の許容限界まで)大きく取り、特殊形状リングを追求
したものと考えられ、単純なテーパ面に依る大容積隙間
の付与では、変形応力的に適用圧力に限界があり、特に
ヒール部内径には高応力が集中し、耐久疲労上から、そ
の適用条件が制限されると考えられる。
【0007】さらに特公平6−100202号に記載の
バッファリングとシールリングとを組み合わせた構成で
は、バッファリングは作動油膜を確保するため完全に密
閉する構造となってはおらず、たとえば油圧シリンダの
伸縮作動のいずれの場合でもロッド側油室が高圧となる
流量再生回路においては、シールリングとバッファリン
グ間の圧力が畜圧され、長時間にわたり負荷圧力が作動
する状態では、シールリングへの高圧作用を防止できな
い。
【0008】本発明は、これらの問題を解決するシ−ル
構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ピストン
ロッドと、ピストンロッドを摺動可能に支持するシリン
ダヘッドと、ピストンロッドとシリンダヘッドとの間に
介装されたシールリングとを備えたシール構造におい
て、前記シールリングはシリンダヘッドの摺動面に設け
られた収納凹部に収装され、外周部が収納凹部と密着
し、内周部がピストンロッドと密着するリップ部と、作
動油の圧力が上昇し、シールリングに作用する圧力を収
納凹部の壁面で支持するヒール部と、ヒール部側の内周
とピストンロッドとの間の隙間とを有し、前記リップ部
の受圧面積を前記ヒール部の支持面積よりも小さく形成
し、ヒール部の外周と収納凹部の内周との間に所定のシ
ールリング変形吸収用の隙間を画成した。
【0010】第2の発明は、ピストンロッドと、ピスト
ンロッドを摺動可能に支持するシリンダヘッドと、ピス
トンロッドとシリンダヘッドとの間に介装されたシール
リングとを備えたシール構造において、前記シールリン
グはシリンダヘッドの摺動面に設けられた収納凹部に収
装され、外周部が収納凹部と密着し、内周部がピストン
ロッドと密着するリップ部と、作動油の圧力が上昇し、
シールリングに作用する圧力を収納凹部の壁面で支持す
るヒール部と、ヒール部側の内周とピストンロッドとの
間に隙間とを有し、前記リップ部の受圧面積とヒール部
の支持面積が略同一に形成される一方、ヒール部の外周
と収納凹部の内周との間に所定のシールリング変形吸収
用の隙間を画成した。
【0011】第3の発明は、第1の発明において、前記
ヒール部の内外周隙間の合計容積は、リップ部の受圧面
積投影下の環状円柱体の体積の10〜35%の容積であ
り、かつ外周部に設けた隙間の容積は内周部の隙間の容
積の0.6倍以上である構成とした。
【0012】第4の発明は、第2の発明において、前記
ヒール部の内外周隙間の合計容積は、シールリングの体
積の20〜45%の容積であり、かつ外周部に設けた隙
間の容積は内周部の隙間の容積の1.0倍以上である構
成とした。
【0013】第5の発明は、第1から4のいずれか一つ
の発明において、前記ヒール部の外周隙間をシリンダヘ
ッドの収納凹部に凹状に設けた。
【0014】第6の発明は、第1から4のいずれか一つ
の発明において、前記ヒール部の外周隙間をシールリン
グに凹状に設けた。
【0015】第7の発明は、第1から4、6のいずれか
一つの発明において、前記シールリングのヒール部外周
はテーパ形状を有する。
【0016】第8の発明は、第1から4、6のいずれか
一つの発明において、前記シールリングのヒール部外周
に収納凹部との間で複数の環状隙間を形成する環状溝を
形成する。
【0017】第9の発明は、第1または3の発明におい
て、前記シールリングのリップ部とヒール部の間をテー
パ状の中間部で形成し、シールリングの中間部と対面す
る収納凹部の内周との間に隙間を設けた。
【0018】第10の発明は、第1または3の発明にお
いて、前記シールリングの中間部とそれに接する収納凹
部の内周を円弧状に形成した。
【0019】第11の発明は、第1から6のいずれか一
つの発明において、前記シールリングのヒール部外周を
径の異なる複数の段差部にて形成した。
【0020】第12の発明は、第1から11のいずれか
一つの発明において、前記シールリングの外周とシール
リングを介装する収納凹部の内周との間の圧力を排出す
る圧力抜き穴を、シリンダヘッドを貫通するように設け
た。
【0021】第13の発明は、第1から11のいずれか
一つの発明において、前記シールリングの外周とシール
リングを介装する収納凹部の内周との間の圧力をヒール
側へ導く圧力抜き溝を設けた。
【0022】
【発明の作用および効果】本発明、特に第1から11の
発明では、リップ部に作用する圧力によってシールリン
グが変形する体積に相当する容積を有する隙間をヒール
部の外周側に設けたので、このような隙間を設けたこと
によって、作用圧力によるシールリングの変形をこの隙
間に導き、シールリング内周側への変形をほとんど無視
できるほどに小さくでき、ヒール部のピストンロッドと
の干渉を防止し、フリクションの増大や摩擦熱によるシ
ールリングの異常摩耗や耐久性能の低下といった不具合
を解消することが可能となる。
【0023】さらにヒール部のピストンロッド側への変
形を抑止することができるので、耐圧性能を向上するこ
ともでき、従来以上の高圧条件下でもシール性、耐久性
を確保することができる。
【0024】第12、13の発明では、支持部材に圧力
抜き穴もしくはシールリングに圧力抜き溝を設けたの
で、圧力抜き穴または溝を用いて隙間内の圧力を大気圧
側へ排出することができ、隙間に残留した流体がシール
リングの変形を阻止することを防止できる。
【0025】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態を添付図面
に基づいて説明する。
【0026】図1から図3に示すように、液圧シリンダ
20のピストンロッド2がシリンダヘッド1の摺動孔2
1を摺動自由に貫通し、この貫通部には軸受部30が形
成される。この軸受部30には軸受4と、シールリング
5が配置され、さらに最も外側に位置してダストシール
9が備えられる。軸受4とダストシール9はそれぞれ溝
24と29に圧入され、シールリング5は摺動孔21に
形成した収納凹部25に収装される。
【0027】このシールリング5は、後で詳しく述べる
ように、液圧シリンダ20のロッド側油室3に直接的に
開口する収納凹部25に装着され、作動油の圧力を直接
的に受けるリップ部10と、リップ部10に作用する圧
力をシリンダヘッド1の収納凹部25で受けるヒール部
11と、これらリップ部10とヒール部11を結ぶ中間
部12から構成される。
【0028】リップ部10は内周リップ10aと外周リ
ップ10bとに大別され、リップ部10の外周リップ1
0bの外径がヒール部11の外径よりも小さく形成され
るとともに、中間部12の外径はリップ部側からヒール
部側に向けて徐々に拡大するテーパ面12aで形成され
ている。
【0029】このシールリング5を収納するシリンダヘ
ッド1の収納凹部25も、シールリング5の外形に基本
的には対応した溝断面を持ち、リップ部10の外周リッ
プ10bの外周に接するロッド軸心と平行なリップ底壁
25a、中間部12の外周のテーパ面12aに接する傾
斜壁部25b、ヒール部11の支持面11aに接するロ
ッド軸心と直交するヒール壁25c及びヒール部11の
外周部11bと所定の隙間40を画成するヒール底壁2
5dの壁からなり、リップ部10に作用する油圧力が直
接的にヒール部11および中間部12に作用しないよう
に(すなわち作動油がヒール部11および中間部12に
漏れないように)、リップ部10の外周リップ10bの
外周が収納凹部25のリップ底壁25aの内面に、また
内周リップ10aがピストン2の外周に一定の締代を持
って密着するようになっている。
【0030】換言するとリップ部10の受圧面積Am
は、シールリング組み付け時のリップ部10の外周とピ
ストンロッド2と摺動する内周との間の環状域となり、
これに対してヒール部11の外周と内周との間の環状域
がヒール部11の支持面積Asとなり、これらの関係
は、Am<Asとなる。
【0031】なお、図3に示すように、シールリング5
の自由状態では、リップ部10の内周側のリップ10a
がピストンロッド2に所定の圧力で接触するように内径
側に締代分縮径して形成され、外周側の外周リップ10
bの外周は外径側に締代分拡径して形成され、収納凹部
25に内面密着する。
【0032】そして本発明では、ヒール部11の外周部
11bと収納凹部25のヒール底壁25dとの間に高圧
作用時のシールリング5の圧縮変形分を吸収する環状の
隙間40を形成するようにしており、その必要容積など
詳細については下記の作用とともに説明する。
【0033】また収納凹部25のリップ底壁25aは連
通穴15を介してロッド側油室3に直接連通しており、
リップ底壁25aと連通穴15はほぼ同じ径を有してい
る。
【0034】以上のように構成され、次に作用につき説
明する。
【0035】図4に示す従来のものはシールリング50
の嵌め込み溝が内外径とも平行であり、シールリング5
0のリップ部55の受圧面積Apが大きく、ヒール部5
6の支持面積Asとほぼ同じとなっている。よってリッ
プ部55に作用する圧力に起因する推力は大きくなり、
ヒール部56の面圧も大きくなる。従ってヒール部56
はつぶされて変形しようとするが、外径側はシリンダヘ
ッド1によって拘束されており、変形はピストンロッド
2側へ集中することになる。これによって、ヒール部5
6の一部がピストンロッド2に強く接触し、フリクショ
ン増加等の問題を引き起こすことになる。
【0036】これに対して、図5に示す本発明の形状の
ものは、リップ部10の受圧面積Amを小さくしたの
で、シールリング5に作用する推力を抑え、ヒール部1
1の面圧を低下することができる。これにより、シール
リング5の変形を小さくすることが可能であり、ヒール
部11のヒール部角部11iがピストンロッド2に向け
てのはみ出しを極力防止することができ、フリクション
の低減による異常摩耗や作動油の掻き出しによる油漏れ
を防止することができる。よって低フリクション化によ
り液圧シリンダー等の制御の精度を向上させることがで
きる。
【0037】また一方で、リップ部10に作用する圧力
を増大することも可能であり、これによって従来、シー
ルリング5への圧力を制限するために設けられていたバ
ッファリング等の減圧部材を廃止することも可能であ
る。
【0038】さらに、中間部12の外形をリップ部10
からヒール部11に向けて徐々に拡大するテーパ面12
aで形成したので、リップ部10の圧力分布がそのまま
ヒール部11の支持面11aに作用することなく、テー
パ面12aに沿うように圧力分布も分散し、ヒール部1
1ではヒール部11の支持面11a全面にわたり圧力を
分散分布とすることができる。よって、ヒール部11に
作用する圧力はリップ部10の作用圧力に対して、その
面積比で小さくすることができる。
【0039】次に本発明の最も特徴のある部分であるヒ
ール部11の外周部11bに設けられた環状の隙間40
について説明する。
【0040】シールリング5のヒール部11外周部11
bと環状凹部25のヒール底壁25dとによって画成さ
れる環状の隙間40の容積は、リップ部10の受圧面積
投影下の体積を受圧面積で除することによって定まる環
状円柱の高さHが、リップ部10に作用する圧力によっ
て変形する体積に相当するように環状の隙間40の容積
は設定されており、このように設定することにより、圧
力が作用することによるシールリング5の変形、すなわ
ち環状円柱の高さHの減少分に相当する体積はそのほと
んどが隙間40に入り込むことによって吸収され、シー
ルリング5の内径の変形はほとんどなく、摺動部のフリ
クションの増加や油漏れといったシールリング5の内径
側の寸法変化によって引き起こされると考えられる不具
合を確実に防止することができる。
【0041】したがってシールリング5に作用する圧力
の広範な領域で、シールリング5の内径側寸法変化を抑
えることができ、高圧域まで安定したシール機能を発揮
することが可能である。
【0042】ところで、発明者らはシールリングの変形
を環状円柱体の変形と見做し、下面を支持し、上面に一
定の分布荷重を負荷した環状円柱状のモデルを作成し、
内外周の支持条件を変化させて、モデルの変形を確認す
る解析を行った。
【0043】その結果、表1に示すように内外周をフリ
ー状態にするとモデルは内外周ともに拡径し、内周をフ
リー状態、外周を拘束状態にすると、内周が縮径するこ
とがわかった。
【0044】
【表1】
【0045】この結果より、本発明のように外径の拡径
を制御することによって、内径の変形をゼロとすること
ができることを確認した。
【0046】発明者がさらに詳細に内径変形をゼロにす
る条件を検討した結果では、隙間40と隙間40以外に
存在する隙間、例えばシールリング5の内径部とピスト
ンロッド2との摺動面に存在する隙間40a等の総容積
は、シールリング5の体積の10〜35%に相当する容
積であることが望ましく、かつシールリング5の外周側
に存在する環状の隙間40を含む外周側隙間の総容積
は、内周側隙間の総容積の0.6倍以上の容積を確保す
ることが望ましいことがわかった。
【0047】図6に第2の実施形態を示し、これは収納
凹部25のヒール底壁25dに対面するシールリング5
のヒール部11近傍の外周部11bをテーパ形状とし、
収納凹部25とヒール部25との間に三角形断面の環状
隙間41を形成したものである。つまりシールリング5
の変形吸収隙間40は、シールリング5側に設けてもよ
いのである。
【0048】図7に第3の実施形態を示す。これは収納
凹部25のヒール底壁25dとシールリング5のヒール
部11外周部11bを接するようにした上で、ヒール部
25外周部11bに複数の環状隙間42を設けたもので
ある。
【0049】図8に第4の実施形態を示す。これはヒー
ル部11の外周部11bと収納凹部25のヒール底壁2
5dとの間の隙間40に加えて、シールリング5の中間
部12のテーパ面12aと収納凹部25の傾斜壁部25
bとの間にも隙間43を設けたものである。
【0050】図9に第5の実施形態を示す。これはシー
ルリング5の中間部12のテーパ面12aとそれに接す
る収納凹部25の傾斜壁部25bを円弧状に形成したも
のであるが、ヒール部11の外周部には、上記と同様に
隙間40が形成される。
【0051】なお本実施形態ではシールリング5の形状
が、リップ部10の受圧面積とヒール部11の支持面積
とが異なるシール形状で説明したが、この形状に特定さ
れるものではない。
【0052】すなわち従来の受圧面積と支持面積とがほ
ぼ同じシール構造にも適用可能であり、この場合につい
て次に説明する。
【0053】図10に第6の実施形態として本発明を従
来の環状円柱形状を有するシールリングに適用したもの
を示す。第1の実施形態と相違する部分は、シールリン
グが受圧面積と支持面積とがほぼ同じシールリング5に
変更になっていること、シールリング5のリップ部10
は油室3への移動を制限する環状の壁41が設けられる
ことがあげられる。
【0054】すなわち収納凹部25は、シールリング5
のリップ部10の密着するリップ底壁25aの径と、ヒ
ール部11との間に隙間40を画成するヒール底壁25
eの径とは異なり、ヒール底壁25eの径が大きい構成
となる。この場合にも、リップ部10に高圧が作用した
ときに、ヒール部11の圧縮変形部分は隙間40に吸収
され、ロッド摺動面側への変形が阻止される。
【0055】この場合のシールリング5の隙間40の容
積について説明する。
【0056】隙間の必要容積については第1の実施形態
と同様に考え、発明者の検討によれば、隙間の総容積
は、シールリング5の体積の20〜45%に相当する容
積であることが望ましく、かつシールリング5の外周側
に存在する隙間40を含む外周側隙間の総容積は、内周
側隙間40aの総容積の1.0倍以上の容積を確保する
ことが望ましい。
【0057】図11に第7の実施形態を示し、シールリ
ング5のヒール部11外周部11bを径の異なる段差部
にて形成し、段差部と収納凹部25との間で隙間44を
設けたものである。
【0058】これら第2から7の実施形態は、第1の実
施形態で説明したシールリング5が圧力によって変形し
たときの逃げ部としての隙間の他の形状を示しており、
隙間の必要容積に基づいて隙間の容積を決定することは
言うまでもない。
【0059】さらに図12に第8の実施形態を示し、こ
れは前記シールリング5の外周部と収納凹部25の内周
部との間の圧力を大気圧のヒール部11へ排出する圧力
抜き溝14を設けたものである。なおリップ部10は油
室3の高圧が直接作用するが、ヒール部11は圧力が遮
断され、通常は大気圧に近い圧力に維持されている。
【0060】このような構成とすることで、シールリン
グ5の中間部12と収納凹部25の傾斜壁部25bとの
間に残留した流体及び隙間45の封入流体が圧力抜き溝
14より大気圧のヒール部11側へと排出されるので、
封入流体がシールリング5の変形を阻止するのを防止で
きる。
【0061】図13に第9の実施形態を示す。これはシ
ールリング5の中間部12の外周部とシールリング5を
介装する収納凹部25の内周部(傾斜壁25b、ヒール
底壁25d)との間の封入流体を排出する圧力抜き穴1
3をシリンダヘッド1を貫通し、シールリング5の外周
部に臨むように設けたものである。
【0062】このような構成とすることで、圧力作用時
に隙間46に存在する封入流体が圧縮され、シールリン
グ5の変形を阻止する恐れがあるが、圧縮される封入流
体の逃げ道としての圧力抜き穴13を設けることによっ
て防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す構成図。
【図2】同じくシールリングの詳細形状を示す要部断面
図。
【図3】同じくシールリングのフリー形状を示す断面
図。
【図4】従来のシールリング形状での作用圧力と変形を
示す模式図。
【図5】第1の実施形態でのシールリングの作用圧力と
変形を示す模式図
【図6】第2の実施形態の形状を示す要部断面図。
【図7】第3の実施形態の形状を示す要部断面図。
【図8】第4の実施形態の形状を示す要部断面図。
【図9】第5の実施形態の形状を示す要部断面図。
【図10】第6の実施形態の形状を示す要部断面図。
【図11】第7の実施形態の形状を示す要部断面図。
【図12】第8の実施形態の形状を示す要部断面図。
【図13】第9の実施形態の形状を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 2 ピストンロッド 4 軸受 5 シールリング 10 リップ部 11 ヒール部 12 中間部 13 圧力抜き穴 14 圧力抜き溝 25 収納凹部 40 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神田 政秀 東京都港区浜松町二丁目4番1号世界貿易 センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 満嶋 弘二 東京都港区浜松町二丁目4番1号世界貿易 センタービル カヤバ工業株式会社内 Fターム(参考) 3J043 AA13 BA09 CA02 DA20

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンロッドと、ピストンロッドを摺
    動可能に支持するシリンダヘッドと、ピストンロッドと
    シリンダヘッドとの間に介装されたシールリングとを備
    えたシール構造において、 前記シールリングはシリンダヘッドの摺動面に設けられ
    た収納凹部に収装され、 外周部が収納凹部と密着し、内周部がピストンロッドと
    密着するリップ部と、作動油の圧力が上昇し、シールリ
    ングに作用する圧力を収納凹部の壁面で支持するヒール
    部と、ヒール部側の内周とピストンロッドとの間の隙間
    とを有し、 前記リップ部の受圧面積を前記ヒール部の支持面積より
    も小さく形成し、 ヒール部の外周と収納凹部の内周との間に所定のシール
    リング変形吸収用の隙間を画成したことを特徴とするシ
    −ル構造。
  2. 【請求項2】 ピストンロッドと、ピストンロッドを摺
    動可能に支持するシリンダヘッドと、ピストンロッドと
    シリンダヘッドとの間に介装されたシールリングとを備
    えたシール構造において、 前記シールリングはシリンダヘッドの摺動面に設けられ
    た収納凹部に収装され、 外周部が収納凹部と密着し、内周部がピストンロッドと
    密着するリップ部と、作動油の圧力が上昇し、シールリ
    ングに作用する圧力を収納凹部の壁面で支持するヒール
    部と、ヒール部側の内周とピストンロッドとの間に隙間
    とを有し、 前記リップ部の受圧面積とヒール部の支持面積が略同一
    に形成される一方、 ヒール部の外周と収納凹部の内周との間に所定のシール
    リング変形吸収用の隙間を画成したことを特徴とするシ
    −ル構造。
  3. 【請求項3】 前記ヒール部の内外周隙間の合計容積
    は、リップ部の受圧面積投影下の環状円柱体の体積の1
    0〜35%の容積であり、かつ外周部に設けた隙間の容
    積は内周部の隙間の容積の0.6倍以上であることを特
    徴とする請求項1に記載のシール構造。
  4. 【請求項4】 前記ヒール部の内外周隙間の合計容積
    は、シールリングの体積の20〜45%の容積であり、
    かつ外周部に設けた隙間の容積は内周部の隙間の容積の
    1.0倍以上であることを特徴とする請求項2に記載の
    シール構造。
  5. 【請求項5】 前記ヒール部の外周隙間をシリンダヘッ
    ドの収納凹部に凹状に設けたことを特徴とする請求項1
    から4のいずれか一つに記載のシール構造。
  6. 【請求項6】 前記ヒール部の外周隙間をシールリング
    に凹状に設けたことを特徴とする請求項1から4のいず
    れか一つに記載のシール構造。
  7. 【請求項7】 前記シールリングのヒール部外周はテー
    パ形状を有することを特徴する請求項1から4、6のい
    ずれか一つに記載のシール構造。
  8. 【請求項8】 前記シールリングのヒール部外周に収納
    凹部との間で複数の環状隙間を形成する環状溝を形成す
    ることを特徴とする請求項1から4、6のいずれか一つ
    に記載のシール構造。
  9. 【請求項9】 前記シールリングのリップ部とヒール部
    の間をテーパ状の中間部で形成し、シールリングの中間
    部と対面する収納凹部の内周との間に隙間を設けたこと
    を特徴とする請求項1または3に記載のシール構造。
  10. 【請求項10】 前記シールリングの中間部とそれに接
    する収納凹部の内周を円弧状に形成したことを特徴とす
    る請求項1または3に記載のシール構造。
  11. 【請求項11】 前記シールリングのヒール部外周を径
    の異なる複数の段差部にて形成したことを特徴とする請
    求項1から6のいずれか一つに記載のシール構造。
  12. 【請求項12】 前記シールリングの外周とシールリン
    グを介装する収納凹部の内周との間の圧力を排出する圧
    力抜き穴を、シリンダヘッドを貫通するように設けたこ
    とを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載
    のシール構造。
  13. 【請求項13】 前記シールリングの外周とシールリン
    グを介装する収納凹部の内周との間の圧力をヒール側へ
    導く圧力抜き溝を設けたことを特徴とする請求項1から
    11のいずれか一つに記載のシール構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014214769A (ja) * 2013-04-23 2014-11-17 日本バルカー工業株式会社 シール構造
KR101759492B1 (ko) * 2015-12-21 2017-07-31 (주)모토닉 수소 연료전지 차량용 레귤레이터의 실링구조
JP2018080688A (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 株式会社アドヴィックス ピストンポンプ

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