JPH01241307A - 高クロム鋳鉄複合ロール - Google Patents
高クロム鋳鉄複合ロールInfo
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- JPH01241307A JPH01241307A JP6883388A JP6883388A JPH01241307A JP H01241307 A JPH01241307 A JP H01241307A JP 6883388 A JP6883388 A JP 6883388A JP 6883388 A JP6883388 A JP 6883388A JP H01241307 A JPH01241307 A JP H01241307A
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B27/00—Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は外層を高クロム鋳鉄とし、内層をダクタイル鋳
鉄とし、外層と内層との境界部が強靭な熱間又は冷間圧
延用複合ロールに係わるものである。
鉄とし、外層と内層との境界部が強靭な熱間又は冷間圧
延用複合ロールに係わるものである。
圧延用ロールはロール原単位向上のため一般に摩耗及び
消耗の少ないことが要求される。このために、熱間圧延
用ワークロールとしては耐摩耗性、両肌あれ性が必要で
ある。また、冷間圧延用ワークロールにおいても耐摩耗
性を得るために高硬さと漂砂性が要求される。
消耗の少ないことが要求される。このために、熱間圧延
用ワークロールとしては耐摩耗性、両肌あれ性が必要で
ある。また、冷間圧延用ワークロールにおいても耐摩耗
性を得るために高硬さと漂砂性が要求される。
高クロム鋳鉄は強靭な゛基地組織とネットワーク状の高
硬度M?C3炭化物を有するため耐摩耗性に優れている
。また、適切な熱処理によって高硬さを得ることも可能
である。このような特性を持つ高クロム鋳鉄は一般に強
靭性に富む内層と組合せて複合化し、熱間又は冷間圧延
用ワークロールとして用いられている。内層の材質とし
てはロールの強靭性を得るためにダクタイル鋳鉄が広く
用いられている。
硬度M?C3炭化物を有するため耐摩耗性に優れている
。また、適切な熱処理によって高硬さを得ることも可能
である。このような特性を持つ高クロム鋳鉄は一般に強
靭性に富む内層と組合せて複合化し、熱間又は冷間圧延
用ワークロールとして用いられている。内層の材質とし
てはロールの強靭性を得るためにダクタイル鋳鉄が広く
用いられている。
このような内層がダクタイル鋳鉄の高クロム鋳鉄複合ロ
ールとしては例えば特公昭61−46544号公報に開
示がある。このロールの化学成分は重量比で、外層はC
2,0〜3.2%、Si0.5〜1.5%、Mn0.5
〜1.5%、P 0.08%以下、30.06%以下、
Ni0.5〜2.0%、Cr10〜25%、Mo0.5
〜3.0%、内層はC3,4%を越え3.8%以下、S
i2、4〜3.0%、Mn0.2〜]、 0%、Po、
1%以下、30、02%以下、Ni2.0%以下、Cr
1.O〜1.5%、Mo 1.0%以下、Hg0.02
〜0.1%であり、特に内層を高C高Siの特定組成の
ダクタイル鋳鉄にすることにより黒鉛化をはかり所要の
強度を確保したものである。
ールとしては例えば特公昭61−46544号公報に開
示がある。このロールの化学成分は重量比で、外層はC
2,0〜3.2%、Si0.5〜1.5%、Mn0.5
〜1.5%、P 0.08%以下、30.06%以下、
Ni0.5〜2.0%、Cr10〜25%、Mo0.5
〜3.0%、内層はC3,4%を越え3.8%以下、S
i2、4〜3.0%、Mn0.2〜]、 0%、Po、
1%以下、30、02%以下、Ni2.0%以下、Cr
1.O〜1.5%、Mo 1.0%以下、Hg0.02
〜0.1%であり、特に内層を高C高Siの特定組成の
ダクタイル鋳鉄にすることにより黒鉛化をはかり所要の
強度を確保したものである。
〔発明が解決しようとする問題点]
ダクタイル鋳鉄内層の高クロム鋳鉄複合ロールは、一般
に遠心鋳造法によって鋳造された外層高クロム鋳鉄スリ
ーブの内側に内層ダクタイル鋳鉄を鋳込み、両者を溶着
一体化することにより製造される。この時、高Cr成分
の外層スリーブの内面側は内層ダクタイル鋳鉄と融合す
るのであるが、外層と内層との境界部には第3図に例示
するような組織が急激に変化する層が形成される。同図
において左側が外層高クロム鋳鉄、右側が内層ダクタイ
ル鋳鉄、中央部が両者の融合境界部である。
に遠心鋳造法によって鋳造された外層高クロム鋳鉄スリ
ーブの内側に内層ダクタイル鋳鉄を鋳込み、両者を溶着
一体化することにより製造される。この時、高Cr成分
の外層スリーブの内面側は内層ダクタイル鋳鉄と融合す
るのであるが、外層と内層との境界部には第3図に例示
するような組織が急激に変化する層が形成される。同図
において左側が外層高クロム鋳鉄、右側が内層ダクタイ
ル鋳鉄、中央部が両者の融合境界部である。
融合境界部には白色に見える炭化物が綿状に配列した炭
化物富化層が形成されている。この炭化物富化層は脆弱
かつ線状を呈するためロール破壊の起点になりやすい。
化物富化層が形成されている。この炭化物富化層は脆弱
かつ線状を呈するためロール破壊の起点になりやすい。
また、他から進展してきた亀裂が優先的に通過しやすい
ため外層剥離事故を引き起こしやすいという問題点があ
る。
ため外層剥離事故を引き起こしやすいという問題点があ
る。
本発明はこのような問題点に対処するためになされたも
ので、高クロム−鋳鉄複合ロールの外層と内層との境界
において急激な組織変化を伴う炭化物富化層がなく、そ
の結果、ロール破壊の起点となりにくく同時に優先的な
亀裂の進展が起らないような境界部を有する複合ロール
を提供するものである。
ので、高クロム−鋳鉄複合ロールの外層と内層との境界
において急激な組織変化を伴う炭化物富化層がなく、そ
の結果、ロール破壊の起点となりにくく同時に優先的な
亀裂の進展が起らないような境界部を有する複合ロール
を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段]
本発明においては、遠心鋳造した高クロム鋳鉄の外層と
ダクタイル鋳鉄の内層からなる複合ロールの境界融合部
に存在する炭化物富化層の生成防止について研究の結果
、次のような新しい知見を得た。
ダクタイル鋳鉄の内層からなる複合ロールの境界融合部
に存在する炭化物富化層の生成防止について研究の結果
、次のような新しい知見を得た。
(1)外層と内層の化学成分の組合せを内層の凝固開始
温度が外層の凝固完了温度より高く、かつ両者の温度の
差が120℃以上となるように選択することにより炭化
物富化層の生成が防止できる。
温度が外層の凝固完了温度より高く、かつ両者の温度の
差が120℃以上となるように選択することにより炭化
物富化層の生成が防止できる。
(2)実用に供する高クロム鋳鉄複合ロールを得ようと
するとき、その外層と内層との化学成分の組合せは、外
層は重量比でC2,0〜3,5%、Si0、4〜1.5
%、Mn0.4〜1.5%、P 0.08%以下、30
.06%以下、Ni3.0%以下、Cr10〜22%、
Mo0.8〜8.0%、残部不純物及び実質的にFeと
し、内層は重量比で02.6〜3.5%、Si1.5〜
3.5%、Mn0.4〜1.5%、Po、1%以下、S
0.02%以下、Ni2.0%以下、Cr2.0以下
、Mo 1.0%以下、HgO101〜0.1%、残部
不純物及び実質的にFeとしたなかからjW択できる。
するとき、その外層と内層との化学成分の組合せは、外
層は重量比でC2,0〜3,5%、Si0、4〜1.5
%、Mn0.4〜1.5%、P 0.08%以下、30
.06%以下、Ni3.0%以下、Cr10〜22%、
Mo0.8〜8.0%、残部不純物及び実質的にFeと
し、内層は重量比で02.6〜3.5%、Si1.5〜
3.5%、Mn0.4〜1.5%、Po、1%以下、S
0.02%以下、Ni2.0%以下、Cr2.0以下
、Mo 1.0%以下、HgO101〜0.1%、残部
不純物及び実質的にFeとしたなかからjW択できる。
[作 用]
遠心鋳造した高クロム鋳鉄の外層用スリーブの内側に内
層用のダクタイル鋳造溶湯を注入すると、内層溶湯の熱
贋により外層スリーブはその最内面から再溶融が起る。
層用のダクタイル鋳造溶湯を注入すると、内層溶湯の熱
贋により外層スリーブはその最内面から再溶融が起る。
固相と液相との界面の外層側には半溶融部、内層側には
Crなどの外層成分が拡散した液相が存在する。ある程
度外層が再溶融した後、外層側からの冷却により再凝固
が始まる。
Crなどの外層成分が拡散した液相が存在する。ある程
度外層が再溶融した後、外層側からの冷却により再凝固
が始まる。
そして、外層側の半溶融部には内層のCが拡散して富化
することにより、炭化物富化層が形成されるものと考え
られる。
することにより、炭化物富化層が形成されるものと考え
られる。
このとき、極端な例として内層の概固開始温度が外層の
凝固完了温度より低い場合は、外層が完全に凝固を完了
した後に内層の凝固が開始するので、境界融合部を形成
するとき外層及び内層の固相と液相の共存範囲がなく、
境界部は直線的かつ炭化物が狭い範囲に密集富化された
組織になる。
凝固完了温度より低い場合は、外層が完全に凝固を完了
した後に内層の凝固が開始するので、境界融合部を形成
するとき外層及び内層の固相と液相の共存範囲がなく、
境界部は直線的かつ炭化物が狭い範囲に密集富化された
組織になる。
逆に、内層の凝固開始温度が外層の凝固完了温度より高
い場合は、境界融合部を形成するとき外層及び内層とも
に固相と液相の共存範囲をもった形で凝固が進行するた
め境界部は不明になるとともに炭化物富化層は幅をもっ
て形成されるようになる。内層の凝固開始温度が外層の
凝固完了温度よりも特に高い場合は、境界部形成時の外
層及び内層の固相と液相の共存範囲が更に広くなり、境
界融合部の組織は更に不明瞭になるとともに炭化物密度
も低くなってくる。このようにして、炭化物富化層の形
成を防止するには内層凝固開始温度と外層凝固完了温度
との差として120℃以上必要である。
い場合は、境界融合部を形成するとき外層及び内層とも
に固相と液相の共存範囲をもった形で凝固が進行するた
め境界部は不明になるとともに炭化物富化層は幅をもっ
て形成されるようになる。内層の凝固開始温度が外層の
凝固完了温度よりも特に高い場合は、境界部形成時の外
層及び内層の固相と液相の共存範囲が更に広くなり、境
界融合部の組織は更に不明瞭になるとともに炭化物密度
も低くなってくる。このようにして、炭化物富化層の形
成を防止するには内層凝固開始温度と外層凝固完了温度
との差として120℃以上必要である。
次に本発明の高クロム鋳鉄複合ロールの外層及び内層の
化学成分は、基本的にはロールとして機能する成分範囲
とし、この範囲内において上記温度差が120℃以上と
なるように外層及び内層の成分の組合せを選択する必要
がある。外層及び内層の化学成分の設定理由は次の通り
である。
化学成分は、基本的にはロールとして機能する成分範囲
とし、この範囲内において上記温度差が120℃以上と
なるように外層及び内層の成分の組合せを選択する必要
がある。外層及び内層の化学成分の設定理由は次の通り
である。
外層
C: 2. O〜3.5%
Cは耐摩耗性に有効なM7Ci共品炭化物が適当量晶出
するよう調整する必要がある。Cが2.0%未満では共
晶炭化物量が少ないため耐摩耗性が十分でない。また、
3.5%を越えると共晶付近の組成となるため靭性が低
下する。
するよう調整する必要がある。Cが2.0%未満では共
晶炭化物量が少ないため耐摩耗性が十分でない。また、
3.5%を越えると共晶付近の組成となるため靭性が低
下する。
Si : O64〜1.5%
Siは脱酸剤として0.4%以上必要であるが、1.5
%を越えると材質的に脆くなるので好ましくない。
%を越えると材質的に脆くなるので好ましくない。
Mn:0.4〜1.5%
Mnは脱酸およびMnSとしてSを固定するために0.
4%以上必要であるが、1.5%を越えると靭性が低下
するので適当でない。
4%以上必要であるが、1.5%を越えると靭性が低下
するので適当でない。
P:0.08%以下
Pは材質の脆化をもたらすためなるべく少ない方がよい
。0.08%以下ではその実害がない。
。0.08%以下ではその実害がない。
S : 0.06%以下
Sも材質を晩(するため0.06%以下とすることが必
要である。
要である。
Ni:3.0%以下
Niは焼入れ性を改善するために添加するが、3.0%
を越えるとオーステナイトが安定化しすぎるため硬さ不
足をもたらす。
を越えるとオーステナイトが安定化しすぎるため硬さ不
足をもたらす。
Cr:10〜22%
CrはC量との組合せで共晶炭化物量を決定する元素で
ある。Crが10%未満では共晶炭化物量が少なく耐摩
耗性に劣る。しかし、22%を越えると共晶組成に近づ
き炭化物量が多くなりすぎるため靭性が低下する。
ある。Crが10%未満では共晶炭化物量が少なく耐摩
耗性に劣る。しかし、22%を越えると共晶組成に近づ
き炭化物量が多くなりすぎるため靭性が低下する。
Mo : 0.8〜8%
Moは焼入性を増加するとともに焼戻し軟化抵抗を高め
るため耐摩耗性の向上に有効である。更に本発明におい
ては、外層の凝固完了温度を下げて内層の凝固開始温度
との差を大きくし、境界部の炭化物富化層の生成防止に
有効である。
るため耐摩耗性の向上に有効である。更に本発明におい
ては、外層の凝固完了温度を下げて内層の凝固開始温度
との差を大きくし、境界部の炭化物富化層の生成防止に
有効である。
外層の凝固完了温度はMO基以外元素としてCrに比較
的大きく影古され、CrはMoとは逆に外層の凝固完了
温度を上昇させる。また、内層の凝固開始温度と外層の
凝固完了温度との温度差を大きくしようとするとき、内
層のC量も比較的大きく影響し、C贋が増加すると凝固
開始温度は低下する。
的大きく影古され、CrはMoとは逆に外層の凝固完了
温度を上昇させる。また、内層の凝固開始温度と外層の
凝固完了温度との温度差を大きくしようとするとき、内
層のC量も比較的大きく影響し、C贋が増加すると凝固
開始温度は低下する。
これらの関係により、本願発明成分の外層Crl及び内
層C量を下限域に設定し、上記温度差を120℃以上に
して炭化物富化層の生成防止に必要なMoiの下限値は
0.8%である。そして、Mo量の増加とともに上記温
度差が増大して境界部組織の改善が図られ、特に3%を
越えると急激に炭化物の富化がな(なり、境界部が強化
される。しかし、8%を超えるとその効果は飽和すると
ともに製造原価的にも不利となる。
層C量を下限域に設定し、上記温度差を120℃以上に
して炭化物富化層の生成防止に必要なMoiの下限値は
0.8%である。そして、Mo量の増加とともに上記温
度差が増大して境界部組織の改善が図られ、特に3%を
越えると急激に炭化物の富化がな(なり、境界部が強化
される。しかし、8%を超えるとその効果は飽和すると
ともに製造原価的にも不利となる。
Fe及び不純物:残部
内層
C:2,6〜3.8%
Cは鋳鉄を構成する基本元素であり、十分な黒鉛化のた
め2.6%以上必要である。3.8%を越えると逆に黒
鉛量過多とな゛り強度が不足する。
め2.6%以上必要である。3.8%を越えると逆に黒
鉛量過多とな゛り強度が不足する。
Si:1.5〜3.5%
Siは黒鉛化のため添加する元素で1.5%以上必要で
ある。しかし3.5%を越えると材質が脆化する。
ある。しかし3.5%を越えると材質が脆化する。
Mn : 0.4〜1.5%
Mnは脱酸およびSの固定のため0.4%以上必要であ
る。しかし1.5%を越えると材質が劣化する。
る。しかし1.5%を越えると材質が劣化する。
P : 0.1%以下
Pは材質の脆化をもたらすので少ないほどよく、実害の
ない0.1%以下に抑える必要がある。
ない0.1%以下に抑える必要がある。
S:0.02%以下
Sは材質の脆化をもたらすと共にm、Hと結合し黒鉛の
球状化を阻害するので0.02%以下になるようにする
必要がある。
球状化を阻害するので0.02%以下になるようにする
必要がある。
Ni:2.0%以下
Niは黒鉛化を助長するとともに材質を強化する作用が
あるが、2.0%を越えても顕著な効果はない。
あるが、2.0%を越えても顕著な効果はない。
Cr : 2.0%以下
Crは白銑化元素であり強度向上に効果があるが2.0
%を越えると逆に黒鉛化不足となり材質の靭性劣化をき
たす。
%を越えると逆に黒鉛化不足となり材質の靭性劣化をき
たす。
Mo:1.0%以下
MOは黒鉛化阻害元素であり実害のない1.0%以下に
する必要がある。
する必要がある。
Hg:0.01〜0.1%
1’1gはダクタイル鋳鉄の黒鉛球状化剤であり0.0
1%以−ヒは必要である。しかし0.1%を越えると黒
鉛化不足およびドロス発生をもたらすので適当でない。
1%以−ヒは必要である。しかし0.1%を越えると黒
鉛化不足およびドロス発生をもたらすので適当でない。
Fe及び不純物:残部
〔実施例]
祠径φ832mm、胴長2286 mmのロールを第1
表にて示す本発明例(A、B)及び従来例(C)高クロ
ム鋳鉄複合ロール成分にて製作した。外層は遠心鋳造法
により鋳造し、外層のスリーブがgJ固した後に内層の
ダクタイル鋳鉄溶湯を注入し、外層 と内層を融合一体化した第1表の化学成分からなる複合
ロールを製作した。各ロールの内層凝固開始温度及び外
層凝固完了温度は実験室的に熱分析をして求めた。これ
らの温度及びその温度差を第2表に示す。これらのロー
ルの外層と内層の境界部の顕微鏡組織は本発明ロールA
の場合を第1図、本発明ロールBの場合を第2図、従来
ロールCの場合を第3図に示す。これらの図において、
左側が外層の高クロム鋳鉄、右側が内層のダクタイル鋳
鉄、中央部が外層と内層との融合境界部である。
表にて示す本発明例(A、B)及び従来例(C)高クロ
ム鋳鉄複合ロール成分にて製作した。外層は遠心鋳造法
により鋳造し、外層のスリーブがgJ固した後に内層の
ダクタイル鋳鉄溶湯を注入し、外層 と内層を融合一体化した第1表の化学成分からなる複合
ロールを製作した。各ロールの内層凝固開始温度及び外
層凝固完了温度は実験室的に熱分析をして求めた。これ
らの温度及びその温度差を第2表に示す。これらのロー
ルの外層と内層の境界部の顕微鏡組織は本発明ロールA
の場合を第1図、本発明ロールBの場合を第2図、従来
ロールCの場合を第3図に示す。これらの図において、
左側が外層の高クロム鋳鉄、右側が内層のダクタイル鋳
鉄、中央部が外層と内層との融合境界部である。
第3図の従来ロールの境界には急激な組織変化を伴う直
線的な炭化物富化層が生じているのに対し、第1図及び
第2図の本発明のロールは境界での組織変化がゆるやか
であり、その形状も直線的ではなく凹凸のあるものとな
っている。第2表には各ロールから境界部をはさんだ半
径方向の引張試験片を採取して試験した結果も示す。本
発明ロールはいずれも脆弱な炭化物富化層がないため、
従来ロールに比べて約10kg/rrrra”の引張強
さの向上がみられる。
線的な炭化物富化層が生じているのに対し、第1図及び
第2図の本発明のロールは境界での組織変化がゆるやか
であり、その形状も直線的ではなく凹凸のあるものとな
っている。第2表には各ロールから境界部をはさんだ半
径方向の引張試験片を採取して試験した結果も示す。本
発明ロールはいずれも脆弱な炭化物富化層がないため、
従来ロールに比べて約10kg/rrrra”の引張強
さの向上がみられる。
本発明は高クロム鋳鉄複合ロールの外層と内層との境界
部の脆弱な炭化物富化層の生成を防止したことにあり、
これにより境界部を起点とする破壊や境界部を伝播する
ロールの破壊事故を排除できる。外層の剥離を伴うよう
なロール破壊が生じると、ロールが破壊するだけでなく
、ロールが組み込まれている圧延機の水、油、電気など
の配管、配線が…傷を受けるために復旧作業に手間取り
、長時間の圧延作業停止を余儀なくされる。また、この
ような圧延機の突発的な停止は被圧延材の加熱に用いら
れる加熱炉の停止あるいは連続鋳造後のスラブの冷却を
伴うので、多大なエネルギー損失となる。本発明の高ク
ロム鋳鉄複合ロールはこれらの損害を完全に排除し、し
かも圧延摩耗や肌あれに対しても優れているため、圧延
作業の高効率化の達成と高品質の圧延製品の生産を可能
にするものである。
部の脆弱な炭化物富化層の生成を防止したことにあり、
これにより境界部を起点とする破壊や境界部を伝播する
ロールの破壊事故を排除できる。外層の剥離を伴うよう
なロール破壊が生じると、ロールが破壊するだけでなく
、ロールが組み込まれている圧延機の水、油、電気など
の配管、配線が…傷を受けるために復旧作業に手間取り
、長時間の圧延作業停止を余儀なくされる。また、この
ような圧延機の突発的な停止は被圧延材の加熱に用いら
れる加熱炉の停止あるいは連続鋳造後のスラブの冷却を
伴うので、多大なエネルギー損失となる。本発明の高ク
ロム鋳鉄複合ロールはこれらの損害を完全に排除し、し
かも圧延摩耗や肌あれに対しても優れているため、圧延
作業の高効率化の達成と高品質の圧延製品の生産を可能
にするものである。
第1図及び第2図は本発明実施例ロール、第3図は比較
の従来例ロールの外層と内層との境界部状況を示す倍率
20倍の顕微鏡金属組織写真である。 第1図 7・島熊 第3図 手続補正書 平成1年2月e日 特許庁長官 吉 1)文 毅 殿 1 事件(1)a示、和。3年 特許願 第。8833
72 発1′11(7)、fJ高クロム鋳鉄複合ロール
3補正をする者 事件との関係 特許出願人 電話 東京一284−4642
の従来例ロールの外層と内層との境界部状況を示す倍率
20倍の顕微鏡金属組織写真である。 第1図 7・島熊 第3図 手続補正書 平成1年2月e日 特許庁長官 吉 1)文 毅 殿 1 事件(1)a示、和。3年 特許願 第。8833
72 発1′11(7)、fJ高クロム鋳鉄複合ロール
3補正をする者 事件との関係 特許出願人 電話 東京一284−4642
Claims (2)
- (1)遠心鋳造法により鋳造した高クロム鋳鉄の外層用
スリーブの内側に、内層となるダクタイル鋳鉄を鋳造し
、外層と内層との境界部に融合層を形成して溶着一体化
した複合ロールにおいて、内層の凝固開始温度が外層の
凝固完了温度より高く、かつ両者の温度の差が120℃
以上であることを特徴とする高クロム鋳鉄複合ロール。 - (2)外層の化学成分が重量比でC2.0〜3.5%、
Si0.4〜1.5%、Mn0.4〜1.5%、P0.
08%以下、S0.06%以下、Ni3.0%以下、C
r10〜22%、Mo0.8〜8.0%、残部不純物及
び実質的にFeからなり、内層の化学成分が重量比でC
2.6〜3.5%、Si1.5〜3.5%、Mn0.4
〜1.5%、P0.1%以下、S0.02%以下、Ni
2.0%以下、Cr2.0以下、Mo1.0%以下、H
g0.01〜0.1%、残部不純物及び実質的にFeか
らなる請求項1記載の複合ロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6883388A JP2588573B2 (ja) | 1988-03-23 | 1988-03-23 | 高クロム鋳鉄複合ロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6883388A JP2588573B2 (ja) | 1988-03-23 | 1988-03-23 | 高クロム鋳鉄複合ロール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01241307A true JPH01241307A (ja) | 1989-09-26 |
JP2588573B2 JP2588573B2 (ja) | 1997-03-05 |
Family
ID=13385095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6883388A Expired - Lifetime JP2588573B2 (ja) | 1988-03-23 | 1988-03-23 | 高クロム鋳鉄複合ロール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2588573B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007125563A (ja) * | 2005-11-01 | 2007-05-24 | Hitachi Metals Ltd | 圧延用複合ロール |
JP2007144443A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Hitachi Metals Ltd | 圧延用複合ロール |
JP2007144444A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Hitachi Metals Ltd | 圧延用複合ロール |
-
1988
- 1988-03-23 JP JP6883388A patent/JP2588573B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007125563A (ja) * | 2005-11-01 | 2007-05-24 | Hitachi Metals Ltd | 圧延用複合ロール |
JP2007144443A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Hitachi Metals Ltd | 圧延用複合ロール |
JP2007144444A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | Hitachi Metals Ltd | 圧延用複合ロール |
JP4650737B2 (ja) * | 2005-11-25 | 2011-03-16 | 日立金属株式会社 | 圧延用複合ロール |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2588573B2 (ja) | 1997-03-05 |
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