JP2694065B2 - 複合ロール - Google Patents

複合ロール

Info

Publication number
JP2694065B2
JP2694065B2 JP3114885A JP11488591A JP2694065B2 JP 2694065 B2 JP2694065 B2 JP 2694065B2 JP 3114885 A JP3114885 A JP 3114885A JP 11488591 A JP11488591 A JP 11488591A JP 2694065 B2 JP2694065 B2 JP 2694065B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer layer
intermediate layer
temperature
shaft core
core material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3114885A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04344806A (ja
Inventor
良登 瀬戸
昭利 岡林
長 森川
広之 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP3114885A priority Critical patent/JP2694065B2/ja
Publication of JPH04344806A publication Critical patent/JPH04344806A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2694065B2 publication Critical patent/JP2694065B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平鋼等の板状圧延材の圧
延用複合ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼圧延用ロールにおいては、圧延材と
接しこれを加工する外層には耐摩耗性を有する例えば高
Cr鋳鉄などの高合金材が使用され、中間層には例えばア
ダマイト材が、また、軸芯材には強靭性を有する例えば
ダクタイル鋳鉄がそれぞれ使用されている。このような
複合ロールは、主として遠心力鋳造法で鋳造段階にて複
合一体化される。
【0003】上記の中間層は、外層中のCr等の合金成分
が遠心力鋳造法での製造の過程で軸芯材に混入すること
による材質の劣化を防止するためのものであり、このよ
うな中間層を設けた従来の複合ロールにおいては、外層
肉厚t1が50〜90mmの場合、中間層肉厚t2は20〜30mmで、
肉厚比t2/t1は 0.2〜0.6(未満) 程度であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、外層材とし
て硬度や耐摩耗性がより優れたハイス材を使用し、ま
た、ダクタイル鋳鉄を軸芯材として用いる場合に、上記
した従来構成では、次の2つの問題点があることを知見
した。第1に、軸芯材の機械的強度の低下を充分に抑制
できないという問題である。この問題点の発生原因につ
いて詳しく説明すると次の通りである。遠心力鋳造法で
外層材質のハイス材を注湯し凝固後、中間層材の溶湯を
注湯する。この際、外層と中間層の境界を溶着一体化さ
せるため外層の一部を中間溶湯で溶かす。この時、ハイ
ス材中に高濃度で含まれるMo,V,W,Cr 等の合金成分が中
間層の溶湯中に混入し、その成分組成が変化する。次に
外層と中間層とが溶着凝固した後に軸芯材としてのダク
タイル鋳鉄の溶湯を注湯する。この場合も中間層の一部
を軸芯材溶湯で溶かし、中間層と軸芯材との溶着をする
が、この時、中間層の一部が軸芯材へ混入する。従って
結果的に、Mo,V,W,Cr 等のハイス材の合金成分が軸芯材
に混入することとなり、このような成分の混入によっ
て、ダクタイル鋳鉄からなる軸芯材の機械的強度の低下
を充分には抑制し得なくなっている。
【0005】第2に、ハイス材からなる外層の特性 (硬
さ、耐摩耗性) を出すためには、複合ロールとして形成
した後に焼入れ等の熱処理が必要であるが、その熱処理
必要温度は1100℃を超え、この温度は、ダクタイル鋳鉄
から成る軸芯材の溶融開始温度より高いため、軸芯材に
溶損を生じるおそれがある。したがって、外層の全体を
所望の温度まで加熱することができず、このため、充分
に満足し得る特性が得られない。
【0006】本発明は、上記に鑑み、軸芯材の機械的強
度を劣化させることなく、かつ、特性の優れた外層を具
備する複合ロールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の複合ロールは、ダクタイル鋳鉄からなる軸
芯材と、この軸芯材の溶融開始温度よりも高い温度に加
熱して熱処理が行われるハイス材からなる外層との間
に、アダマイト材からなる中間層が設けられ、外層肉厚
をt1、中間層肉厚をt2とすると、t2/t1= 0.6〜3.0 に
なるように中間層厚さが設定されていることを特徴とし
ている。
【0008】
【作用】上記の複合ロールは、中間層肉厚が外層肉厚の
0.6〜3.0と従来よりも厚くされているので、遠心力鋳
造により外層の内側に中間層を形成する際、中間層の溶
湯量が増大することになり、外層成分が中間層に混入し
たとしても薄められる。この結果、次の軸芯材への混入
も少なくなり、軸芯材の機械的強度の低下がより確実に
抑制される。
【0009】また、複合ロールとして形成した後に外層
の焼入れを行う場合、次のような加熱処理により、軸芯
材に溶損を生じさせることなく、外層を熱処理必要温度
まで昇温することが可能である。すなわち、例えば炉内
にこの複合ロールを装入して加熱すると、外層表面側か
らの入熱に伴い、外層表面から軸芯に向かう程温度の低
下した温度勾配がロール内部に生じた状態で、全体的に
温度が上昇していく。そして、外層全体が所望の焼入れ
温度以上に達したときに加熱を停止する。
【0010】このような加熱処理の過程において、中間
層と軸芯材との境界温度は、中間層の肉厚が厚くなった
分、外層側の温度に対してより低い温度状態で保持され
る。この結果、外層全体が所望の焼入れ温度以上に達し
たときでも、軸芯材はその溶融開始温度未満の温度まで
しか昇温していない状態をより確実に得ることができ
る。
【0011】したがって、上記のような加熱処理によ
り、軸芯材に溶損を生じさせることなく、しかも、外層
は所望の焼入れ温度まで加熱した熱処理をより確実に行
うことが可能になって、この外層に硬度や耐摩耗性など
の優れた特性を具備させることができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明に係る複合ロール半部断面図であっ
て、外層1、中間層2、軸芯材3の3層ロールであり、
外層1の肉厚はt1、中間層の肉厚はt2である。図2の複
合ロールは、外層1、複層の中間層2,2'……、軸芯材3
からなる4層ロールであり、この場合の中間層の肉厚t2
は中間層2,2'の厚さを合計したものである。
【0013】上記の各ロールは公知の遠心力鋳造法によ
り製造され、遠心力鋳造機にMo,V,W,Cr 等の組成比が高
いハイス材を外層材として注湯し、凝固後、アダマイト
材からなる中間層溶湯を注湯し、凝固後、更に、ダクタ
イル鋳鉄を軸芯材として注湯して得るのである。本発明
は、上記複合ロールにおいて、外層肉厚t1と、中間層肉
厚t2の肉厚比t2/t1を特に 0.6〜3.0 と、従来の肉厚
0.2〜0.6(未満) に比して大きくした点に特徴がある。
【0014】以下、その理由を図3により説明する。図
3は、3層ロールにおける加熱時の温度分布を示したも
ので、図中の符号は夫々つぎの温度等を示す。 Th :外層 (ハイス材) の熱処理温度 Tm :軸芯材の溶融開始温度 T1 :最外層温度 T2 :外層と中間層の境界温度 T'3 :中間層と軸芯材(肉厚薄い) の境界温度 T3 :中間層と軸芯材(肉厚厚い;本発明) の境界温度 Z :中間層が薄い場合の危険温度ゾーン いま、図1のような3層ロールの外層材を構成するハイ
ス材に熱処理(焼入等)を施すために炉に入れて加熱す
ると、熱伝導により、各部の温度はT1,T2,(T'3,T3)とな
る。この時、T2の温度が、T2≧Thになった場合に、T'
3(又はT3) <Tmでなければ軸芯材が溶ける。本発明はT3
<Tmとするために中間層肉厚を順次厚くしながら実験を
重ねたところ、t2/t1= 0.6〜3.0 が好ましい範囲であ
ることを知見したのである。
【0015】以下、本発明の具体的実施例を比較例と共
に下記に示す。 A 3層ロールの材質は、次の如くである。 ・外層材質 C:1.0〜3.0 %、Si:0.1〜2.0 %、Mn:0.1〜2.0 %、 Cr: 3 〜 10 %、Mo:0.1〜9.0 %、W: 5 〜 10 %、 V+Nb:3〜10%、Fe:残部 ・中間層材質 アダマイト ・軸芯材材質 ダクタイル B 上記材質からなる外層、中間層の各厚さを、次の表
1のように構成した。
【0016】
【表1】
【0017】上記の各実施例はいずれもt2/t1= 0.6〜
3の範囲にあり、外層の合金成分が軸芯材に混入され
ず、従って軸芯材の機械的強度を劣化させなかった。ま
た、外層の熱処理必要温度(1110〜1190℃)が軸芯材の
溶融開始温度(1100℃)より高いにも拘らず、軸芯材を
溶かさなかった。これに対し、比較例7はt2/t1=0.4
と本発明の数値範囲より小さく、従来の問題点を有して
いた。また、比較例8はt2/t1=4と本発明の数値範囲
より大きいものであるが、同例のように外層t1=25mm,
中間層t2=100mm の場合には不都合点はないが、外層t1
=50mm, 中間層t2=200mm の場合は、軸芯材とのバラン
ス、また遠心力鋳造でのバランスがいずれもとれない上
に、ロールネック部に中間層がきて健全なロールが製造
できないという問題点を有していた。
【0018】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明の複合ロー
ルは、ハイス材からなる外層の肉厚t1に対し、中間層の
肉厚t2がt2/t1= 0.6〜3.0 になるように設定されてい
るので、この複合ロールを遠心力鋳造法によって形成し
た場合でも、ダクタイル鋳鉄からなる軸芯材への外層成
分の混入による機械的強度の低下が抑制され、また、軸
芯材に溶損を生じさせずに外層を所望の温度に加熱する
熱処理をより確実に行うことができるので、軸芯材にお
ける強靱性と、外層表面の硬度や耐摩耗性とに優れた複
合ロールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合ロールの半部断面図である。
【図2】本発明に係る他の複合ロールの半部断面図であ
る。
【図3】複合ロールを外層側から加熱した場合の熱伝
導、温度分布を示した説明図である。
【符号の説明】
1 外層 2 中間層 2' 中間層 3 軸芯材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 広之 兵庫県尼崎市西向島町64番地 株式会社 クボタ 尼崎工場内 (56)参考文献 特開 昭49−2721(JP,A) 特開 昭54−125163(JP,A) 特開 昭59−24566(JP,A) 特開 昭58−221659(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダクタイル鋳鉄からなる軸芯材と、この
    軸芯材の溶融開始温度よりも高い温度に加熱して熱処理
    が行われるハイス材からなる外層との間にアダマイト材
    からなる中間層が設けられ、 外層肉厚をt1、中間層肉厚をt2とすると、 t2/t1= 0.6〜3.0 になるように中間層厚さが設定されていることを特徴と
    する複合ロール。
JP3114885A 1991-05-20 1991-05-20 複合ロール Expired - Lifetime JP2694065B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3114885A JP2694065B2 (ja) 1991-05-20 1991-05-20 複合ロール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3114885A JP2694065B2 (ja) 1991-05-20 1991-05-20 複合ロール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04344806A JPH04344806A (ja) 1992-12-01
JP2694065B2 true JP2694065B2 (ja) 1997-12-24

Family

ID=14649106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3114885A Expired - Lifetime JP2694065B2 (ja) 1991-05-20 1991-05-20 複合ロール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2694065B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5037018B2 (ja) * 1972-04-28 1975-11-29
JPS5930484B2 (ja) * 1978-03-23 1984-07-27 株式会社クボタ 複合スリ−ブ焼嵌めロ−ル
JPS5924566A (ja) * 1982-07-31 1984-02-08 Kubota Ltd 薄肉二層ダクタイル鋳鉄鋳物及びその製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04344806A (ja) 1992-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0646052B1 (en) Rolls for metal shaping
US4958422A (en) Wear-resistant compound roll
JP2778765B2 (ja) 耐摩耗複合ロール
EP0852162B1 (en) Hot rolling roll excellent in abrasion resistance and reduced in segregation of carbide
JP6474038B2 (ja) 連続鋳掛け肉盛鋳造製圧延用複合ロール
KR950006649B1 (ko) 압연용 복합로울 및 그것의 제조방법
JP2016180167A (ja) 連続鋳掛け肉盛鋳造製圧延用複合ロール
JP2694065B2 (ja) 複合ロール
JPH08325673A (ja) 耐摩耗性・耐肌荒れ性等にすぐれた圧延用複合ロール
JP2987244B2 (ja) 複合ロールの製造方法
JPS61176408A (ja) 複合リングロ−ル
JP2930881B2 (ja) 熱間圧延用ワークロール
JPH0860289A (ja) 遠心鋳造複合ロール
JP2588573B2 (ja) 高クロム鋳鉄複合ロール
JP3030077B2 (ja) 耐クラック性に優れた耐摩耗複合ロール及びその製造方法
KR102551616B1 (ko) 열간 압연용 롤 외층재 및 열간 압연용 복합 롤
JP3830688B2 (ja) 圧延用複合ロールの製造方法
JP2672598B2 (ja) 耐摩耗性および耐肌荒性に優れた黒鉛晶出高クロム鋳鉄ロール材および圧延用複合ロール
JPH0521973B2 (ja)
JPS5855550A (ja) H型鋼圧延用複合スリ−プロ−ル及びその製造法
JPH09209071A (ja) 圧延用複合ロール及びその製造方法
JPH0567697B2 (ja)
JP2636020B2 (ja) 耐摩耗性および耐肌荒性に優れた黒鉛晶出高クロム鋳鉄ロール材および圧延用複合ロール
JPH04191347A (ja) 組立式圧延ロール用中空スリーブ材
JP2000317509A (ja) 圧延用複合スリーブロール及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 14