JPH0123777Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電力機器用樹脂モールドコイルを製造
する際の金型構造に関するものである。

従来、第１図に示す如き電力機器用樹脂モール
ドコイルを製造する際、金型内に電磁素コイルを
配置し、モールド用樹脂を注入硬化させモールド
コイルを得ているが、この際、金型としては細分
化した割金型をボルト、ナツト等で接合したり、
金型全体に傾斜を付けた金型が用いられるが、前
者は各分割された割金型を組み合わせ、ボルト、
ナツトを締るのに時間を要するとともに、特にコ
イルとなつた中空を有するモールド品を製造する
際の内金型としては、組み合わせ面を一様にしな
ければ、細分化された金型が取りはずしにくい
為、非常に精密加工されたブロツクとなり、金型
費用が多大になるとともに金型が取り抜いにくい
欠点を有している。又、後者は出来上りモールド
コイルの傾斜を付けた方向の寸法に差が生じると
ともに、かなりの傾斜を付けないと離型しがたい
欠点を有していた。

本考案はこの様な欠点をなくし、安価で取り扱
いが簡単ら金型構造を提供するものである。

以下、本考案の実施例を図を参照して説明す
る。

第２図に示す様にコイルの端子口を有する部分
型１と、その両端にて外金型の底面をそれぞれ半
分づつ有する型２，３の３分割された金型を組み
合わせて外金型４を構成する。この際、接合部は
端部にＬ型鋼を溶接し、図中斜線をほどこした部
分にはゴムパツキンを介在させ、第３図に示す様
に組み合わせる。分割金型の固定は第４図に示す
様に接合部に部分的（約20cm間隔）にクランプ５
（例えばタキゲン製スーパークランプ３型）で固
定すると非常に能率的に金型を組み合わせること
ができる。さらに内型として第５図に示す様な板
金容器状型の底辺にモールドする素コイルを載せ
て外金型に収納できる合成外金型と同じ大きさの
底面を設けた板金型６に注型樹脂に対して離形性
のある高分子材料７（例えばポリテトラフルオル
エチレン）を少なくとも２辺（本実施例ではＬ字
型）に組み合わせ、そわせて内金型８を構成す
る。この様にして構成された内金型に上述した如
く電磁素コイル９を内金型底面上に配置し、これ
を第３図に示した外金型内に収納し、樹脂注入を
行いモールドコイルを製造する。

この際、内金型の一部として使用した離型性を
有する高分子材料は、注型樹脂との熱膨張率の差
が10×10^-6／℃〜50×10^-6／℃の範囲にあると、
モールド樹脂として30×10^-6／℃のエポキシ樹脂
（充填材混入）を用いた場合、その差が10×
10^-6／℃の時は樹脂硬化温度160℃から常温（20
℃）になる時点において、熱膨張係数の差により
高分子材料の収縮が大きく、樹脂硬化後の型はず
しがより容易に行い得る。

この様に本考案の金型構造は従来金型に比較
し、簡易に組立、分解ができ、安価にて、金型と
して離型の為の寸法傾斜をする事なく、取抜いが
簡単な利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は樹脂モールドコイルの斜視図、第２図
は本考案の実施例にかかる外金型の分解斜視図、
第３図は同外金型の分割金型組合せ時の斜視図、
第４図は同外金型の分割金型結合部の正面図、第
５図は内金型の斜視図、第６図は同内金型に素コ
イルを設置した状態を示す斜視図である。 １〜３……分割金型、４……内金型、５……ク
ランプ、６……板金型、７……高分子材料板、８
……内金型。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 分割金型をゴム系パツキンを介し、接合部を
   クランプで固定し、一体となす外金型と、底部
   に被注型物を載せうる底面を有する板金型の少
   なくとも二側面のほぼ全面に高分子材料板を沿
   わせた内金型とを備え、外金型に内金型を挿入
   し、一体金型としたことを特徴とする樹脂モー
   ルド製造金型。 (2) 高分子材料板は、モールド樹脂との熱膨張係
   数の差が10×10^-6／℃〜50×10^-6／℃の範囲に
   ある高分子材料で構成したことを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の樹脂モール
   ド製造金型。