JPH01237557A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、電子写真における静電荷像現像用トナーに関
し、特に裏汚れを防止する機能に優れたトナーに関する
ものである。

〈従来の技術〉 従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが
、一般には光導電性物質を利用して種々の手段により感
光体上に静電潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用
いて現像し、必要に応じて紙などの転写材にトナー画像
を転写した後、加熱、圧力等により定着して複写物を得
ている。この場合の現像方法としては大別すると、磁性
キャリアーとトナーとより成る現像剤を用いる二成分現
像法と、磁性又は非磁性のトナーのみでキャリアーを必
要としない現像剤を用いる一成分現像法とがある。これ
らに使用される現像剤を構成するトナー粒子は、着色剤
及び着色剤を固定化するための結着剤樹脂を主成分とす
る５〜２５μｍ程度に微粉砕された着色粒子である。

近年、電子写真法による複写機においては、コピースピ
ードの高速化、及び拡大・縮小をはじめとして両面コピ
ー機能、原稿自動送り機能等の高機能化が進められてい
る。これに対応してトナーにおいては、高速でも充分な
定着強度を持つように改良がなされているが、定着強度
の良いトナーはその主成分となる樹脂において、低分子
量化したり、低分子量部を多くしたりして対応している
ため、その力学的破壊強度が弱くなってしまっている。

このため、自動両面コピー機を使うか又はコピーの裏面
に再度コピーをするようにして両面コピーを行う場合や
、コピーのコピーをとるようないわゆる孫コピーを自動
原稿送り装置を使用して行う場合などに裏汚れが発生す
るという欠点があった。

この様な裏汚れを防止するには、定着したトナーの耐摩
耗強度を高める方法と、定着したトナー表面の滑り性を
良くする方法がある。耐摩耗強度を高めるためには、樹
脂の分子量分布を狭くしたり、極低分子量部を無くした
りする方法が取られているが、いずれにしても定着強度
とは裏腹の関係にあり、定着強度と耐裏汚れ性の両方共
に満足できるレベルを得ているとは言い難いのが実情で
ある。また、滑り性を向上する方法としてはワックス類
の添加が有効であるが、ワックスをトナーに添加すると
、トナーの流動性を悪くしたり、トナーの帯電特性に悪
影響を与えたりするという様な他の実用上の問題を発生
してしまいあまり実用的でなかった。更に、滑り性の良
い樹脂としてシリコーン樹脂やフッ素樹脂が考えられる
が、これらの樹脂は従来よりトナー用の樹脂として、例
えば熱ロールでのオフセット防止、ブロッキング防止、
キャリアーへの融着防止等さまざまな目的で使用できる
提案がなされているが、この様な一般的なシリコーン樹
脂やフッ素樹脂をトナー中に含有させても裏汚れ防止に
は大して効果が得られていないのが実情である。

〈発明が解決しようとする課題〉 本発明は上記の様な状況に鑑み、定着強度を損なうこと
なく、その他のトナーとしての必要特性も満足しつつ、
裏汚れの発生を防止した静電荷像現像用トナーを提供す
るものである。

〈課題を解決するための手段〉 本発明は、種々の樹脂及び添加剤について検討した結果
見い出されたもので、トナーの樹脂成分中好なくともシ
リコーングラフト共重合体を含有することを特徴とする
静電荷像現像用トナーである。

本発明に使用されるシリコーングラフト共重合体は、枝
成分がシリコーンより構成されているグラフト共重合体
である。シリコーングラフト共重合体は、例えば末端に
重合可能な官能基を有する高分子量のシリコーンと他の
重合可能なモノマーとを共重合させたり、その他公知の
重合法によって得られるものであり、枝成分がシリコー
ンより構成されていれば特に限定されるものではない。

ここで幹成分は、シリコーングラフト共重合体を製造す
る際に弊害とならないものであれば特に限定されるもの
ではな（、トナーとしての特性や他の材料との相溶性等
を考慮して適宜選択すればよい。幹成分の具体例として
は、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタ
クリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポ
リアミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等、及びこれ
らの樹脂を形成しているモノマーよりなる共重合体等を
挙げることができる。

本発明において、シリコーングラフト共重合体の使用量
は、グラフト成分即ち枝成分であるシリコーン比率がシ
ロキサン量に換算して、トナーの樹脂成分中好ましくは
０．１〜２０−ｔ％含有すること、特に好ましくは０．
３〜１５ｗｔ％含有することが望ましい、シロキサン量
が少な過ぎると表面滑り性が充分満足されるレベルまで
得られない。また、シロキサン量が多過ぎるとコピー紙
との接着強度が弱くなり、定着強度の低下を招いてしま
い、ひいては裏汚れにも悪影響を及ぼしてしまうことに
なる。

結着剤樹脂としては、ポリスチレン、スチレン置換体の
単独重合体、スチレンと他のモノマー、例えばプロピレ
ン、塩化ビニル、酢酸ビニル、マレイン酸、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル等との共重合体、ポリ
塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリオレ
フィン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、シ
リコーン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、キシレ
ン樹脂等が挙げられ、これらを単独又は混合して用いる
ことができる。なお、前記シリコーングラフト共重合体
の幹成分が、トナーの結着剤としての機能を兼ね備えて
いる場合には、これらの結着剤樹脂は必ずしも使用しな
くてもよい。

また、着色剤としては、各種カーボンブラック、カラー
トナー用の各種染料及び顔料等、公知のものを用いるこ
とができる。更に、トナーの荷電制御剤や、例えば熱ロ
ール定着におけるオフセット防止用の低分子量ポリオレ
フィン、流動性向上のための微粉末シリカやフッ素樹脂
系微粉末等の各種添加剤を使用することもできる。

本発明でいう樹脂成分中少なくともシリコーングラフト
共重合体を含有するトナーを製造するには、 ■　結着剤樹脂、着色剤、その他必要に応じて用いられ
る原材料とシリコーングラフト共重合体をプレミックス
した後、従来から一般的に行われている溶融混練し粉砕
・分級する製法（溶融粉砕法）によって製造する方法、 ■　トナーに使用する結着剤樹脂を重合する際に、使用
されるモノマーと重合可能な官能基を末端に有する高分
子量のシリコーンとを共重合させることによって、あら
かじめシリコーングラフト共重合体を兼ねた結着剤樹脂
を作製し、これを用いて前記と同様溶融粉砕法によって
製造する方法、■　例えば前記溶融粉砕法等の公知のト
ナー製造法によって得られたトナー粒子にシリコーング
ラフト共重合体を外添してトナー粒子の表面にシリコー
ングラフト共重合体を固着させる方法、などが考えられ
る。

く作用〉 本発明は、以上の説明の如くシリコーングラフト共重合
体をトナー中に含有させることによって裏汚れの発生を
防止するもので、この様な効果はシリコーンを枝成分と
したグラフト共重合体を使用したことによって得られた
ものである。従来よりトナー用樹脂としてシリコーン樹
脂が使用できる提案はなされていたが、この様な普通の
シリコーン樹脂をトナー中に含有させても裏汚れ防止に
は大して効果的でな（、シリコーングラフト共重合体が
効果を発揮することができる理由は次の様に考えられる
。

トナーが熱ロール等により定着される際、シリコーング
ラフト共重合体のフレキシブルな核部分であるシリコー
ンが表面に出て定着が完了される。ここで、従来の一般
的なシリコーン樹脂を含有したトナーにおいても使用さ
れている樹脂の溶融粘度の差によって同じ様な現象は生
じていると思われる。しかし、従来のトナーにおいては
シリコーン樹脂と結着剤樹脂との相溶性が悪いため単独
で表面に存在しやす（、両面コピー時の給紙ロール等に
おける摩擦により容易にシリコーン樹脂の離脱を生じて
しまい裏汚れが発生してしまうものと思われる。これに
対し、本発明においてはシリコーンがグラフト共重合体
の形態で含有されているため、枝成分であるシリコーン
が幹成分に結合しており、結着剤樹脂との相溶性もよく
上記の様な離脱は容易には起こり得ないものと思われる
。

この様にして本発明のトナーは、強固な表面滑り性が得
られるため耐裏汚れ性に優れており、同時にシリコーン
の離型作用によりセロテープ剥離よる定着強度に対して
も効果が得られるものと思われる。

〈実施例〉 次に、本発明を実施例により説明する。なお、配合割合
を示す部数はすべて重量部を示すものである。

実施例１ 反応性末端基含有シリコーン樹脂（東亜合成化学工業社
製、マクロモノマーＡＫ−５）１０部、スチレン２０部
、メタクリル酸メチル１０部の配合割合にて溶液重合に
よってシリコーングラフト共重合体（シロキサン含量１
０ｗｔ％、数平均分子量約２０，０００）を作製した。

このシリコーングラフト共重合体を用いて下記組成にて
原材料をプレミックスした後、溶融混練し粉砕・分級し
て１体積平均粒子径１２．３ｕｍの本発明のトナー（シ
ロキサン含量０．４ｗｔ％）を作製した。

このトナー３部に対してキャリアー（日本鉄粉社製、フ
ェライトノンコートキャリアー１０２０Ａ）１００部の
割合にて現像剤を作製し、シャープ社製複写機Ｓ　Ｆ−
９５００を用いてコピーを行った。両面コピー及び自動
原稿送り装置を用いての孫コピーを行っても裏汚れは全
く発生せず良好なコピーが得られた。また、セロテープ
剥離法による定着強度は９５％で非常に優れていた。

比較例１ トナーの組成を下記組成とした以外は実施例１と同様に
して比較用のトナー（体積平均粒子径１２．０μ１１）
を作製した。

このトナーを用いて実施例１と全（同様にしてコピーを
行ったところ、裏汚れが発生し実用上問題であることが
認められた。なお、セロテープ剥離による定着強度は８
０％でコピーとしては普通のレベルであった。

実施例２〜８及び比較例２ トナーの組成を表ｗｔの通りとして実施例１と同様にし
て本発明のトナー及び比較用のトナーを作製した。なお
、シリコーングラフト共重合体としてはサイラブレーン
Ｘ　Ａ　−５００７（チッソ社製、シロキサン含量３０
ｗｔ％）を用いた。このトナーを用いて実施例１と全く
同様にしてコピーを行い、評価した結果は表ｗｔの通り
である。

表１かられかる様に、裏汚れ特性及び定着強度において
良好なトナーは、シロキサン含１０．１〜２０ｗｔ％の
トナーであり、シロキサン含量０．５〜１５−ｔ％のト
ナーが特に優れていた。

以上、実施例１〜８及び比較例１〜２かられかる様に、
シロキサン含量０．０５ｗｔ％では裏汚れが実用上問題
ないが多少発生してしまい、好ましくはシロキサン含量
０．１ｗｔ％以上とするのが望ましい。

なお、実施例及び比較例における裏汚れ特性、定着強度
の評価法は次の通りである。

（１）　　裏汚れ特性：１００枚連続両面コピーした時
の裏汚れの状態を目視で判定した。全（裏汚れのないも
のを◎、わずかに裏汚れが認められるものを○、多少裏
汚れが認められるが実用上問題のないものを△、はっき
りと裏汚れがあり実用上問題あると思われるものを×と
した。

（２）定着強度：　１０１．２の１０鴎φ画像部にセロ
テープを貼着した後、セロテープをゆっくり剥離した。

次式により定着強度を求めた。

なお、画像濃度はマクベス濃度計により測定した。

一方、実施例１〜８で作製した現像剤及びトナーを用い
てそれぞれ実用テストを行った。実用テストはシャープ
社複写機Ｓ　Ｆ−９５００を用いてｓｏ、ｏｏｏ枚のラ
イフテストを行ったところ、裏汚れをはじめその他実用
上全（問題な（良好な結果が得られた。

〈発明の効果〉 本発明のトナーは、シリコーングラフト共重合体を使用
して、定着したトナーの表面滑り性を良くして裏汚れを
防止するものである。このため、表面滑り性を良（して
いるシリコーンの作用により、テープ剥離による定着強
度も向上した優れたトナーである。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）樹脂成分中少なくともシリコーングラフト共重合
   体を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
2. （２）グラフト成分であるシリコーン比率がシロキサン
   量に換算して、トナーの樹脂成分中０．１〜２０ｗｔ％
   含有するようにシリコーングラフト共重合体を配合せし
   めたことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の静電
   荷像現像用トナー。