JP3225218B2 - 非磁性トナー - Google Patents
非磁性トナーInfo
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Description
光体上に形成される静電潜像の現像に用いられる非磁性
一成分トナーに関する。
方式としては、結着樹脂を主成分とする絶縁性微粉末、
すなわち絶縁性トナーと磁性キャリアとを摩擦により帯
電させ、感光体上に形成した静電潜像を磁気ブラシによ
り現像する二成分現像方式と、磁性一成分トナーで現像
する磁性一成分現像方式及び非磁性一成分トナーを現像
ローラー上に薄層で形成させ、感光体と接触又は非接触
で現像するいわゆる非磁性一成分現像方式が知られてい
る。
視画像を得るため二成分現像方式と同様に、非磁性一成
分トナーに十分な帯電量を付与することが必要であり、
また、現像ローラー上の非磁性一成分トナーの厚さを均
一にコントロールすることが必要不可欠である。そし
て、このような特性を得るために、通常現像ローラーに
ゴム又は金属製のブレード部材を圧接して用い、また、
非磁性一成分トナーとしては従来からの二成分現像トナ
ーと同様に、結着樹脂としてポリスチレン、スチレン−
アクリル共重合体、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等
が適宜用いられ、これにニグロシン染料、第4級アンモ
ニウム塩、含金アゾ染料等の帯電制御剤を含有したトナ
ーが用いられている。しかしながら、上記の如きトナー
を用いても十分な帯電量を付与するためには、ブレード
の圧接力をある程度高くする必要があり、この場合トナ
ーへの電荷付与は十分となり初期現像特性は良好である
が、現像が繰り返し行われるうちにブレード部材や現像
ローラー表面の磨耗が著しくなり、それらの表面の凹凸
が発生し、この凹凸のためにトナーがブレード部材と現
像ローラー間を通過する際に与えられる力が不均一とな
ったり、部分的に現像剤層が厚くなるなどして、トナー
が必要とする電荷量が不足してしまい、画像上に濃度ム
ラやカブリを発生させていた。
成分トナーでは、高いブレード圧接力のために現像ロー
ラーにトナーが圧力や摩擦熱等により融着する現象、い
わゆるスリーブ融着を生じるという問題があった。更
に、ブレード部材が金属製の場合は、ブレードにもトナ
ーが融着して帯電付与が不十分となったり、トナー層厚
が不均一となる問題を生ずることがあった。
上に非磁性トナーを供給し、該現像ローラーの表面に該
非磁性トナーを均一に塗布するために該現像ローラーの
表面に圧接するように配置された層規制部材によって構
成される現像装置を用い、静電潜像を現像し、ついで転
写材に転写を行う非磁性一成分現像方法に用いる非磁性
トナーであって、前記非磁性トナーの真円度が0.70
〜0.90であり、かつ前記非磁性トナーの粒子分布に
おいて、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.20以
下、個数粒度分布における4μm以下の粒子が12%以
下、及びテトラヒドロフラン不溶分を2〜30重量%含
有するポリエステル樹脂を結着樹脂とすることを特徴と
する非磁性トナーである。この非磁性トナーは体積平均
粒子径が6〜9μmであり、また非磁性トナーの個数平
均分子量(Mn)が3500以上であることが好まし
い。
結着樹脂は、テトラヒドロフラン不溶分を2〜30重量
%含有するポリエステル樹脂である。
量%未満のポリエステル樹脂を用いたトナーでは、特に
高分子側の樹脂強度が弱く、融着発生までの時間が短く
なったり、定着特性における非オフセット範囲が狭すぎ
てしまい、実用特性が得られなくなる。また、テトラヒ
ドロフラン不溶分の含有量が30重量%より多いポリエ
ステル樹脂を用いたトナーでは、内添材料のトナー中に
おける分散性が極端に低下する箇所ができやすくなり、
このようなトナーは現像特性において、かぶりが生じや
すくなる。結着樹脂は、ガラス転移温度が57℃以上、
フロー軟化点が125〜146℃、特に130〜140
℃のものが好ましい。また、酸価が30mgKOH/g
以下、特に20mgKOH/g以下のものが好ましい。
さらに、ビッカース硬度が15HV0.01(10g)
以上のものを単独もしくは2種以上混合して使用するこ
とが好ましい。なお、ここでいうビッカース硬度とは、
結着樹脂を高圧プレスにより500kg/cm2で圧縮
固化した試料、又は180℃のオーブン中にて溶融後、
室温放置により固化した試料をJISB7725及びJ
ISZ2244による方法によって求められるものであ
る。
リンブルー、カイコオイルブルー、クロムイエロー、ウ
ルトラマンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイ
エロー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブ
ルー、マラカイトグリーンノサレート、ランプブラッ
ク、ローズベンガル及びこれらの混合物等が挙げられる
がこれらに限定されるものではない。着色剤の添加量は
結着樹脂100重量部に対して1〜20重量部である。
本発明の非磁性トナーは、所望により他の成分、例えば
帯電制御剤、低分子量ポリプロピレン、カルナバワック
ス等の定着助剤を含有していてもよい。
が6〜9μmであることが好ましい。体積平均粒子径
が、これより小さい場合は十分な流動性が得られない場
合がある。またこれより大きい場合は、細線、文字等の
画素の再現性が悪くなる場合がある。体積平均粒子径/
個数平均粒子径は1.20以下、好ましくは1.12以
下である。また、個数粒度分布における4μm以下の粒
子が12.0%以下、好ましくは9%以下である。これ
らの範囲外の場合は、流動性の低下が起こりやすく、融
着が発生しやすくなる。トナーの真円度は0.70〜
0.90、好ましくは0.80〜0.88である。0.
70未満では、流動性の低下、帯電性の不均一、トナー
攪拌における磨耗過多が起こりやすくなり、トナーの融
着が発生しやすくなる。一方、0.90より大きいと、
クリーニング不良が発生したり、帯電立ち上がり性が低
下しやすくなる。また、非磁性トナー個数平均分子量
(Mn)は3500以上であることが好ましく、350
0未満の場合はトナー粒子の硬度が低いため摩擦熱によ
って現像ローラーやブレードに融着しやすくなる。な
お、前記非磁性トナーの体積平均粒子径及び個数粒度は
コールターカウンターよって測定することができる。
の方法で測定した。真円度は次式で規定する。
た写真で、トナーを画像解析し、トナーの投影面積
(S)及び周囲長(L)を求め(1)式により真円度
(M)を求める。サンプリング数は100個とし、その
平均値を本発明でいう真円度とする。本発明の非磁性ト
ナーは、粉砕時にジェットミル粉砕後、分級したものに
ついて、ハイブリダイザーによって、ラウンドエッジ化
処理を施したり、機械的粉砕法を用い、粉砕条件、粉砕
回数を調整することにより真円度を制御することができ
る。
含有量は、0.3〜3.0重量%、好ましくは0.5〜
1.5重量%である。疎水性シリカの含有量が0.3重
量%より少ないと、トナーの流動性が悪化したり、トナ
ー同士が凝集しやすくなり、均質な帯電性が得られない
ことがある。一方、3.0重量%より多いと、トナーか
ら遊離しやくなり、連続複写時において、現像機を構成
する部材、特に層規制部材、現像ローラー、感光体に付
着し、定着特性が悪くなることがある。疎水性シリカ
は、そのBET比表面積が100m2 /g以上、特に1
30m2/g以上であることが好ましい。疎水性シリカ
のBET比表面積が100m2 /g未満のときは、高い
流動性が得られにくいため、連続複写におけるトナー劣
化が発生し、融着が発生しやすくなる。また、疎水性シ
リカがトナーから遊離しやすくなり、遊離シリカが現像
ローラー、感光体等に付着し、その付着物を起点とし
て、トナーが黒点上に付着、あるいはフィルミングを起
こす場合があり、正常な現像特性が得られなくなること
がある。トナーの表面には、疎水性シリカ以外にも、ア
ルミナ、酸価チタン、タルク、クレー、炭酸カルシウ
ム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム等を使用
することができる。
層を現像ローラー上に形成するためには、層規制部材へ
の非磁性トナーの融着を防ぐことが必要である。この目
的のために、トナーの真円度が0.70〜0.90で、
粒子分布における体積平均粒子径/個数平均粒子径が
1.20以下、個数粒度分布における4μm以下の粒子
が12%以下であり、体積平均粒子径が6〜9μm、非
磁性トナーの個数平均分子量(Mn)が3500以上、
テトラヒドロフラン不溶分を2〜30重量%含有し、ビ
ッカース硬度が15HV0.01(10g)以上のポリ
エステル樹脂を結着樹脂とする非磁性トナーで、その表
面にBET比表面積が100m2/g以上の疎水性シリ
カを0.3〜3重量%トナー粒子表面に付着させた非磁
性トナーを、現像ローラー上に非磁性トナーを供給し、
該現像ローラーの表面に該非磁性トナーを均一に塗布す
るために該現像ローラーの表面に圧接するように配置さ
れた層規制部材によって構成される現像装置を用い、静
電潜像を現像し、ついで転写材に転写を行う非磁性一成
分現像方法、もしくは、その非磁性トナーを用いる現像
方法であれば融着発生のない安定したトナー層を得るこ
とができ、長期にわたり良好な現像性を保つことが可能
となる。
る。なお、実施例及び比較例中の「部」は「重量部」を
示す。 実施例1 下記の配合で、原料の混合、溶融混練、機械的粉砕法に
よる粉砕、分級を行い、トナー粒子を得た後、BET比
表面積200m2 /gの疎水性シリカ(ワッカー社製,
H−3004)を1.0重量%外添して本発明の非磁性
トナーを得た。この非磁性トナーの真円度は0.84、
体積平均粒子径/個数平均粒子径は1.12、個数粒度
分布における4μm以下の粒子は7%、体積平均粒子径
は7.5μm、個数平均分子量(Mn)は3700であ
った。また、ポリエステル樹脂AのTgは60℃、フロ
ー軟化点は133℃、酸価は18mgKOH/g、ビッ
カース硬度は16.2HV0.01(10g)であっ
た。 ・ポリエステル樹脂A 100部 (三井東圧社製 XPE−1954) ・カーボンブラック 8部 (三菱化学社製 MA−100) ・クロム錯塩系荷電制御剤 2部 (保土ケ谷化学工業社製 T−95) ・ポリプロピレンワックス 2部 (三洋化成工業社製 ビスコール660P)
菱レイヨン社製FC−1005)を使用した以外は、実
施例1と同様にして本発明の非磁性トナーを得た。この
非磁性トナーの真円度は0.81、体積平均粒子径/個
数平均粒子径は1.10、個数粒度分布における4μm
以下の粒子は10%、体積平均粒子径は6.9μm、個
数平均分子量(Mn)は3300であった。また、ポリ
エステル樹脂BのTgは60℃、フロー軟化点は126
℃、酸価は9mgKOH/g、ビッカース硬度は14.
6HV0.01(10g)であった。
件を調整して、本発明の非磁性トナーを得た。この非磁
性トナーの真円度は0.85、体積平均粒子径/個数平
均粒子径は1.10、個数粒度分布における4μm以下
の粒子は6%、体積平均粒子径は7.1μm、個数平均
分子量(Mn)が3700であった。
0.62、体積平均粒子径/個数平均粒子径は1.1
1、個数粒度分布における4μm以下の粒子が7%、個
数平均分子量(Mn)が3700の非磁性トナーを得
た。更に該非磁性トナーについて、ハイブリタイザー処
理によるラウンドエッジ化し、本発明の非磁性トナーを
得た。この非磁性トナーの真円度は0.79、体積平均
粒子径/個数平均粒子径は1.14、個数粒度分布にお
ける4μm以下の粒子は9%、体積平均粒子径は7.4
μm、個数平均分子量(Mn)が3700であった。
エロジル社製、R−812)を用い、その他は実施例1
と同様にして本発明の非磁性トナーを得た。 実施例6 BET比表面積200m2/gの疎水性シリカ(キャボ
ット社製、TS−530)を用い、その他は実施例1と
同様にして本発明の非磁性トナーを得た。 実施例7 疎水性シリカの外添量を1.0重量%から0.5%重量
%に変更した以外は実施例1と同様にして本発明の非磁
性トナーを得た。
(三菱レイヨン社製、FC−890)を使用した以外は
実施例1と同様にして本発明の非磁性トナーを得た。こ
のトナーの真円度は0.88、体積平均粒子径/個数平
均粒子径は1.11、個数粒度分布における4μm以下
の粒子は10%、体積平均粒子径は6.7μm、個数平
均分子量(Mn)は3200であった。また、ポリエス
テル樹脂CのTgは61℃、フロー軟化点は116℃、
酸価は13mgKOH/g、ビッカース硬度は13.9
HV0.01(10g)であった。
0.62の非磁性トナーをそのまま比較用のトナーとし
た。 比較例2 実施例1において、分級条件のみを変更して真円度が
0.85、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.3
0、個数粒度分布における4μm以下の粒子が12%、
体積平均粒子径が7.0μm、個数平均分子量(Mn)
が3700の比較用の非磁性トナーを得た。 比較例3 実施例1において、分級条件のみを変更して真円度が
0.80、体積平均粒子径/個数平均粒子径が1.2
6、個数粒度分布における4μm以下の粒子が22%、
体積平均粒子径が7.0μm、個数平均分子量(Mn)
が3700の比較用の非磁性トナーを得た。 比較例4 スチレンアクリル樹脂、カーボンブラック及びクロム錯
塩系電荷制御剤を主成分として懸濁重合法によって得ら
れた真円度が0.93の非磁性トナーを比較用の非磁性
トナーとした。この非磁性トナーの体積平均粒子径/個
数平均粒子径は1.10、個数粒度分布における4μm
以下の粒子は6%、体積平均粒子径は7.4m、個数平
均分子量(Mn)は7500であった。
非磁性トナーについて、市販のレーザービームプリンタ
ー(セイコーエプソン社製,LP−9200)を使用し
て、複写枚数の初期から50000枚までの画像特性
(画像濃度、PCカブリ)、現像ローラー上の層形成
性、ブレードへの融着状態を下記の方法で評価した。 (a)層形成性 50000枚複写後に現像ローラー上のトナーの層形成
状態を目視評価し、次のように判定した。 ○:現像ローラー上のトナーに層ムラ、スジ、トナー落
ちが全くない。 △:層ムラが僅かに確認できる。もしくはスジが2本以
下。但し、トナー落ちはない。 ×:層ムラ、トナー落ちがかなり認められる。もしくは
スジが3本以上発生した。 (b)融着状態 50000枚複写後に帯電ブレードの現像ローラーとの
当接面をバキュームクリーナーで吸引後、目視評価し、
次のように判定した。 ○:トナーの融着は確認できない。 △:スポット状またはフィルミング状いずれか一方の融
着が僅かに確認できる。 ×:スポット状、フィルミング状いずれについても融着
が確認できる。
クベス社製RD−914)で測定した。 (d)PCカブリ 感光体の非画像部に透明テープ(住友スリーエム社製メ
ンディングテープ)を粘着したのち剥離したものを未使
用のコピー用紙上に貼り付け、反射濃度計(マクベス社
製RD−914)で測定した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の非磁性トナーはいず
れも良好な現像特性、層形成性、耐融着性を持った優れ
たものであった。一方、比較例の場合は、いずれも層形
成性、融着特性に問題を有するものであった。なお、比
較例4では、初期の画像濃度は1.41、PCカブリは
0.25であったが、約100枚複写したところでクリ
ーニング不良が発生して画像汚れが生じたため複写試験
を中止した。この結果、真円度が0.90より大きい非
磁性トナーでは実用上問題があることが確認された。
より、複写機の層規制部,現像ローラー等にトナーの融
着がなくなり、良好な現像特性を得ることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 現像ローラー上に非磁性トナーを供給
し、該現像ローラーの表面に該非磁性トナーを均一に塗
布するために該現像ローラーの表面に圧接するように配
置された層規制部材によって構成される現像装置を用
い、静電潜像を現像し、ついで転写材に転写を行う非磁
性一成分現像方法に用いる非磁性トナーであって、前記
非磁性トナーの真円度が0.70〜0.90であり、か
つ前記非磁性トナーの粒子分布において、体積平均粒子
径/個数平均粒子径が1.20以下、個数粒度分布にお
ける4μm以下の粒子が12%以下、及びテトラヒドロ
フラン不溶分を2〜30重量%含有するポリエステル樹
脂を結着樹脂とすることを特徴とする非磁性トナー。 - 【請求項2】 体積平均粒子径が6〜9μmであること
を特徴とする請求項1に記載の非磁性トナー。 - 【請求項3】 非磁性トナーの個数平均分子量(Mn)
が3500以上であることを特徴とする請求項1に記載
の非磁性トナー。 - 【請求項4】 非磁性トナーの主成分である結着樹脂の
ガラス転移温度が57℃以上、フロー軟化点が125〜
146℃、酸価が30mgKOH/g以下であることを
特徴とする請求項1に記載の非磁性トナー。 - 【請求項5】 少なくとも疎水性シリカを0.3〜3重
量%トナー粒子表面に付着することを特徴とする請求項
1に記載の非磁性トナー。 - 【請求項6】 疎水性シリカのBET比表面積が100
m2/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の
非磁性トナー。 - 【請求項7】 非磁性トナーの主成分である結着樹脂の
ビッカース硬度が15HV0.01(10g)以上であ
ることを特徴とする請求項1に記載の非磁性トナー。
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