JP3632807B2 - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログ普通紙複写機(PPC)、デジタル普通紙複写機、レーザープリンタ、液晶シャッタプリンタ、LED(発光ダイオード)プリンタ等の電子写真プロセスを用いた画像形成装置において、静電潜像を現像するために用いられる静電潜像現像用トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真プロセスには、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤等からなる静電潜像現像用トナーが用いられる。
【0003】
また、乾式現像方式を用いる電子写真法においては、静電潜像現像用トナーによって現像された静電潜像を、加熱ローラによって圧着することによって定着させる熱ローラ定着方式が、一般に広く採用されているが、この定着方式では、静電潜像現像用トナーの一部が分断し加熱ローラに付着するオフセット現象が問題となっている。
【0004】
そこで、オフセット現象を防止するために、ワックスの内添により静電潜像現像用トナーの離型性を高めることが行われている。また、トナー担持体からの静電潜像現像用トナーのクリーニングを容易にする目的で、静電潜像現像用トナーにワックスが内添されることもある。
【0005】
例えば、特開昭55−156958号公報には、トナーのクリーニング性を改良するために、一定範囲の粘度を有するポリオレフィンワックスが添加されたトナーが開示されている。
【0006】
また、特公平8−12447号公報には、ポリエチレンワックスが添加されたトナーが、有機感光体に対して優れたクリーニング性を有することが開示されている。
【0007】
しかしながら、ポリエチレンワックスを単にトナーに添加しただけでは、バインダー用樹脂(結着樹脂)とポリエチレンワックスとの相溶性が著しく悪く、従って、ポリエチレンワックスがバインダー用樹脂中に取り込まれにくくなり、トナー粒子の外に遊離したポリエチレンワックス粒子を生じる。
【0008】
トナー粒子の外に遊離したポリエチレンワックス粒子が生じると、トナーの帯電性が不安定になって画像濃度が低くなるという問題や、遊離ポリエチレンワックス粒子によってトナーの流動性が著しく低下するという問題、さらに、遊離ポリエチレンワックス粒子がキャリアや現像用シリンダ等のトナー担持体表面を汚染するワックス汚染によってトナーやトナー担持体の耐久寿命が減少するという問題を生じる。
【0009】
そこで、特公平8−12447号公報では、トナーの帯電性やオフセット性、流動性、トナー担持体への汚染、クリーニング性を改良するために、少なくともバインダー用樹脂と着色剤とからなり、ポリエチレンワックスを0.5〜10重量%含有するトナーにおいて、トナー粒子100個につきトナー粒子の外部に遊離した1μm以上のポリエチレンワックス粒子が10個以下であるトナーが開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成では、トナー粒子の外部に遊離した大粒径のポリエチレンワックス粒子の個数を規定しているだけであり、トナー粒子中(表層を含む)のポリエチレンワックス粒子については、何ら検討されていない。
【0011】
6μmを越えるような大粒径のワックスがトナー粒子中に含まれていると、高温、高湿といった環境下においては、トナー粒子中の大粒径のワックス粒子がトナー表面に露出し、遊離した大粒径のワックス粒子と同様に、トナー担持体表面を汚染するという問題を生じる。
【0012】
また、ワックス粒子の形状が、針状のような長径/短径の比であると、トナー表面から突出しやすくなり、遊離した大粒径のワックス粒子と同様に、トナー担持体表面を汚染するという問題を生じる。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点を克服すべくなされたものであり、その目的は、定着オフセット性に優れているとともに、トナー担持体表面に対するワックス汚染が抑制された静電潜像現像用トナーを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、上記目的を達成すべく、静電潜像現像用トナーについて鋭意検討した結果、トナー中に含有させたワックス粒子の分散径が、特にトナー担持体(静電潜像保持ドラム)表面のワックス汚染と密接な関係があることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
即ち、本発明の静電潜像現像用トナーは、上記の課題を解決するために、スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体からなる結着樹脂と、結着樹脂中に分散したポリエチレンワックスからなるワックス粒子とを含み、上記ワックス粒子は、長径/短径の比が1.0〜2.0の範囲内、かつ、長径が1.0μm〜4.0μmの範囲内であることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、ワックス粒子の分散状態を上記のように最適化することにより、優れた定着オフセット性が得られるばかりでなく、トナー表層もしくはトナー内部のワックス粒子がトナー表面へ露出または突出することを抑制できる。これにより、トナー担持体表面へのワックス汚染を抑制して、トナー担持体の耐久寿命をより長くすることができる。
【0017】
また、本発明の静電潜像現像用トナーは、上記ワックス粒子の含有量が、結着樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部の範囲内であることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、加熱定着時にトナー表層もしくはトナー内部からトナー表面へ露出または突出するワックス粒子の量を、最適な範囲にすることができる。これにより、トナー担持体表面に対するワックス汚染をさらに抑制しながら、定着ホットオフセットを防止することができる。
【0019】
また、本発明の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂とワックス粒子とを溶融混練してなる混練物を、厚さ1.2〜3.0mmに圧延して冷却した後、粉砕することにより得られるものであることを特徴としている。
【0020】
上記構成によれば、溶融混練後の混練物を、上記範囲内の厚さのペレットに圧延冷却した後、粉砕することにより得られるものであるので、混合物の冷却速度を最適な範囲に制御できる。
【0021】
これにより、ワックス粒子が均一に分散された状態を維持したまま、溶融混練物を効率的に冷却することができ、しかも粉砕性が良好となる。従って、上記ワックス粒子の分散状態を容易に実現でき、ワックス汚染をさらに抑制できるとともに、粉砕工程での粉砕不良が防止できる。
【0022】
また、本発明の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂とワックス粒子とを含む混合物を、結着樹脂の溶融粘度が1,000poise以上となる温度で溶融混練することにより得られるものであることを特徴としている。
【0023】
上記構成によれば、結着樹脂の溶融粘度が1,000poise以上となる温度で溶融混練されるときに、溶融した結着樹脂によってワックスに対し高い剪断力が印加される。このため、ワックスは、微細なワックス粒子となって結着樹脂中に良好に分散する。これにより、上記ワックス粒子の分散状態を容易に実現でき、トナー担持体表面に対するワックス汚染をさらに抑制できる。
【0024】
また、本発明の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂のガラス転移温度が55℃以上であることを特徴としている。
【0025】
上記構成によれば、ワックス粒子がトナー表面に押し出されることを抑制できるので、ワックス汚染をさらに抑制することができる。
【0026】
また、本発明の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂のメルトインデックス値が5.0〜11.0であることを特徴としている。
【0027】
上記構成によれば、溶融混練時における結着樹脂の適度な流動性を維持しながら、結着樹脂の熱変形を抑制することができる。これにより、結着樹脂中におけるトナー粒子の分散性を向上させてワックス汚染をさらに抑制することでき、しかも、定着コールドオフセットを防止することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1に示すように、本発明にかかる静電潜像現像用トナーとしてのトナー1は、結着樹脂2と、結着樹脂2中に分散したワックス粒子3とを含み、上記ワックス粒子3は、長径L/短径Sの比が1.0〜4.0の範囲内、かつ、長径Lが6.0μm以下である。
【0029】
上記ワックス粒子3は、長径L/短径Sの比が1.0〜3.0の範囲内、かつ、長径Lが1.0〜6.0μmの範囲内であるのが好ましく、長径L/短径Sの比が1.0〜2.0の範囲内、かつ、長径Lが1.0〜4.0μmの範囲内であるのがさらに好ましい。
【0030】
結着樹脂2中におけるワックス粒子3を、長径L/短径Sの比が1.0〜4.0の範囲内、かつ、長径Lが6.0μm以下とすることにより、トナー1表層もしくはトナー1内部のワックス粒子3がトナー1表面へ露出または突出することを抑制できる。これにより、トナー担持体表面へのワックス汚染を抑制することができる。
【0031】
ワックス粒子3の長径L/短径Sの比が4.0を越える場合には、ワックス粒子3がトナー表面から突出してトナー担持体表面を汚染しやすくなるので、好ましくない。また、ワックス粒子3の長径Lが6.0μmを越えると、高温、高湿といった環境下において、トナー1のワックス粒子3がトナー1表面に露出し、トナー担持体表面を汚染しやすくなるので、好ましくない。
【0032】
なお、本明細書において、長径、短径とは、それぞれ、図1にL、Sで示されるように、ワックス粒子3の正射影をだ円とみなしたときの該正射影の長径、短径を指す。また、これら長径、短径は、各ワックス粒子3の長径、短径の平均ではなく、ワックス粒子3の長径、短径の分布を指す。従って、例えば、ワックス粒子3が長径が6.0μm以下であるとは、ワックス粒子ほぼ全ての長径が6.0μm以下であり、長径が6.0μmを越えるワックス粒子3はその影響が無視できる程度にしか存在しないことを指す。
【0033】
ここで、トナー1のワックス粒子3が感光体ドラム(トナー担持体)表面を汚染(フィルミング)することにより生じる不都合について説明する。
【0034】
まず、電子写真の原理について説明しておく。
【0035】
電子写真では、まず、感光体ドラムの表面層を構成する感光層表面を均一に帯電する。即ち、例えば、コロナワイヤに高電圧を印加することにより、イオン化された空気を感光層表面に移動させて電場を形成する。
【0036】
電子写真では、次に、帯電された感光層表面を露光して静電潜像を形成する。即ち、感光層表面に付着したイオンを光照射することにより、一様な電場から静電潜像を形成する。
【0037】
このとき、ポジ潜像を形成する場合には、画像の背景部(バックグラウンド)の感光層に対して、光照射により感光層内部から電子もしくは正孔(ホール)を励起させ、該電子もしくは正孔によって感光層表面上のイオンを中和する。即ち、負帯電された感光層の場合には、光照射により感光層内のホールが励起され、励起されたホールに感光層表面上の負イオンが取り込まれて負電荷が消去される。
【0038】
電子写真では、さらに、感光体表面の静電潜像(画像域)を、摩擦帯電されたトナー1で顕像化し、トナー像を得る。その後、トナー像を紙等の記録媒体に転写し、転写されたトナー像を定着させることにより、記録媒体上に画像が形成される。また、それとともに清掃が行われる。
【0039】
トナー1のワックス粒子3が感光体ドラム表面を汚染すると、ワックス粒子3によって感光体ドラム(トナー担持体)表面にワックス層(フィルミング層)が部分的に形成される。このワックス層は、絶縁性であるため、露光時における感光層表面のイオン中和を電気的に遮げ、この結果、負イオンの電荷消去ができなくなる。従って、記録媒体上に形成された画像に、カブリや黒筋が現れる。
【0040】
このように、感光体ドラム(トナー担持体)表面のワックス汚染の度合いに比例して、カブリや黒筋が発生する。
【0041】
上記結着樹脂2としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレンまたはその置換体の単独重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸n−ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、飽和ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン等が挙げられる。これら例示の樹脂は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0042】
結着樹脂2としては、上記例示のうち、スチレン系共重合体および飽和ポリエステルが好ましい。さらに、スチレン系共重合体のうち、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体およびスチレン−メタクリル酸n−ブチル共重合体が、特に好ましい。
【0043】
結着樹脂2の溶融粘度は、160℃において、1,000poise以上であることが好ましく、1,100〜2,000poiseの範囲内であることがさらに好ましい。
【0044】
尚、本発明における溶融粘度は、JIS K 7210にて規定されている流れ試験方法(参考試験)によって測定された流れ値から算出した値とする。
【0045】
結着樹脂2のガラス転移温度(Tg)は、55℃以上であることが好ましく、58〜63℃の範囲内であることがさらに好ましい。結着樹脂2のガラス転移温度を55℃以上に規定することにより、ワックス粒子3がトナー1表面に押し出されることを抑制できる。この結果、トナー担持体に対するワックス汚染をさらに抑制することができる。また、溶融混練物が結着樹脂2のガラス転移温度まで冷却される時間を短縮することが可能となり、ワックス粒子3の分散性をさらに向上できる。
【0046】
結着樹脂2のガラス転移温度が55℃未満の場合には、トナー担持体に対するワックス汚染が発生しやすくなる。これは、結着樹脂2が熱変形しやすくなり、ワックス粒子3がトナー1表面に押し出されるためであると考えられる。
【0047】
結着樹脂2のメルトインデックス(MI)値は、溶融混練前において、5.0〜11.0の範囲内であることが好ましく、6.0〜8.0の範囲内であることがさらに好ましい。
【0048】
結着樹脂2のメルトインデックス値を5.0〜11.0の範囲内とすることにより、溶融混練時における結着樹脂2の適度な流動性を維持しながら、結着樹脂の熱変形を抑制することができる。これにより、結着樹脂2中におけるトナー粒子3の分散性を向上させてワックス汚染をさらに抑制することでき、しかも、定着コールドオフセットを防止することができる。
【0049】
また、結着樹脂2のメルトインデックス値を11.0以下とすることにより、溶融混練時に、流動性の低い溶融した結着樹脂2によって結着樹脂2内のワックスに対し大きな剪断力が生じるので、上記ワックスを微細なワックス粒子3として結着樹脂2内に分散させることができる。
【0050】
結着樹脂2のメルトインデックス値が5.0未満の場合には、溶融混練時における結着樹脂2の流動性が高すぎるので、定着の際に定着コールドオフセットが発生しやすくなる。
【0051】
一方、結着樹脂2のメルトインデックス値が11.0を越える場合には、ワックス汚染が発生しやすくなる。これは、結着樹脂2が熱変形しやすくなり、ワックス粒子3がトナー1表面に押し出されるためであると考えられる。
【0052】
尚、本発明におけるメルトインデックス値は、JIS K 7210に規定されたB法を用いて測定されたメルトインデックス値(メルトフローレート)とする。
【0053】
結着樹脂2の重量平均分子量は、3,000〜200,000の範囲内であることが好ましい。また、結着樹脂2の数平均分子量は、1,000〜150,000の範囲内であることが好ましい。
【0054】
ワックス粒子3を形成するワックスは、結着樹脂2と比較して離型性(滑性)の高いものであればよいが、結着樹脂2と比較して160℃における溶融粘度が低いことが望ましい。160℃におけるワックスの溶融粘度は、200〜4,000poiseであることが好ましく、200〜800poiseであることがより好ましく、200〜400poiseであることがさらに好ましい。
【0055】
上記ワックスとしては、具体的には、カルナバロウ等の天然ワックス;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の合成ワックスが挙げられる。上記ワックスとしては、上記例示のうち、ポリエチレンおよびポリプロピレンが特に好ましい。
【0056】
ワックス粒子3の含有量は、結着樹脂2の100重量部に対して0.5〜5重量部の範囲内であることが好ましく、結着樹脂2の100重量部に対して1.0〜2.0重量部の範囲内であることがさらに好ましい。
【0057】
結着樹脂2の100重量部に対するワックス粒子3の含有量が0.5重量部未満である場合には、ワックス粒子3の離型作用が低下し、定着オフセットが発生するおそれがある。一方、結着樹脂2の100重量部に対するワックス粒子3の含有量が5重量部を越える場合には、トナー担持体表面のワックス汚染が発生しやすくなる。
【0058】
トナー1は、結着樹脂2およびワックス粒子3に加えて、着色剤を含んでいる。上記の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、鉄黒、紺青、黄鉛(クロムイエロー)、酸化チタン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カルシウム等の無機顔料;フタロシアニンブルー、ビクトリアブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーン、ハンザイエローG、ベンジジンイエロー、レーキレッドC、キナクリドンマゼンタ等の有機顔料;ローダミン系染料、トリアリルメタン系染料、アントラキノン系染料、モノアゾ系染料、ジアゾ系染料等の有機染料;等が使用できるが、導電性物質であることが好ましく、導電性物質のうちでも、カーボンブラックが特に好ましい。これら着色剤は、一種類のみを用いてもよく、また、トナー1に着色すべき色に応じて適宜組み合わせて用いてもよい。着色剤の使用量は、特に限定されるものではないが、結着樹脂2の100重量部に対して、1重量部〜25重量部の範囲内がより好ましく、3重量部〜20重量部の範囲内がさらに好ましい。
【0059】
なお、着色剤もワックス粒子3と同様に、溶融混練条件や圧延冷却条件で結着樹脂2での分散状態が大きく変化する。着色剤は、結着樹脂2内での分散状態が良好でない場合、容易に再凝集し二次粒子を形成することから、着色剤が導電性物質である場合には、帯電性の低下といった帯電性の不安定化の原因となる。すなわち、導電性物質の着色剤は、結着樹脂2内での分散性が劣化すると得られたトナー1における抵抗値が低下し、トナー1の帯電量が低くなるため、トナー飛散、カブリなどの不都合が生じる。
【0060】
本発明にかかるトナー1では、結着樹脂2のメルトインデックス値を前述の範囲内にすることにより、結着樹脂2内における着色剤の分散性も向上し、高温条件(例えば、50℃の温度で2日間)であっても、転写におけるカブリが抑制され、良好な画質を得ることが可能となる。
【0061】
トナー1は、さらに、鉄、コバルト、ニッケル、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の磁性体を含む磁性トナーであってもよい。また、トナー1は、必要に応じて、内添剤として、ニグロシン、四級アンモニウム塩等の帯電制御剤等を含んでいてもよい。さらに、トナー1は、必要に応じて、コロイダルシリカ、フッ素樹脂粉末、高級脂肪酸金属塩等の外添剤を含んでいてもよい。
【0062】
次に、トナー1の製造方法について説明する。
本発明にかかるトナー1は、結着樹脂2、ワックス、および着色剤を含む原料混合物を混練機により溶融混練した後、得られた混練物をペレット状に圧延して冷却し、次いで、冷却されたペレット状混練物を所定粒径に粉砕・分級する方法によって製造される。
【0063】
上記の原料混合物は、結着樹脂2、ワックス、および着色剤等を混合機に仕込んで均一に混合することにより、容易に調製することができる。
【0064】
上記の原料混合物の溶融混練に用いる混練機は、その取り出し口温度(出口温度)が、結着樹脂2の溶融粘度が1,000poise以上となる温度に設定されていることが好ましく、結着樹脂2の溶融粘度が1,100〜2,000poiseの範囲内となる温度に設定されていることがさらに好ましい。
【0065】
混練機の取り出し口温度を、結着樹脂2の溶融粘度が1,000poise以上となる温度に設定することにより、溶融した結着樹脂2によってワックスに対し高い剪断力が印加される。このため、ワックスは、微細なワックス粒子3となって結着樹脂2中に良好に分散する。これにより、ワックス粒子3の良好な分散状態を容易に実現でき、上記構成によれば、トナー担持体表面に対するワックス汚染をさらに抑制できる。
【0066】
混練機の取り出し口温度を、結着樹脂2の溶融粘度が1,000poise未満となる温度に設定した場合には、ワックス粒子3の分散性が不十分となり、結着樹脂2とワックス粒子3との分離が起こりやすくなる。このため、トナー担持体表面に対するワックス汚染が起こりやすくなる。
【0067】
溶融混練物は、厚さ1.2mm〜3.0mmに圧延されることが好ましく、厚さ1.7〜2.5mmの範囲内に圧延されることがさらに好ましい。
【0068】
これにより、ワックス粒子3が均一に分散された状態を維持したまま、溶融混練物を効率的に冷却することができ、しかも粉砕性が良好となる。従って、ワックス粒子3の良好な分散状態を容易に実現でき、ワックス汚染をさらに抑制できるとともに、粉砕工程での粉砕不良が防止できる。
【0069】
溶融混練物を厚さ1.2mm未満に圧延した場合、溶融混練物が圧延されすぎて、針状に長く引き延ばされたワックス粒子3が多数発生する。このため、トナー担持体表面に対するワックス汚染が発生しやすくなる。
【0070】
また、溶融混練物を3.0mmを越える厚さに圧延した場合、圧延により溶融混練物の冷却速度が向上する圧延冷却効果が減少し、溶融混練物の冷却速度が遅くなるので、次の粉砕工程で半溶融状態のペレットを粉砕することになることがある。このため、粉砕物が互いに融着して塊状に固まるという粉砕不良が発生し、目的のトナー粒度分布が得られない。
【0071】
溶融混練物を圧延した後の冷却は、冷却速度を上昇させるために、15℃未満で行うことが好ましい。また、溶融混練物を圧延した後の冷却速度は、10℃/sec以上であることが好ましい。
【0072】
尚、トナー1に必要に応じて含まれる前記の内添剤は、原料混合物に添加すればよい。また、前記の外添剤は、粉砕・分級により得られた粉体に混合すればよい。
【0073】
トナー1は、そのまま一成分現像剤として用いてもよく、また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いてもよいが、特に、二成分現像剤としての使用に適している。
【0074】
上記のキャリアとしては、特に限定されるものではなく、鉄粉系、フェライト系(マンガン、銅、亜鉛、マグネシウム等と鉄との結晶体)、マグネタイト、樹脂中に磁性体を分散したバインダー型キャリア等を用いることができる。
【0075】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、実施例および比較例における各試験は、以下のようにして行った。
【0076】
1.ワックス汚染
トナーを所定量の二成分現像剤用フェライトキャリア(平均粒径100μm、絶縁抵抗109 〜1012Ω・cm)と混合して得られた二成分現像剤を、市販の複写機(シャープ株式会社製、商品名「SD−2060」)に用いて、実写試験を高温高湿下で行った。即ち、温度35℃、湿度85%の条件で、上記複写機によって所定の原稿をA4の用紙上に繰り返し複写し、用紙上の複写画像を目視により観察して、複写画像にカブリまたは黒い筋が最初に発生するまでに複写された用紙の枚数で評価した。
【0077】
2.定着コールドオフセット
トナーから得られた上記の二成分現像剤を上記複写機に用いて、実写試験を常温常湿下で行った。即ち、温度20℃、湿度65%、定着温度150℃の条件で、上記複写機によって所定の原稿を用紙上に複写し、用紙上の複写画像にオフセットが見られた場合には「×」(不良)、オフセットが見られなかった場合には「○」(良好)と評価した。
【0078】
3.定着ホットオフセット
トナーから得られた上記の二成分現像剤を上記複写機に用いて、実写試験を常温常湿下で行った。即ち、温度20℃、湿度65%、定着温度220℃の条件で、上記複写機によって所定の原稿を用紙上に複写し、用紙上の複写画像にオフセットが見られた場合には「×」、オフセットが見られなかった場合には「○」と評価した。
【0079】
4.粉砕性
温度20℃、湿度65%の常温常湿条件で、トナーを目視し、直径3mm以上の塊状の固体となっているトナーがある場合には「×」、直径3mm以上の塊状の固体となっているトナーがなければ「○」と評価した。
【0080】
〔実施例1〕
本実施例では、結着樹脂2として、スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体を用いた。上記スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体の160℃における溶融粘度を、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製、商品名「CFT500」)を用いて測定したところ、1,300poiseであった。
【0081】
上記結着樹脂2の溶融粘度は、JIS K 7210に規定された流れ試験方法(参考試験)に準じて測定された流れ値から算出した。即ち、まず、結着樹脂2の試料をミキサーミルで粉砕して100メッシュで篩うことにより得られた粉末状の結着樹脂2を、1g精秤した。次いで、粉末状の結着樹脂2を80℃に加熱したシリンダーに充填し、300秒間かけて予熱を行った。尚、予熱中に、結着樹脂2のガス抜き操作を行った。そして、予熱終了後、昇温温度6℃/minでシリンダーを昇温しながら、ピストン(プランジャー)を介して所定の圧力(5kgf/cm2 )で結着樹脂2をダイから押し出した。
【0082】
そして、ピストンの降下速度が一定以上になった時点から測定を開始し、ダイを通過した結着樹脂2の流出量、即ち、一定断面積(1.0cm2 )のピストンの降下距離(ストローク)を時間の関数として、グラフに記録した。尚、測定は、結着樹脂2の押し出しが止まったところで終了した。そして、上記のグラフから、シリンダーが所定温度(160℃)となった時点における、1秒間当たりのピストンの降下距離(cm/s)を求め、これを所定温度(160℃)における結着樹脂2の流れ値Q(cm3 /s)とした。
【0083】
そして、所定温度(160℃)における結着樹脂2の流れ値Q(cm3 /s)、ピストンによる押し出し圧力p(dyn/cm2 )=5×9.80665×105 、ダイ(キャピラリー)の半径r(cm)=0.05、およびダイの長さl(cm)=0.10から、次式
η=p×π×r4 /(8×l×Q)
により、所定温度(160℃)における結着樹脂2の溶融粘度η(dyn・s/cm2 =poise)を求めた。
【0084】
また、上記スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体のガラス転移温度を、示差走査熱分析装置(セイコー電子工業株式会社製、商品名「Tg−DTA−200型」)を用いて測定したところ、62℃であった。
【0085】
さらに、上記スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体のメルトインデックス値を、JIS K 7210(ASTM D−1238−57T)に準拠したメルトインデクサー(東洋精機製作所製、商品名「P−001型」)を用いて測定したところ、6.0であった。上記のメルトインデクサーは、シリンダ内径が9.5mm、ピストン外径が9.48mm、ピストンの長さが175mm、ダイ(オリフィス)の長さが8.0mm、ダイの内径が2.095mmである。
【0086】
結着樹脂2のメルトインデックス値は、JIS K 7210に規定されたB法(自動時間測定法)を用い、粉砕した結着樹脂2の充填量8.0g、試験温度150℃、試験荷重2160gfの条件で、ピストンが2.50cm移動するのに要した時間の平均値t(秒)を測定し、試験温度(150℃)における結着樹脂2の密度をρ(g/cm3 )=0.980として、次式
メルトインデックス値(g/10分)=427×2.50×ρ/t
により求めた。尚、上記式中における427は、〔ピストンとシリンダーとの面積(cm2 )の平均値〕×600により求めた値である。
【0087】
そして、上記スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体100重量部、着色剤としてのカーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名「MA−100S」)7重量部、帯電制御剤としての四級アンモニウム塩(オリエント化学工業株式会社製、商品名「ボントロンP−51」)2重量部、およびワックスとしてのポリエチレンワックス(ヘキスト・インダストリー株式会社製、商品名「PE−130」、160℃での溶融粘度270poise)2重量部を、乾式混合機(ヘンシェルミキサー)で400rpmにて混合撹拌し、原料混合物を得た。
【0088】
次いで、取り出し口温度が180℃に設定された二軸ニーダ(混練機)を用いて、上記原料混合物を150rpmで溶融混練した後、得られた溶融混練物を圧延して12℃に冷却することにより、トナーペレット(ペレット状混練物)を得た。該トナーペレットの厚さを、市販のノギスで測定したところ、1.7mmであった。
【0089】
その後、上記トナーペレットをエアージェットミル(粉砕機)で粉砕、分級し、粒径5〜15μmの粉体を得た。得られた粉体に対し、外添剤としてのコロイダルシリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名「R972」)0.3重量部を、上記乾式混合機にて添加混合した。尚、上記の二成分現像剤用フェライトキャリアは、主成分である酸化鉄と、酸化銅、酸化亜鉛、および酸化マグネシウムとからなる結晶体である。
【0090】
これにより、スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体からなる結着樹脂2中にポリエチレンワックスからなるワックス粒子3が分散した平均粒径10μmのトナー1を得た。
【0091】
次に、トナー1中に分散しているワックス粒子3の長径/短径の比と、長径とを測定した。
即ち、得られたトナー1の3mgにテトラヒドロフラン(THF)を加えて溶解させ、30mlの混合液を得た。このとき、得られた混合液中において、トナー1中の結着樹脂2は全て溶解していたが、トナー1中のワックス粒子3は溶解せずに混合液に浮いていた。また、ワックス粒子3以外の不溶物(カーボンブラック、コロイダルシリカ等)は、沈殿していた。
【0092】
次いで、市販の遠心分離機を用いて上記混合液を遠心分離することにより、上記混合液を、ワックス粒子3を含む上澄み液と、沈殿とに分離した。ワックス粒子3を含む上澄み液から0.5mlを採取し、市販の目開き0.1μmのメンブレンフィルタで濾過したところ、メンブレンフィルタ上にワックス粒子3が濾残として濾取された。尚、カーボンブラックおよびコロイダルシリカは、目開き0.1μmのメンブレンフィルタを通過するため、濾取されない。
【0093】
メンブレンフィルタ上のワックス粒子3を真空乾燥して金属膜をスパッタ蒸着した後、市販の走査型電子顕微鏡で上記メンブレンフィルタを撮影した。得られた電子顕微鏡写真上におけるワックス粒子3の長径および短径を実測し、得られた実測値と電子顕微鏡の倍率とから実際のワックス粒子3の長径および短径を求めたところ、実測した範囲では、長径/短径の比が1.0〜2.0、長径が1.0〜4.0μmであった。これらの結果をトナー1の主な製造条件とともに表1に示す。
【0094】
得られたトナー1について、前記の方法で各試験を行ったところ、トナー1は、13万枚終了時までワックス汚染がみられず、また、定着コールドオフセット、定着ホットオフセット、および粉砕性も良好であった。これらの結果を併せて表1に示す。
【0095】
さらに、ワックス汚染の実写試験において、マクベス(Macbeth)社製反射濃度計(機種名「PROCESS MEASUREMENTS RD914型」)を用いて原稿画像が複写された用紙の複写の画像濃度およびカブリ濃度を測定したところ、画像濃度は、初期から10万枚終了時まで1.35〜1.40の間を維持し、かつ、カブリ濃度も0.4〜0.6で良好であった。
【0096】
〔比較例8〕
本比較例では、実施例1と同様にして測定した160℃における溶融粘度、ガラス転移温度、およびメルトインデックス値の各物性値が、それぞれ、2,000poise、63℃、5.0であるスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体を用いた。
【0097】
そして、結着樹脂2として上記のスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体100重量部を用い、ポリエチレンワックスの使用量を2重量部から5重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、混合攪拌および溶融混練を行い、溶融混練物を得た。
【0098】
次に、上記溶融混練物を所定の条件で圧延して12℃に冷却し、得られたトナーペレットの厚さを、市販のノギスで測定したところ、2.5mmであった。その後、実施例1と同様にして粉砕、分級し、得られた粉体に対し、実施例1と同様にしてコロイダルシリカを添加混合した。これにより、スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体からなる結着樹脂2中にポリエチレンワックスからなるワックス粒子3が分散した平均粒径10μmのトナー1を得た。
【0099】
次に、トナー1中に分散しているワックス粒子3の長径/短径の比と、長径とを、実施例1と同様にして電子顕微鏡写真により測定した。図2に、電子顕微鏡写真上で白く光っているワックス粒子3を示す。また、得られたトナー1について前記の方法で各試験を行った。これらの測定結果および試験結果をトナー1の主な製造条件とともに表1に示す。
【0100】
〔比較例9〕
本比較例では、実施例1と同様にして測定した160℃における溶融粘度、ガラス転移温度、およびメルトインデックス値の各物性値が、それぞれ、1,100poise、58℃、8.0であるスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体を用いた。
【0101】
そして、結着樹脂2として上記のスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体100重量部を用い、ポリエチレンワックスの使用量を2重量部から1重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、混合攪拌および溶融混練を行い、溶融混練物を得た。
【0102】
次に、上記溶融混練物を所定の条件で圧延して12℃に冷却し、得られたトナーペレットの厚さを、市販のノギスで測定したところ、1.2mmであった。その後、実施例1と同様にして粉砕、分級し、得られた粉体に対し、実施例1と同様にしてコロイダルシリカを添加混合した。これにより、スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体からなる結着樹脂2中にポリエチレンワックスからなるワックス粒子3が分散した平均粒径10μmのトナー1を得た。
【0103】
次に、トナー1中に分散しているワックス粒子3の長径/短径の比と、長径とを、実施例1と同様にして電子顕微鏡写真により測定した。図3に、電子顕微鏡写真上で白く光っているワックス粒子3を示す。また、得られたトナー1について前記の方法で各試験を行った。これらの測定結果および試験結果をトナー1の主な製造条件とともに表1に示す。
【0104】
〔比較例10〕
本比較例では、実施例1と同様にして測定した160℃における溶融粘度、ガラス転移温度、およびメルトインデックス値の各物性値が、それぞれ、1,000poise、56℃、10.5であるスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体を用いた。そして、結着樹脂2として上記のスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体100重量部を用い、ポリエチレンワックスの使用量を2重量部から0.5重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、混合撹拌および溶融混練を行い、溶融混練物を得た。
【0105】
次に、上記溶融混練物を所定の条件で圧延して12℃に冷却し、得られたトナーペレットの厚さを、市販のノギスで測定したところ、3.0mmであった。その後、実施例1と同様にして粉砕、分級し、得られた粉体に対し、実施例1と同様にしてコロイダルシリカを添加混合した。これにより、スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体からなる結着樹脂2中にポリエチレンワックスからなるワックス粒子3が分散した平均粒径10μmのトナー1を得た。
【0106】
次に、トナー1中に分散しているワックス粒子3の長径/短径の比と、長径とを、実施例1と同様にして電子顕微鏡写真により測定した。図4に、電子顕微鏡写真上で白く光っているワックス粒子3を示す。また、得られたトナー1について前記の方法で各試験を行った。これらの測定結果および試験結果をトナー1の主な製造条件とともに表1に示す。
【0107】
〔比較例1〕
本比較例では、実施例1と同様にして測定した160℃における溶融粘度、ガラス転移温度、およびメルトインデックス値の各物性値が、それぞれ、800poise、60℃、7.4であるスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体を用いた。
【0108】
そして、結着樹脂として上記のスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体100重量部を用いる以外は実施例1と同様にして、混合攪拌および溶融混練を行い、溶融混練物を得た。
【0109】
次に、上記溶融混練物を所定の条件で圧延して12℃に冷却し、得られたトナーペレットの厚さを、市販のノギスで測定したところ、0.9mmであった。その後、実施例1と同様にして粉砕、分級し、得られた粉体に対し、実施例1と同様にしてコロイダルシリカを添加混合した。これにより、平均粒径10μmのトナーを得た。
【0110】
次に、トナー中に分散しているワックス粒子3の長径/短径の比と、長径とを、実施例1と同様にして電子顕微鏡写真により測定した。図5に、電子顕微鏡写真上で白く光っているワックス粒子3を示す。また、得られたトナーについて前記の方法で各試験を行った。これらの測定結果および試験結果をトナーの主な製造条件とともに表1に示す。
【0111】
〔比較例2〕
本比較例では、実施例1と同様にして測定した160℃における溶融粘度、ガラス転移温度、およびメルトインデックス値の各物性値が、それぞれ、900poise、60℃、7.4であるスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体を用いた。
【0112】
そして、結着樹脂として上記のスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体100重量部を用いる以外は実施例1と同様にして、混合攪拌および溶融混練を行い、溶融混練物を得た。
【0113】
次に、上記溶融混練物を所定の条件で圧延して12℃に冷却し、得られたトナーペレットの厚さを、市販のノギスで測定したところ、1.1mmであった。その後、実施例1と同様にして粉砕、分級し、得られた粉体に対し、実施例1と同様にしてコロイダルシリカを添加混合した。これにより、平均粒径10μmのトナーを得た。
【0114】
次に、トナー中に分散しているワックス粒子3の長径/短径の比と、長径とを、実施例1と同様にして電子顕微鏡写真により測定した。図6に、電子顕微鏡写真上で白く光っているワックス粒子3を示す。また、得られたトナーについて前記の方法で各試験を行った。これらの測定結果および試験結果をトナーの主な製造条件とともに表1に示す。
【0115】
【表1】
【0116】
〔比較例3〕
本比較例では、実施例1と同様にして測定した160℃における溶融粘度、ガラス転移温度、およびメルトインデックス値の各物性値が、それぞれ、700poise、62℃、6.8であるスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体を用いた。
【0117】
そして、結着樹脂として上記のスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体100重量部を用いる以外は実施例1と同様にして、混合攪拌および溶融混練を行い、溶融混練物を得た。
【0118】
次に、上記溶融混練物を所定の条件で圧延して12℃に冷却し、得られたトナーペレットの厚さを、市販のノギスで測定したところ、1.1mmであった。その後、実施例1と同様にして粉砕、分級し、得られた粉体に対し、実施例1と同様にしてコロイダルシリカを添加混合した。これにより、平均粒径10μmのトナーを得た。
【0119】
次に、トナー中に分散しているワックス粒子3の長径/短径の比と、長径とを、実施例1と同様にして電子顕微鏡写真により測定した。図7に、電子顕微鏡写真上で白く光っているワックス粒子3を示す。また、得られたトナーについて前記の方法で各試験を行った。これらの測定結果および試験結果をトナーの主な製造条件とともに表2に示す。
【0120】
〔比較例4〕
本比較例では、実施例1と同様にして測定した160℃における溶融粘度、ガラス転移温度、およびメルトインデックス値の各物性値が、それぞれ、2,500poise、65℃、4.0であるスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体を用いた。
【0121】
そして、結着樹脂として上記のスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体100重量部を用い、ポリエチレンワックスの使用量を2重量部から0.4重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、混合攪拌および溶融混練を行い、溶融混練物を得た。
【0122】
次に、上記溶融混練物を所定の条件で圧延して12℃に冷却し、得られたトナーペレットの厚さを、市販のノギスで測定したところ、3.2mmであった。その後、実施例1と同様にして粉砕、分級し、得られた粉体に対し、実施例1と同様にしてコロイダルシリカを添加混合した。これにより、平均粒径10μmのトナーを得た。
【0123】
次に、トナー中に分散しているワックス粒子の長径/短径の比と、長径とを、実施例1と同様にして測定した。また、得られたトナーについて前記の方法で各試験を行った。これらの測定結果および試験結果をトナーの主な製造条件とともに表2に示す。
【0124】
〔比較例5〕
本比較例では、実施例1と同様にして測定した160℃における溶融粘度、ガラス転移温度、およびメルトインデックス値の各物性値が、それぞれ、1,100poise、62℃、6.8であるスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体を用いた。
【0125】
そして、結着樹脂として上記のスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体100重量部を用い、ポリエチレンワックスの使用量を2重量部から5.5重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、混合攪拌および溶融混練を行い、溶融混練物を得た。
【0126】
次に、上記溶融混練物を所定の条件で圧延して12℃に冷却し、得られたトナーペレットの厚さを、市販のノギスで測定したところ、4.0mmであった。その後、実施例1と同様にして粉砕、分級し、得られた粉体に対し、実施例1と同様にしてコロイダルシリカを添加混合した。これにより、平均粒径10μmのトナーを得た。
【0127】
次に、トナー中に分散しているワックス粒子3の長径/短径の比と、長径とを、実施例1と同様にして電子顕微鏡写真により測定した。図8に、電子顕微鏡写真上で白く光っているワックス粒子3を示す。また、得られたトナーについて前記の方法で各試験を行った。これらの測定結果および試験結果をトナーの主な製造条件とともに表2に示す。
【0128】
〔比較例6〕
本比較例では、実施例1と同様にして測定した160℃における溶融粘度、ガラス転移温度、およびメルトインデックス値の各物性値が、それぞれ、2,800poise、65℃、3.5であるスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体を用いた。
【0129】
そして、結着樹脂として上記のスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体100重量部を用い、ポリエチレンワックスの使用量を2重量部から7.0重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、混合攪拌および溶融混練を行い、溶融混練物を得た。
【0130】
次に、上記溶融混練物を所定の条件で圧延して12℃に冷却し、得られたトナーペレットの厚さを、市販のノギスで測定したところ、5.2mmであった。その後、実施例1と同様にして粉砕、分級し、得られた粉体に対し、実施例1と同様にしてコロイダルシリカを添加混合した。これにより、平均粒径10μmのトナーを得た。
【0131】
次に、トナー中に分散しているワックス粒子3の長径/短径の比と、長径とを、実施例1と同様にして測定した。また、得られたトナーについて前記の方法で各試験を行った。これらの測定結果および試験結果をトナーの主な製造条件とともに表2に示す。
【0132】
〔比較例7〕
本比較例では、実施例1と同様にして測定した160℃における溶融粘度、ガラス転移温度、およびメルトインデックス値の各物性値が、それぞれ、1,000poise、53℃、12.0であるスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体を用いた。そして、結着樹脂として上記のスチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体100重量部を用い、ポリエチレンワックスの使用量を2重量部から2.5重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、混合攪拌および溶融混練を行い、溶融混練物を得た。
【0133】
次に、上記溶融混練物を所定の条件で圧延して12℃に冷却し、得られたトナーペレットの厚さを、市販のノギスで測定したところ、1.2mmであった。その後、実施例1と同様にして粉砕、分級し、得られた粉体に対し、実施例1と同様にしてコロイダルシリカを添加混合した。これにより、平均粒径10μmのトナーを得た。
【0134】
次に、トナー中に分散しているワックス粒子3の長径/短径の比と、長径とを、実施例1と同様にして電子顕微鏡写真により測定した。図9に、電子顕微鏡写真上で白く光っているワックス粒子3を示す。また、得られたトナーについて前記の方法で各試験を行った。これらの測定結果および試験結果をトナーの主な製造条件とともに表2に示す。
【0135】
【表2】
【0136】
表1および表2に示す結果から明らかなように、本実施例にかかるトナーは、各比較例にかかるトナーに比べて、トナー担持体表面に対するワックス汚染が抑制されていることが分かった。しかも、本実施例にかかるトナーは、定着コールドオフセットおよび定着ホットオフセットが防止されており、また、粉砕性も良好であることが分かった。
【0137】
【発明の効果】
本発明の静電潜像現像用トナーは、以上のように、スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体からなる結着樹脂と、結着樹脂中に分散したポリエチレンワックスからなるワックス粒子とを含み、上記ワックス粒子は、長径/短径の比が1.0〜2.0の範囲内、かつ、長径が1.0μm〜4.0μmの範囲内である構成である。これにより、定着オフセット性に優れているとともに、トナー担持体表面に対するワックス汚染が抑制された静電潜像現像用トナーを提供することができるという効果を奏する。
【0138】
また、本発明の静電潜像現像用トナーは、上記ワックス粒子の含有量が、結着樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部の範囲内である構成である。これにより、トナー担持体表面に対するワックス汚染をさらに抑制しながら、定着ホットオフセットを防止することができるという効果を奏する。
【0139】
さらに、本発明の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂とワックス粒子とを溶融混練してなる混練物を、厚さ1.2〜3.0mmに圧延して冷却した後、粉砕することにより得られるものである構成である。これにより、ワックス汚染をさらに抑制できるとともに、粉砕工程での粉砕不良が防止できる。
【0140】
また、本発明の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂とワックス粒子とを含む混合物を、結着樹脂の溶融粘度が1,000poise以上となる温度で溶融混練することにより得られるものである構成である。これにより、トナー担持体表面に対するワックス汚染をさらに抑制できる。
【0141】
また、本発明の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂のガラス転移温度が55℃以上である構成である。これにより、ワックス汚染をさらに抑制することができる。
【0142】
また、本発明の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂のメルトインデックス値が5.0〜11.0である構成である。これにより、ワックス汚染をさらに抑制することでき、しかも、定着コールドオフセットを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる静電潜像現像用トナーの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の比較例にかかるトナーに含まれるワックス粒子を示す投影図である。
【図3】本発明の他の比較例にかかるトナーに含まれるワックス粒子を示す投影図である。
【図4】本発明のさらに他の比較例にかかるトナーに含まれるワックス粒子を示す投影図である。
【図5】本発明のさらに他の比較例にかかるトナーに含まれるワックス粒子を示す投影図である。
【図6】本発明のさらに他の比較例にかかるトナーに含まれるワックス粒子を示す投影図である。
【図7】本発明のさらに他の比較例にかかるトナーに含まれるワックス粒子を示す投影図である。
【図8】本発明のさらに他の比較例にかかるトナーに含まれるワックス粒子を示す投影図である。
【図9】本発明のさらに他の比較例にかかるトナーに含まれるワックス粒子を示す投影図である。
Claims (1)
- スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体からなる結着樹脂と、結着樹脂中に分散したポリエチレンワックスからなるワックス粒子とを含み、
上記結着樹脂は、ガラス転移温度が55℃以上、かつ、メルトインデックス値が5.0〜11.0であり、
上記ワックス粒子の含有量が、上記結着樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部の範囲内であり、
上記結着樹脂とワックス粒子とを含む混合物を、上記結着樹脂の溶融粘度が1,000poise以上となる温度で溶融混練するとともに、当該混練物を、厚さ1.2〜3.0mmに圧延して冷却した後、粉砕することにより、上記ワックス粒子は、長径/短径の比が1.0〜2.0の範囲内、かつ、長径が1.0μm〜4.0μmの範囲内となっていることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
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