JP2013003196A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、結着樹脂、顔料、ワックスを含有するトナーであって、前記ワックスは、炭化水素系ワックスであり、トナー粒子中の前記ワックスドメインの短径と長径の比が2以上であり、トナー粒子の長径をD1、トナー粒子中のワックスドメイン粒子の長径をD2とするとき、0.5<D2/D1であるトナー粒子の含有率が5%以上、かつ、0.8<D2/D1であるトナー粒子の含有率が20%以下であることを特徴とするトナー。
【選択図】図1
Description
また、トナーとしては、通常、熱可塑性樹脂を着色剤などと共に溶融混練した後、微粉砕し、更に分級する混練粉砕法により製造されるトナーが用いられている。
なお、必要に応じて、流動性やクリーニング性の改善を目的として、無機微粒子や有機微粒子がトナー粒子表面に添加されることがある。
特に、フルカラー複写機、フルカラープリンター等においては、その画像の光沢性及び混色性が重要となるため、より低融点を有するトナーが望まれているものの、低融点を有するトナーは、ホットオフセット現象が発生しやすく、また高温高湿度下における耐熱保存性に劣るため、従来よりフルカラー用の機器では、熱ロールにシリコーンオイル等を塗布することにより離型性を付与する方法が採用されている。
そこで、熱ロールにオイルを塗布することなく離型性を付与し、トナーの融着という問題を防ぐために、トナーにワックス等の離型剤を添加する方法が一般的に用いられている。
このとき、トナー粒子表面に存在するワックスの割合が多いと、凝集性を示して流動性が悪化したり、長期使用においてワックスがキャリアや感光体等に移行してフィルミングを生じ、良好な画質が得られないことがある。
更に、粉砕混練法により得られるトナーは、一般に粒度分布が広く、トナーの摩擦帯電性にムラが生じ、カブリなどが発生しやすいだけでなく、生産効率の関係上、体積平均粒子径が2〜8μmの小粒径トナーが得られにくく、高画質化の要求に対応できないという問題がある。
前記水相中で造粒することにより得られるトナーとして、従来より、懸濁重合法や乳化重合凝集法などにより得られるトナー(以下、ケミカルトナーという)の開発が行われている。
しかしながら、トナー粒子内部におけるワックスの分布については分析されておらず、不明である。
しかしながら、ESCAによる分析は、トナーの最表面から0.1μm程度の深さに限られるため、更に内側に存在し、定着工程で離型性を発揮するに相応しいワックスの分散状態を知るには及ばない。
また、該トナーを用いた現像剤、該トナー入り容器、及び該トナーを用いたプロセスカートリッジの提供を目的とする。
(1)「少なくとも、結着樹脂、顔料、ワックスを含有するトナーであって、前記ワックスは、炭化水素系ワックスであり、トナー粒子中の前記ワックスドメインの短径と長径の比が2以上であり、トナー粒子の長径をD1、トナー粒子中のワックスドメイン粒子の長径をD2とするとき、0.5<D2/D1であるトナー粒子の含有率が5%以上、かつ、0.8<D2/D1であるトナー粒子の含有率が20%以下であることを特徴とするトナー」、
(2)「0.5<D2/D1であるトナー粒子の含有率が25%以上、かつ、0.8<D2/D1であるトナー粒子の含有率が20%以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載のトナー」、
(3)「前記ワックスは、43.3℃における針入度が10mm以上25mm以下、融点が80℃以上95℃以下、かつ、粘度が70(99℃SUS)以上100(99℃SUS)以下であることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載のトナー」、
(4)「前記トナーに対してワックスを1質量%以上10質量%以下含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のトナー」、
(5)「前記ワックスが、マイクロクリスタリンであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載のトナー」、
(6)「前記トナーは、トナー材料を含む油相を水系媒体中で乳化または分散し、O/W型エマルジョンを形成し造粒されたものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のトナー」、
(7)「トナー粒子の体積平均粒子径が1〜9μmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載のトナー」、
(8)「前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載のトナートキャリアとからなることを特徴とする現像剤」、
(9)「前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載のトナーを有することを特徴とするトナー入り容器」、
(10)「静電潜像担持体と、現像手段と、帯電手段及び/又はクリ−ニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、該現像手段は、トナーを保持するものであり、該トナーは、前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカ−トリッジ」。
また、該トナーを用いた現像剤、該トナー入り容器、及び該トナーを用いたプロセスカートリッジを提供できる。
本発明のトナーは、少なくとも、結着樹脂、顔料、ワックスを含有するトナーであって、前記ワックスは、炭化水素系ワックスであり、トナー粒子中の前記ワックスの短径と長径の比が2以上であり、トナー粒子の長径をD1、トナー粒子中のワックスドメイン粒子の長径をD2とするとき、0.5<D2/D1であるトナー粒子の含有率が5%以上、かつ、0.8<D2/D1であるトナー粒子の含有率が20%以下である。
前記長鎖炭化水素ワックスのうち、マイクロクリスタリンワックスは、定着時の揮発分が少なく、VOCなどに伴う環境負荷を低減でき、また、晶析出により針状結晶となり好ましい。また、マイクロクリスタリンワックスは、温度の上昇に伴う粘度低下が大きいため、結着樹脂との溶融粘度差による圧力かかりトナー粒子から染み出し易く、さらに、耐熱保存性と低温定着性とを両立できるため好ましく用いることができる。
ワックスのドメインの短径と長径の比が2以上であると、定着の圧力によりドメインの長径方向からワックスがトナー粒子表面に染み出し易く、高速定着性、ホットオフセット性、画像の耐摩耗性が向上するためか本発明の目的達成が容易となる。
また、短径と長径の比は、10未満であることが好ましく、6未満であることがさらに好ましい。短径と長径の比が10以上であると、ワックスのドメインはトナー粒子径よりも小さいため、トナー粒子に対するワックスのドメインが小さくなって、充分な離型性を発現できない場合があり、トナー造粒中に針状の一部がトナー粒子表面から出る場合があり、また、トナー粒子表面から出ていなくても連続通紙時のコピー機内温度上昇によりにワックスがトナー表面に染み出すことがある。
このトナー粒子表面に露出したワックスは、凝集点となってトナー凝集させたり、他部材の汚染を引き起こしたりすることがある。
前記ワックスの粘度は70(99℃SUS)以上100(99℃SUS)以下であることが好ましい。70未満では、結着樹脂の溶融粘度差による圧力がかかりにくく、染み出しに時間がかかることがあり、また100を超えると充分な離型性を発現できない場合がある。
<ワックスの針入度>
ワックスの針入度は、米国規格ASTM D−1321に従って、43.3℃において測定される。すなわち、97.5gの可動の取付おもりを配置した2.5gの標準針を、試験すべきワックス上に5秒間置いたとき、針がワックスに貫通した深さ(ミリメートル)を測定した。
ワックスの融点(滴点)は、米国規格ASTM D127に準拠した方法により測定することができる。具体的には、金属ニップルを用いて、溶融したワックスが金属ニップルから最初に滴下するときの温度を測定した。
ワックスの粘度は米国規格ASTM D−88に記載の測定方法に準拠して行った。測定装置は恒温型セーボルト粘度計(Model No.DB-8C 大和建工(株)社製)を用い、99℃で測定を行った。
D2/D1が0.8を超えるトナー粒子が20個数%より多いと、ワックスが表面に露出しやすく耐熱保存性が低下し、ワックスの他部材への汚染が見られたり、トナーの凝集体を作り易くなる。
また、0.5<D2/D1であるトナー粒子の含有率が5%以上、より好ましくは25%以上である。D2/D1が0.5未満であると、トナー粒子中のワックスのドメインが小さすぎ、1トナー粒子中のワックスのドメイン数が多くなって、定着時に結着樹脂との溶融粘度差による圧力がかかりにくく、ワックスが染み出し難く、高速での定着性が低下する。
ワックスを加温して有機溶剤中に溶解させ、冷却して晶析したワックスは針状結晶となる場合が多く、冷却時間を長くすると、短径と長径の比が大きくなり、冷却時間を短くすると短径と長径の比を小さくすることができる。
また、晶析後のビーズミル分散によってもワックスの短径と長径の比を調節することができる。ビーズミルの分散を強化すること、即ちパス回数を多くしたり、ビーズミルの回転数を速くしたり、被分散液の粘度(濃度)を調節する等により、すると短径と長径の比を小さくすることができる。
トナーの製造工程で、ワックスと結着樹脂と混合された状態で加熱すると、ワックスのドメインは結着樹脂との接触面積が最小になるように球形化されるため、トナー粒子中の前記ワックスの短径と長径の比を2以上にするためには、ワックス分散液製造後に、ワックスの融点以上にしないことが好ましい。
スライドガラスにトナー粒子が重ならないように万遍なく乗せ、偏光レンズを備えた光学顕微鏡にて1000倍で観察する。偏光をかけることでトナー粒子中のワックスが白く光る。これを写真に撮りピントが合っているトナー粒子100個を観察し、ワックスドメインの短径と長径の比、前記D2/D1が0.5を超えるトナー粒子、及び、D2/D1が0.8を超えるトナー粒子数を測定する。
また、トナー粒子観察の際、トナー粒子が5μmより小さい場合は、油浸レンズと油浸オイルを用いた方が好ましい。
また、1視野に100個トナーが含まれない場合、又はピントが合ったトナーが100個含まれない場合は、複数視野撮影し100個トナー粒子を観察する。本発明のトナーを観察した写真を図1に示す。
前記結着樹脂は、紙等の記録媒体に対し接着性を示すものであり、目的に応じて適宜選択することができるが、炭化水素ワックスと完全に相溶しない極性基を有する樹脂であることが好ましく、特にポリエステル系樹脂であることが好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を含有する油滴を水系媒体中で反応させた樹脂を含んでいることが好ましい。前記樹脂を含んでいることで、容易にトナー中にゲル分を添加することが可能となる。
前記活性水素基の具体例としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられる。なお、活性水素基は、単独であってもよいし、二種以上の混合物であってもよい。
芳香族ジアミンの具体例としては、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
脂環式ジアミンの具体例としては、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
三価以上のアミンの具体例としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。
アミノアルコールの具体例としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等が挙げられる。
アミノメルカプタンの具体例としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。
アミノ酸の具体例としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。
アミノ基をブロックしたものの具体例としては、アミノ基を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物等が挙げられる。
なお、アルキレングリコールの炭素数は、2〜12であることが好ましい。これらの中でも、炭素数が2〜12であるアルキレングリコール又はビスフェノール類のアルキンオキシド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物又はビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数が2〜12のアルキレングリコールの混合物が特に好ましい。
前記ポリカルボン酸は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸、ジカルボン酸と三価以上のカルボン酸の混合物等を用いることができるが、ジカルボン酸又はジカルボン酸と少量の三価以上のポリカルボン酸の混合物が好ましい。これらは、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
ジカルボン酸の具体例としては、二価のアルカン酸、二価のアルケン酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。二価のアルカン酸の具体例としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。二価のアルケン酸の炭素数は、4〜20であることが好ましく、具体的には、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸の炭素数は、8〜20であることが好ましく、具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、炭素数が4〜20の二価のアルケン酸又は炭素数が8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
三価以上のカルボン酸としては、三価以上の芳香族カルボン酸等を用いることができる。三価以上の芳香族カルボン酸の炭素数は、9〜20であることが好ましく、具体的には、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
ジカルボン酸と三価以上のカルボン酸を混合して用いる場合、ジカルボン酸に対する三価以上のカルボン酸の質量比率は、0.0質量1%〜10質量%であることが好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中のポリオール由来の構成単位の含有量は、0.5質量%〜40質量%であることが好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が低下し、トナーの耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が低下することがある。
なお、結着樹脂として、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水系媒体中で架橋反応又は伸長反応したポリエステル樹脂を含有するトナーは、ガラス転移温度が低くても良好な保存性を有する。
変性されていない未変性ポリエステル樹脂を含むことにより、低温定着性及び光沢性を向上させることができる。
重量平均分子量が、3,000未満であると、耐ホットオフセット性が低下することがある。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色又は白色に近い材料を用いることが好ましい。
具体的には、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、フッ素変性四級アンモニウム塩を含む四級アンモニウム塩、アルキルアミド、リンの単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系界面活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂粒子は、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂であってもよい。
具体的には、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。中でも、微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られやすいことから、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される一種以上の樹脂であることが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ビニル樹脂は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合することにより得られる樹脂であり、具体的には、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
前記無機粒子は、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
具体的には、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記流動性向上剤を用いて表面処理すると、トナー表面の疎水性が向上し、高湿度下においても流動特性や帯電特性の低下を抑制することができる。流動性向上剤の具体例としては、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。
クリーニング性向上剤の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等のソープフリー乳化重合を用いて得られる樹脂粒子等が挙げられる。樹脂粒子は、粒度分布が狭いことが好ましく、体積平均粒子径が0.01μm〜1μmであることが好ましい。
前記トナーは、少なくとも結着樹脂と、着色剤とを含有する油相を水系媒体中で乳化及び/または分散し、O/W型エマルジョンを形成することにより造粒できる。
前記造粒法によるトナーの製造方法として、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を含むトナー材料液を水系媒体に加え、架橋反応又は伸長反応させながら、トナー母体粒子を形成する方法を以下に示す。
このような方法においては、活性水素基に対する反応性を有する重合体の合成、活性水素基を有する化合物の合成、トナー材料を含有する液体の調製、水系媒体相の調製、トナー材料の乳化又は分散、溶媒の除去等を行う。
トナー材料液は、トナーを構成する材料を油系媒体に溶解乃至分散させてなる。
前記トナーを構成する材料としては、トナーを形成可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノマー、ポリマー、活性水素基含有化合物、及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)、のいずれか、及びワックスを少なくとも含み、更に必要に応じて、着色剤、帯電制御剤などのその他の成分を含んでなる。
さらに、有機溶媒は、トナーの母粒子を形成する際又はトナーの母粒子を形成した後に除去することが好ましい。除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましい。150℃以上の有機溶媒は、除去する際にトナーの凝集が起こることがある。
トナー材料を含有する液体の調製は、溶媒中に、活性水素基を有する化合物、活性水素基に対する反応性を有する重合体、顔料、離型剤、帯電制御剤、未変性ポリエステル樹脂等のトナー材料を、溶解又は分散させることにより行うことができる。
なお、トナー材料の中で、活性水素基に対する反応性を有する重合体以外の成分は、樹脂粒子を水系媒体に分散させる際に水系媒体中に添加混合してもよいし、トナー材料を含有する液体を水系媒体に添加する際に、水系媒体に添加してもよい。
なお、粒子界面から両者を伸長反応及び/又は架橋反応させる場合、生成するトナーの表面に優先的にウレア変性ポリエステル樹脂が形成され、トナー中にウレア変性ポリエステル樹脂の濃度勾配を設けることもできる。
前記フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えばサーフロンS−111、S−112、S−113(以上、旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(以上、住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(以上、ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(以上、大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(以上、トーケムプロダクツ社製)、フタージェント100、150(以上、ネオス社製)、などが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
高分子系保護コロイドとしては、例えばカルボキシル基を有するモノマー、水酸基を有する(メタ)アクリル酸アルキル、ビニルエーテル、カルボン酸ビニル、アミドモノマー、酸塩化物のモノマー、窒素原子又はその複素環を有するモノマー等を重合することにより得られるホモポリマー又はコポリマー、ポリオキシエチレン系樹脂、セルロース類等が挙げられる。なお、上記のモノマーを重合することにより得られるホモポリマー又はコポリマーは、ビニルアルコール由来の構成単位を有するものも含む。
トナー材料を乳化又は分散させる際に、必要に応じて、分散剤を用いることができる。
機械的衝撃力を印加する方法としては、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
本発明のトナーは、各種分野において使用することができるが、電子写真法による画像形成に、好適に使用することができる。
この比が1.25を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合に、トナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
ここで、前記針入度は、針入度試験(JIS K2235−1991)により測定することができる。具体的には、50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に20時間放置した後、トナーを室温まで冷却して、針入度試験を行う。なお、針入度の値が大きい程、耐熱保存性が優れることを示している。
本発明のトナーの結着樹脂の流出開始温度は、60℃以上であることが好ましく、80℃〜120℃がより好ましい。流出開始温度が、60℃未満であると、耐熱保存性及び耐オフセット性の少なくとも一方が低下することがある。
前記画像濃度が、1.40未満であると、画像濃度が低く、高画質が得られないことがある。前記画像濃度は、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、定着ローラの表面温度を160±2℃として、複写紙タイプ 6200(株式会社リコー製)に現像剤の付着量が0.35±0.02mg/cm2であるベタ画像を形成し、得られたベタ画像における任意の5箇所の画像濃度を、分光計938 スペクトロデンシトメータ(X−ライト社製)を用いて測定し、その平均値を算出することにより、求めることができる。
本発明の現像剤は、本発明のトナーを含有し、キャリア等の適宜選択されるその他の成分を更に含有してもよい。このため、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。なお、現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命が向上することから、二成分現像剤が好ましい。
また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に用いることができる。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置、ファクシミリ、プリンターに着脱自在に備えさせることができ、後述する画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
プロセスカートリッジとは、像担持体(感光体)を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段から選ばれた手段を含んだ1つの装置(部品)である。必要に応じてその他の手段、例えば、除電手段を含んでもよい。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図2に示すものが挙げられる。ここで、上記プロセスカートリッジは、感光体(101)を内蔵し、帯電手段(102)、露光手段(103)、現像手段(104)、クリーニング手段(107)を含み、更に、必要に応じてその他の手段を有してなる。図中、(105)は記録媒体(転写体)、(108)は転写手段である。
なお、実施例中、各例における「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものであり、「モル」はモル比を意味する。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業製)20質量部、スチレン78質量部、メタクリル酸78質量部、アクリル酸ブチル120質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌し、白色の乳濁液を得た。該乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温して5時間反応させた。次いで、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を添加し、75℃にて5時間熟成して、ビニル樹脂粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(有機樹脂微粒子分散液)を調製した。
得られた有機樹脂微粒子分散液に含まれる有機樹脂微粒子の体積平均粒子径(Dv)を、粒度分布測定装置(「nanotrac UPA−150EX」;日機装株式会社製)により測定したところ、55nmであった。また、該有機樹脂微粒子分散液の一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のガラス転移温度(Tg)を測定したところ、48℃であり、重量平均分子量(Mw)を測定したところ450,000であった。
水990質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)37質量部、前記有機樹脂微粒子分散液15質量部、及び酢酸エチル90質量部を、混合撹拌し、乳白色の液体(水系媒体相)を得た。
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、アジピン酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,500、重量平均分子量(Mw)が6,700、ガラス転移温度(Tg)が47℃、酸価が18mgKOH/gであった。
水600質量部、前記着色剤としてのカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)400質量部、及び前記未変性ポリエステル600質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
温度計および攪拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン600部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業(株)製 サンワックスLEL−400:軟化点128℃)300部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン2310部、アクリロニトリル270部、アクリル酸ブチル150部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート78部およびキシレン455部の混合溶液を175℃で3時間かけて滴下して重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、ワックス分散剤を得た。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、ピーク分子量3000、Tg54℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価52mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53質量%、固形分が49.1重量%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170質量部及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(活性水素基含有化合物)を合成した。
得られたケチミン化合物(活性水素機含有化合物)のアミン価は418mgKOH/gであった。
−−ワックス分散液の調製−−
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、前記未変性ポリエステル378質量部、マイクロクリスタリンワックス(ビースクエア180ホワイト 針入度23mm、融点86.4℃、粘度84(99℃SUS) 東洋アドレ社製)110質量部、ワックス分散剤50質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、攪拌下80℃まで昇温し、80℃のまま5時間保持した後、3時間かけて30℃まで冷却しワックス分散液(1)を得た。
前記ワックス分散液(1)を2493質量部に、前記マスターバッチ500質量部、及び酢酸エチル1012質量部を仕込み、1時間混合して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1324質量部を反応容器に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度3m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを85体積%充填した条件で15パスして、前記カーボンブラック及び前記ワックスの分散を行った。次いで、該分散液に前記未変性ポリエステルの65質量%酢酸エチル溶液1324質量部を添加した。上記同様の条件のビーズミルで1パスし、分散させ、有機溶剤相を調製した。
得られた有機溶剤相の固形分濃度(測定条件:130℃、30分の加熱による)は、50質量%であった。
反応容器中に、前記有機溶剤相749質量部、前記プレポリマー115質量部、及び前記ケチミン化合物2.9質量部、第3級アミン化合物(U−CAT660M 三洋化成工業社製)0.4質量部を仕込み、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて7.5m/sにて1分間混合してトナー材料液を調製した。
前記トナー材料液中に前記水系媒体相1200質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)で、周速15m/sにて20分間混合し、水中油滴型分散液(乳化スラリー)を調製した。
攪拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記粒径制御後の乳化スラリーを仕込み、30℃にて8時間脱溶剤した後、45℃にて4時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した。このときのpHは6.3であった。その後減圧濾過した。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。そのときの水分散体は1回目pH6.2、2回目6.4であった。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後、10質量%塩酸溶液にてpH4に調整後1時間撹拌し濾過を行った。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過する操作を2回行い最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmのメッシュで篩い、実施例1のトナー母体粒子を得た。
−外添剤処理−
得られた実施例1のトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ1.5質量部と、疎水化酸化チタン0.5質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合処理し、目開き35μmのメッシュで篩い、トナーを製造した。
ワックス分散液の調製時の80℃のまま5時間保持した後、30℃まで冷却する時間、を0.5時間とし、有機溶剤相の調整において、ビーズミルのディスク周速度を6m/秒、及びパス回数を5回にする他は、実施例1と同様にしてトナーを製造した。
ワックス分散液の調製時の80℃のまま5時間保持した後、30℃まで冷却する時間、を5時間とし、有機溶剤相の調整において、ビーズミルのディスク周速度を5m/秒、及びパス回数を15回にする他は、実施例1と同様にしてトナーを製造した。
ワックス分散液の調製時の80℃のまま5時間保持した後、30℃まで冷却する時間、を5時間とし、有機溶剤相の調整において、ビーズミルのディスク周速度を6m/秒、及びパス回数を15回にする他は、実施例1と同様にしてトナーを製造した。
ワックス分散液の調製時の80℃のまま5時間保持した後、30℃まで冷却する時間、を0.5時間とし、有機溶剤相の調整において、ビーズミルのディスク周速度を6m/秒、及びパス回数を15回にする他は、実施例1と同様にしてトナーを製造した。
ワックス分散液の調製時の80℃のまま5時間保持した後、30℃まで冷却する時間、を2時間とし、有機溶剤相の調整において、ビーズミルのディスク周速度を5m/秒、及びパス回数を15回にする他は、実施例1と同様にしてトナーを製造した。
ワックス分散液の調製時の80℃のまま5時間保持した後、30℃まで冷却する時間、を0.5時間とし、有機溶剤相の調整において、ビーズミルのディスク周速度を6m/秒、及びパス回数を15回にする他は、実施例1と同様にしてトナーを製造した。
ワックス分散液の調製時の80℃のまま5時間保持した後、30℃まで冷却する時間、を3時間とし、有機溶剤相の調整において、ビーズミルのディスク周速度を6m/秒、及びパス回数を25回にする他は、実施例1と同様にしてトナーを製造した。
実施例1のマイクロクリスタリンワックスを下記精製ワックス1に変更した以外は実施例1と同様にトナーを製造した。
−−ワックスの調製−−
反応容器中に実施例1で用いたマイクロクリスタリンワックス(ビースクエア180ホワイト 東洋アドレ社製)を200質量部、トルエン800質量部、メチルエチルケトン200質量部を仕込み1時間撹拌した。撹拌後濾過、乾燥し精製ワックス1を得た。
実施例1のマイクロクリスタリンワックス(ビースクエア180ホワイト)をビースクエア185ホワイト(針入度29mm、融点89.4℃、粘度91(99℃SUS))に変更した以外は実施例1と同様にトナーを製造した。
実施例1のマイクロクリスタリンワックス(ビースクエア180ホワイト)をビースクエア195ホワイト(針入度32mm、融点92.1℃、粘度93(99℃SUS))に変更した以外は実施例1と同様にトナーを製造した。
また、上記トナーの定着性、耐熱保存性、フィルミング、耐久性を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
スライドガラスにトナー粒子が重ならないように万遍なく乗せ、偏光レンズを備えた光学顕微鏡にて、偏光をかけ1000倍に拡大し撮影した写真から、ピントが合っているトナー粒子100個を観察し、ワックスドメインの短径と長径の比、前記D2/D1が0.5を超えるトナー粒子、及び、D2/D1が0.8を超えるトナー粒子数を測定した。
トナーの体積平均粒子径(Dv)、個数平均粒子径(Dn)、Dv/Dnは、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer3 Version3.51)にて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬株式会社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II;本多電子株式気社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%になるように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
トナーの定着特性は、以下のようにして評価した。
リコー製imagio Neo 450に図3に示すベルト加熱定着装置を搭載した改造機にて評価を行った。
なお、ベルトの基体は100μmのポリイミド、中間弾性層が100μmのシリコンゴム、表面のオフセット防止層が15μmのPFA、定着ローラーがシリコン発泡体、加圧ローラーの金属シリンダーがSUSで厚さ1mm、加圧ローラーのオフセット防止層がPFAチューブ+シリコンゴムで厚さ2mm、加熱ローラーが厚さ2mmのアルミ、面圧1×105Paの構成のものを用いた。
ここで、定着下限温度は、画像形成装置を用いて複写テストを行い、得られた画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着温度の下限である。
また、オフセット未発生温度は、所定量のトナーで現像されるように調整した画像形成装置を用いて、オフセットの発生しない温度を測定することにより求めた。
各特性評価の基準は以下のとおりである。
(低温定着性)
◎;110℃未満
○;110〜120℃
□;120〜130℃
△;130〜140℃
×;140℃以上
(ホットオフセット性)
◎;195℃以上
○;185〜195℃
△;175〜185℃
×;175℃以上
トナーを10gずつ計量し、20mlのガラス容器に入れ、150回ガラス瓶をタッピングした後、温度55℃、湿度80%にセットした恒温槽に24時間放置した後、針入度計で針入度を測定した。また低温低湿(10℃、15%)環境に保存したトナーも同様に針入度を評価し、高温高湿、低温低湿環境で、より針入度が小さい方の値を採用して評価した。良好なものから、◎:20mm以上、○:15mm以上20mm未満、△:10mm以上〜15mm未満、×:10mm未満、とした。
前記針入度は、針入度試験(JIS K2235−1991)により測定した。
トナー中に含まれるワックスの他部材への汚染評価として、デジタルフルカラー複合機(「Imagio MP C5000」;株式会社リコー製)を用い、画像率5%(印刷紙に対してトナー画像が5%の面積で印字)で5万枚複写を行ったときの現像ローラ、あるいは、感光体上のトナーフィルミングの発生状況の有無を目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:フィルミングが観られない
○:スジ状のフィルミングが殆ど観られない
△:スジ状のフィルミングが部分的に観られる
×:全体的にフィルミングが観られる
トナー中に含まれるワックスがトナー表面に染み出しトナー凝集体が発生し異常画像が現れる。トナー凝集体による異常画像評価として、デジタルフルカラー複合機(「Imagio MP C5000」;株式会社リコー製)を用い、画像率5%(印刷紙に対してトナー画像が5%の面積で印字)で50万枚複写を行い、その後全ベタ画像を印刷した時の画像を目視で観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:初期と変わらない
○:スジ状の色抜けが1〜5本発生
△:スジ状の色抜けが6〜10本発生
×:画像全面にスジ状の色抜けが発生
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
Claims (10)
- 少なくとも、結着樹脂、顔料、ワックスを含有するトナーであって、前記ワックスは、炭化水素系ワックスであり、トナー粒子中の前記ワックスドメインの短径と長径の比が2以上であり、トナー粒子の長径をD1、トナー粒子中のワックスドメイン粒子の長径をD2とするとき、0.5<D2/D1であるトナー粒子の含有率が5%以上、かつ、0.8<D2/D1であるトナー粒子の含有率が20%以下であることを特徴とするトナー。
- 0.5<D2/D1であるトナー粒子の含有率が25%以上、かつ、0.8<D2/D1であるトナー粒子の含有率が20%以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記ワックスは、43.3℃における針入度が10mm以上25mm以下、融点が80℃以上95℃以下、かつ、粘度が70(99℃SUS)以上100(99℃SUS)以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
- 前記トナーに対してワックスを1質量%以上10質量%以下含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
- 前記ワックスが、マイクロクリスタリンであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナーは、トナー材料を含む油相を水系媒体中で乳化または分散し、O/W型エマルジョンを形成し造粒されたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
- トナー粒子の体積平均粒子径が1〜9μmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載のトナートキャリアとからなることを特徴とする現像剤。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載のトナーを有することを特徴とするトナー入り容器。
- 静電潜像担持体と、現像手段と、帯電手段及び/又はクリ−ニング手段とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカ−トリッジにおいて、該現像手段は、トナーを保持するものであり、該トナーは、請求項1乃至7のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするプロセスカ−トリッジ。
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