JPH0123655Y2

JPH0123655Y2 -

Info

Publication number: JPH0123655Y2
Application number: JP1984083135U
Authority: JP
Priority date: 1984-06-04
Filing date: 1984-06-04
Publication date: 1989-07-19
Also published as: JPS60195140U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、鋳砂を圧縮して鋳型を成型するた
めの鋳造用模型に関する。

（従来の技術）鋳造用模型は、鋳砂に鋳物の形を写しとるため
の原形となるもので、一般に木型・金型・アルミ
型・合成樹脂製等があるが、いずれも鋳型から模
型を抜くとき（以下抜型という）、鋳型に欠ける
部分を生じていた。そこでこの処置として、従来
は模型表面に滑り性のよいコーテイングをした
り、あるいは抜型性のよい離型剤を開発して噴霧
するなどしていた。また製品形状の形成に直接支
障のない巾木等に、アクシヨンプラグ（鋳型部を
押出す部材）を埋設し、抜型時にこの反発力によ
つて鋳型の一部を跳ね上げる方法も実施されてい
た。

しかし、形状が複雑とか凹凸の差があるもので
は、やはり離型性が悪かつた。このため、島部を
形成する部分とか模型の周縁部などが欠損して、
型抜け不良（以下鋳型不良という）が依然として
生じていた。

（考案が解決しようとする問題点）このような鋳型不良をおこす原因は、つぎのよ
うに考えられる。すなわち鋳砂は本来湿体で流動
性が乏しいため、模型の形状が複雑になると、隅
部では鋳砂の充填密度が不足して、鋳型に詰りの
弱い部分や詰り過ぎる部分ができる。また成型す
るとき、模型面に空気が滞り、圧縮によつて弾性
部を作り詰りを不均一にする。一方型抜き時に
は、模型と鋳砂面との間に一瞬真空状態がおこ
る。このため、外部との空気流通の悪い鋳型部分
が吸いつけられて、模型に付着したままで離れ
る。この結果として欠損部分が生ずると考えられ
る。そこで鋳型不良を防ぐには、抜型時の模型面
に速やかに空気を流して、真空状態がおきないよ
うにすることが課題と考えられる。

この課題を解決するための従来技術として、特
開昭55−139142号公報記載の技術がある。同公報
第１図には、模型定盤２もしくは模型３の表面の
必要箇所に、微細なスリツトを有するベントホー
ル４を配設し、このベントホール４を模型定盤２
および台枠５に穿設された通孔６によつて外部空
間と連通させることにより、成形時・抜型時に鋳
型成形空所へ空気を流入させるものが示されてい
る。

また同第２〜３図には、鋳砂を充填する鋳型成
形空所も形成する壁面の一部もしくは全部に多孔
質体を配設し、この多孔質体を介して前記鋳型成
形空所を外部空間と連通することにより、同じく
成形時・抜型時に鋳型成形空所へ空気を流入させ
るものが示されている。

しかし、前者には模型３の形状によつて、ベン
トホール４の設定位置および大きさが制約される
という欠点がある。また後者には、つぎの欠点が
ある。(1)全体もしくは一部が多孔質のため、離型
剤の噴霧で目詰りを生じて通気性がなくなる。(2)
表面に凹凸があるため、鋳物が奇麗に仕上らな
い。(3)気密性のものを貼ると、耐久性が悪い。(4)
塗料を塗布すると、その面部は目詰りをするか
ら、通気の効果はなく、耐久性も悪い。

（課題を解決するための手段）この考案は、上記の課題を解決するために、つ
ぎのように構成する。

すなわち、模型を固定させたプレート上に鋳枠
を装着し、この鋳枠内に鋳砂を充填して鋳型を圧
縮成形する鋳造用模型において、該模型を粒状体
を集結させて形成された通気性を有する内層部
と、この内層部を被覆する外層部とにより形成
し、外層部には前記内層部と通ずる微細な通気孔
を有するベントプラグが複数箇所に配置されて設
けられ、且つプレートには、そのプレート上面に
固定する側の前記外層部に設けられたベントプラ
グと外部に通ずる通気孔を設けた鋳造用模型であ
る。

（実施例）つぎにこの考案の一実施例を図面に基いて説明
する。第１図に示す鋳造用模型１は、通気性の内
層部２と、この内層部２を被覆する外層部３とよ
りなり、外層部３には通気孔を形成するベントプ
ラグ４を複数個埋設する。この模型１をプレート
５へボルト６によつて固定させる。模型１の構造
を、更に詳述すると、前記内層部２はプラスチツ
クの球状体７を集結し、接着剤にて固着して、通
気性のある結晶状に形成してある。外層部３は第
２図に示すように内層部２側よりエポキシ樹脂層
９、ガラス繊維層８、エポキシ樹脂層９の順に積
層して三層構造とし、その外層部３の表面には更
にエポキシ樹脂のゲルコート層１０を付着させ
る。ベントプラグ４は、第３図に示すような格子
状の微細な空間１１を有する通気孔で、鋳型不良
が発生し易い部分へ埋め込む。またアルミ合金製
の取付座１３をあらかじめ設定した取付位置へ埋
め込む。

こうして製作された模型１をその取付面１２面
側を、あらかじめ平面に仕上げた鉄製のプレート
５側に向けてセツトし、これをボルト６によりア
ルミ合金製の取付座１３を介して締め付け固定す
る。プレート５には、複数の通気口１４を設け、
これを模型１の取付面１２側に設けたベントプラ
グ４と連通させる。

なお、この実施例では模型１とプレート５とを
別個に製作し、ボルト６などの締付具で固定して
いるが、両者を一体的に成型してもよい。

また実施例では、外層部を樹脂製にしている
が、鉄製、アルミ製などにより形成してもよい。

（作用の説明）前記のように構成した鋳造用模型１を、造型機
（図示せず）にセツト固定し、プレート５上に鋳
枠１５を装着する。つぎに鋳砂１６を鋳枠１５内
に充填し、圧縮させて鋳砂１６の充填密度を上げ
ることにより、鋳型が成型される。このとき、鋳
枠１５内にあつた空気は、模型１のベントプラグ
４から内層部２の空隙部を経て模型１の取付面１
２側のベントプラグ４、プレート５の通気口１４
を通つて外部へ放出される。ついで模型１を抜き
取る抜型工程に移るが、この模型１を抜型すると
き、プレート５に設けた通気口１４と、これに対
応するベントプラグ４から外部の空気が模型１内
に入り、この空気が内部層２を経て外層部２のベ
ントプラグ４を通つて、模型面に流入される。

（考案の効果）この考案は以上説明したように構成したので、
つぎの効果を有する。(1)空気が同じ通気通路を通
つて、成形時には放出され、抜型時には流入する
ので、目詰まりを起こさない。(2)模型内部は通気
性を有するので、ベントプラグは外層部のいづれ
にも配置できて、その位置および大きさが制約さ
れない。(3)内層部は粒状体を集結したものである
から、既存の模型の内部をくり抜いて充填形成さ
せることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の鋳造用模型を示す縦断面
図、第２図は同外層部を示す拡大断面図、第３図
は第１図における−断面図である。１−鋳物用模型、２−内部層、３−外部層、４
−ベントプラグ、５−プレート、１２−取付面、
１４−通気口。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

模型を固定させたプレート上に鋳枠を装着し、
この鋳枠内に鋳砂を充填して鋳型を圧縮成形する
鋳造用模型において、該模型を粒状体を集結させ
て形成された通気性を有する内層部と、この内層
部を被覆する外層部とにより形成し、外層部には
前記内層部と通ずる微細な通気孔を有するベント
プラグが複数箇所に配置されて設けられ、且つプ
レートには、そのプレート上面に固定する側の前
記外層部に設けられたベントプラグと外部に通ず
る通気孔を設けた鋳造用模型。