JPH01228503A - 多孔質中空糸膜、その製造方法およびその中空糸膜を用いた人工肺 - Google Patents

多孔質中空糸膜、その製造方法およびその中空糸膜を用いた人工肺

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JPH01228503A
JPH01228503A JP5384088A JP5384088A JPH01228503A JP H01228503 A JPH01228503 A JP H01228503A JP 5384088 A JP5384088 A JP 5384088A JP 5384088 A JP5384088 A JP 5384088A JP H01228503 A JPH01228503 A JP H01228503A
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fiber membrane
polypropylene
membrane
porous
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建 建部
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学 山崎
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分齋) 本発明は、多孔質中空糸膜、その製造方法およびその中
空糸膜を用いた人工肺に関するものである。詳しく述べ
ると本発明は、高ガス交換能を有するとともに破@強度
に優りを多孔質中空糸膜、その製造方法およびその中空
糸膜を用いた人工肺に関するものである。さらに詳しく
述べると、中空糸膜の内側あるいは外側に血液を流すい
ずれのタイプの人工肺に用いられても、血球成分の損傷
、圧力損失の増加等を起こすことなく、まな中空糸膜の
破断による有効膜面績の減少の生じる虞りも少なく、長
期間使用に際して血漿漏出がなくかつ高いガス交換能を
示す多孔質中空糸膜、その製造方法およびその中空糸膜
を用いた人工肺に関するものである。
(従来の技術) 一般に心臓手術等において、患者の唾液を体外に導き、
これに酸素を添加しかつ炭酸ガスを除去するために、体
外循環回路内に中空糸膜人工肺が用いられている。この
ような人工肺において使用される中空糸膜としては、均
質膜と多孔質膜の2種類がある。均質膜は透過する気体
の分子が膜に溶解し、拡散することによってガスの移動
が行なわれる。この代表的なものにシリコーンゴムがあ
り、例えば、メラ・シロックス(泉工医工業)として製
品化されている。しかしながら、均質膜は、ガス透過性
の点から現在使用可能のものとしてはシリコーンゴムの
みしか知られておらず、また該シリコーンゴム膜は強度
的に膜厚100μ雇以下にすることはできない。このた
めガス透過に限界があり、特に炭酸ガスの透過が悪い。
また、前記シリコーンゴムは高価で、しかも加工性が悪
いという欠点があった。
一方、多孔質膜は、該膜の有する微細孔が透過すべき気
体分子に比べて著しく大きいなめ、気体は体積流として
細孔を通過する。例えばマイクロポーラスポリプロピレ
ン膜等の多孔質膜を使用した人工肺が種々提案されてい
る。例えばポリプロピレンを中空糸製造用ノズルを用い
て、紡糸温度210〜270℃、ドラフト比180〜6
00で溶解紡糸し、ついで155℃以下で第1段熱処理
を行なったのち、110℃未溝で30〜200%延伸し
、しかるのちに第2段熱処理温度以上155℃以下で第
2段熱処理することにより多孔質ポリプロピレン中空糸
を製造することが提案されている(特公昭56−52,
123号)。しかしながら、このようにして得られる多
孔質中空糸はポリプロピレン中空糸を延伸することによ
り物理的に細孔を形成するので、該細孔は膜厚方向にほ
ぼ水平な直線状細孔であり、かつ延伸度に応じて中空糸
の軸線方向に畠裂を生じて生成する細孔であるから断面
がスリット状である。ス細孔はほぼ直線的に連続貫通し
、かつ空孔率が高い。このため、該多孔雷中空系は水蒸
気の透過性が高く、また長期ram液を体外循環させて
使用すると、血漿が漏出するという欠点があった。
また、血漿漏出が起こらない多孔質膜として、例えば、
ポリオレフィン、該ポリオレフィンの溶融下で該ポリオ
レフィンに均一に分散し得かつ使用する抽出液に対して
易溶性である有機充填剤および結晶核形成剤を混練し、
このようにして得られる混線物を溶融状態で環状紡糸孔
から吐出させ同時に内部中央部に不活性ガスを導入し、
該中空状物を前記ポリオレフィンを溶解しない冷却固化
液と接触させて冷却固化し、ついで冷却固化した中空状
物を前記ポリオレフィンを溶解しない抽出液と接触させ
て前記有機充填剤を抽出除去することにより製造される
多孔質ポリオレフィン中空糸膜が提案されている(特願
昭59−210,466号)。しかしながら該中空糸膜
の1つであり、冷却同化液として好ましいとされる用い
られる有機充填剤を溶解し得る冷却固化液を使用して得
られたポリプロピレン中空糸膜は、孔が小さく孔路も複
雑であるため血漿漏出は起こらないが、単位面積当りの
孔密度が小さいので、人工肺用膜として用いるには、ガ
ス交#!i!能が不充分となる虞九があり、さらに前記
有機充填剤を溶解し得る冷却固化液中にポリオレフィン
の低分子成分が混ざり、冷却浴管内壁に付着し、中空糸
の形状が経時的に変化してしまうという虞れがあった。
さらにこれらの点を改善するために、ポリプロピレン、
該ポリプロピレンの溶融下でポリプロピレンに均一に分
散し得、かつ使用する抽出液に対して易溶性である有機
充填剤、および結晶核形成剤を混練し、このようにして
得られる混線物を溶融状態で環状紡糸孔から中空状に吐
出させ、該中空状物を前記有機充填剤ないしその票似化
合物よりなる液体と接触させて冷却固化し、ついで冷却
固化した中空状物をポリプロピレンを溶融しない抽出液
と接触させて7#記有機充填剤を抽出除去することによ
り製造される多孔質ポリオレフィン中空糸膜が提案され
ている(特願昭61−155,159号)。この方法に
より得られる中空糸膜は、令まで述べた欠点を克服した
ものであるが、その冷却過程において、有機充填剤ある
いは冷却固化液が、まだ完全に冷却固化していない中空
糸の最外表面に局在し、最外表面のポリプロピレンの組
成分率が低くなり、結果として中空糸外表面の孔が大き
く、かつポリプロピレンがネットワーク状に連なり、非
常に凹凸の激しい状態として形成される。このような中
空糸は、中空糸の内側へ血液を流し、中空糸の外側に酸
素含有ガスを吹送して、血液に酸素添加および炭酸ガス
除去を行なうタイプの人工肺に用いる場合には何ら問題
とならないが、逆に中空糸の外側に血液を流し、中空糸
の内側に酸素含有ガスを吹送するタイプの人工肺に用い
られた場合には、上記のごとき外表面の性状により血球
成分への損傷、圧力損失の増加といった欠点が生じてく
る。また、このような中空糸膜は、人工肺のタイプにか
かわらず、人工肺を組立てる場合に、中空糸同志の固着
が発生し、作業性が良々fなものとならず、かつポツテ
ィング不良が発生するという欠点があった。加えてこの
ようにして得られる中空糸膜は、強度的な面において比
較的良好なものであるが、実用上その強度は十分なもの
であるとは言えずさらに改良の余地の残るものであった
(発明が解決しようとする問題点) 従って、本発明は、改良さhた多孔質中空糸膜、その製
造方法およびその中空糸膜を用いた人工肺を提供するこ
とを目的とする。本発明はまた、高いガス交換能を有す
るとともに破断強度に優れた多孔質中空糸膜、その製造
方法およびその中空糸膜を用いた人工肺を提供すること
を目的とする。
本発明はさらにいずれのタイプの人工肺に用いられた場
合においても血球成分を損傷せずまた圧力損失を高める
こともなく、長期間の使用に際して血漿漏出がなくかつ
多孔質膜の破断による有効膜面積の低下の生じる虞れも
少なく、高いガス交換能を有し人工肺用として好適なポ
リプロピレン製多孔質中空糸膜、その製造方法およびそ
の中空糸膜を用いた人工肺を提供することを目的とする
本発明はさらにまた、滑らかな外表面性状を有し、人工
肺組立工程における中空糸同志の固着のない多孔質中空
糸膜、その製造方法およびその中空糸膜を用いた人工肺
を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) これらの諸口的は、多孔質ポリプロピレン中空糸膜であ
って、その内表面においては同相は粒子状ポリプロピレ
ンが一部露出しつつ密に融和結合して形成された連続相
を呈し、また膜内部および外表面においては同相は粒子
状ポリプロピレンが繊維軸方向に連なってできたポリプ
ロピレン塊が多数集まって形成され、これらの固相間の
間隙は、3次元ネットワーク状に連通して連通孔を形成
してなり、かつ軸方向の破断強度が80 g/糸以上で
ある多孔質中空糸膜によって達成される。
本発明はまた多孔質中空糸膜の繊維軸方向における複屈
折率が0.001〜0.01である多孔質中空糸膜を示
すものである。本発明はまた空孔率が10〜60%、内
表面の開孔率が10〜30%、酸素ガスフラックスが1
00〜1500Ω/m1n−rf・atmである多孔質
中空糸膜を示すものである。本発明はさらに内径が15
0〜300μm、肉厚が10〜150μmである多孔質
中空糸膜を示すものである。本発明はまた、粒子状ポリ
プロピレンの平均粒径が0.1〜2.0μmで、内表面
の平均空孔径が0.1〜1.0μmである多孔質中空糸
膜を示すものである。本発明はまた、人工肺用として用
いた場合に、30時間以内での血漿の漏出およびガス交
換能の低下が実質的にないものである多孔質中空糸膜を
示すものである。
本発明はさらに、人工肺用として用いた場合に、血球成
分に対する損傷の少ないものである多孔質中空糸膜を示
すものである。
上記諸目的はまた、ポリプロピレン、該ポリプロピレン
溶融下でポリプロピレンに均一に分散し得、かつ使用す
る抽出液に対して易溶性である有機充填剤、およ°び結
晶核形成剤を混練し、このようにして得られる混線物を
溶融状態で環状紡糸孔から中空状に吐出させ、該中空状
物を前記有機充填剤とは相溶せずかつ比熱容量が0.3
〜0.7cal/gである冷却同化液と接触させて冷却
固化し、ついで冷却固化した中空状物を、ポリプロピレ
ンを溶解しない抽出液と接触させて前記有機充填剤を抽
出除去し、このようにして得られた中空糸膜に1〜30
%の延伸を加えた後熱処理を行なうことを特徴とする多
孔質中空糸膜の製造方法により達成される。
本発明はまた、冷却固化液として、シリコーンオイルま
たはポリエチレングリコールを用いるものである多孔質
中空糸膜の製造方法を示すものである。本発明はさらに
、ポリジメチルシロキサンが、20℃で2〜50cSt
の粘度を有するものである多孔質中空糸膜の製造方法を
示すものである。
本発明はさらに、ポリエチレングリコールが、平均分子
社100〜400のものである多孔質中空糸膜の製造方
法を示すものである。本発明はまた5〜30%の延伸を
加えるものである多孔質中空糸膜の製造方法を示すもの
である。本発明はさらに10〜25%の延伸を加えるも
のである多孔質中空糸膜の製造方法を示すものである。
本発明はさらにまた熱処理が70〜130℃で5秒〜1
20分間行なわれるものである多孔質中空糸膜の製造方
法を示すものである。本発明はまた、有機充填剤として
流動パラフィンを用いるものである多孔質中空糸膜の製
造方法を示すものである。本発明はさらに、ポリプロピ
レン100重量部に対する有機充填剤の配合量が35〜
170重量部である多孔質中空糸膜の製造方法を示すも
のである。
本発明はまた、結晶核形成剤は融点が150℃以上でか
つゲル化点が使用するポリプロピレンの結晶開始温度以
上の有機耐熱性物質である多孔質中空糸膜の製造方法を
示すものである。本発明はさらにポリプロピレン100
重量部に対する結晶核形成剤の配合量が0.1〜5重量
部である多孔質中空糸膜の製造方法を示すものである。
上記諸目的はさらにまた、中空糸膜をガス交換膜として
備えてなる人工肺において、該ガス交換膜は多孔質ポリ
プロピレン中空糸膜であって、その内表面においては、
同相は粒子状ポリプロピレンが一部露出しつつ密に融和
結合して形成された連続相を呈し、また膜内部および外
表面においては固相は粒子状ポリプロピレンが繊維軸方
向に連なってできたポリプロピレン塊が多数集まって形
成され、これらの固相間の間隙は、3次元ネットワーク
状に連通して連通孔を形成してなり、かつ軸方向の破断
強度が80g/糸以上であることを特徴とする人工肺に
よって達成される。
本発明はまた多孔質中空糸膜の繊維軸方向における複屈
折率が0.001〜0.01である人工肺を示すもので
ある。本発明はまた中空糸膜の空孔率が10〜60%、
内表面の開孔率が10〜30%、酸素ガスフラックスが
100〜’1500Ω/m1n−ryf・atmである
人工肺を示すものである。
本発明はさらに中空糸膜の内径が150〜300μm、
肉厚が10〜100μmのものである人工肺を示すもの
である。本発明はまた、中空糸膜の内側に血液を循環し
、中空糸膜の外側に酸素含有ガスを吹送するものである
人工肺を示すものである。本発明はまた、中空糸膜の外
側に血液を循環し、中空糸膜の内側に酸素含有ガスを吹
送するものである人工肺を示すものである。本発明はさ
らに、血液を体外循環させたとき、30時間以内での血
漿の漏出およびガス交換能の低下が実質的にないもので
ある人工肺を示すものである。本発明はまた、血液を体
外循環させたとき、血球成分に対する損傷の少ないもの
である人工肺を示すものである。本発明はさらに、中空
糸膜の粒子状ポリプロピレンの平均粒径が0.1〜2.
0μm、内表面の平均空孔径が0.1〜1.0μmであ
る人工肺を示すものである。
以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説明する。
本発明による多孔質中空糸膜は、内径が150〜300
μ雇、好ましくは180〜250jJ、−rrL、肉厚
が10〜150μm、好ましくは20〜100μ扉、さ
らに好ましくは40〜50μ雇であるほぼ円形のポリプ
ロピレン製中空糸膜である。このポリプロピレン製中空
糸膜の微細構造は、中空糸膜の製造条件によって変わる
が、既して後述するように冷却固化液として、有機充填
剤とは相溶せずかつ比熱容量が0.3〜0.7cal 
/gである溶液を使用することにより、以下に述べるよ
うな構造を有するものとなる。すなわち、その内表面側
においては、同相は粒子状ポリプロピレンが一部露出し
つつ密に融和結合、つまり溶融した後、冷却固化して形
成された連続相を呈する。また膜内部においては同相は
多数の粒子状ポリプロピレンによって形成され、この粒
子状ポリプロピレンは円周方向においては方向性をもた
ず無秩序に集まっているが繊維軸方向においては連なっ
てポリプロピレン塊を形成しており、このポリプロピレ
ン塊は、糸状ポリプロピレンによって相互に結ばれてい
る。従って膜内部においては、同相は粒子状ポリプロピ
レンが繊維軸方向に連なってできたポリプロピレン塊が
多数集まって形成されているものと7ツわれる。さらに
外表面においても、膜内部と同様に固相は粒子状ポリプ
ロピレンがm離軸方向に連なってできたポリプロピレン
塊が多数集まって形成されている。しかして、これらの
固相間の間隙は、該中空糸の内表面および外表面を含む
肉厚部において、内表面より外表面に至る経路が長く、
かつ孔同志が直線的でなく複雑に割目状につながった3
次元ネットワーク状の連通孔を形成している。なお、こ
のような連通孔の孔路の複雑さは、本発明の多孔質中空
糸膜の繊維軸方向の複屈折率が0.001〜0.01と
極めて低く、ポリプロピレン結晶の配向性が小さいこと
からも、支持されるものである。
このように本発明の多孔質中空糸膜においては、その内
表面が粒子状ポリプロピレンの一部が露出しつつ密に融
和結合された連続相とそれ以外の空孔部分からなり滑ら
かな表面性状を有するために、人工肺において用いられ
、中空糸の内部に血液を流しても血球成分に損傷を与え
ることはなくまた圧力損失も高くならない。一方、その
外表面も粒子状ポリプロピレンが整然と繊維軸方向に並
んでできたポリプロピレン塊が多数集まって形成さhた
固相とそれ以外の空孔部分からなり滑らかな表面性状を
有するために、人工肺において用いられ中空糸の外側に
血液を流しても血球成分に損傷を与えることはなくまた
圧力損失も高くならない。
さらに、人工肺用中空糸膜として用いられた際にガスの
通路となる空孔部分は、複雑に網目状につなかつ7′:
3次元ネットワーク状の連通孔であるために、血液を中
空糸膜の内側あるいは外側のいずれかに体外循環させて
も血漿成分はこのように複雑に入り組んだ長い経路を通
過することができず、例えば30時間の体外循環時間で
は血漿漏出は発生しないし、またガス交換能の低下も実
質的に認められない。
加えて、本発明の多孔質中空糸膜は、以下に詳述するよ
うに抽出法により多孔性を付与した後に所定の割合で延
伸を加えて熱処理を施されたものであるために、上記の
ごとき膜構造特性を変化させることなしに破断強度が改
善され、軸方向の破断強度が80g/糸以上、さらに好
ましくは85g/糸以上となるものである。このように
本発明の多孔質中空糸膜はその破断強度が、80g/糸
以上と極めて優れたものであるために、実際にモジュー
ルに組付けた場合に中空糸の破断が生じる虞れは少なく
、モジュールの良品率の向上が図れるものとなる。
本発明の多孔質中空糸膜においてはさらに、空孔率が1
0〜60%、さらに好ましくは30〜55%であり、内
表面における開口率が10〜30%、さらに好ましくは
12〜20%であり、また酸素ガスフラックスが100
〜1500 Q/min・イ・atm 、さらに好まし
くは600〜1000Ω/mi口・ポ・atmであるこ
とが人工肺用中空糸膜として用いるために望ましい。す
なわち、空孔率が10%未満であるとガス交換能が不十
分となる虞れがあり、一方空孔率が60%を越えると血
漿の漏出の虞れが生じ、また開口率が10%未満である
と中空糸膜の空孔部分の連通孔の形成が不十分となるた
めにガス交換能が不十分となる虞れがあり、一方、開口
率が30%を越えると連通孔が単純となり血漿の漏出の
虞れが生じ、さらに、酸素ガスフラックスが100〜1
500Ω/min・m2 ・atmの範囲をはずれるも
のであるとガス交換膜としての機能を発揮しない虞れが
あるなめである。また本発明の多孔質中空糸膜を構成す
る粒子状ポリプロピレンおよびこれらの微粒子間の間隙
である連通孔の大きさ、分布度は、中空糸膜の製造条件
および原料組成によっても好ましい状態に制御すること
ができるが、粒子状ポリプロピレンの平均粒径が0.1
〜2.0μm、より好ましくは0.2〜1.5であり、
また内表面の平均空孔径が0.1〜1.0μm、より好
ましくは0゜3〜0.6μmであることが望ましい。
このような中空糸膜は、例えば以下のようにして製造さ
れるものである。すなわち、第1図に示すように、ポリ
プロピレンと有機充填剤と結晶核形成剤との配合物11
を、ホッパー12から混線機、例えば単軸押出機13に
供給して該配合物を溶融混練して押出したのち、紡糸装
置14に送り、口金装置15の環状紡糸孔(図示せず)
からガス状雰囲気、例えば空気中に吐出させ、出てきた
中空状物16を冷却固化M17を収納した冷却槽18に
導入し、該冷却同化液17と接触させることにより冷却
固化させる。この場合、前記中空状物16と冷却固化液
17との接触は第1図に示すように、例えば前記冷却槽
18の底部に貫通して下方に向って設けられた冷却同化
液流通管19内に前記冷却固化液17を流下させ、その
流れに沿って前記中空状物16を並流接触させることが
望ましい。流下した冷却固化液17は、固化槽20で受
けて貯蔵し、その中に前記中空状物16を導入し、変向
棒21によって変向させて該冷却固化液17と充分接触
させて固化させる。蓄積してくる冷却固化液16は、循
環ライン23より排出させ、循環ポンプ24により前記
冷却槽18へ循環する。
次に固化された中空状物16は、ドライブロール22a
によって、前記有機充填剤を溶解しかつポリプロピレン
を溶解しない抽出液25をシャワー状に落らせるシャワ
ー・コンベア式抽出機27へ導かれる。この抽出機27
において中空状物16は、ベルトコンベア26上を搬送
される間に抽出液と充分に接触されて残留する有機充填
剤を抽出除去され多孔性が付与された中空糸膜16゛と
なる。ドライブロール22bによって抽出機27から導
き出された前記中空膜16″は、必要に応じてさらに再
抽出、乾燥熱処理等の工程(図示せず)を経たのち、ド
ライブロール22cによって熱処理装置30に導かれる
。しかして該ドライブロール22cと熱処理装置30の
第10−ラー29の間には張力が働いており、中空糸M
16゛に所定の割合、すなわち1〜30%の延伸が加え
られる。
熱処理装置30内は、ヒーター28等の加熱手段によっ
て所定の温度条件に保たれており、中空糸膜16゛は熱
処理装置30内の各ローラー間を移動するあいだに熱処
理され膜構造安定化がはかられる。熱処理装置30より
導き出さhf、−中空糸膜16″は捲取装W31におい
てボビン32に捲き収られる。
本発明で原料として使用されるポリプロピレンとしては
、プロピレンホモポリマーに限らず、プロピレンを主成
分とする他のモノマーとのブロックポリマー等があるが
、そのメルトインデックス(M、1.)が5〜70のも
のが好ましく、特にM、1.が10〜40のものが好ま
しい。また前記ポリプロピレンのうちプロピレンホモポ
リマーが特に好ましく、中でも結晶性の高いものが最も
好ましい。
有機充填剤としては、前記ポリプロピレンの溶融下で該
ポリプロピレンに均一に分散できかつ後述するように抽
出液に対して易溶性のものであることが必要である。こ
のような充填剤としては、流動パラフィン(数平均分子
量100〜2,000)、α−オレフィンオリゴマー[
例えばエチレンオリゴマー(数平均分子量100〜2,
000>、プロピレンオリゴマー(数平均分子量100
〜2.000>、エチレン−プロピレンオリゴマー(数
平均分子量100〜2,0.00)等]、パラフィンワ
ックス(数平均分子量200〜2,500)、各種炭化
水素等があり、好ましくは流動パラフィンである。
ポリプロピレンと前記有機充填剤との配合割合は、ポリ
プロピレン100重量部に対して有機充填剤が35〜1
70重量部、好ましくは80〜150重量部である。す
なわち有機充填剤が35重量部未満では、得られる中空
糸膜の一部がポリプロピレンの連続相で構成されてしま
い十分なガス透過能を示すことができなくなり、一方、
170重量部を越えると粘度が低くなりすぎて中空状へ
の成形加工性が低下するからである。このような原料配
合は、例えば二軸型押出機等の押出機を用いて所定の組
成の混合物を溶融混練し、押出したのち、ペレット化す
るこという前混線方法により原料を調製(設計)する。
本発明において原料中に配合される結晶核形成剤として
は、融点が150℃以上、(好ましくは200〜250
°C)でかつゲル化点が使用するポリオレフィンの結晶
開始温度以上の有機耐熱性物言である。このような結晶
核形成剤を配合する理由は、ポリプロピレン粒子を縮小
し、これによって粒子間の空隙、すなわち連通孔を狭く
、かつ孔密度を高くすることにある。−例をあげると、
例えば、1・3.2・4−ジベンジリデンソルビトール
、1・3.2・4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソ
ルビトール、1・3.2・4ビス(p−エチルベンジリ
デン)ソルビトール、ビス(4−[−ブチルフェニル)
リン酸ナトリウム、安磨、香酸ナトリウム、アジピン酸
、タルク、カオリン等が結晶核形成剤としてあげられる
結晶核形成剤としては、ベンジリデンソルビトール、特
に1・3.2・4−ビス(p −エチルベンジリデン)
ソルビトール、1・3.2・4ビス(p−メチルベンジ
リデン)ソルビトールが血液中への溶出が少なく好まし
い。
ポリプロピレンと前記結晶核形成剤との配合割合は、ポ
リプロピレン100重量部に対して結晶核形成剤が0.
1〜5重量部、好ましくはO12〜1.0重量部である
このようにして調製されたJjXj?r配合物をさらに
単軸押出機等の押出機を用いて、例えば160〜250
°C1好ましくは180〜220℃の温度で溶融して混
練し、必要ならば定量性の高いギアポンプを用いて、紡
糸装置の環状孔からガス雰囲気中に吐出させて、中空状
物を形成させる。なお前記環状孔の内部中央部には、窒
素、炭酸ガス、ヘリウム、アルゴン、空気等のガスを自
吸させてもよいし、必要であればこれらのガスを強制的
に導入してもよい。続いて環状孔から吐出させた中空状
物を落下させ、ついで冷却槽内の冷却固化液と接触させ
る。中空状物の落下距離は5〜1000mmが好ましく
、特に10〜5oommが好ましい。
すなわち落下距離が5mm未溝0場合には、脈動を生じ
て冷却固化液に前記中空状物が侵入する際に漬れること
があるからである。この冷却槽内で前記中空状物は未だ
十分に固化しておらず、しかも中央部は気体であるため
に外力により変形しやすいので、第1図に示すように、
例えば冷却槽18の底部に貫通して下方に向って設けら
れた冷却同化液流通管19内に前記同化液17を流下さ
せ、その流れに沿って前記中空状物を並流接触させるこ
とにより前記中空状物を強制的に移動させ、か゛つ外力
(流体圧等)による中空状の変形は防止できる。このと
きの冷却固化液の流速は自然流下で充分である。またこ
のときの冷却温度は10〜90℃、好ましくは20〜7
5℃である。すなわち、10℃未満では、冷却固化速度
が速すぎて、肉厚部の大部分が緻密層となるためにガス
交換能が低くなってしまい、一方90°Cを越えると中
空状物の冷却固化が十分でなく、冷却固化層内で中空状
物が切れてしまう虞れがあるなめである。
しかして、本発明においては、冷却固化液として、使用
された有機充填剤とは相溶せずかつ比熱容量が0.3〜
0.7Cal 7g1.J−り好、iL<は0.3〜0
.6Cal 7gの液体を用いる。このような冷却固化
液としては具体的には、例えば20℃における動粘度が
2〜50cSt、より好ましくは8〜40C3tのジメ
チルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイ
ルなどのシリコーンオイル類、および平均分子量が10
0〜400、より好ましくは180〜330のポリエチ
レングリコール類等が挙げられる。このように冷却固化
液として、使用さt’Lf、)有機充填剤とは相溶せず
かつ比熱容量が0.3〜0.7Cal 7gの液体を用
いるのは以下の理由による。
すなわち、冷却固化液として前記有機充填剤を溶解し得
る液体、例えば有機充填剤として流動パラフィンを用い
た際に、ハロゲン化炭化水素類を用いると、冷却固化液
中でポリプロピレンと前記有機充填剤との相分離が進行
している間に、前記有機充填剤が溶解抽出されてしまい
、中空状物の内側から外側へ有機充填剤が移行し、該中
空状物が完全に冷却固化されたときには、該中空状物の
内表面近傍の前記有機充填剤の割合が低くなり、前記有
機充填剤をさらに完全に溶解抽出した後の内表面におけ
る開孔率が低くなってしまい、膜のガス交換能が低下し
てしまうということが推測される。さらにこの例では、
該中空状物中のポリプロピレンの低分子量成分までが抽
出され、第20図に示す冷却固化液流通管1つの内壁に
堆積付着し、該冷却固化液流通管19の内径を小さくし
てしまい、該中空状物の形状が変化してしまうという欠
点が生じる虞れがある。また冷却固化液とし前記有機充
填剤と同一のものあるいはその類似化合物、例えば有機
充填剤として流動パラフィンを用いた際に、該流動パラ
フィンと数平均分子量の近似する流動パラフィンを用い
ると、中空a′物の有機充填剤(流動パラフィン)が中
空状物中で・大きく移行することなく所定の孔密度をも
なせることができかつ比熱も大きすぎないので適切器冷
却速度でポリプロピレンの結晶化を促し安定した形状が
得られるが、その冷却過程において、有機充填剤あるい
は冷却固化液が、まだ完全に冷却固化していない中空糸
の最外表面に局在し、最外表面のポリプロピレン組成分
率が低くなり、このなめ中空系外表面の孔が大きく、か
つ固相は粒子状ポリプロピレンがネットワーク状に広が
った凹凸の激しい表面性状となってしまう。さらに冷却
同化液として、有機充填剤に対して相溶しない、不活性
な液体であっても比熱容量の大きいもの、例えば有機充
填剤として、流動パラフィンを用いた際に、比熱容量が
約1.0cal 7gと大きな水を用いると、冷却効果
が高いなめにボップロピレンが急冷され、外表面は特に
結晶化度の低い状態となる虞れがある。このためポリプ
ロピレンの微粒子が形成されず、外表面の孔の小さいガ
ス交換かとの小さい中空糸膜がつくられてし丈う虞れが
ある。
逆に比熱容量の小さいものでは充分な冷却効果が得られ
ず中空状物を糸として得ることができなくなる虞れがあ
る。
これに対して、冷却固化液として、前記有機充填剤とは
相溶せず、かつ比熱容量が0.3〜0゜7cal/gで
ある溶液を用いれば、中空糸の外表面に有機充填剤が局
在することもなく、ボップロピレンの冷却速度も適当で
あり、外表面においても適度なポリプロピレン組成分率
を有したまま結晶化が促進されるので、外表面は中空糸
膜内部と同様にポリプロピレンの微粒子が繊維軸方向に
連なってできたポリプロピレン塊が多数集まって形成さ
れ、平滑な表面性状を呈することになるためである。
冷却固化槽で冷却固化された中空状物は、変向棒を介し
て抽出機等へ送られ、有機充填剤を溶解抽出する。前記
有機充填剤を溶解抽出する方法としては、第1図に示す
ようなベルトコンベア上の中空状物に抽出液のシャワー
を降らせるシャワー方式に限定されるものではなく、抽
出槽方式、−度捲き取った中空状物を別のカセに捲き戻
す際に、抽出液にカセを浸す捲き戻し方式等、中空状物
が抽出液と接触することができればいずれの方法であっ
てもよく、またこれらの方法を二つ以上組合せることも
可能である。
抽出液としては、中空糸膜を構成するポリプロピレンを
溶解せず、かつ有機充填剤を溶解抽出できるものであれ
ばいずれも使用できる。−例を挙げると、例え1fメタ
ノール、エタノール、プロパツール類、ブタノール類、
ペンタノール類、ヘキサノール類、オクタツール類、ラ
ウリルアルコール等アルコール類、1,1.2−トリク
ロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、トリクロロフ
ルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、1,1,2.
2−テトラクロロ−1,2−ジフルオロエタン等のハロ
ゲン化炭化水素類等があり、これらのうち有機充填剤に
対する抽出能力の点からハロゲン化炭化水素類が好まし
く、特に人体に対する安全性の点から塩化弗化炭化水素
類が好ましい。
このようにして得られる多孔質中空糸膜には、次いで1
〜30%、好ましくは5〜30%、より好ましくは10
〜25%の延伸処理が加えられる。
すなわち、延伸が1%未満であると中空糸膜の破断強度
を実質的に向上させることができず、一方、延伸が30
%を越えるものであると中空糸膜の微細構造に影響を与
え、空孔率、ガスフラックス等に変化をきなし、ガス交
換能の低下および血漿漏出を招く虞れがあるためである
。なお、延伸の方法としては、特に限定はされないが、
第1図に示すようにドライブロールとローラーとの間、
あるいはローラーとローラーとの間で張力をかけて行な
うことが望ましい。
このようにして上記のごとき所定の割合で延伸を加えら
れた中空糸膜には、さらに熱処理が施される。熱処理は
、空気、窒素、炭酸ガス等のガス状雰囲気中で70〜1
30℃、好ましくは100〜120℃の温度で5秒〜1
20分間、好ましくは10秒〜60分間行なわれる。こ
の熱処理により中空糸膜の構造安定化がなされ、寸法安
定性が高くなる。
このようにして得られる中空糸膜は、中空糸膜を人工肺
に使用すると最適である。
従来の延伸法によって得られた中空糸膜のガス透過能は
人工肺として使用するには必要以上に高かった。すなわ
ち中空糸の内側に血液を循環する場合、酸素添加能は血
液側の境膜抵抗が大きく、。
中空糸膜の抵抗は律速になっておらず、一方炭酸ガス除
去能は中空糸膜抵抗に依存するがその透過能は過剰であ
り、また中空系の外側に血液を循環する場合、ガス交換
能も中空糸膜の抵抗に依存するがその透過能は過剰であ
った。
しかるに、本発明の中空糸膜は膜単体でのガス透過能は
、従来の延伸法のものよりも低いが、人工肺に組込んで
使用する分には充分な性能が得られ、しかも抽出法であ
るためにピンホールによる血液漏出も起こらず、従って
ガス交換能の低下を防ぐことができる。
さらに、冷却固化液として用いられた有機充填剤ないし
その類似化合物よりなる液体を使用して得られた中空糸
膜は、前記したように、ポリプロピレンがネットワーク
状に連なり、非常に凹凸の激しい表面をもつため、人工
肺として組立てる際に糸同志がくっつき合って固着して
しまい、組立作業を煩雑なものとしてしまい、また接着
剤が糸の回りに入り込まずポツティング不良となる虞れ
があった。
しかしながら、本発明の製造方法により得られた中空糸
膜は、外表面が中空糸の内部と同様に粒子状ポリプロピ
レンが繊維軸方向に連なってできたポリプロピレン塊が
多数集まって形成され平滑な性状を有することからこの
ような人工肺組立時における問題は生起せず、かつ上記
したように、中空糸膜の外表面あるいは内表面のいずれ
に血液を流しても血球成分に損傷を与えることなくまた
圧力損失も低いものである。
さらに本発明の製造方法により得られた中空糸膜は、上
記したよう所定の割合で延伸を加えて熱処理を行なうた
めに破断強度が向上し、軸方向における破断強度が80
g/糸以上と極めて優りをものであるために、実際にモ
ジュールに組付けた場合に中空糸の破断が生じる虞れは
少なく、モジュールにおける良品率の向上が図れるもの
となる。
第2図は、本発明の中空糸膜型人工肺の一実施態様とし
て、中空糸膜の内側に血液を循環し、中空糸膜の外側に
酸素含有ガスを吹送する態様(第1の態様)の組立状態
を示すものである。すなわち、該中空糸膜型人工肺51
は、ハウジング52を具備してなり、このハウジング5
2は筒状本体53の両端部に環状の雄ネジ付き取付はカ
バー54.55が設けられ、ハウジング52内には、全
体に広がって多数の、例えば10000〜70000本
の上記したような特性を有する多孔質中空糸膜16“が
ハウジング52の長手方向に沿って並列的に相互に離間
配置されている。そして、この多孔質中空糸膜16″の
両端部は、取付カバー54.55内においてそれぞれの
開口が閉塞されない状態で隔壁57.58により液密に
支持されている。また、上記各隔壁57.58は、多孔
譬中空糸膜16゛外周面と上記ハウジング52の内面と
ともにガス室59を構成し、これを閉塞し、かつ上記多
孔質中空糸膜16゛の内部に形成される血液流通空間(
図示しない)とガス室59を隔離するものである。また
一方の取付カバー54には酸素含有ガスを供給する酸素
含有ガス導入口60が設けられており、他方の取付はカ
バー55には酸素含有ガスを排出する酸素含有ガス導出
口61が設けられている。
上記ハウジング52の筒状本体53の内面には、軸方向
の中央に位置して突出する絞り用拘束部62を設けても
よい。このように中央部に絞り拘束部62を設けること
によりガス交換効率の向上が望める。この拘束部62は
上記筒状本体53の内面に筒状本体53と一体に形成さ
れていて、筒状本体53内に挿通される多数の多孔質中
空糸M16゛からなる中空糸束63の外周を締め付ける
ようになっている。こうして、上記中空糸束63は軸方
向の中央において絞り込まれ、絞り部64を形成してい
る。従って、中空糸膜の充填率は軸方向に沿う各部にお
いて異なり、中央部分において最も高くなっている。な
お、各部における望ましい充填率は次の通りである。ま
ず、第3図に示すように中央の絞り部64における充填
率Aは約60〜80%、その他の筒状本体53内では充
填率Bは約30〜60%であり、中空糸束63の両端、
つまり隔壁57.58の外面における充填率Cは約20
〜40%である。
次に、上記隔壁57.58の形成について述べる。前述
したように隔壁57.58は、多孔質中空糸膜16°の
内部と外部を隔離するという重要な機能を果たすもので
ある。通常、この隔壁57.58は、極性の高い高分子
ボッティング材、例えば、ポリウレタン、シリコーン、
エポキシ樹脂等をハウジング52の両端内壁面に遠心注
入法を利用して流し込み、硬化させることにより作られ
る。
さらに詳述すれば、まず、ハウジング52の長さより長
い多数の多孔質中空糸膜16゛を用意し、この両開口端
を粘度の高い樹脂によって目止めをした後、ハウジング
52の筒状本体53内に並べて位置せしめる。この後、
取付はカバー54.55の径以上の大きさの型カバーで
、多孔質中空糸膜16゛の各両端を完全に覆って、ハウ
ジング52の中心軸を中心にそのハウジング52を回転
させながら両端部側から高分子ポツティング材を流入す
る、流し終って樹脂が硬化すれば、上記型カバーを外し
て樹脂の外側面部を鋭利な刃物で切断して多孔質中空糸
膜16゛の両開口端を表面に露出させる。かくして隔壁
57.58は形成されることになる。
上記隔壁57.58の外面は、環状凸部を有する流路形
成部材65.66でそれぞれ覆われている。この流路形
成部材65.66はそれぞれ液分配部材67.68およ
びネジリング6つ、70よりなり、この液分配部材67
.68の周縁部付近に設けられた環状凸部として突条7
1.72の端面を前記隔壁57.58にそれぞれ当接さ
せ、ネジリング69.70を取付はカバー54.55に
それぞれ螺合することにより固定することにより血液の
流入室73.74がそれぞれ形成されている。この流路
形成部材65.66にはそれぞれ血液導入ロア5および
血液導出ロアロが形成されている。
この隔壁57.58と流路形成部材65.66とにより
形成される隔壁57.58の周縁部の空隙部には、該空
隙部に連通ずるそれぞれ少なくとも2個の孔77.78
および79.80の一方より前記隔壁57.58と接触
するようにシールされている。あるいはまた、Oリング
(図示せず)を介してシールされることも可能である。
次に第4図に、本発明の中空糸膜型人工肺の他の実施態
様として、中空糸膜の外側に血液を循環し、中空糸膜の
内側に酸素含有ガスを吹送する態様(第2の態様)の組
立状態を示す。すなわち、該中空糸膜型人工肺81は、
ハウジング82を具備してなり、このハウジング82は
筒状本体83の両端部に環状の取付はカバー84.85
が設けられ、ハウジング82内には、全体に広がって多
数の、例えば10000〜60000本の上記したよう
な特性を有する多孔質中空糸@16−がハウジング82
の長手方向に沿って並列的に相互に離間配置されている
。そして、この多孔質中空糸JI116°の両端部は、
取付カバー84.85内においてそれぞれの開口が閉塞
されない状態で隔壁87.88によりそれぞれ液密に支
持されている。
また、上記各隔壁87.88は、多孔質中空糸膜16°
外周面と上記ハウジング82の内面とともに血液室89
を構成し、これを閉塞し、かつ上記多孔質中空糸M16
゛の内部に形成される酸素含有ガス流通空間(図示しな
い)と血液室89を隔離するものである。またハウジン
グ82の一方には血液を供給する血液導入口95が設け
られており、ハウジングの他方には血液を排出する血液
導出口96が設けられている。
上記ハウジング82の筒状本体83の内面には、軸方向
の中央に位置して突出する絞り用拘束部92を設けても
よい。すなわち、拘束部92は上記筒状本体83の内面
に筒状本体83と一体に形成されていて、筒状本体83
内に挿通される多数の多孔質中空糸、[16−からなる
中空糸束93の外周を締め付けるようになっている。こ
うして、上記中空糸束93は軸方向の中央において絞り
込まれ、絞り部94を形成している。従って、中空糸膜
の充填率は軸方向に沿う各部において異なり、中央部分
において最も高くなっている。また、取付はカバー84
.85にはそれぞれ酸素含有ガス導入口90および酸素
含有ガス導出口91が形成されている。その他の部分お
よび形成方法等は前述の第1の態様に係わる中空糸膜型
人工肺に準するものであるため、説明を省略する。
(実施例) 次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1〜4 メルトインデックス(M、1.)が23のプロピレンホ
モポリマー100重量部に対し、流動パラフィン(数平
均分子量324)130重旦部および結晶核形成剤とし
てのジベンジリデンソルビトール0.5重量部を仕込み
、二軸型押出機(池貝鉄工株式会社、PCM−30−2
5>により溶融混線し、押出したのちペレット化した。
このペレットを第1図に示すような装置、すなわち車軸
型押出機(笠松製作所、WO−30>を用いて180℃
で溶融し、芯径4mm、内径6報、外径7mm、ランド
長15mmの環状紡糸孔15より、3.6〜5.0g/
mimの吐出量で空気中に吐出させ、中空状物16を落
下させた。なお落下距離は20〜30mmであった。続
いて中空状物16を冷却槽18内の冷却固化液17とし
てのポリエチレングリコール(Mn=200>と接触さ
せたのち、冷却同化液流通管19内を自然流下する冷却
同化液」7と並流接触させて冷却した。なおこのときの
冷却同化液の温度は20℃であった。ついで前記中空状
物16を固化槽20内の冷却固化液内に導入したのち変
向棒21により変向させて80m/mimの捲速のドラ
イブロール22aへ導き、連続してシャワー・コンベア
方式の抽出機27において、フレオン113 (1,1
,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン)
からなる抽出液25により前記流動パラフィンを完全に
抽出した。
このようにして多孔性を付与された中空糸膜16−はド
ライブロール22bにより抽出機27から取出され熱処
理装置30へ送られる間に、このドライブロール22b
と熱処理装置30の第10−ル29との間で第1表に示
す割合で延伸をかけられ、さらに熱処理装置30を通る
間に110℃で20秒間の熱処理が施さ九な。熱処理装
置30を通過した中空糸M16“は捲取機33にてボビ
ン34に捲き取られた。
このようにして得られた中空糸膜について形状(内径/
肉厚)、空孔率、ガスフラックス、酸素ガス添加能、炭
酸ガス排除能、血漿漏出および破断強度を計測しな。得
られた結果を第1表に示す。
また実施例1の中空糸膜に関し、結晶配向の指標となる
複屈折率を測定しな。結果を第2表に示す。
比較例1 比較のために延伸処理を加えない以外は実施例1〜4と
同様にして多孔質中空糸膜を作成し、得られた多孔質中
空糸膜に関し形状(内径/肉厚)、空孔率、ガスフラッ
クス、酸素ガス添加能、炭酸ガス排除能、血漿漏出およ
び破断強度を計測した。
得られた結果を第1表に示す。また実施例1と同様に結
晶配向の指標となる複屈折率を測定した。
結果を第2表に示す。
比較例2 比較のために延伸の割合を第1表に示すように代える以
外は実施例1〜4と同様にして多孔質中空糸膜を作成し
、得られた多孔質中空糸膜について形状(内径/肉厚)
、空孔率、ガスフラックス、酸素ガス添加能、炭酸ガス
排除能、血漿漏出および破断強度を計測した。得られた
結果を第1表に示す。
比較例3 比較のために延伸法により製造された市販の人工肺用ポ
リプロピレン中空糸膜について、実施例1〜4および比
較例1〜2と同様に形状(内径/肉厚)、空孔率、ガス
フラックス、酸素ガス添加能、炭酸ガス排除能、血漿漏
出および破断強度を計測した。得られた結果を第1表に
示す。また実施例1と同様に結晶配向の指標となる複屈
折率を測定した。結果を第2表に示す。
なお、これらの実m例および比較例における各用語の定
義および測定方法は次の通りである。
脛抜工血径Z杏星上 得られた中空糸膜を任意に10本抜きとり、鋭利なカミ
ソリで0.5mm程度の長さに輪切りにする。万能投影
@にコンプロファイルプロジェクタ−V−12>でその
断面を映し出し、計測器にコンデジタルカウンター C
M−63)でその外径d1、内径d2を測定し、肉厚t
をt=d1−d2により算出し、10本の平均値とした
空孔率(%) 得られた中空糸膜を約2gとり、鋭利なカミソリで5m
m以下の長さに輪切りにする。得られた試料を水銀ポロ
シメーター(カルロエルバ社65A型)にて1000k
g/cm2まで圧力をかけ、全細孔量(単位重さ当りの
中空糸膜の細孔体積)より空孔率を得る。
得られた中空糸膜で、有効長14cm、膜面積0.02
5m2のミニモジュールを作成し、片方の端を閉じた後
、酸素で中空糸内部に1気圧の圧力をかけ、定常状態に
なったときの酸素ガスの流量を流量計(草葺理化学機器
製作所製、フロートメーター)により読みとった値とし
な。
素 ス−1、Op ガス 、( (第1の態様) 得られた中空糸で、有効長140mm、膜面積5.4m
2の人工肺モジュールを作成し、中空糸内部にウシ血液
(標準静脈血)をシングルパス(Sinale Pat
h )で6.0u/min、の流量で流し、中空糸外部
へ純酸素を6.0.Q/min。
の流量で流し、人工肺入口および出口のウシ唾液のpH
1炭酸ガス分圧(Poo2)、酸素ガス分圧(Po2)
を血液ガス測定装置(Rad iometer社製、B
GAB型)により測定し、人工肺入口と出口との分圧差
を算出した。
(第2の態様) 得られた中空系で、有効長90mm、膜面積2゜1m2
の人工肺モジュールを作成し、中空糸外部にウシ血液(
標準静脈血)をシングルパス(SingIe path
 )で6.OfJ/min、の流量で流し、中空糸内部
へ純酸素を6.OJ)/min、の流量で流し、人工肺
入口および出口のウシ血液のpH1炭酸ガス分圧(Po
o2)、酸素ガス分圧(Po2)を血液ガス測定装置(
Radiometer社製、BGAB型)により測定し
、人工肺入口と出口との分圧差を算出した。なお、実施
例1〜4および比較例1〜2の中空糸膜は、その外表面
が滑らかな性状を有することからこのように血液を中空
糸膜の外側に循環させても溶血や圧力損失を高く起すこ
とは見られなかった。
腹漿盪」 酸素ガス添加能、炭酸ガス排除能で用いたものと同様の
人工肺モジュールを作成し、雑犬(体約20kg>を用
いた頚静、頚動脈カニュレイション(cannuiat
ion )による部分V−Aバイパス回路に前記人工肺
モジュール(膜面積1.6m2)を組込み、30時間体
外循環を行ない、中空糸内部から漏出する血漿の量を測
定した。また漏出が確認されなくても、中空糸外部の水
蒸気による液滴のタンパク質反応を調べ、微量の血漿漏
れも確認した。
岐阪汰斐工且Z糸上 中空糸膜を約10cmの長さに切ったものを10本用意
し、東洋精器製ストログラフTにて以下の条件で1本づ
つ測定し、10本の平均値を算出した。
使用チャック:幅広箱チャック 初期長:25mm 引張速度: 50mm/m i n 温度;23°C rい (An(レターデーション法) 得られた中空糸膜から任意に10本を取出し、中央部を
3cm切取る。さらにこのようにして得られた細片の一
方の端部を斜めにカットして試料とする。
このようにして作製した中空糸膜試料をスライドグラス
上に置き、浸漬液(流動パラフィン)で試料を浸し、こ
れを偏光顕微鏡の回転ステージ上に置く。単色光源また
はフィルターでこれを代用し、コンペンセーターを除き
クロスニコル下で試料をステージ上で回転し、最も明る
くなる位置に固定する(最も暗くなる位置からいずれか
へ45°回転させる。)。ここでコンペンセーターを挿
入し、アナライザーを回転し、最暗黒になる角度(θ)
を測定し、次式よりレターデーション(R)を求め、さ
らに下式より中空糸膜の複屈折率を測定し、10個の平
均値をデータ値とした。
λ:使用波長 複屈折率 △n=旦 d;試料厚さ(空孔率で補正を行なったもの)測定条件
コ 偏光顕微鏡     二コン0PTIPHTO−POL
光源波長      546nm コンペンセーター  セナルモン型 コンペンセーター なお、完全配向のポリプロピレンの複屈折率Δnは01
035(文献値)である。
形 状    ガスフラックス 実施例1 5.0   200150      49
7      35実施例2 10.0   2001
50      626     38実施例3 20
.0   200150      641     
 37実施例4 30.0   200150    
  640      39比較例2 35.0   
200150      723      45比較
例3−   200/25      1200   
   45急Σ1jく も発生せず 253     230       −      
−     n      8B251     22
5       −      −n      90
260       230       130  
     160       ノ1     932
54     260             − 
  27時間後  105発生 急シ≦正j〈 祝雇jロLL竺二上 実施例1          0,004比較例1  
        0.003ノt   3      
             0.014完全配向ポリプ
ロピレン  0.035 (文献値)(発明の効果) 以上述べたように、本発明は、多孔質ポリプロピレン中
空糸膜であって、その内表面においては固相は粒子状ポ
リプロピレンが一部露出しつつ密に融和結合して形成さ
れた連続相を呈し、また膜内部および外表面においては
固相は粒子状ポリプロピレンが繊維軸方向に連なってで
きたポリプロピレン塊が多数集まって形成され、これら
の固相間の間隙は、3次元ネットワーク状に連通して連
通孔を形成されてなり、かつ軸方向の破断強度が80g
/糸以上であることを特徴とする多孔質中空糸膜である
から、例えば該多孔質中空糸膜を用いて人工肺を作成し
た場合において、中空糸膜の破断による有効膜面積の低
下が生じる虞れが少なく、また長期間使用に際しても血
漿漏出がないにもかかわらず、高いガス交換能を有し、
さらに中空糸膜の内側および外側のいずれに血液を循環
させるタイプの人工肺に用いられても血球成分に損傷を
与えることがなくまた圧力損失を高めることもない。さ
らにその外表面が滑らかな性状を有することから、中空
糸膜相互の固着あるいは接着剤によるポツティング不良
などの人工肺組立時における問題も生起せず、極めて優
れた多孔質中空糸膜である。これらの特徴は、多孔質中
空糸膜°の繊維軸方向における複屈折率が0.001〜
0.01であり、また空孔率が10〜60%、内表面の
開口率が10〜30%、酸素ガスフラックスが100〜
150ON/min ・ば・atmであり、内径が15
0〜300μm、肉厚が10〜150μmであり、さら
に粒子状ポリプロピレンの平均粒径が0.1〜2.0μ
mで、内表面の平均空孔径が031〜1.0μmである
とより優れたものとなる。
また、本発明は、ポリプロピレン、該ポリプロピレン溶
融下でポリプロピレンに均一に分散し得、かつ使用する
抽出液に対して易溶性である有機充填剤、および結晶核
形成剤を混錬し、このようにして得られる混練物を溶融
状態で環状紡糸孔から中空状に吐出させ、該中空状物を
前記有機充填剤とは相溶せずかつ比熱容量が0.3〜0
.7cal/gである冷却固化液と接触させて冷却固化
し、ついで冷却固化した中空状物を、ポリプロピレンを
溶融しない抽出液と接触させて前記有機充填剤を抽出除
去し、このようにして得られた中空糸膜に1〜30%の
延伸を加えた後熱処理を行なうことを特徴とする多孔質
中空糸膜の製造方法であるから、溶融下で均一に分散し
た紡糸原液を冷却固化させる過程において、外表面部に
有機充填剤を局在させることなく適当な冷却速度で原液
のポリプロピレンと有機充填剤を相分離させ適度に結晶
化して生成した粒子状ポリプロピレン間隙に多くの微小
孔を形成させることができかつ外表面においても中空糸
の肉厚部と同様に粒子状ポリプロピレンが繊維軸方向に
並んだ同相を有し平滑な表面性状を呈するものとするこ
とができ、さらに1〜30%延伸して熱処理を行なう工
程において、このようにして形成された多孔質中空糸膜
の優れた細孔構造、表面性状、ガス交換効率等を何ら損
なうことなく多孔質中空糸膜の破断強度を向上させるこ
とができ、上記のごとき優れた性能を有する中空糸膜を
製造することができる。また本発明の製造方法において
、延伸の割合が、5〜30%、さらに好ましくは10〜
25%であり、訣な熱処理が70〜130℃で5秒〜】
−20分間行なわれるものであると破断強度ならびにそ
の他の特性においても極めて優れた構造の安定した多孔
雪層となり、加えて、冷却固化液として、シリコーンオ
イルまたはポリエチレングリコール、より好ましくは2
〜50cStの粘度を有するシリコーンオイルまたは平
均分子x100〜400のポリエチレングリコールを用
い、有機充填剤として流動パラフィンを用い、その配合
量がポリプロピレン10O重量部に対し35〜170重
量部であり、さらに結晶核形成剤として融点が150℃
以上でかつゲル化点がポリプロピレンの結晶開始温度以
上の有機耐熱性物質を用い、その配合量がポリプロピレ
ン100重量部に対して0.1〜5重量部である場合に
は、より優れた性能を有する多孔質中空糸膜が得られる
ものとなる。
さらにまた本発明は、中空糸膜をガス交換膜として備え
てなる人工肺において、該ガス交換膜は、多孔質ポリプ
ロピレン中空糸膜であって、その内表面においては、同
相は粒子状ポリプロピレンが一部露出しつつ密に融和結
合して形成された連続相を呈し、iた膜内部および外表
面においては同相は粒子状ポリプロピレンが繊維軸方向
に連なってできたポリプロピレン塊が多数集まって形成
され、これらの同相聞の間隙は、3次元ネットワーク状
に連通して連通孔を形成してなり、かつ軸方向の破断強
度が80g/糸以上であることを特徴とする人工肺であ
るから、中空糸膜の破断による有効膜面猜の低下の生じ
る虞りはなく、また中空糸膜の内側に血液を循環し中空
糸膜の外側に酸素含有ガスを吹送するあるいは中空糸膜
の外側に血液を循環し中空糸膜の内側に酸素含有ガスを
吹送するいずれのタイプの人工肺においても、長時間の
体外循環に際しても酸素添加能、炭酸ガス排出能が劣る
ことなく、血液ないしは血漿の漏出も生起せず、さらに
血球成分に損傷を与えたり高い圧力損失を示すこともな
く極めて優りを人工肺であるといえる。本発明の人工肺
は代表的に30時間の体外循環において血漿の漏出およ
びガス交換能の低下を生じないものである。加えて用い
られる中空糸膜の軸方向における複屈折率が0.001
〜0.01であり、中空糸膜の空孔率が10〜60%、
内表面の開孔率が10〜30%、酸素ガスフラックスが
10〜1500 U/min ・m’、atmであり、
内径が150〜300μm、肉厚が10〜100μmで
あり、さらに粒子状ポリプロピレンの平均粒径が0.1
〜2.0μmであり、また内表面の平均空孔径が0.1
〜1.0μmであると得られる人工肺の性nとはより一
段と向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による多孔雷中空糸膜の製造方法に使用
される装置の概略断面図、第2図は本発明による中空糸
膜型人工肺の一実jlUM様を示す半断面図、第3図は
同実施態様における中空糸膜充填率に関する各部位を示
す断面図であり、また第4図は本発明による中空糸膜型
人工肺の他の実施態様を示す半断面図である。 11・・・原料配合物、12・・・ホッパー、13・・
・単軸押出機、14・・・紡糸装置、15・・・口金装
置、16・・・中空状物、16゛・・・中空糸膜、17
・・・冷却固化液、18・・・冷却槽、19・・・冷却
固イヒ液流通管、20・・・固化槽、21・・・変向棒
、22a、22b、22 c−・−ドライブロール、2
3・・・循環ライン、24・・・循環ポンプ、25・・
・抽出液、26・・・ベルトコンベア、27・・・シャ
ワー・コンベア式抽出機、28・・・ヒーター、29・
・・熱処理装置第10−ル、30・・・熱処理装置、3
1・・・捲取器、32・・・ボビン、51.81・・中
空糸膜型人工肺、 52.82・・・ハウジング、 53.83・・・直状本体、 57.58.87.88・・・隔壁、 59.89・・・ガス室、 60.90・・・酸素含有ガス導入口、61.91・・
・酸素含有ガス導出口、63.93・・・中空糸束、 75.95・・・血液導入口、 76.96・・・血液導出口、89・・・血液室。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)多孔質ポリプロピレン中空糸膜であって、その内
    表面においては固相は粒子状ポリプロピレンが一部露出
    しつつ密に融和結合して形成された連続相を呈し、また
    膜内部および外表面においては固相は粒子状ポリプロピ
    レンが繊維軸方向に連なつてできたポリプロピレン塊が
    多数集まって形成され、これらの固相間の間隙は、3次
    元ネットワーク状に連通して連通孔を形成してなり、か
    つ軸方向の破断強度が80g/糸以上であることを特徴
    とする多孔質中空糸膜。
  2. (2)多孔質中空糸膜の繊維軸方向における複屈折率が
    0.001〜0.01である請求項1に記載の多孔質中
    空糸膜。
  3. (3)粒子状ポリプロピレンの平均粒径が0.1〜2.
    0μmで、内表面の平均空孔径が0.1〜1.0μmで
    ある請求項1または2に記載の多孔質中空糸膜。
  4. (4)ポリプロピレン、該ポリプロピレン溶融下でポリ
    プロピレンに均一に分散し得、かつ使用する抽出液に対
    して易溶性である有機充填剤、および結晶核形成剤を混
    練し、このようにして得られる混練物を溶融状態で環状
    紡糸孔から中空状に吐出させ、該中空状物を前記有機充
    填剤とは相溶せずかつ比熱容量が0.3〜0.7cal
    /gである冷却固化液と接触させて冷却固化し、ついで
    冷却固化した中空状物を、ポリプロピレンを溶解しない
    抽出液と接触させて前記有機充填剤を抽出除去し、この
    ようにして得られた中空糸膜に1〜30%の延伸を加え
    た後熱処理を行なうことを特徴とする多孔質中空糸膜の
    製造方法。
  5. (5)冷却固化液として、シリコーンオイルまたはポリ
    エチレングリコールを用いるものである請求項4に記載
    の多孔質中空糸膜の製造方法。
  6. (6)熱処理が70〜130℃で5秒〜120分間行な
    われるものである請求項4または5に記載の多孔質中空
    糸膜の製造方法。
  7. (7)結晶核形成剤は融点が150℃以上でかつゲル化
    点が使用するポリプロピレンの結晶開始温度以上の有機
    耐熱性物質である請求項4〜6のいずれかに記載の多孔
    質中空糸膜の製造方法。
  8. (8)中空糸膜をガス交換膜として備えてなる人工肺に
    おいて、該ガス交換膜は、請求項1〜3のいずれかに記
    載の多孔質ポリプロピレン中空糸膜であることを特徴と
    する人工肺。
JP5384088A 1988-03-09 1988-03-09 多孔質中空糸膜、その製造方法およびその中空糸膜を用いた人工肺 Granted JPH01228503A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002070115A1 (fr) * 2001-03-06 2002-09-12 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Procede de fabrication d'une pellicule de fil creux
CN103007776A (zh) * 2011-09-22 2013-04-03 中国石油化工股份有限公司 一种聚丙烯分离膜外表面的结构控制方法

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