JP3051510B2 - 体外循環回路装置 - Google Patents

体外循環回路装置

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JP3051510B2
JP3051510B2 JP3228334A JP22833491A JP3051510B2 JP 3051510 B2 JP3051510 B2 JP 3051510B2 JP 3228334 A JP3228334 A JP 3228334A JP 22833491 A JP22833491 A JP 22833491A JP 3051510 B2 JP3051510 B2 JP 3051510B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工肺および送血用の
ポンプを有する体外循環回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、心臓手術や呼吸不全の際の呼吸
補助(ECMO)において、患者の血液を体外に導き、
これに酸素を添加しかつ炭酸ガスを除去するために、体
外循環回路装置内に中空糸膜を内蔵する人工肺が配置さ
れている。このような人工肺において使用される中空糸
膜としては、緻密膜と多孔質膜の2種類がある。
【0003】緻密膜は、透過する気体の分子が膜に溶解
し、拡散することによってガスの移動が行なわれるもの
であり、この代表的なものにシリコーンゴムがある。し
かしながら、緻密膜は、ガス透過性の点から現在使用可
能のものとしては、シリコーンゴムのみしか知られてお
らず、また、このシリコーンゴム膜は、強度的に膜厚1
00μm 以下にすることはできない。このため、ガス透
過性に限界があり、特に炭酸ガスの透過性が悪く、Extr
acorporealCO2 Removal (ECCO2 R)のような炭
酸ガスの除去に重点が置かれる療法では、単独で使用す
ることはできなかった。
【0004】一方、多孔質膜は、膜の有する微細孔が透
過すべき気体分子に比べて著しく大きいため、気体は体
積流として細孔を通過する。例えば、マイクロポーラス
ポリプロピレン膜等の多孔質膜を使用した人工肺が種々
提案されている。
【0005】特公昭56−52123号には、ポリプロ
ピレンを中空糸製造用ノズルを用いて、紡糸温度210
〜270℃、ドラフト比180〜600で溶解紡糸し、
ついで155℃以下で第1段熱処理を行なったのち、1
10℃未満で30〜200%延伸し、しかるのちに第1
段熱処理温度以上155℃以下で第2段熱処理すること
により多孔質ポリプロピレン中空糸を製造することが開
示されている。
【0006】しかしながら、このようにして得られる多
孔質中空糸は、ポリプロピレン中空糸を延伸することに
より物理的に細孔を形成するので、該細孔は膜厚方向に
ほぼ水平な直線状細孔であり、かつ延伸度に応じて中空
糸の軸線方向に亀裂を生じて生成する細孔であるから断
面がスリット状である。また、細孔はほぼ直線的に連続
貫通し、かつ空孔率が高い。このため、この多孔質中空
糸は水蒸気の透過性が高く、また長時間血液を体外循環
させて使用すると、細孔が血液中の成分により親水化さ
れて、血漿が漏出するという欠点があった。
【0007】また、血漿漏出が起こらない多孔質膜とし
て、例えば、ポリオレフィン、該ポリオレフィンの溶融
下で該ポリオレフィンに均一に分散し得、かつ使用する
抽出液に対して易溶性である有機充填剤および結晶核形
成剤を混練し、このようにして得られる混練物を溶融状
態で環状紡糸孔から吐出させ同時に内部中央部に不活性
ガスを導入し、該中空状物を前記ポリオレフィンを溶解
しない冷却固化液と接触させて冷却固化し、ついで冷却
固化した中空状物を前記ポリオレフィンを溶解しない抽
出液と接触させて前記有機充填剤を抽出除去することに
より製造される多孔質ポリオレフィン中空糸膜が提案さ
れている(特願昭59−210466号)。
【0008】しかしながら、該中空糸膜の1つであり、
冷却固化液として好ましいとされる用いられる有機充填
剤を溶解し得る冷却固化液を使用して得られたポリプロ
ピレン中空糸膜は、孔が小さく孔路も複雑であるため血
漿の漏出は起こらないが、単位面積当りの孔密度が小さ
いので、人工肺用膜として用いるには、ガス交換能が不
充分となるおそれがあり、さらに、前記有機充填剤を溶
解し得る冷却固化液中にポリオレフィンの低分子成分が
混ざり、冷却浴管内壁に付着し、中空糸の形状が経時的
に変化してしまうというおそれがあった。
【0009】さらに、これらの点を改善するために、ポ
リプロピレン、該ポリプロピレンの溶融下でポリプロピ
レンに均一に分散し得、かつ使用する抽出液に対して易
溶性である有機充填剤、および結晶核形成剤を混練し、
このようにして得られる混練物を溶融状態で環状紡糸孔
から中空状に吐出させ、該中空状物を前記有機充填剤な
いしその類似化合物よりなる液体と接触させて冷却固化
し、ついで冷却固化した中空状物をポリプロピレンを溶
融しない抽出液と接触させて前記有機充填剤を抽出除去
することにより、多孔質ポリプロピレン中空糸膜を製造
する方法(特開昭62−106770号)や、ポリプロ
ピレン、該ポリプロピレンの溶融下でポリプロピレンに
均一に分散し得、かつ使用する抽出液に対して易溶性で
ある有機充填剤、および結晶核形成剤を混練し、このよ
うにして得られる混練物を溶融状態で環状紡糸孔から中
空状に吐出させ、該中空状物を前記有機充填剤とは相溶
せずかつ比熱容量が0.3〜0.7cal/g である冷却固
化液と接触させて冷却固化し、ついで冷却固化した中空
状物を、ポリプロピレンを溶しない抽出液と接触させて
前記有機充填剤を抽出除去することにより多孔質ポリプ
ロピレン中空糸膜を製造する方法(特開昭64−790
8号)が開示されている。
【0010】これらの製造方法により得られる多孔質中
空糸膜の特性は、内径が150〜300μm 、肉厚が1
0〜150μm 、内面開口率が10〜30%、空孔率が
10〜60%、酸素ガスフラックスが0.1〜1ml/min
・m2・atm とされている。
【0011】しかしながら、このような多孔質中空糸膜
は、内表面開口率が高く、また、膜内部の空孔の曲路率
が小さいため、透水率が高く、よって、人工肺として長
時間使用した際に血漿の漏出を防止するという効果が不
十分であり、満足できる耐久性を得るには至っていな
い。
【0012】ところで、ポリプロピレン中空糸膜のよう
な疎水性の多孔質膜では、これを用いた人工肺をプライ
ミングする際に、プライミング液中に混入した気泡の除
去(泡抜け)が容易であるという利点があるが、逆に、
血液流路内に負圧が発生した場合、多孔質中空糸膜の空
孔内が疎水性であるために、気泡が空孔を通過して血液
流路内に混入するおそれがある。上記製造方法により製
造された多孔質中空糸膜は、いずれもこのような欠点を
有しており、このような多孔質中空糸膜を用いた人工肺
を体外循環回路装置に配置する場合、血液流路内に負圧
が生じない位置、すなわち、送血ポンプの下流側に配置
しなければならなかった。
【0013】この場合、人工肺の血液流路には、送血ポ
ンプの吐出側の圧力がかかるため、血液流路内の圧力
は、ガス流路側に比べ高いものとなる。特に、送血ポン
プが遠心ポンプである場合には、血液流路内の圧力はか
なり高くなる。このことは、上記中空糸膜からの血漿の
漏出を生じる原因の一つとなっていた。
【0014】さらに、血液の循環方向に対し、送血ポン
プと人工肺との位置関係が決っているということは、体
外循環回路装置を設計する上で種々の制約があり、例え
ば、このようなシステムで分離体外循環を行なおうとす
れば、2つの人工肺が必要になるという問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、人工
肺において高いガス交換能を得るとともに、血漿の漏出
を防止し、血液流路内に負圧が生じた場合でも血液中へ
の気泡の混入がない体外循環回路装置を提供することに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)の本発明により達成される。
【0017】(1) ガス交換膜として中空糸膜を内蔵
し、この中空糸膜を介して血液流路とガス流路とが形成
された人工肺と、前記血液流路と連通するよう人工肺の
下流側に設置された送血用のポンプとを少なくとも備え
る体外循環回路装置であって、前記ガス流路内の酸素含
有ガスの圧力を調整しうるガス圧調整手段と、前記血液
流路内の血液の圧力を検出する圧力検出手段とを設置
し、前記圧力検出手段により検出された圧力に基づい
て、前記ガス圧調整手段を作動して前記ガス流路内のガ
ス圧を調整し、前記ガス流路内のガス圧をP1 、前記血
液流路内の血液の圧力をP2 、前記中空糸膜のバブルポ
イントをP3 としたとき、P1 −P2 <kP3 (ただ
し、kは1以下の定数)なる関係を保持するように制御
することを特徴とする体外循環回路装置。
【0018】(2) ガス交換膜として中空糸膜を内蔵
し、この中空糸膜を介して血液流路とガス流路とが形成
された人工肺と、前記血液流路と連通するよう人工肺の
下流側に設置された送血用のポンプとを少なくとも備え
る体外循環回路装置であって、前記ガス流路内の酸素含
有ガスの圧力を調整しうるガス圧調整手段と、前記血液
流路内の血液の圧力を検出する圧力検出手段とを設置
し、前記圧力検出手段により検出された圧力に基づい
て、前記ガス圧調整手段を作動して前記ガス流路内のガ
ス圧を調整し、前記ガス流路内のガス圧をP1 、前記血
液流路内の血液の圧力をP2 、前記中空糸膜のバブルポ
イントをP3 としたとき、−50mmHg≦P1 −P2 <k
3 (ただし、kは1以下の定数)なる関係を保持する
ように制御することを特徴とする体外循環回路装置。
【0019】(3) ガス交換膜として中空糸膜を内蔵
し、この中空糸膜を介して血液流路とガス流路とが形成
された人工肺と、前記血液流路と連通するよう人工肺の
下流側に設置された送血用のポンプとを少なくとも備え
る体外循環回路装置であって、前記ガス流路内の酸素含
有ガスの圧力を調整しうるガス圧調整手段と、前記血液
流路内の血液の圧力を検出する圧力検出手段とを設置
し、前記圧力検出手段により検出された圧力に基づい
て、前記ガス圧調整手段を作動して前記ガス流路内のガ
ス圧を調整し、前記ガス流路内のガス圧をP1 、前記血
液流路内の血液の圧力をP2 、前記中空糸膜のバブルポ
イントをP3 としたとき、−30mmHg≦P1 −P2 <k
3 (ただし、kは1以下の定数)なる関係を保持する
ように制御することを特徴とする体外循環回路装置。
【0020】(4) ガス交換膜として中空糸膜を内蔵
し、この中空糸膜を介して血液流路とガス流路とが形成
された人工肺と、前記血液流路と連通するよう人工肺の
下流側に設置された送血用のポンプとを少なくとも備え
る体外循環回路装置であって、前記ガス流路内の酸素含
有ガスの圧力を調整しうるガス圧調整手段と、前記血液
流路内の血液の圧力を検出する圧力検出手段とを設置
し、前記圧力検出手段により検出された圧力に基づい
て、前記ガス圧調整手段を作動して前記ガス流路内のガ
ス圧を調整し、前記ガス流路内のガス圧をP1 、前記血
液流路内の血液の圧力をP2 、前記中空糸膜のバブルポ
イントをP3 としたとき、0<P1 −P2 <kP3(た
だし、kは1以下の定数)なる関係を保持するように制
御することを特徴とする体外循環回路装置。
【0021】(5) 前記定数kが0.5〜0.95で
ある上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の体外循
環回路装置。
【0022】
【発明の構成】以下、本発明の体外循環回路装置を添付
図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明の体外循環回路装置の構成
例を模式的に示す回路構成図である。同図に示すよう
に、体外循環回路装置1は、貯血槽3と、送血用のポン
プ4と、人工肺5とを有し、患者2の脱血部(血管)と
貯血槽3の流入側、貯血槽3の流出側と人工肺5の血液
導入口78、人工肺5の血液導出口79とポンプ4の吸
入側、ポンプ4の吐出側と患者2の送血部(血管)と
を、それぞれ、チューブ91,92,93および94で
接続したものである。チューブ94の途中には、バルブ
(またはクランプ)95が設置されている。
【0024】また、人工肺5の酸素含有ガス導入口63
および酸素含有ガス導出口64には、それぞれ、チュー
ブ96および97が接続されている。チューブ96の他
端は、例えば、コンプレッサーエアー、酸素ボンベ、酸
素濃縮器等の酸素含有ガス供給手段(図示せず)に接続
される。この場合、供給ガス圧は、例えば1〜10kg/c
m2程度の高圧とするのが好ましい。また、チューブ97
の他端は、大気に開放する場合もあるが、通常、真空ポ
ンプ等の吸引手段(図示せず)に接続される。
【0025】なお、図示しないが、チューブ96の途中
には、酸素含有ガスの流量を調節しうる装置(マスフロ
ーコントローラー)を設置するのが好ましい。この装置
は、酸素含有ガスの圧力に関わらず、一定の酸素分子数
を供給することができる装置である。
【0026】人工肺5の構成例を図2に拡大して示す。
同図に示すように、人工肺5は、ハウジング56を有
し、このハウジング56は筒状本体57の両端部に環状
の雄ネジ付き取付カバー58,59が設けられている。
【0027】ハウジング56内には、その全体にわた
り、ガス交換膜として、多数(例えば10000〜70
000本)の中空糸膜50がハウジング56の長手方向
に沿って並列的に相互に離間配置されている。そして、
この中空糸膜50の両端部は、取付カバー58,59内
において、それぞれの開口が閉塞されない状態で隔壁6
0,61により液密に支持されている。
【0028】また、各隔壁60,61は、中空糸膜50
の外周面と上記ハウジング56の内面とともに酸素含有
ガスの流路であるガス室62を構成し、これを閉塞し、
かつ中空糸膜50の内部に形成される血液流路とガス室
62とを隔離するものである。
【0029】一方の取付カバー58には、酸素含有ガス
をガス室62へ供給する導入口63が設けられており、
他方の取付カバー59には、酸素含有ガスをガス室62
から排出する導出口64が設けられている。
【0030】ハウジング56の筒状本体57の内面に
は、その軸方向のほぼ中央に位置し、内側に向かって突
出する絞り用拘束部65を設けることが好ましい。すな
わち、拘束部65は筒状本体57の内面に筒状本体と一
体的に形成されており、筒状本体57内に挿通される多
数の中空糸膜50からなる中空糸束66の外周をその中
心方向へ締め付けるようになっている。これにより、中
空糸束66は、図2で示すように、軸方向の中央におい
て絞り込まれ、絞り部67を形成する。従って、中空糸
膜50の充填率は、軸方向に沿う各部において異なり、
中央部分において最も高くなっている。
【0031】なお、好ましい各部の充填率は次の通りで
ある。まず、中央の絞り部67における充填率は約60
〜80%、その他筒状本体57内では充填率は約30〜
60%であり、中空糸束66の両端部、すなわち隔壁6
0,61付近における充填率は約20〜50%である。
【0032】また、人工肺5の有効膜面積は特に限定さ
れないが、好ましくは0.3〜6.0m2程度、より好ま
しくは0.5〜5.4m2程度とするのがよい。
【0033】隔壁60,61は、中空糸膜50の内部
(血液流路)と外部(ガス流路)とを隔離するという機
能を果たすものである。通常、この隔壁60,61は、
極性の高い高分子ポッティング材、例えばポリウレタ
ン、シリコーン、エポキシ樹脂等をハウジング56の両
端内壁面に遠心注入法により流し込み、硬化させること
により形成される。
【0034】さらに詳述すれば、まず、ハウジング56
の長さより長い多数の中空糸膜50を用意し、この両開
口端を粘度の高い樹脂によって目止めをした後、ハウジ
ング56の筒状本体57内に並べて位置せしめる。この
後、取付けカバー58,59の径以上の大きさの型カバ
ーで、中空糸膜50の各両端を完全に覆い、ハウジング
56の中心軸を中心にそのハウジング56を回転させな
がら両端部側から高分子ポッティング材を注入する。流
し終って樹脂が硬化すれば、上記型カバーを外して樹脂
の外側面部を鋭利な刃物で切断し、中空糸膜50の両開
口端を表面に露出させる。かくして隔壁60,61は形
成されることになる。
【0035】隔壁60,61の外面は、環状凸部を有す
る流路形成部材68,69でそれぞれ覆われている。こ
の流路形成部材68,69は、それぞれ液分配部材7
0,71およびネジリング72,73よりなり、この液
分配部材70,71の周縁部付近に設けられた環状凸部
として突条74,75の端面を前記隔壁60,61にそ
れぞれ当接させ、ネジリング72,73を取付カバー5
8,59にそれぞれ螺合することにより固定され、これ
により、血液の流入室76および流出室77がそれぞれ
形成される。
【0036】これらの流路形成部材68,69の頂部に
は、それぞれ血液の導入口78および導出口79が形成
されている。
【0037】隔壁60,61と、流路形成部材68,6
9とにより形成される隔壁60,61の周縁部の空隙部
には、該空隙部に連通する少なくとも2個の孔82,8
3の一方より充填材84,85を充填することにより、
隔壁60,61と接触するようにシールされる。あるい
はまた、Oリング(図示せず)を介してシールされる。
【0038】なお、図示の中空糸膜型人工肺5は、中空
糸膜50の内部に血液を循環し、中空糸膜50の外部に
酸素含有ガスを吹送してガス交換を行なうタイプのもの
であるが、本発明における人工肺は、中空糸膜50の外
部に血液を循環させ、中空糸膜の内部に酸素含有ガスを
吹送してガス交換を行なうタイプのものでもよい。
【0039】本発明では、人工肺5の下流側に送血用の
ポンプ4を配置し、後述するように酸素含有ガスの圧力
を制御するため、人工肺5に用いられる中空糸膜50の
種類、特性等は特に限定されず、緻密膜、多孔質膜のい
ずれでもよいが、ガス交換性能の点で多孔質膜の方がよ
り好ましい。
【0040】また、多孔質中空糸膜としては、ポリエチ
レン中空糸膜、ポリプロピレン中空糸膜、ポリサルフォ
ン中空糸膜、ポリテトラフルオロエチレン中空糸膜、ポ
リイミド中空糸膜等いかなるものでもよく、そのなかで
も特に、ポリプロピレン中空糸膜が好ましい。
【0041】この多孔質ポリプロピレン中空糸膜として
は、例えば、特公昭56−52123号に記載されたよ
うな延伸法で製造されたもの、または、例えば、特願昭
59−210466号、特開昭62−106770号、
特開昭64−7908号に記載されたような方法で製造
されたもの等が挙げられる。
【0042】図3は、多孔質ポリプロピレン中空糸膜に
よる中空糸膜50の横断面を模式的に示す拡大横断面図
である。同図に示すように、この中空糸膜50は、横断
面形状が実質的に円形か、または楕円形をなしている。
【0043】この中空糸膜50は、その内表面52側
(内部)、外表面54側(外部)のいずれにも血液を流
すことができるが、図2に示す人工肺5に適用した場合
には、内表面52側を血液を流すこととなり、従って、
中空糸膜50の内部に血液流路が、外部にガス流路が形
成されることとなる。
【0044】この中空糸膜50の各部の寸法や諸特性は
特に限定されないが、一般に、以下に示すようなものが
好適に使用される。
【0045】中空糸膜50の内径Dは、好ましくは15
0〜300μm であり、より好ましくは180〜250
μm である。
【0046】なお、本発明における中空糸膜の横断面形
状は、図示のごとき円形に限らず、楕円形であってもよ
い。この場合には、内径の平均および肉厚の平均が前記
値となればよい。
【0047】このようなポリプロピレン製中空糸膜(基
材)の微細構造は、中空糸膜の製造条件によって変わる
が、例えば、冷却固化液として、有機充填剤とは相溶せ
ずかつ比熱容量が0.3〜0.7cal/g である溶液を使
用すれば、次のような構造の中空糸膜が得られる。
【0048】すなわち、中空糸膜50の内表面52側に
おいては、固相は粒子状ポリプロピレンが一部露出しつ
つ密に融和結合、つまり溶融した後、冷却固化して形成
された連続相を呈する。
【0049】また、膜内部53においては、固相は多数
の粒子状ポリプロピレンによって形成され、この粒子状
ポリプロピレンは、円周方向においては方向性をもたず
無秩序に集まっているが、繊維軸方向においては連なっ
てポリプロピレン塊を形成しており、このポリプロピレ
ン塊は、糸状ポリプロピレンによって相互に結ばれてい
る。従って、膜内部53においては、固相は粒子状ポリ
プロピレンが繊維軸方向に連なってできたポリプロピレ
ン塊が多数集まって形成されているものと思われる。
【0050】さらに、中空糸膜50の外表面54におい
ても、膜内部53と同様に固相は粒子状ポリプロピレン
が繊維軸方向に連なってできたポリプロピレン塊が多数
集まって形成されている。
【0051】これらの固相間の間隙は、中空糸膜50の
内表面52および外表面54を含む肉厚部において、内
表面52より外表面54に至る経路が長く、かつ孔同士
が直線的でなく複雑に網目状につながった3次元ネット
ワーク状の連通孔を形成している。
【0052】このように、本発明の多孔質中空糸膜にお
いては、その内表面52が、粒子状ポリプロピレンの一
部が露出しつつ密に融和結合された連続相とそれ以外の
空孔部分からなり、滑らかな表面性状を有するために、
人工肺において用いられ、中空糸膜50の内腔に血液を
流したときでも、血球成分に損傷を与えることはなく、
また圧力損失も高くならない。一方、外表面54も、粒
子状ポリプロピレンが整然と繊維軸方向に並んでできた
ポリプロピレン塊が多数集まって形成された固相とそれ
以外の空孔部分とからなり、滑らかな表面性状を有する
ために、人工肺において用いられ、中空糸膜50の外側
に血液を流したときでも、血球成分に損傷を与えること
はなく、また圧力損失も高くならない。
【0053】さらに、人工肺用中空糸膜として用いられ
た際に、ガスの通路となる空孔部分は、複雑に網目状に
つながった3次元ネットワーク状の連通孔であり、かつ
後述する特性を有するため、血液を中空糸膜の内側ある
いは外側のいずれかに体外循環させても、血漿成分はこ
のように複雑に入り組んだ長い経路を容易に通過するこ
とができず、例えば、30時間以上の体外血液循環を行
っても、血漿の漏出およびガス交換能の低下はほとんど
認められない。
【0054】このような中空糸膜50の特性は、中空糸
膜の製造方法、製造条件によって異なるが、その一例を
挙げれば、次の通りである。
【0055】中空糸膜50の平均孔径は、0.01〜
0.2μm であり、好ましくは0.02〜0.1μm で
ある。
【0056】中空糸膜50の全体にわたる空孔率は、1
〜50%であり、好ましくは10〜40%である。
【0057】中空糸膜50の透水率(空孔内に水を充填
した状態での)は0.01〜5.0ml/min・m2・mmHg(室
温)であり、好ましくは0.05〜4.0ml/min・m2・mm
Hg(室温)である。
【0058】なお、この透水率は、膜内部53の連通孔
の曲路率(屈曲の度合)と関連するものと考えられ、透
水率が高いということは、曲路率が低く、すなわち、膜
内部53の連通孔がより直線的であることを示す。
【0059】中空糸膜50の血液接触面(内表面52ま
たは外表面54のいずれか一方)に生理食塩水を接触さ
せた際のバブルポイントは0mmHg以上であり、好ましく
は5mmHg以上である。
【0060】中空糸膜50の内表面52における開口率
(内表面開口率)は、好ましくは0.1〜30%未満で
あり、より好ましくは2.0〜30%である。
【0061】中空糸膜50の酸素ガスフラックスは、1
0〜4000ml/min・m2・mmHg(室温)であり、好ましく
は、50〜3000ml/min・m2・mmHg(室温)である。
【0062】中空糸膜50を構成する粒子状ポリプロピ
レンおよびこれらの微粒子間の間隙である連通孔(空
孔)の大きさ、分布度は、中空糸膜の製造条件および原
料組成によっても好ましい状態に制御することができる
が、通常は、粒子状ポリプロピレンの平均粒径は、0.
1〜2.0μm 、好ましくは、0.2〜1.5μm であ
り、内表面52の空孔の平均半径は、0.1〜1.0μ
m 、好ましくは、0.1〜0.6μm である。
【0063】上記のような中空糸膜自体は、ポリプロピ
レン製であるため疎水性であるが、この中空糸膜の血液
接触面およびこの血液接触面に続く空孔内の一部を親水
化することもできる。このような親水化は、例えば、ヘ
パリン、リン脂質、ヒドロキシエチルメタアクリレート
(HEMA)、ポリエチレングリコール、タンパク質の
ような親水性物質を固定化する方法により行なうことが
できる。なお、ヘパリンを固定化する場合、その前処理
として、オゾン処理、カプラー(例えば、ポリエチレン
イミン)の固定化等が行なわれる。
【0064】図1に示すように、貯血槽3は、患者2の
脱血部に対し、30〜150cm程度低い位置に設置さ
れ、この落差により患者2の脱血部から血液が貯血槽3
内に導入されるようになっている。なお、図示の体外循
環回路装置においては、貯血槽3は、熱交換器(図示せ
ず)を内蔵するものであるのが好ましい。
【0065】ポンプ4としては、例えば、ローラポン
プ、遠心ポンプ、スクリューポンプ等が使用可能であ
る。なお、ポンプ4として遠心ポンプを用いた場合に
は、循環量が比較的一定であるため、貯血槽3を省略
し、患者2の脱血部と人工肺5の導入口78とをチュー
ブで直接接続することもできる。
【0066】このポンプ4と人工肺5との位置関係は、
図示のごとく、人工肺5の血液循環下流側にポンプ4が
配置されている。このような配置は、後述する酸素含有
ガスの圧力制御を行なうことにより可能となる。
【0067】すなわち、このような配置にすると、ポン
プ4の吸引により中空糸膜内部、すなわち血液流路内の
圧力が比較的低くなり、負圧が生じることがあるが、ガ
ス流路内のガス圧と血液流路内の血液の圧力との差が中
空糸膜50のバブルポイントを超えると、ガス室62側
から気体が中空糸膜の空孔を通って中空糸膜内部に侵入
し、血液中に気泡が混入するおそれがあったため、従来
では、必ず人工肺をポンプの下流側(吐出側)に設置し
なければならなかったが、本発明では、後述するよう
に、血液流路内の血液の圧力およびその変化に応じてガ
ス流路内のガス圧を調整するため、中空糸膜50の血液
流路内に負圧が生じても血液中への気泡の混入は生じ
ず、よって、このような配置とすることが可能となる。
【0068】このように、人工肺5をポンプ4の上流側
に配置することができるということは、ポンプ4の吸引
により、中空糸膜の血液流路内の圧力が比較的低くなる
ため、中空糸膜の種類、特性等にかかわらず、長時間血
液循環を行なってもガス流路への血漿の漏出が生じなく
なる。さらには、体外循環回路装置の設計において、例
えば、1つの人工肺で分離体外循環が可能となる等、回
路設計上の許容範囲が大幅に広がるという利点もある。
【0069】バルブ(またはクレンメ)95は、体外循
環回路装置1におけるin vitro循環実験の際、血液循環
量または圧力を調節するためのものである。体外循環回
路装置1における血液循環量は、患者の条件や症例にも
よるが、通常、100〜7000ml/min程度、特に、2
00〜6000ml/min程度とされ、本発明の体外循環回
路装置1では、このような血液循環量において、人工肺
5での血漿の漏出や血液中への気泡の混入を生じること
なく、充分な酸素加、脱炭酸ガス能が得られる。
【0070】各チューブ91,92,93,94は、血
液を循環するのに適した管体であればよく、例えば、ポ
リ塩化ビニルに代表される樹脂製のチューブが好適に使
用される。
【0071】各チューブ91〜94の内径は、特に限定
されないが、4.5〜15mm程度、特に、5.0〜1
2.5mm程度とするのが好ましい。
【0072】各チューブ91〜94の全長(合計長さ)
は、特に限定されないが、1〜10m程度、特に、1.
5〜5m程度とするのが好ましい。
【0073】また、各チューブ91〜94を、例えば、
セグメント化ポリウレタン、セグメント化ポリエーテル
ナイロンのような抗血栓性材料で構成するか、またはチ
ューブ内面に抗血栓性材料による層を形成することもで
き、この場合には、各チューブ91〜94の内面に血栓
が付着することが防止され好ましい。
【0074】チューブ96および97は、酸素含有ガス
を送気するのに適した管体であればよく、例えば、ポリ
塩化ビニルに代表される樹脂製のチューブが好適に使用
される。
【0075】チューブ96および97の内径は、特に限
定されないが、4.0〜12.5mm程度、特に、5.0
〜8.0mm程度とするのが好ましい。
【0076】図1に示すように、人工肺5の血液導出口
79付近には、人工肺5の血液流路内の血液の圧力(以
下、単に、血液の圧力という)を検出する圧力検出手段
として、圧力センサ10が接続されている。この圧力セ
ンサ10としては、例えば、半導体圧力センサ、ひずみ
ゲージ等を用いることができる。
【0077】また、この圧力センサ10は、ライン13
を介して例えばマイクロコンピュータで構成される制御
手段11と電気的に接続されている。圧力センサ10に
より検出された情報は、ライン13を介して制御手段1
1に随時入力される。
【0078】チューブ97の途中の所定箇所、好ましく
は酸素含有ガス導出口64の近傍には、人工肺5のガス
流路内の酸素含有ガスの圧力(以下、単に、ガス圧とい
う)を調整しうるガス圧調整手段12が設置されてい
る。このガス圧調整手段12としては、例えば、電気的
に作動する調圧バルブ(電空変換レギュレーター、パイ
ロット式レギュレーター等)を用いることができる。
【0079】また、このガス圧調整手段12は、ライン
14を介して制御手段11と電気的に接続されている。
ガス圧調整手段12は、制御手段11からの信号に基づ
いて、ガス圧を所望の値に調整するよう作動する。
【0080】また、制御手段11は、メモリーを有し、
このメモリーには、使用する人工肺5の中空糸膜50の
バブルポイントおよび後述する定数kが予め記憶されて
いるとともに、ガス圧を記憶することができる。
【0081】なお、人工肺5のガス流路内に供給される
酸素含有ガス中の酸素濃度(または酸素分圧)は、20
〜100%程度、特に、50〜100%程度とするのが
好ましい。
【0082】次に、体外循環回路装置1の作用について
説明する。
【0083】図1に示すように、患者2から脱血された
血液は、落差によりチューブ91を経て一端貯血槽3に
貯留され、ここで熱交換器により所定の温度に加温また
は冷却される。
【0084】ポンプ4を作動すると、貯血槽3内の血液
は、チューブ92を経て導入口78から人工肺5の血液
流路内、すなわち中空糸膜50の内部に導入され、さら
に、導出口79から導出され、チューブ93、ポンプ
4、チューブ94を順次経て、患者2に返血される。
【0085】一方、図示しない酸素含有ガス供給手段か
ら送られてくる酸素含有ガスは、チューブ96を通り、
導入口63から人工肺5のガス流路内、すなわち中空糸
膜50の外部のガス室62に導入され、さらに、導出口
64から導出され、チューブ97を経て排気される。こ
れにより、人工肺5の内部では、中空糸膜50を介して
ガス交換が行なわれ、循環する血液に酸素加、脱炭酸ガ
スがなされる。
【0086】このようにして血液体外循環を行なってい
る最中には、圧力センサ10により血液の圧力を随時検
出し、その検出値は、制御手段11に随時入力される。
【0087】一方、制御手段11のメモリーに現在のガ
ス圧を記憶し、このガス圧と、メモリーに予め記憶され
ている中空糸膜50のバブルポイントと、圧力センサ1
0にて検出された血液の圧力とから、次のような判断を
行なう。
【0088】すなわち、ガス圧をP1 、血液の圧力をP
2 、中空糸膜のバブルポイント(プライミング時または
血液循環時のバブルポイント)をP3 、定数k(kは1
以下)としたとき、制御手段11の演算部において、P
1 −P2 なる演算を行ない、このP1 −P2 とkP3
を比較する。
【0089】P1 −P2 <kP3 であった場合には、そ
のまま現在のガス圧を維持する。
【0090】P1 −P2 ≧kP3 であった場合には、制
御手段11は、ガス圧P1 下げるような命令信号をガス
圧調整手段12へ出力する。圧調整手段12では、この
信号に基づいて、例えばバルブの開度を調整し、P1
2 <kP3 となるまでガス圧P1 を下げる。
【0091】このようなことを連続的に行なえば、P1
−P2<kP3 なる関係が保持されることとなり、人工
肺5のガス流路から気体が中空糸膜50の空孔を通って
血液流路内に侵入し、循環する血液中に気泡が混入する
ことが防止される。
【0092】なお、定数kは、1であってもよいが、定
数kが小さいほど血液中への気泡の混入がより確実に防
止される。従って、定数kは、好ましくは1未満、より
好ましくは、0.5〜0.95、さらに好ましくは0.
6〜0.9とするのがよい。
【0093】なお、バブルポイントP3 は、使用する人
工肺に対し、またはそれと同様のものにて、予め実験的
に求めておくのがよい。このバブルポイントは、血液流
路に生理食塩水のようなプライミング液を充填・循環し
たときのものと、血液流路に血液を充填・循環したとき
のものとを求め、プライミング時、血液循環時に応じて
それぞれのバブルポイントを使いわけるのが、より適正
な圧力制御を行なう上で好ましい。この場合、血液循環
時のバブルポイントは、中空糸膜の血液流路に血液を充
填・循環して測定してもよいが、血液流路に生理食塩水
のようなプライミング液を充填して求められたプライミ
ング時のバブルポイントから推定してもよい。また、血
液循環時のバブルポイントは、経時的に増大する傾向を
示すため、循環開始時の値とするのが安全上好ましい。
【0094】また、さらに複雑な制御を行なうこともで
きる。その一例を挙げれば、次の通りである。
【0095】P1 −P2 <kP3 なる関係は満足するも
のの、ガス圧P1 が血液の圧力P2に比べて低すぎる
と、中空糸膜50からの血漿の漏出が生じ易くなり、ま
た、供給される酸素量が少なくなるのでガス交換が不十
分となることがある。この場合には、圧力差P1 −P2
の下限値Pmin をも考慮した制御を行なう。
【0096】すなわち、Pmin ≦P1 −P2 <kP3
(Pmin は、制御手段11のメモリーに予め記憶されて
いる)であった場合には、そのまま現在のガス圧を維持
する。
【0097】P1 −P2 ≧kP3 であった場合には、前
記と同様のガス圧調整を行なう。
【0098】Pmin >P1 −P2 であった場合には、制
御手段11は、ガス圧P1 上げるような命令信号をガス
圧調整手段12へ出力する。圧調整手段12では、この
信号に基づいて、例えばバルブの開度を調整し、Pmin
≦P1 −P2 、特に、Pmin<P1 −P2 となるまでガ
ス圧P1 を上げる。
【0099】このようなことを連続的に行なえば、Pmi
n ≦P1−P2 <kP3 なる関係が保持されることとな
り、循環する血液中への気泡の混入を防止するととも
に、万一、ガス圧P1 が極度に低下するかまたは血液の
圧力P2 が極度に上昇して、P1 −P2 が低すぎること
となっても、中空糸膜50からの血漿の漏出を防止する
ことができ、また、ガス圧を可能な限り高く維持するこ
とができるので、中空糸膜50が、本来ガス交換能が劣
るものであっても、充分なガス交換能を得ることができ
る。
【0100】ここで、上記Pmin としては、用いる中空
糸膜50の特性等を考慮して適宜決定されるが、通常は
Pmin を−50mmHgとするのが好ましい。また、さら
に、Pmin を−30mmHgとすることもでき、この場合に
は、血漿漏出防止等の効果をさらに向上することができ
る。
【0101】また、特に、前述したような血液接触面等
を親水化した中空糸膜の場合、バブルポイントP3 が高
くなるため、下限値Pmin を0とすること、すなわち、
0<P1 −P2 <kP3とすることができる。この場
合、常に酸素含有ガスが血液を加圧することとなるた
め、血漿の漏出をほぼ確実に防止することができる。
【0102】なお、上記ガス圧の制御方法、演算方法等
は一例であって、これらに限定されるものではない。例
えば、ガス流量を厳密に制御する必要がなければ、チュ
ーブ97を半閉塞の状態にしたまま、ガス圧調整手段を
チューブ96の途中に設置し、これを制御したり、ま
た、チューブ96に接続される酸素含有ガスの供給手段
を直接制御してもよい。
【0103】また、ガス圧の制御は、上述のごとく自動
で行なう場合に限らず、検出された血液の圧力に基づい
て手動で行なってもよい。
【0104】なお、本発明の体外循環回路装置は、人工
肺5がポンプ4の上流側に配置されているものであれば
いかなるものでもよく、その他の構成については特に限
定されない。 また、本発明の体外循環回路装置は、V
−Vバイパス、V−Aバイパス、A−Vバイパスのいず
れにも適用することができるが、その中でも特に、V−
Vバイパス、V−Aバイパスが好ましい。
【0105】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0106】[1]中空糸膜の製造 メルトインデックス(M.I.)が23のプロピレンホ
モポリマー100重量部に対し、下記表1に示す割合の
流動パラフィン(数平均分子量324)および結晶核形
成剤としてのジベンジリデンソルビトール0.5重量部
を仕込み、二軸型押出機(池貝鉄工社製、PCM−30
−25)により溶融混練し、押出した後ペレット化し
た。
【0107】このペレットを単軸型押出機(笠松製作所
社製、WO−30)を用いて180〜250℃で溶融
し、芯径4mm、内径6mm、外径7mm、ランド長15mmの
環状紡糸孔より、吐出量2.66g/min で空気中に吐出
させ、中空状物を落下させた。なお、落下距離は25〜
50mmであった。
【0108】続いて、中空状物を冷却槽内に入れられた
冷却固化液であるポリエチレングリコール(Mn=20
0)と接触させた後、冷却固化液流通管内を自然流下す
る冷却固化液と並流接触させて冷却した。なお、このと
きの冷却固化液の温度は30℃であった。
【0109】次に、中空状物を固化槽内の冷却固化液内
に導入し、固化槽内にて方向を転換し、さらに、シャワ
ーコンベア方式の抽出機において、抽出液であるフレオ
ン113(1,1,2−トリクロロ,1,2,2−トリ
フルオロエタン)により流動パラフィンを完全に抽出、
除去した。
【0110】その後、熱処理装置により、100〜11
0℃で20秒間熱処理を施し、巻取装置のボビンに巻き
取った。
【0111】ボビンに巻き取られた中空糸膜基材は、巻
戻し装置によってカセに巻き戻され、約30cmのバンド
ル状の中空糸束を得た。これらを、それぞれサンプルN
o. 1、2、3とした。
【0112】また、延伸法により製造された市販の人工
肺用ポリプロピレン中空糸膜(三菱レーヨン社製、KP
F−190M)を、サンプルNo. 4とした。
【0113】次に、上記サンプルNo. 3の中空糸膜の内
表面側に親水化処理を施した。まず、中空糸膜の外表面
側(酸素含有ガス側)を5℃の冷水に浸漬して中空糸膜
全体を冷却した後、オゾン発生機(日本オゾン社製、O
−1−2)を用いて、100V 、オゾン濃度25g/m3
800ml(O2)/min、の条件で5℃、10分間、中空糸膜
の内表面側にオゾンを含む気体を吹き込んだ。
【0114】オゾン処理後、空気で1時間乾燥し、さら
に、pH10.0に調整したポリエチレンイミン水溶液
(バスフ社製、ポリミンSN)を中空糸膜の内表面側に
充填し、45℃、24時間反応させた。
【0115】その後、ポリエチレンイミン水溶液を排出
し、水洗した後、部分的にアミノ基を導入したヘパリン
をpH4.0、50mMのコハク酸緩衝液に溶解して得られ
た0.2%ヘパリン水溶液を中空糸膜の内表面側に充填
し、45℃、4時間反応させた。
【0116】この反応の後、ヘパリン水溶液を排出し、
pH4.0、5mMのコハク酸緩衝液に溶解して得られた1
%グルタルアルデヒドを中空糸膜の内表面側に充填し、
37℃、24時間反応させ、ヘパリンを固定した。この
ようにして得られた一部親水化中空糸膜を、サンプルN
o. 5とした。
【0117】[2]中空糸膜の特性 上記サンプルNo. 1〜5の中空糸膜について、寸法(内
径/膜厚)、空孔率、平均空孔半径、酸素ガスフラック
ス、透水率、内表面開孔率を測定した。その結果を表1
に示す。
【0118】
【表1】
【0119】なお、各特性の測定方法は、次の通りであ
る。内径/肉厚 得られた中空糸膜を任意に10本抜きとり、鋭利なカミ
ソリで0.5mm程度の長さに輪切りにする。万能投影機
(ニコンプロファイルプロジェクター V−12)でそ
の断面を映し出し、計測器(ニコンデジタルカウンター
CM−6S)でその外径d1 、内径d2 を測定し、膜
厚tをt=(d1 −d2 )/2により算出し、10本の
平均値とした。
【0120】空孔率(%)、平均孔径(μm ) 得られた中空糸膜を約2g とり、鋭利なカミソリで5mm
以下の長さに輪切りにする。得られた試料を水銀ポロシ
メーター(カルロエルバ社製、65A型)にて1000
kg/cm2まで圧力をかけ、全空孔量(単位重さ当りの中空
糸膜の細孔体積)より空孔率および平均孔径を得る。
【0121】酸素ガスフラックス 得られた中空糸膜で、有効長9.5cm、膜面積0.8m2
のモジュールを作製し、一方の血液導入ポートから80
0ml/minの酸素を中空糸膜内に流し、反対側の血液導出
ポートを閉じた後、定常状態になったときの前記血液導
入ポートにおける圧力を測定し、これより算出した。
【0122】透水率 前記酸素ガスフラックスで用いたモジュールを100
%、90%、70%、50%のエタノール水溶液にこの
順に2時間ずつ浸漬し、その後、蒸留水中に2時間以上
浸漬して親水化した。モジュールを乾かさない状態で、
中空糸膜内部に加圧タンクで0.45kg/cm2の圧力で水
を圧入し、中空糸膜を透過してガスポートから出てくる
水の量をメスシリンダーで測った。
【0123】内表面開孔率(%)、内表面平均孔径(μ
m ) 走査電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−840)にて
各試料の内表面のSEM写真を1万倍で撮影し、この写
真を画像解析装置(東芝社製、TOSPIXO)にCC
Dカメラにて取り込み、撮影表面全体の面積に対する孔
部分の面積の割合を内表面開孔率、各孔の面積から計算
される円相当径の平均値を内表面平均孔径とした。
【0124】[3]人工肺の作製 上記サンプルNo. 1〜5の各中空糸膜を用いて、図2に
示す構造の中空糸膜型人工肺を作製した。各人工肺にお
いて用いた中空糸の本数は、それぞれ13500本であ
り、それらの有効膜面積は、0.8m2であった。これら
の人工肺について、下記測定方法によりバブルポイント
を測定した。その結果を下記表2に示す。
【0125】バブルポイント 人工肺の血液側流路(中空糸膜の内表面側)に、プライ
ミング液として生理食塩水を充填し、酸素含有ガスの導
入口63から空気を吹き込んでガス室62側を加圧し、
流出室77に気泡が発生したときの空気の圧力を測定
し、プラミング時におけるバブルポイントとした。次
に、このプライミング時におけるバブルポイントから、
予め実験により求められた関係に基づいて、人工肺の血
液側流路に血液を充填し、循環を開始したときのバブル
ポイントを求めた。これらを下記表2に示す。
【0126】
【表2】
【0127】なお、表2に示すように、親水化処理がな
されているサンプルNo. 5は、親水化処理がなされてい
ないサンプルNo. 1〜4に比べ、バブルポイントが高
い。
【0128】[4]体外循環回路装置の作製 前記各人工肺を用い、貯血槽を省略した図1に示す構成
の体外循環回路装置を作製した。この回路中の構成物は
次の通りである。また、この回路中、ポンプの下流側に
は、動脈フィルターおよび電磁流量計を順次設置した。
【0129】ポンプ:遠心ポンプ(バイオメディカス社
製、BP−50X型) 送血用チューブ:ポリ塩化ビニル製、内径8.0mm、全
長約3.0m 送気用チューブ:ポリ塩化ビニル製、内径6.0mm 動脈フィルター:(Harvey社製、H−640) 電磁流量計:(日本光電社製) 圧力センサ:(日本電気三栄社製、P10EZ型) ガス圧調整手段:調圧バルブ(黒田精工社製、ESR
型) 制御手段:マイクロコンピュータ(メモリー内蔵)
【0130】[5]血液体外循環 上記体外循環回路装置により、次のようにして血液体外
循環の実験を行なった。
【0131】実験には、35kgの雑犬を用いた。麻酔下
に300u/kgのヘパリンを投与し、1時間後から100
u/kgのヘパリンを持続投与し続けた。
【0132】まず、血液体外循環に先立ち、回路内を生
理食塩水によりプライミングした。
【0133】血液体外循環は、調節呼吸下にて、レスピ
レータを調節して静脈血をAAMIの基準の状態に維持
しながら、右頸静脈から右房に挿入したカニューレから
脱血し、上記体外循環回路装置を経た後、右頸動脈に血
流量800ml/minで送血した。
【0134】一方、人工肺のガス室(中空系外部)62
へは、純酸素を流量約800ml/min(平均ガス圧約−1
0〜20mmHg)で流した。
【0135】[6]ガス圧制御方法 (本発明例1A、2A、3A、4A、5A)図4に示す
フローチャートに従い、圧力センサにより検出された情
報に基づいてガス圧調整手段を制御し、ガス室6内にお
ける純酸素の圧力を調整した。なお、フローチャート中
の計算式等は、あらかじめマイクロコンピュータにプロ
グラムされている。ここで、酸素の圧力をP1 、血液の
圧力をP2 、中空糸膜のバブルポイントをP3 とする。
【0136】なお、バブルポイントP3 は、プライミン
グ時、血液循環時のそれぞれにおいて、前記表2に示す
値に設定した。
【0137】(本発明例1B、2B、3B、4B、5
B)図5に示すフローチャートに従い、圧力センサによ
り検出された情報に基づいてガス圧調整手段を制御し、
ガス室6内における純酸素の圧力を調整した。なお、フ
ローチャート中の計算式等は、あらかじめマイクロコン
ピュータにプログラムされている。ここで、酸素の圧力
をP1 、血液の圧力をP2 、P1 とP2 の圧力差の下限
値をPmin 、中空糸膜のバブルポイントをP3 とする。
【0138】なお、バブルポイントP3 は、プライミン
グ時、血液循環時のそれぞれにおいて、前記表2に示す
値に設定した。
【0139】また、サンプルNo. 1〜4については、圧
力差の下限値Pmin を−20mmHg、サンプルNo. 5につ
いては、Pmin を+5mmHgとした。
【0140】(比較例1A、2A、3A、4A、5A)
制御手段を作動せず、供給する純酸素の流量を800ml
/min、ガス圧を0mmHgに固定した状態で、体外循環を行
なった。
【0141】(比較例1B、2B、3B、4B、5B)
上記体外循環回路装置において、人工肺とポンプとの配
置を逆にした体外循環回路装置を用いた。この場合、制
御手段を作動せず、人工肺の血液等出口79側の圧力を
バルブ95にて約350〜400mmHgに調整し、一方、
供給する純酸素の流量を800ml/min、ガス圧を0mmHg
に固定した状態で、体外循環を行なった。
【0142】[7]ガス交換能の測定 上記各本発明例および比較例に対し、人工肺の血液導入
口78および導出口79における血液をサンプリング
し、この血液中の酸素ガス分圧および炭酸ガス分圧を血
中ガス測定装置(ラジオメーター社製、ABL−30
型)により測定し、これより酸素ガス移動量および炭酸
ガス移動量を求めた。その結果を下記表3に示す。
【0143】
【表3】
【0144】表3に示すように、本発明の体外循環回路
装置は、ガス交換能の高い中空糸膜を用いた場合はもち
ろんのこと、ガス交換能の低い中空糸膜を用いた場合で
も、必要かつ十分なガス交換能が得られている。なお、
比較例1A〜5Aについては、気泡が混入し、測定不能
であった。
【0145】[8]血漿漏出の測定 血液体外循環の条件を、血液流量400ml/min、供給ガ
スを混合ガス(N2 :O2 :CO2 =76:19:
5)、ガス流量約400ml/minとした以外は前記と同様
として循環を行なった。
【0146】上記各本発明例および比較例に対し、人工
肺のガス導出口64をコールドトラップに接続し、所定
時間経過毎にトラップされた液(漏出血漿+結露水)を
採取し、タンパク質検出試験紙にてタンパク質の有無を
確認し、液体流出速度を求めた。その結果を下記表4に
示す。
【0147】
【表4】
【0148】表4に示すように、本発明の体外循環回路
装置は、血漿の漏出が生じ難い中空糸膜を用いた場合は
もちろんのこと、血漿の漏出が生じ易い中空糸膜を用い
た場合でも、長時間の使用に対し、血漿の漏れがほとん
どなく、耐久性に優れていることがわかる。なお、比較
例5Aについては、気泡の混入がわずかであるので測定
可能であったが、比較例1A〜4Aについては、気泡の
混入が著しく、測定不能であった。
【0149】[9]気泡発生の観察 血漿漏出の測定の際、上記各本発明例および比較例に対
し、人工肺の流出室77における気泡発生の有無を肉眼
で観察した。その結果を下記表5に示す。
【0150】
【表5】
【0151】表5より明らかなように、本発明の体外循
環回路装置は、人工肺をポンプより上流側に設置したに
もかかわらず、血漿中への気泡の混入は全くないことが
わかる。
【0152】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の体外循環回
路装置によれば、人工肺に用いられる中空糸膜の種類、
特性にかかわらず、十分なガス交換能が得られるととも
に、長時間使用した場合でも血漿の漏出がなく、耐久性
に優れ、しかも、人工肺の中空糸膜において、ガス流路
側から空孔を経て血液中に気泡が混入することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の体外循環回路装置の構成例を模式的に
示す回路構成図である。
【図2】本発明の体外循環回路装置に配置される人工肺
の構成例を示す一部断面側面図である。
【図3】人工肺に用いられる多孔質中空糸膜の横断面を
模式的に示す拡大横断面図である。
【図4】酸素含有ガスの圧力の制御方法を示すフローチ
ャートである。
【図5】酸素含有ガスの圧力の他の制御方法を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 体外循環回路装置 2 患者 3 貯血槽 4 ポンプ 5 人工肺 50 中空糸膜 52 内表面 53 膜内部 54 外表面 56 ハウジング 57 筒状本体 58、59 取付カバー 60、61 隔壁 62 ガス室 63 導入口 64 導出口 65 絞り用拘束部 66 中空糸束 67 絞り部 68、69 流路形成部材 70、71 液分配部材 72、73 ネジリング 74、75 突条 76 流入室 77 流出室 78 導入口 79 導出口 82、83 孔 84、85 充填剤 91〜94 チューブ 95 バルブ 96、97 チューブ 10 圧力センサ 11 制御手段 12 ガス圧調整手段

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス交換膜として中空糸膜を内蔵し、こ
    の中空糸膜を介して血液流路とガス流路とが形成された
    人工肺と、前記血液流路と連通するよう人工肺の下流側
    に設置された送血用のポンプとを少なくとも備える体外
    循環回路装置であって、 前記ガス流路内の酸素含有ガスの圧力を調整しうるガス
    圧調整手段と、前記血液流路内の血液の圧力を検出する
    圧力検出手段とを設置し、 前記圧力検出手段により検出された圧力に基づいて、前
    記ガス圧調整手段を作動して前記ガス流路内のガス圧を
    調整し、前記ガス流路内のガス圧をP1 、前記血液流路
    内の血液の圧力をP2 、前記中空糸膜のバブルポイント
    をP3 としたとき、P1 −P2 <kP3 (ただし、kは
    1以下の定数)なる関係を保持するように制御すること
    を特徴とする体外循環回路装置。
  2. 【請求項2】 ガス交換膜として中空糸膜を内蔵し、こ
    の中空糸膜を介して血液流路とガス流路とが形成された
    人工肺と、前記血液流路と連通するよう人工肺の下流側
    に設置された送血用のポンプとを少なくとも備える体外
    循環回路装置であって、 前記ガス流路内の酸素含有ガスの圧力を調整しうるガス
    圧調整手段と、前記血液流路内の血液の圧力を検出する
    圧力検出手段とを設置し、 前記圧力検出手段により検出された圧力に基づいて、前
    記ガス圧調整手段を作動して前記ガス流路内のガス圧を
    調整し、前記ガス流路内のガス圧をP1 、前記血液流路
    内の血液の圧力をP2 、前記中空糸膜のバブルポイント
    をP3 としたとき、−50mmHg≦P1 −P2 <kP3
    (ただし、kは1以下の定数)なる関係を保持するよう
    に制御することを特徴とする体外循環回路装置。
  3. 【請求項3】 ガス交換膜として中空糸膜を内蔵し、こ
    の中空糸膜を介して血液流路とガス流路とが形成された
    人工肺と、前記血液流路と連通するよう人工肺の下流側
    に設置された送血用のポンプとを少なくとも備える体外
    循環回路装置であって、 前記ガス流路内の酸素含有ガスの圧力を調整しうるガス
    圧調整手段と、前記血液流路内の血液の圧力を検出する
    圧力検出手段とを設置し、 前記圧力検出手段により検出された圧力に基づいて、前
    記ガス圧調整手段を作動して前記ガス流路内のガス圧を
    調整し、前記ガス流路内のガス圧をP1 、前記血液流路
    内の血液の圧力をP2 、前記中空糸膜のバブルポイント
    をP3 としたとき、−30mmHg≦P1 −P2 <kP3
    (ただし、kは1以下の定数)なる関係を保持するよう
    に制御することを特徴とする体外循環回路装置。
  4. 【請求項4】 ガス交換膜として中空糸膜を内蔵し、こ
    の中空糸膜を介して血液流路とガス流路とが形成された
    人工肺と、前記血液流路と連通するよう人工肺の下流側
    に設置された送血用のポンプとを少なくとも備える体外
    循環回路装置であって、 前記ガス流路内の酸素含有ガスの圧力を調整しうるガス
    圧調整手段と、前記血液流路内の血液の圧力を検出する
    圧力検出手段とを設置し、 前記圧力検出手段により検出された圧力に基づいて、前
    記ガス圧調整手段を作動して前記ガス流路内のガス圧を
    調整し、前記ガス流路内のガス圧をP1 、前記血液流路
    内の血液の圧力をP2 、前記中空糸膜のバブルポイント
    をP3 としたとき、0<P1 −P2 <kP3 (ただし、
    kは1以下の定数)なる関係を保持するように制御する
    ことを特徴とする体外循環回路装置。
  5. 【請求項5】 前記定数kが0.5〜0.95である請
    求項1ないし4のいずれかに記載の体外循環回路装置。
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