JPH09154936A - 血液浄化用モジュール、血液浄化膜及びその製造方法 - Google Patents

血液浄化用モジュール、血液浄化膜及びその製造方法

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JPH09154936A
JPH09154936A JP32737395A JP32737395A JPH09154936A JP H09154936 A JPH09154936 A JP H09154936A JP 32737395 A JP32737395 A JP 32737395A JP 32737395 A JP32737395 A JP 32737395A JP H09154936 A JPH09154936 A JP H09154936A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 通常の血液透析は当然として、血液透析濾過
や血液濾過等の大量除水療法時でも、経時的に安定した
除水が可能で、効率よく尿毒症物質を除去することが可
能な血液浄化膜、該血液浄化膜の製造方法、並びに、該
血液浄化膜を用いた血液浄化用モジュールを提供する。 【構成】 膜厚が10〜35μm、膜の表面が平滑構
造、膜の内部が均一構造の血液浄化膜であって、該血液
浄化膜を用いて作製したモジュールの血液濾過を行う場
合、濾過速度10ml/分でのβ2-ミクログロブリンの
篩い係数に対する濾過速度50ml/分での篩い係数の
比が60%以上であり、濾過速度50ml/分での5時
間後の血液の限外濾過速度の保持率が80%以上であ
り、膜間差圧300mmHgのモジュールあたりの限外
濾過速度が70ml/min以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液透析等に用いられ
る血液浄化膜、該血液浄化膜の製造方法、並びに、該血
液浄化膜を用いた血液浄化用モジュールに関する。さら
に詳しくは慢性腎不全の治療に用いられる際、通常の血
液透析は当然として、血液透析濾過、血液濾過でも、経
時的に安定した大量除水が可能で、また大量除水時でも
効率よくβ2-ミクログロブリン等の尿毒症物質を透析/
濾過除去することが可能な、大量除水療法に適した血液
浄化膜、該血液浄化膜の製造方法、並びに、該血液浄化
膜を用いた血液浄化用モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、慢性腎不全患者に対する維持
療法として血液透析が主に施されてきた。しかし、血液
透析は拡散だけで尿毒症の原因物質を除去するため、尿
素等の小分子量物質の除去に優れるが、分子量1万以上
の低分子量蛋白の除去は充分でない。そのため、透析ア
ミロイドーシスや疼痛等の合併症を避けることができ
ず、患者の苦痛を増大させていた。かかる事情から最
近、前記合併症の原因物質と考えられる分子量1万以上
の低分子量蛋白を積極的に除去するために、血液濾過
(以下、HF)や血液透析濾過(以下、HDF)といっ
た濾過流速を上げた血液浄化法に関心が持たれている。
【0003】高い濾過流速を可能とするためには高い限
外濾過速度が必要である。かかる限外濾過速度に影響を
与える要因としては、血液中の蛋白質濃度やヘマトクリ
ットの値の他、コントロール可能な要因として血液流量
がある。血液流量を増加すると限外濾過速度も増加させ
ることができるので、HFやHDFでは血液流量を通常
より増加することが多い(通常200ml/minに対
し、250〜400ml/min)。しかしながら、高
齢者や体格の小さい患者は、一般に血管が細く、得られ
る血液流量は200ml/minが限界で、通常は15
0ml/min程度である。これらの患者において、大
量の血液を濾過するHFやHDFを行う場合には、得ら
れる限外濾過速度が小さいので治療時間を延長するか、
あるいは必要とする濾過量を断念しなければならなかっ
た。このため、治療によって、拘束時間が長くなったり
又は充分な治療効果が得られないことがあり、問題とな
っていた。
【0004】また、血液を濾過する場合には血液中に血
球成分や蛋白質が含有されるため、膜の目詰まりを生じ
たり、膜表面に蛋白質の吸着やそのゲル層が形成される
ことによって血液側境膜での分極蛋白層、いわゆる2次
層が形成される。このように、血液濾過時の濾過流量を
上げると逆に目詰まりを生じることにより溶質の除去性
能が低下したり、また2次層が形成されるため濾過流量
を高くとれない等のさけられない問題もある。なお、膜
の目詰まりによる膜性能の低下を避けるためには、蛋
白の吸着し難い膜材質を選ぶこと、血液によるせん断
速度を上げること、孔の形状を大きくすることなどが
考えられる。また、血液側境膜での分極蛋白層生成を抑
えるためには、膜内面を平滑にすること、膜間差圧
(TMP)を上げないことなどが考えられる。
【0005】上記の問題を解決するために、種々の提案
がなされている。例えば特開平1−94902号には、
透析性能に優れ、長期間使用時の濾過速度の経時劣化の
少ないポリスルホン非対称中空糸膜について記載されて
いる。しかし、該膜は膜への吸着により血液中のβ2-ミ
クログロブリン(以下、β2-MG)を除去するものであ
るため(第1頁請求の範囲第2項、第5頁左下欄第3行
〜第11行)、膜が除去し得るβ2-MG量には吸着飽和
量という限界値が存在する。また、β2-MGは除去でき
たとしても、β2-MG以外の分子量数千〜数万の有害物
質(尿毒症物質)の除去性能は不明であり、かかる有害
物質が十分に除去されるとはいえない。
【0006】特公平5−69571号には、耐熱、耐薬
品性に優れ、外表面がスキン層であるポリスルホン非対
称中空糸膜について記載されている。しかし、該膜は中
空糸膜の外表面がスキン層であり、本来原子力発電のク
ラッド除去等を目的とする膜である(第2頁左欄第8行
〜第15行)。従って、該膜を血液透析等に用いる場合
には中空糸膜の外側に血液を流す必要があるため、血液
が中空糸膜以外のモジュール部分に接触し、処理する血
液に余分な損傷を生じ、また血液の均一な流れが確保で
きず、透析効率が低下することとなる。このように、該
膜は血液透析/濾過等の用途には不向きと考えられる。
【0007】特公平5−54373号には、優れた溶質
透過性を有する血液処理用の非対称中空繊維膜について
記載されている。該膜は高い濾過流量においても優れた
透析除去性能、クリアランスを有しているが、尿素のよ
うな低分子物質ですらそのクリアランスが透析開始時に
比べ透析終了時には低下する結果が示されており(第1
0頁第1表センターBの結果)、β2-MG等の低分子蛋
白質の有害物質を安定して除去し得るとは考えられな
い。
【0008】上記の通り、血液透析濾過等の大量除水療
法時に、濾過速度が経時的に安定して、β2-MG等の尿
毒症物質をも効果的に除去し得る血液浄化膜は未だ得ら
れていないのが現状であり、これまではHFやHDFで
治療してもその効果は満足できるものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
課題を解決することが目的である。即ち、本発明の目的
は、血液流量を増やすことなく、高い限外濾過速度が得
られ、また、高い限外濾過速度においても安定した優れ
た溶質除去性能を発現し、HDFやHFといった大量除
水療法時にβ2-MG等の有害な低分子蛋白質を効率的に
除去し得る血液浄化膜、該血液浄化膜の製造方法、該血
液浄化膜を用いた血液浄化用モジュールを提供すること
にある。
【0010】本発明者らは前記課題を解決するため、血
液浄化膜の膜構造と血液処理時の膜の目詰まりやいわゆ
る2次層との関係について鋭意検討した結果、膜内部が
実質的に均一構造の膜を、一定範囲内の薄さの膜厚と
し、且つ、膜表面の平滑性を向上させることによって、
膜の目詰まり及び血液側境膜での分極蛋白層の生成を抑
制でき、その結果限外濾過速度及び分離性能の安定性を
向上し、高い限外濾過速度及び分離性能を維持すること
が可能となることを見い出した。
【0011】つまり、本発明者らは下記の知見及び推論
を得るに至った。 1.膜内部が不均一構造の場合は、膜の分離が膜表面の
活性層だけで行われるため、膜表面に局部的な欠陥や分
離時のゆらぎのようなモノが生じた場合、膜はその部分
を中心に目詰まりが進行し易くなり、特に血液のような
大量の血球や蛋白質を含有する血液を濾過する場合には
目詰まりの影響は非常に大きいものとなるのに対し、膜
全体が均一構造の場合には、膜全体で濾過を支えるた
め、膜表面の一部に前記のような欠陥がある場合も膜全
体でカバーし、目詰まりの進行を抑制できること 2.かかる均一構造の膜の膜厚を一定範囲内の薄さとす
ることにより、血液濾過時の溶質透過抵抗が低下され、
高い濾過速度を確保できること。 3.一般的に、血液浄化膜に血液を流した場合、血液に
接触した膜表面には必ず蛋白質の吸着層が形成され、さ
らに吸着層の上に2次層が形成されることが知られてい
るが、かかる2次層の形成は、膜厚を薄くすることによ
り透過抵抗が低く抑えられ、且つ、膜の表面を平滑にす
ることにより、蛋白質のオーダーと言うより流れのオー
ダーで吸着層が滑らかとなり、2次層の形成が抑制され
ることにより、高い濾過流速を確保できること。
【0012】このように、血液浄化、特に大量除水を行
うような大きな濾過速度での血液浄化時の安定した濾過
性能を確保するためには、膜構造が均一であり、一定範
囲内の薄さの膜厚であり、且つ、膜表面が平滑であるこ
とが重要な要因となる。さらに、膜が均一構造であるこ
とは次のような利点を有する。膜が不均一構造である場
合には、例えば膜が疎水性ポリマーと親水性ポリマーか
ら形成されている場合、膜中の親水性ポリマーが膜の大
きな孔の部分から流出し、膜性能の変化や膜からの溶出
物が多くなり問題となる場合があるが、膜が均一構造で
ある場合には、膜内の親水性高分子は膜組織中に閉じこ
められた形となるのでしっかりと固定され、上記のよう
な問題も生じることはない。また、不均一膜で膜の外側
の孔径が大きい場合、透析液側から異物(例えばエンン
ドトキシン等)がコンタミしてくる等の危険性がある
が、均一膜ではかかる危険性もない。
【0013】なお、上記でいうところの膜内部構造の均
一性及び膜表面の平滑性の程度はを正確且つ客観的に定
量することは、現在の科学技術の水準では極めて困難な
ことである。従って、本願発明においては、膜内部が実
質的に均一構造であるとは、顕微鏡で膜断面を観察する
場合に、膜断面に明らかに認められるフィンガーライク
構造や網目構造などの組織が観察されない(つまり、孔
が観察されない)均一構造として観察されることを意味
し、膜表面が平滑であるとは、5000倍の電子顕微鏡
で膜表面を観察する場合に、膜表面に明らかに認められ
る孔や凹凸が存在しないことを意味する。ここで、電子
顕微鏡の倍率を5000倍としたのは、倍率をこれ以上
とした場合電子顕微鏡が発する熱により膜を構成するポ
リマーが解けることがあるためである。
【0014】さらに、本発明者らは、上記の膜の表面平
滑性について検討する過程において、下記の知見及び推
論を得るに至った。 4.上記で説明したように膜表面が平滑であることに加
えて、膜表面に存在する孔の大きさがより均一である場
合には、同一の平均孔径を有する膜においては最大孔径
はより小さくなるので、膜に血液を流した時に形成され
るいわゆる2次層の厚みがより薄く抑えられ、その結果
β2-MG等の低分子量蛋白質の濾過性能が高く保持さ
れ、高い濾過流速の時でも、かかる濾過性能の低下を抑
制することが可能であること。 5.膜表面の平滑性が極めて良好又は/及び孔の異形性
が少ない場合には、一旦形成された2次層への蛋白質の
追加蓄積が低く抑えられ、血液濾過時の経時的な透水性
の低下を抑制することが可能であること。 6.膜表面が平滑な範囲内で、孔の大きさを制御するこ
とによって、血液濾過時の濾過速度を制御することが可
能であること。しかし、上記でも説明した通り、現在の
科学技術でかかる膜構造を定量的に把握するのは極めて
困難であり、本発明においてはやむなくこれらを特性値
で表現することとした。つまり、上記4としてβ2-ミク
ログロブリンの比、上記5として限外濾過速度の比、上
記6として限外濾過速度の値を設定した。
【0015】また、本発明者らは、上記の血液浄化膜が
中空糸膜の場合、中空形成剤として気体を用いる乾湿式
紡糸法において、凝固性液体の温度より気体の温度を高
くして紡糸すれば、中空糸膜の内表面の平滑性の高い中
空糸膜を得ることができることを見い出した。この原因
についても明かではないが、中空糸膜の中央に供給する
気体の温度を高くして乾湿式紡糸を行うことにより、中
空糸膜内表面近傍の紡糸原液中の溶媒をいくらか蒸散さ
せつつ、膜凝固が進行することとなり、また凝固性液体
の温度と気体の温度に差を持たせた分、より急激な凝固
が生じることにより、膜に形成される孔が上記の平滑な
範囲内の小さく且つ均一なものとなり、孔の形状の異形
性も少なくなるものと考えられる。
【0016】また、中空糸膜を紡糸する過程において、
中空糸膜を実質的に無延伸とすることによって、孔の形
状の異形性はさらに少なくなり、紡糸原液に非溶媒とし
てグリセリンを添加することにより、溶解したポリマー
の分布がより均一となり、形成された膜の孔の大きさが
より均一なものになると考えられる。
【0017】本発明者らは、かかる知見に基づき更に重
ねて検討した結果、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の血液浄化膜は、
膜厚が10〜35μm、内径が100〜300μm、空
孔率が50〜85%、37℃での水の透水性が20ml
/m2 ・Hr・mmHg以上、アルブミンに対する篩い
係数が0.01以下である血液浄化膜であって、膜内部
が実質的に均一構造、膜表面が平滑構造であることを特
徴とするものである。
【0019】本発明の血液浄化膜は、該血液浄化膜を充
填したモジュールにヘマトクリット30%、蛋白質濃度
7g/dlの牛血液を流速200ml/minで流し、
濾過流速10ml/minで血液濾過を行った時のβ2-
ミクログロブリンの篩い係数に対する、濾過流速50m
l/minで血液濾過を行った時のβ2-ミクログロブリ
ンの篩い係数の比が60%以上であることが好ましい。
【0020】本発明の血液浄化膜は、該血液浄化膜を充
填したモジュールにヘマトクリット30%、蛋白質濃度
7g/dlの牛血液を流速200ml/minで流し、
濾過流速50ml/minで血液濾過を行った時の、濾
過開始後10分時点での限外濾過速度に対する、濾過開
始後5時間時点での限外濾過速度の比が80%以上であ
ることが好ましい。
【0021】本発明の血液浄化膜は、該血液浄化膜を充
填したモジュールにヘマトクリット30%、蛋白質濃度
7g/dlの牛血液を流速200ml/minで流し、
膜間差圧300mmHgで血液濾過を行った時のモジュ
ールあたりの限外濾過速度が70ml/min以上であ
ることが好ましい。
【0022】本発明の血液浄化膜は、主なる素材がポリ
スルホン系ポリマーもしくはセルロース系ポリマーから
選ばれた1又は複数のポリマーからなることが好まし
い。
【0023】本発明の血液浄化膜は、形状が中空糸膜型
であることが好ましい。
【0024】本発明の中空糸膜型血液浄化膜の製造方法
は、紡糸原液を二重管口金の外側から押し出し、二重管
口金の中央から中空部形成剤として気体を送り込み、押
し出された紡糸原液は空中を走行した後、凝固性液体を
通って凝固する乾湿式紡糸法による中空糸膜型血液浄化
膜の製造方法であって、前記気体の温度を前記凝固性液
体の温度より20℃以上高くすることを特徴とするもの
である。
【0025】本発明の中空糸膜型血液浄化膜の製造方法
は、実質的に無延伸で紡糸することが好ましい。
【0026】本発明の中空糸膜型血液浄化膜の製造方法
は、紡糸原液に非溶媒としてグリセリンを添加すること
が好ましい。
【0027】本発明の血液浄化用モジュールは、前記の
血液浄化膜を充填率40〜80%、膜面積0.9〜2.
5m2 となるように充填することを特徴とするものであ
る。
【0028】以下、本発明について詳しく説明する。
【0029】本発明の血液浄化膜の膜厚は10〜35μ
mである。膜厚が10μm未満の場合には血液浄化膜の
強度が低下し、また膜厚を一定に保つことが困難となり
生産性が著しく低下する。また、膜厚が35μmを越え
る場合には、膜形成時の相分離状態が均一にならないた
めに膜内面の平滑性が保てなくなり、その結果血液濾過
時に蛋白分極層の形成を促進し、濾過抵抗を上昇させる
原因となる。特に大量除水療法等において、限外濾過速
度の経時的な低下の程度が大きくなり、高い透析、濾過
性能の維持が困難となるためである。好ましい膜厚は1
5〜35μmである。
【0030】本発明の血液浄化膜の空孔率は50%〜8
5%である。空孔率が50%未満の場合には充分な溶質
の除去性能が得られず、血液浄化には不向きとなり、空
孔率が85%を越える場合には血液浄化膜の強度が低下
することにより生産性が低下するためである。なお、空
孔率は血液浄化膜を1〜2時間水洗後、血液浄化膜の膜
表面に付着した水(但し、中空糸型血液浄化膜の場合
は、外表面に付着した水及び芯部に残存した水)を除
き、重量を測定し(重量A)、さらに105℃で絶乾し
た後、重量を測定し(重量B)、次式により算出して求
める。 空孔率=(重量A−重量B)/{(重量A−重量B)+
(重量B/ρ)}×100% 但し、ρはポリマーの比重
【0031】本発明の中空糸型血液浄化膜の内径は10
0μm〜300μmである。内径が100μm未満であ
る場合には血液を流した時の圧力損失が大きくなり、血
液にダメージを与え溶血を生じる恐れがあり、また血液
が凝固して中空部に血栓が生じる可能性があり好ましく
ない。内径が300μmを越える場合には中空部が大き
くなりすぎて、中空形状を保つことが困難となり生産性
が低下する。また、中空糸膜内面のせん断速度が小さく
なり濾過に伴い蛋白質等が膜の内面に堆積し易くなるた
めである。好ましい内径は120〜250μmである。
【0032】本発明の血液浄化膜の37℃での水の透水
性は20ml/m2 ・mmHg・hr以上である。純水
の透水性が20ml/m2 ・mmHg・hr未満の場合
には、血液を流した時の透水性が充分でなく、大量除水
を行うのが困難となる。好ましい純水の透水性は30〜
500ml/m2 ・mmHg・hrである。この範囲で
あれば中空糸膜のより良好な紡糸が可能であるからであ
る。なお、この純水の透水性の測定法は、以下の通りで
ある。中空糸膜を充填率したモジュールに37℃の水を
膜間差圧100mmHgで1分間流し濾過流量を測定
し、下式により計算する。 透水性=Q(ml/min)×60(min/hr)÷(A(m2)×100
(mmHg)) Q:濾過流量(ml/min) A:総膜内表面積(m2)
【0033】本発明の血液浄化膜のアルブミンに対する
篩い係数は0.01以下である。アルブミンに対する篩
い係数が0.01を越える場合には、人体にとって必要
なアルブミンが血液透析等によって失われることとなり
好ましくない。なお、アルブミンの篩い係数は5重量%
アルブミン水溶液を用いて測定する。
【0034】本発明の血液浄化膜の膜内部は実質的に均
一構造である。膜内部が不均一構造である場合には、膜
による分離が膜表面のみで行われるため、膜表面に部分
的な欠陥や分離時のゆらぎのようなものが生じた場合、
膜はその部分を中心に目詰まりが進行し易くなり、特に
大量の血球や蛋白質を含有する血液を濾過する場合には
これらの成分の目詰まりへの影響は非常に大きいものと
なる。これに対し、均一膜は膜全体で濾過を支えるた
め、膜表面の一部に前記のような欠陥がある場合にも膜
全体でかかる欠陥をカバーし、上記のような目詰まりを
抑制し得る。つまり、膜が均一構造である場合には膜の
内部構造全体で濾過を支え安定した透析濾過性能を発現
し得るからである。なお、ここで膜の内部が実質的に均
一構造であるとは、中空糸膜がその径方向及び断面方向
に非対称性を有せず、また、単に径方向に対称なだけな
く、実質的に膜の厚み部分にホモジニアスな多孔構造を
とることを意味する。従って、本願発明の血液浄化膜の
場合、水洗し、膜構造を保持するように凍結乾燥して顕
微鏡で観測した場合、膜の断面構造はフィンガーライク
構造や網目構造などの組織が観測されない均一構造とし
て観測されることを意味する。
【0035】さらに、膜が不均一構造である場合には、
例えば膜が疎水性ポリマーと親水性ポリマーから形成さ
れている場合、膜中の親水性ポリマーが膜の大きな孔の
部分からから流出し、膜性能の変化や膜からの溶出物が
多く問題となる場合があるが、膜が均一構造である場合
には、膜内の親水性高分子は膜組織中に閉じこめられた
形となるのでしっかりと固定され、上記のような問題も
生じることはない。また、不均一膜で膜の外側の孔径が
大きい場合、透析液側から異物がコンタミしてくるよう
な危険性があるが、均一膜ではかかる危険性もない等の
利点がある。
【0036】本発明の血液浄化膜の膜表面は平滑構造で
ある。血液と接触する側の表面が平滑であることは血液
濾過時蛋白質等の目詰まりを生じず、経時的に安定した
高い濾過性能を得るために特に重要である。なお、中空
糸膜のように膜の表面が湾曲した構造を有する場合に
は、原子間力顕微鏡を用いた観察も実質的に困難であ
り、血液浄化膜レベルではSEMで観察するのが実際的
な評価法である。従って、ここでは膜表面が平滑構造で
あるとは、膜を水洗後、膜構造を保持するよう凍結乾燥
して、5000倍の電子顕微鏡で膜表面を観察する場合
に、表面に明らかに認められる孔及び凹凸が存在しない
ことをいう。さらに、5000倍の電子顕微鏡で観察す
る場合に明らかに認められる孔が存在しないとは、50
00倍の拡大写真で直径0.2mm以上の孔、つまり内
表面に400オングストローム以上の孔が存在しないこ
とをいい、また5000倍の電子顕微鏡で観察する場合
に、明らかに認められる凹凸が存在しないとは、500
0倍の拡大写真で1mmのサイズの凹凸、つまり内表面
に0.2μm以上の凹凸が実質的に存在しないことをい
う。
【0037】此のような均一膜では、中空糸を充填率5
5%で充填した膜面積1.5m2 のモジュールに抗凝固
剤を添加した牛血液を中空糸膜の内側、あるいは、外側
に流速200ml/minで流し、血液濾過を行った場
合のモジュールあたりの限外濾過速度(ml/min・
mmHg)が膜の内外表面で実質的に差が生じないこと
からも確認できる。なお、本発明の血液浄化膜は血液浄
化処理時透析液側の膜表面も平滑構造であるので、透析
液側からのコンタミを防止でき、濾過物資をスムーズに
透析液に移動できる。
【0038】本発明の血液浄化膜を充填したモジュール
にヘマトクリット30%、蛋白質濃度7g/dlの牛血
液を流速200ml/minで流し血液濾過を行う時、
濾過速度を10ml/minとした場合のβ2-MG(分
子量:11,600)の篩い係数に対する、濾過速度を
50ml/minとした場合のβ2-MGの篩い係数の比
が60%以上である。この比が60%未満の場合には、
大量除水療法時にβ2-MGをはじめとする分子量が数千
から数万の尿毒症物質の除去率が不十分となり、大量除
水療法による改善効果が十分に得られないからである。
好ましい比は65%以上である。
【0039】なお、本発明のかかる規定で用いられる牛
血液の蛋白質濃度及びヘマトクリットの限外濾過速度に
及ぼす影響は大きく、本発明においてはハイパフォーマ
ンス・メンブラン研究会ワーキンググループによりまと
められた膜の性能評価法で、評価にはヘマトクリット値
が25%〜30%、蛋白質濃度が6〜7g/dlの37
℃の牛血液であることとの記載内容を参考にして定め
た。
【0040】本発明の血液浄化膜を充填したモジュール
にヘマトクリット30%、蛋白質濃度7g/dlの牛血
液を流速200ml/minで流し血液濾過を行う時、
濾過速度を10ml/minとした場合のβ2-MGの篩
い係数は0.5以上であることが好ましい。β2-MGの
篩い係数が0.5未満の場合、HFやHDF治療でβ2-
MGをはじめとする分子量が数千から数万の尿毒症物質
の除去効率が低く、十分な治療効果が得られないためで
ある。より好ましいβ2-MGの篩い係数は0.55以上
である。
【0041】本発明の血液浄化膜を充填したモジュール
にヘマトクリット30%、蛋白質濃度7g/dlの牛血
液を流速200ml/minで流し濾過速度を50ml
/minとして血液濾過を行う時、血液濾過開始後10
分時点の限外濾過速度に対する、血液濾過開始後5時間
時点の限外濾過速度の比は80%以上である。この比が
80%未満の場合には、目詰まりによる濾過効率の低下
が大きい上に、除去瀬能が低下するためである。
【0042】本発明の血液浄化膜を充填したモジュール
にヘマトクリット30%、蛋白質濃度7g/dlの牛血
液を流速200ml/minで流し膜間差圧を300m
mHgとした時の、モジュールあたりの濾過流速は70
ml/min以上である。モジュールあたりの濾過流速
が70ml/min未満である場合には、HFやHDF
治療において、β2-MGをはじめとする分子量が数千か
ら数万の尿毒症物質の除去効率が低く、かかる物質を十
分に除去することができない。また、この場合に無理に
限外濾過速度を上げると、膜間差圧が高くなり赤血球の
溶血を生じる原因となる。好ましいモジュールあたりの
限外濾過速度は80ml/min以上であり、より好ま
しいモジュールあたりの限外濾過速度は85ml/mi
n以上である。
【0043】本発明の血液浄化膜の材質は特に限定され
るものではなく、例えばセルロース系ポリマー、ポリス
ルホン系ポリマー、ポリアミド系ポリマー等を用いるこ
とができるが、人工の血液浄化膜としての適性からセル
ロース系ポリマー、ポリスルホン系ポリマーがより好ま
しい。これらのポリマーの例としては、セルロース系ポ
リマーの場合、例えば酢酸セルロース、三酢酸セルロー
ス、セルロース、ポリスルホン系ポリマーの場合、例え
ばポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリール
スルホンを用いるのが好ましく、この中でも三酢酸セル
ロースポリマー、ポリエーテルスルホンを用いるのが特
に好ましい。ポリマーの親水性と疎水性のバランスがよ
く、膜への蛋白質の吸着が低いためである。なお、ポリ
マーの重合度は得られる膜の表面平滑性と関連性があ
り、三酢酸セルロースポリマーの場合平均重合度300
以上、ポリエーテルスルホンの場合重合度に変わる因子
として還元粘度0.6以上であれば、得られた膜の表面
平滑性はより良好なものとなる。また、ポリマーとして
ポリエーテルスルホンを用いる場合、素材としての疎水
瀬が高いので、膜全体の親水性を高めるために、他に親
水性ポリマーとしてポリビニルピロリドンやポリエチレ
ングリコールなどを配合して膜の親水性を高めるのが好
ましい。
【0044】本発明の血液浄化膜の製造方法は特に限定
されるものではなく、通常の製造方法によって得ること
ができる。例えば、支持体上にポリマー原液を吐出し、
平膜型血液浄化膜に製造することもできるし、二重管ノ
ズルより吐出し、中空糸型血液浄化膜にすることもでき
る。但し、本発明の血液浄化膜が中空糸型血液浄化膜で
ある場合、中空糸膜の内表面の孔サイズを小さく均一と
し、滑らかな表面状態を得るために、中空形成剤として
気体を用いる乾湿式紡糸法により製膜されることが好ま
しい。ここで、用いる気体としては例えば窒素、ヘリウ
ム、空気等が挙げられるが、品質と供給の安定性から窒
素を用いるのが好ましい。また、上記で表面状態の平滑
性をより向上し、血液透析濾過等における透水性、分離
性及びこれらの保持率をより向上させるために、中空形
成剤として用いる気体の温度を凝固性液体の温度より2
0℃以上高くすることが特に好ましい。さらに、中空糸
は実質的に無延伸で紡糸すること、つまり強制的な延伸
を行わずに中空糸の引き取りに必要な力だけでもって巻
取るのが好ましい。膜に形成される孔の変形を抑えるた
めである。なお、ここで実質的に無延伸であるとは紡糸
の各工程において10%以上延伸しないことをいう。
【0045】本発明の中空糸型血液浄化膜は、例えば以
下のように製造することができるが、本発明は何等以下
に限定されるものではない。紡糸原液は、ポリマーある
いは複数のポリマーの組み合わせと溶媒あるいは複数の
溶媒の組み合わせ、及び、非溶媒あるいは複数の非溶媒
の組み合わせからなる。紡糸原液中での組成としては、
総ポリマーの重量分率は15〜35重量%が適切であ
り、15%以下では紡糸原液の粘度が低いため可紡性が
低く、35%以上では相分離が早くなりすぎる。総溶媒
分率は30〜70重量%、総非溶媒分率は5〜50重量
%が好ましい。上記の紡糸原液を室温〜190℃に加熱
して均一に溶解させた後、脱泡・濾過した後に、二重環
紡糸口の外側から押し出し、中央からは50〜160℃
に加熱した乾燥気体を一定速度で供給する。押し出され
た紡糸原液は1〜20mmの一定距離空中を走行させた
後、5〜60℃の凝固性液体中を通って凝固され、膜構
造を形成する。これを水洗した後、膜構造を保持させる
ため30〜60重量%のグリセリン水溶液中を通らせ、
グリセリンを含浸させた後、乾燥機にて乾燥させ、巻き
取る。上記の溶媒としてはいわゆる非プロトン性の極性
溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロ
リドンなどを単独又は混合して用いる。非溶媒として
は、無機塩やアルコール類などが挙げられるが、グリセ
リン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコールなどのグリコール類を単独又は
混合して使用するのが好ましい。特に非溶媒は、相分離
のコントロールに重要であり、例えばグリセリンを共存
させて。相分離を抑制するのが好ましい。また、紡糸原
液に第2重合体として、例えばポリビニルピロリドン等
を添加してもよい。上記の凝固性液体としては水、又
は、水と紡糸原液で用いた溶媒並びに非溶媒の混合水溶
液が使用できる。
【0046】中空糸膜の膜性能は、いわゆる相分離条件
として、紡糸原液の組成、温度、凝固性液体の組成、温
度、及び、含浸させるグリセリンの濃度などで制御でき
る。また、中空糸膜の形状を均一構造とし、且つ、膜表
面を平滑構造とするためには、まず中空糸膜の形成工程
において、中空形成剤を非凝固性のガス、実質的には無
内液紡糸で行う必要がある。また、紡糸方式は乾湿式紡
糸であり、その空中走行部は1〜20mmと短くするの
が好ましい。空中走行部が無い場合には膜表面が急速に
凝固して皺ができ膜表面の平滑性が低下し、20mm以
上では糸切れがが生じやすく、膜の内表面の孔が小さく
なり非対称となり易い。紡糸工程においては、原液の吐
出以降、凝固浴や水洗浴、グリセリン浴など、紡糸原液
の吐出以降、各工程浴内で10%以上の延伸を行わず、
実質的に無延伸で実施する必要がある。使用するポリマ
ーの重合度も無内液紡糸に適する高重合度のポリマーで
あるのが好ましい。ポリマーの重合度は素材にもよるの
で一概に規定できないが、低重合度の場合、無内液紡糸
ができても、膜の表面構造に部分的に微孔が形成され、
膜表面が均一構造且つ平滑構造になりにくい等の問題点
がある。
【0047】本発明の血液浄化膜のβ2-MGのSCとU
FR(B) は下記の方法により測定する。本発明の血液浄
化膜が中空糸膜の場合5000〜20000本の中空糸
膜を、平膜の場合50〜300枚の平膜を、プラスチッ
ク成型品の中に入れモジュールを作製する。このモジュ
ールを生理食塩水で洗浄した後に、血液側には前述の牛
血液を200ml/分で流す。モジュールの膜面積1.
5m2 当たりの濾過流速10又は50ml/分となるよ
うにモジュール血液側の入口及び出口の圧力もしくは透
析液側の圧力を調整し、血液濾過を行い下記について測
定する。
【0048】1.β2-MGのSC濾過速度10又は50
ml/分で血液濾過開始後15分時点のモジュールの入
口と出口の血液及び濾過液をサンプリングして、酵素免
疫測定法(例えば、グラザイムβ2-Microglobulin-EIA
Test 和光純薬工業)等によりβ2-MGの濃度を測定す
る。なお、当該測定でモジュールに流す牛血液には適量
のヒト由来β2-MGを添加して行い、サンプリングした
血液は必要に応じて遠心分離してβ2-MGの測定に供す
る。これらのβ2-MGの濃度の値から下記の式1に従っ
てβ2-MGのSCを求める。 SC=Cfil /((CI +CO )/2) (式1) Cfil :濾過液のβ2-MG濃度 CI :モジュール血液側入口の血液のβ2-MG濃度 CO :モジュール血液側出口の血液のβ2-MG濃度
【0049】2.UFR(B) の保持率濾過速度50ml
/分で血液濾過開始後15分時点及び5時間時点のモジ
ュールの血液側の入口と出口及び濾過液側の圧力を測定
する。これらの圧力の値から下記の式2に従ってUFR
(B) を求め、血液透析開始後15分時点のUFR(B) に
対する5時間時点のUFR(B) の比(UFR(B) の保持
率)を求める。 UFR(B) =Qf /(A×((PI +PO )/2−Pfil )) (式2) Qf :限外濾過速度(ml/時) A :膜の表面積(m2 ) PI :モジュール血液側入口の圧力(mmHg) PO :モジュール血液側出口の圧力(mmHg) Pfil :モジュール濾過液側の圧力(mmHg)
【0050】3.アルブミンの篩い係数 アルブミンをリン酸緩衝液を加えた生理食塩水に5重量
%となるように溶解させpH7.2に調整した溶液(5
重量%アルブミン溶液)を、上記モジュールに200m
l/minで流す。1.5m2 あたり濾過流速10ml
/minとし、モジュール入口と出口及び濾液のアルブ
ミン濃度をBCG法で測定する。し、下式によりアルブ
ミンの篩い係数を測定する。これらのアルブミン濃度の
値から下記の式3に従ってアルブミンのSCを求める。 SC=Dfil /((DI +DO )/2) (式3) Dfil :濾過液のアルブミン濃度 DI :モジュール入口のアルブミン濃度 DO :モジュール出口のアルブミン濃度
【0051】
【実施例】以下、実施例を挙げて、具体的に本発明を説
明するが、本発明はこれらに何等限定されるものではな
い。
【0052】(実施例1)平均重度が約360のセルロ
ーストリアセテート(ダイセル化学の三酢酸セルロース
LT105)が19重量%、溶媒としてN−メチル−2
−ピロリドンが57重量%、非溶媒としてエチレングリ
コールが24重量%からなる原料を180℃に加熱して
溶かした溶液を、二重管状紡糸口の外側から押し出し、
中心からは140℃に加熱された窒素を送り込んで中空
糸状として、空気中を4mm走行させた後、水、N−メ
チル−2−ピロリドン、エチレングリコールが63:2
6:11の重量比で混合して成る20℃の凝固性液体中
を通過させ、凝固を完了した。その後、水洗し、50重
量%のグリセリンを含浸させた後、乾燥機にて乾燥して
内径195μm、膜厚20μm、空孔率80%の中空糸
膜を得た。該中空糸膜の内表面及び外表面を電子顕微鏡
(以下、SEM)で観察したところ、それぞれ第3図及
び第4図に示すように内表面及び外表面は共に5000
倍の倍率でも孔及び凹凸の認められない平滑な構造であ
った。また、該中空糸膜を第1図に示すA−A線に添っ
て切断した断面(第2図)の一部(第2図の囲い線Bの
内部)を300倍の倍率で観察したところ、第5図に示
すように膜内部は均一な構造であることが確認された。
該中空糸膜8400本をプラスチック成形品の中に収納
して、両端をエポキシ系接着剤により硬化・固定化して
モジュールとした。得られたモジュールの中空糸膜の内
側に37℃の血液(ヘマトリット値28%、蛋白質濃度
7g/dl)を流量200ml/分にて導入して、中空
糸膜の性能評価を行った。結果は表1に示す通りであっ
た。
【0053】(実施例2)ジメチルホルムアミド1重量
%溶液の還元粘度が0.62のポリエーテルスルホンが
20重量%、ポリビニルピロリドン(K−90)が5重
量%、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン37.5
重量%、非溶媒としてポリエチレングリコール#200
が37.5重量%からなる原料を110℃に加熱して溶
かした溶液を、二重管状紡糸口の外側から押し出し、中
心からは80℃に加熱された窒素を送り込んで中空糸状
として、空気中を7mm走行させた後、水、N−メチル
−2−ピロリドン、ポリエチレングリコール#200が
70:15:15の重量比で混合して成る15℃の凝固
性液体中を通過させ、凝固を完了した。その後、水洗
し、50重量%のグリセリンを含浸させた後、乾燥機に
て乾燥して内径201μm、膜厚21μm、空孔率78
%の中空糸膜を得た。該中空糸膜をSEMで観察したと
ころ、実施例1と同様に中空糸の内表面及び外表面は5
000倍の倍率でも孔及び凹凸の認められない平滑構造
で、膜内部は組織像が観察されず均一構造であることが
確認された(図は省略)。得られたモジュールについて
実施例1と同様に中空糸膜の性能評価を行った結果は表
1に示す通りであった。
【0054】(実施例3)ジメチルホルムアミド1重量
%溶液の還元粘度が0.7のポリエーテルスルホンが2
7重量%、ポリビニルピロリドン(K−90)が3重量
%、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン42重量
%、非溶媒としてポリエチレングリコール#200が2
8重量%からなる原料を140℃に加熱して溶かした溶
液を、二重管状紡糸口の外側から押し出し、中心からは
120℃に加熱された窒素を送り込んで中空糸状とし
て、空気中を3mm走行させた後、水、N−メチル−2
−ピロリドン、ポリエチレングリコール#200が7
0:18:12の重量比で混合して成る30℃の凝固性
液体中を通過させ、凝固を完了した。その後、水洗し、
50重量%のグリセリンを含浸させた後、乾燥機にて乾
燥して内径200μm、膜厚30μm、空孔率68%の
中空糸膜を得た。該中空糸膜をSEMで観察したとこ
ろ、実施例1と同様に中空糸の内表面及び外表面は50
00倍の倍率でも孔及び凹凸の認められない平滑構造
で、膜内部は組織像が観察されず均一構造であることが
確認された(図は省略)。得られたモジュールについて
実施例1と同様に中空糸膜の性能評価を行った結果は表
1に示す通りであった。また、上記のモジュールに、3
7℃の血液(ヘマトリット値28%、蛋白質濃度7g/
dl)を流量200ml/分にて、中空糸膜の内側ある
いは外側に導入して、血液濾過を行った場合のモジュー
ルあたりの限外濾過速度(ml/min・mmHg)
は、血液を内側に流した場合25ml/min・mmH
g、外側に流した場合23ml/min・mmHgであ
り、実質的に差がなかった。このことから膜が均一構造
であることが示唆された。
【0055】(実施例4)平均重合度が約360のセル
ローストリアセテート(ダイセル化学の三酢酸セルロー
スLT105)が17重量%、溶媒としてN−メチル−
2−ピロリドンが58重量%、非溶媒としてエチレング
リコールが12.5重量%及びグリセリンが12.5重
量%からなる原料を180℃に加熱して溶かした溶液
を、二重管状紡糸口の外側から144℃押し出し、中心
からは130℃に加熱された窒素を送り込んで中空糸状
として、空気中を4mm走行させた後、水、N−メチル
−2−ピロリドン、エチレングリコール、グリセリンが
61:27:6:6の重量比で混合して成る25℃の凝
固性液体中を通過させ、凝固を完了した。その後、水洗
し、60重量%のグリセリンを含浸させた後、乾燥機に
て乾燥して内径202μm、膜厚25.6μm、空孔率
67%の中空糸膜を得た。該中空糸膜をSEMで観察し
たところ、実施例1と同様に中空糸の内表面及び外表面
は5000倍の倍率でも孔及び凹凸の認められない平滑
構造で、膜内部は組織像が観察されず均一構造であるこ
とが確認された(図は省略)。得られたモジュールにつ
いて実施例1と同様に中空糸膜の性能評価を行った結果
は表1に示す通りであった。
【0056】(実施例5)ジメチルホルムアミド1重量
%溶液の還元粘度が0.7のポリエーテルスルホンが2
5重量%、ポリビニルピロリドン(K−90)が3重量
%、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン50重量
%、非溶媒としてトリエチレングリコール#200が1
5重量%及びグリセリン7重量%からなる原料を150
℃に加熱して溶かした溶液を、二重管状紡糸口の外側か
ら押し出し、中心からは100℃に加熱された窒素を送
り込んで中空糸状として、空気中を4mm走行させた
後、水、N−メチル−2−ピロリドン、トリエチレング
リコール、グリセリンが70:21:6:3の重量比で
混合して成る30℃の凝固性液体中を通過させ、凝固を
完了した。その後、水洗し、50重量%のグリセリンを
含浸させた後、乾燥機にて乾燥して内径198μm、膜
厚28μm、空孔率63%の中空糸膜を得た。該中空糸
膜をSEMで観察したところ、実施例1と同様に中空糸
の内表面及び外表面は5000倍の倍率でも孔及び凹凸
の認められない平滑構造で、膜内部は組織像が観察され
ず均一構造であることが確認された(図は省略)。得ら
れたモジュールについて実施例1と同様に中空糸膜の性
能評価を行った結果は表1に示す通りであった。
【0057】(比較例1)ジメチルホルムアミド1重量
%溶液の還元粘度が0.52のポリエーテルスルホンが
23重量%、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンが
38.5重量%、非溶媒としてポリエチレングリコール
#200が38.5重量%からなる原料を130℃に加
熱して溶かした溶液を、二重環状紡糸孔の外側から押し
出し、中心からは70℃に加温した窒素を送り込んで中
空糸状として、空気中を2mm走行させた後、水、N−
メチル−2−ピロリドン、ポリエチレングリコール#2
00を70:15:15の重量比で混合して成る30℃
の凝固性液体中を通過させ、凝固を完了した。その後、
水洗し、50重量%のグリセリンを含浸させた後、乾燥
機にて乾燥して内径202μm、膜厚43μm、空孔率
65%の中空糸膜を得た。該中空糸膜の内表面を500
0倍の倍率のSEMで観察したところ、第6図に示すよ
うに内表面にはサブミクロン領域の大きな孔が確認され
た。該中空糸膜の外表面を5000倍の倍率のSEMで
観察したところ、第7図に示すように外表面には孔及び
凹凸が観察された。また、該中空糸膜を第1図に示すA
−A線に添って切断した断面(第2図)の一部(第2図
の囲い線Bの内部)を150倍の倍率で観察したとこ
ろ、第8図に示すように膜内部はフィンガーライク構造
であることが確認された。得られたモジュールについて
実施例1と同様に中空糸膜の性能評価を行った結果は表
1に示す通りであった。
【0058】(比較例2)ジメチルホルムアミド1重量
%溶液の還元粘度が0.52のポリエーテルスルホンが
23重量%、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンが
38.5重量%、非溶媒としてポリエチレングリコール
#200が38.5重量%からなる原料を130℃に加
熱して溶かした溶液を、二重管状紡糸口の外側から押し
出し、中心からは40℃に加温された窒素を送り込んで
中空糸状として、空気中を2mm走行させた後、水、N
−メチル−2−ピロリドン、ポリエチレングリコール#
200を70:15:15の重量比で混合して成る30
℃の凝固性液体中を通過させ、凝固を完了した。その
後、水洗し、50重量%のグリセリンを含浸させた後、
乾燥機にて乾燥して内径199μm、膜厚33μm、空
孔率73%の中空糸膜を得た。該中空糸膜をSEMで観
察したところ、比較例1と同様に中空糸の外表面及び内
表面は共に5000倍の倍率でも孔及び/又は凹凸が確
認された。但し、膜内部は均一構造に近い構造であるこ
とが確認された。得られたモジュールについて実施例1
と同様に中空糸膜の性能評価を行った結果は表1に示す
通りであった。
【0059】(比較例3)平均重合度が約330のセル
ローストリアセテート(ダイセル化学の三酢酸セルロー
スLT85)が24重量%、溶媒としてN−メチル−2
−ピロリドンが53重量%、非溶媒としてエチレングリ
コールが23重量%からなる原料を180℃に加熱して
溶かした溶液を、二重管状紡糸口の外側から押し出し、
中心からは流動パラフィンを送り込んで中空糸状とし
て、水、N−メチル−2−ピロリドン、エチレングリコ
ールを60:28:12の重量比で混合して成る20℃
の凝固性液体中を通過させ、凝固を完了した。その後、
水洗し、50重量%のグリセリンを含浸させた後、乾燥
機にて乾燥して内径195μm、膜厚15μm、空孔率
79%の中空糸膜を得た。得られたモジュールについて
実施例1と同様に中空糸膜の性能評価を行った結果は表
1に示す通りであった。
【0060】(比較例4)平均重合度が約330のセル
ローストリアセテート(ダイセル化学の三酢酸セルロー
スLT85)が24重量%、溶媒としてN−メチル−2
−ピロリドンが53重量%、非溶媒としてエチレングリ
コールが23重量%からなる原料を180℃に加熱して
溶かした溶液を、二重管状紡糸口の外側から押し出し、
中心からは流動パラフィンを送り込んで中空糸状とし
て、空気中を15mm走行させた後、水、N−メチル−
2−ピロリドン、トリエチレングリコールを63:2
6:11の重量比で混合して成る25℃の凝固性液体中
を通過させ、走行が不安定であったので凝固液中での中
空糸膜の延伸を12%行い、凝固を完了した。その後、
水洗し、56重量%のグリセリンを含浸させた後、乾燥
機にて乾燥して内径195μm、膜厚15μm、空孔率
79%の中空糸膜を得た。得られたモジュールについて
実施例1と同様に中空糸膜の性能評価を行った結果は表
1に示す通りであった。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】本発明は上記のような構成・説明から明
かなように、通常の血液透析に用いることができるのは
当然のこととして、特に血液透析濾過や血液濾過等の大
量除水療法に好適に用いることができる血液浄化膜、該
血液浄化膜の製造方法、並びに、該血液浄化膜を用いた
血液浄化用モジュールを提供するものである。すなわ
ち、本発明の血液浄化膜を用いた血液浄化用モジュール
は大量除水療法等に用いた場合、経時的に安定した大量
除水が可能で、また大量除水時でも効率よくβ2-MG等
の尿毒症物質を透析/濾過除去することができる。この
ように本発明の血液浄化膜を用いた血液浄化用モジュー
ルは大量除水を必要とする慢性腎不全等の治療に安定し
て効果的に用いることができ、絶大な治療効果を発揮す
ることができる。よって、本発明の効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】中空糸型血液浄化膜の斜視図の概略図である。
【図2】図1の中空糸型血液浄化膜を図1のA−A線で
切断した斜断面図の概略図である。
【図3】本願実施例1で得られた中空糸型血液浄化膜の
内表面の5000倍の電子顕微鏡写真である。
【図4】本願実施例1で得られた中空糸型血液浄化膜の
外表面の5000倍の電子顕微鏡写真である。
【図5】本願実施例1で得られた中空糸型血液浄化膜の
斜断面の一部の300倍の電子顕微鏡写真である。
【図6】本願比較例1で得られた中空糸型血液浄化膜の
内表面の5000倍の電子顕微鏡写真である。
【図7】本願比較例1で得られた中空糸型血液浄化膜の
外表面の5000倍の電子顕微鏡写真である。
【図8】本願比較例1で得られた中空糸型血液浄化膜の
斜断面の一部の150倍の電子顕微鏡写真である。
【図9】本願比較例2で得られた中空糸型血液浄化膜の
内表面の5000倍の電子顕微鏡写真である。
【図10】本願比較例2で得られた中空糸型血液浄化膜
の外表面の5000倍の電子顕微鏡写真である。
【図11】本願比較例2で得られた中空糸型血液浄化膜
の斜断面の一部の300倍の電子顕微鏡写真である。
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 71/68 B01D 71/68 D01D 5/24 D01D 5/24 Z D01F 6/00 D01F 6/00 B 6/76 6/76 D // B01D 63/02 B01D 63/02 D01D 5/06 D01D 5/06 Z D01F 2/28 D01F 2/28 A (72)発明者 大野 仁 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜厚が10〜35μm、内径が100〜
    300μm、空孔率が50〜85%、37℃での水の透
    水性が20ml/m2 ・Hr・mmHg以上、アルブミ
    ンに対する篩い係数が0.01以下である血液浄化膜で
    あって、膜内部が実質的に均一構造、膜表面が平滑構造
    であることを特徴とする血液浄化膜。
  2. 【請求項2】 膜厚が10〜35μm、内径が100〜
    300μm、空孔率が50〜85%、37℃での水の透
    水性が20ml/m2 ・Hr・mmHg以上、アルブミ
    ンに対する篩い係数が0.01以下である血液浄化膜で
    あって、該血液浄化膜を充填したモジュールにヘマトク
    リット30%、蛋白質濃度7g/dlの牛血液を流速2
    00ml/minで流し、濾過流速10ml/minで
    血液濾過を行った時のβ2-ミクログロブリンの篩い係数
    に対する、濾過流速50ml/minで血液濾過を行っ
    た時のβ2-ミクログロブリンの篩い係数の比が60%以
    上であることを特徴とする血液浄化膜。
  3. 【請求項3】 前記血液浄化膜を充填したモジュールに
    ヘマトクリット30%、蛋白質濃度7g/dlの牛血液
    を流速200ml/minで流し、濾過流速10ml/
    minで血液濾過を行った時のβ2-ミクログロブリンの
    篩い係数に対する、濾過流速50ml/minで血液濾
    過を行った時のβ2-ミクログロブリンの篩い係数の比が
    60%以上であることを特徴とする請求項1の血液浄化
    膜。
  4. 【請求項4】 膜厚が10〜35μm、内径が100〜
    300μm、空孔率が50〜85%、37℃での水の透
    水性が20ml/m2 ・Hr・mmHg以上、アルブミ
    ンに対する篩い係数が0.01以下である血液浄化膜で
    あって、該血液浄化膜を充填したモジュールにヘマトク
    リット30%、蛋白質濃度7g/dlの牛血液を流速2
    00ml/minで流し、濾過流速50ml/minで
    血液濾過を行った時の、濾過開始後10分時点での限外
    濾過速度に対する、濾過開始後5時間時点での限外濾過
    速度の比が80%以上であることを特徴とする血液浄化
    膜。
  5. 【請求項5】 前記血液浄化膜を充填したモジュールに
    ヘマトクリット30%、蛋白質濃度7g/dlの牛血液
    を流速200ml/minで流し、濾過流速50ml/
    minで血液濾過を行った時の、濾過開始後10分時点
    での限外濾過速度に対する、濾過開始後5時間時点での
    限外濾過速度の比が80%以上であることを特徴とする
    請求項1乃至3の血液浄化膜。
  6. 【請求項6】 膜厚が10〜35μm、内径が100〜
    300μm、空孔率が50〜85%、37℃での水の透
    水性が20ml/m2 ・Hr・mmHg以上、アルブミ
    ンに対する篩い係数が0.01以下である血液浄化膜で
    あって、該血液浄化膜を充填したモジュールにヘマトク
    リット30%、蛋白質濃度7g/dlの牛血液を流速2
    00ml/minで流し、膜間差圧300mmHgで血
    液濾過を行った時のモジュールあたりの限外濾過速度が
    70ml/min以上であることを特徴とする血液浄化
    膜。
  7. 【請求項7】 前記血液浄化膜を充填したモジュールに
    ヘマトクリット30%、蛋白質濃度7g/dlの牛血液
    を流速200ml/minで流し、膜間差圧300mm
    Hgで血液濾過を行った時のモジュールあたりの限外濾
    過速度が70ml/min以上であることを特徴とする
    請求項1乃至5の血液浄化膜。
  8. 【請求項8】 膜の主なる素材がポリスルホン系ポリマ
    ーもしくはセルロース系ポリマーから選ばれた1又は複
    数のポリマーからなることを特徴とする請求項1乃至請
    求項7の血液浄化膜。
  9. 【請求項9】 膜の形状が中空糸膜型であることを特徴
    とする請求項1乃至請求項8の血液浄化膜。
  10. 【請求項10】 紡糸原液を二重管口金の外側から押し
    出し、二重管口金の中央から中空部形成剤として気体を
    送り込み、押し出された紡糸原液は空中を走行した後、
    凝固性液体を通って凝固する乾湿式紡糸法による中空糸
    膜型血液浄化膜の製造方法であって、前記気体の温度を
    前記凝固性液体の温度より20℃以上高くすることを特
    徴とする中空糸膜型血液浄化膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 実質的に無延伸で紡糸することを特徴
    とする請求項10の中空糸膜型血液浄化膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 紡糸原液に非溶媒としてグリセリンを
    添加することを特徴とする請求項10又は11の中空糸
    膜型血液浄化膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項9の血液浄化膜を
    充填率40〜80%、膜面積0.9〜2.5m2 となる
    ように充填することを特徴とする血液浄化用モジュー
    ル。
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