JP2001038171A - 中空糸膜 - Google Patents

中空糸膜

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JP2001038171A
JP2001038171A JP11219913A JP21991399A JP2001038171A JP 2001038171 A JP2001038171 A JP 2001038171A JP 11219913 A JP11219913 A JP 11219913A JP 21991399 A JP21991399 A JP 21991399A JP 2001038171 A JP2001038171 A JP 2001038171A
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hollow fiber
fiber membrane
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vitamin
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Motoki Kyo
基樹 京
Noriaki Kato
典昭 加藤
Isamu Yamamoto
勇 山本
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体適合性が高く、耐熱性に優れたポリエー
テルスルホンを膜の素材とし、膜の親水化剤であるポリ
ビニルピロリドンの膜からの溶出を極力抑え、かつ乾燥
状態でモジュールを製作でき、溶質除去性に優れた血液
透析膜を提供する。 【解決手段】 実質的にポリエーテルスルホンとポリビ
ニルピロリドンから成り、外表面の開孔率が25% 以上
であり、非対称スポンジ構造を有することを特徴とする
中空糸膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な中空糸膜に関
する。詳しくは腎不全などの治療に用いる血液浄化膜で
あり、溶質除去性能、生体適合性、耐熱性に優れる中空
糸膜に関する。
【0002】
【従来の技術】中空糸膜に多く用いられているポリスル
ホン系ポリマーにはポリスルホン(PSf)とポリエー
テルスルホン(PES)がある。下記化1を繰り返し単
位とするPSfは成形性に優れ、膜構造の制御は比較的
容易であり、スポンジ構造において膜断面の孔径を段階
的に拡大する膜構造や、膜内部のある部分に孔径の極大
が存在したり、マクロボイドが存在する膜構造にするこ
ともできる。それに加え、外表面の開孔率の制御も容易
であり、紡糸条件の制御により外表面開孔率25%以上
の膜から、外表面に緻密層をもった膜も可能である。
【0003】
【化1】
【0004】
【化2】
【0005】上記化2を繰り返し単位とするPESはP
Sfに比べ生体適合性、耐熱性に優れるためにPSfよ
り優れた血液透析膜になることが期待できるが、PES
において膜構造の制御は困難である。特にスポンジ構造
にするためには紡糸原液の粘度を高く保たなければなら
ない。そのためにはポリマー濃度を高くすることや、膜
の親水化剤であるポリビニルピロリドン(PVP)を多
量に添加する必要があり、紡糸条件の範囲が限られる。
しかもスポンジ構造において断面の膜孔径を制御するの
は困難である。これはPESの溶解性が高く、相分離が
おこりにくいためであろう。外表面において相分離が進
行しないために開孔率を高くするのも困難である。外表
面の開孔率が低いと膜内部に残留するフリーのPVPが
紡糸工程にて十分に洗浄できず、膜内に閉じこめられ
る。膜内に閉じこめられたフリーのPVPは透析治療の
際に膜が血液と接触したとき、血液へと溶出し患者の体
内に入りアナフィラキシー反応がおこる危険性がある。
また、外表面の開孔率が低いことで、糸同士の接触面積
が大きくなって、糸の束(バンドル)を乾燥させたとき
に糸同士がくっつき(固着)、糸と糸の間隙に接着樹脂
が浸透しないためにバンドルをモジュールとしたときに
リークが生じる。また、モジュール製作が可能だったと
しても、膜の有効面積が小さいために溶質除去性能に劣
ったモジュールとなる。糸の固着を抑制する方法として
中空糸にスペーサーヤーンを巻き付ける方法があるもの
の、手間とコストが必要となる。また、製膜した中空糸
膜を完全に乾かせてから巻き取る方法でも固着を回避す
ることはできるが、乾燥段階における糸のつぶれが発生
する危険性が高いとともに多大なエネルギーの消費が必
要となるため好ましくない。
【0006】このようにPESとPVPからなる血液透
析膜において、PVPの溶出が低減されて安全性が高い
とともに、乾燥状態でモジュールを製作でき、溶質除去
性能に優れた膜はまだ得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】生体適合性が高く、耐
熱性に優れたPESを膜の素材とし、膜の親水化剤であ
るPVPの膜からの溶出を極力抑え、かつ乾燥状態でモ
ジュールを製作でき、溶質除去性に優れた血液透析膜を
得る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は以下のものであ
る。 実質的にポリエーテルスルホンとポリビニルピロリ
ドンから成り、外表面の開孔率が25% 以上であり、非
対称スポンジ構造を有することを特徴とする中空糸膜。 中空糸膜を膜面積1.5m2のモジュールに充填し、
尿素とビタミンB12を含んだ水溶液流量200ml/m
in、透析液流量500ml/minで流したときの尿
素クリアランスが185ml/min以上、ビタミンB
12クリアランスが130ml/min以上である上記
記載の中空糸膜。 中空糸膜にクリンプが付与されており、クリンプの
波長が10mm以上40mm以下、振幅が0.3mm以
上である上記または記載の中空糸膜。 中空糸膜の平均膜厚が20μm 以上35μm 以下で
ある上記ないしのいずれかに記載の中空糸膜。 エアーギャップ部滞留時間が0.5秒以上、凝固浴
温度70℃以上、ノズル温度が凝固浴温度より20℃以
上低い紡糸方法にて得られうる上記ないしのいずれ
かに記載の中空糸膜。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における血液浄化膜は実質
的にPESとPVPからなる。PESはポリスルホン系
ポリマーの一種であるが、PSfより生体適合性と耐熱
性に優れるため、血液浄化膜に適したポリマーと言え
る。しかし、PESはPSfと異なり、膜構造の制御は
困難である。その理由はPESが溶媒への溶解性が高
く、相分離が起こりにくいためである。
【0010】しかし、膜の外表面の開孔率は25%以上
に制御することが好ましい。開孔率を高くすることによ
って二つの効果が得られる。第一に、膜からのPVP溶
出の抑制であり、第二に糸の固着の抑制である。前者に
ついては外表面を大きく開孔させることで、紡糸工程に
おける糸の洗浄効率が向上し、膜内に存在するフリーの
PVPを洗い流し、膜内にPVPを閉じこめない。その
結果、糸からのPVP溶出量を低減できる。
【0011】後者については開孔率が小さいと糸同士の
接触面積が大きくなり、糸を乾燥させた場合に糸同士が
くっついて固まる(固着)。糸の固着が生じると、糸と
糸の間に樹脂が浸入せず、リークが起こる原因となる。
また、リークが起こらなかったとしても、有効膜面積が
小さくなるために、溶質除去性能が低下する。よって、
外表面の開孔率は25%以上であることが好ましい。
【0012】外表面の開孔率をあげる手段は乾湿式紡糸
法におけるAG長さを長くする、あるいは紡速を低下さ
せるのが有効である。すなわち、AG部の滞留時間を長
くする。具体的にはPESにおいて0.5秒以上が必要
である。PES血液浄化用中空糸膜は二重紡糸口金の外
側から紡糸原液(ドープ)を押し出し、中央部分から凝
固性内液を出して紡糸する。AG滞留時間を長くするこ
とで凝固性内液によって膜の構造を決定させることがで
きる。すなわち、外表面からの強い凝固によって外表面
に緻密層が形成するのを避けるためにAG滞留時間を長
くする。膜は内液によって構造が決定された後に凝固浴
へと導入される。この方法によって外表面に緻密層がな
く、開孔した膜が得られる。
【0013】AG部の滞留時間を長くすることで、外表
面が開孔した膜が得られるが、開孔率を上げるために
は、それだけでは不十分である。外表面の開孔率を上げ
るためには、AG部における水分の存在が不可欠であ
る。二重紡糸口金から吐出した紡糸原液はAG部に存在
する水蒸気を吸収して相分離がおこり、外表面が大きく
開孔した膜が得られる。具体的には、AG部の温度を4
0℃以上、湿度を90%以上に保つことで、外表面開孔
率を25%以上にすることができる。前述の通り、PE
SはPSfと比べて相分離しにくい傾向があるため、A
G部の温度と、湿度を調整するのはPESの場合、非常
に重要である。
【0014】AG部の温度を40℃以上、湿度を90%
以上にする具体的手段は凝固浴温度70℃以上、ノズル
温度を凝固浴温度より20℃以上低くする方法が有効で
ある。凝固浴から蒸発する水蒸気によって、外表面の相
分離を促進する。外表面開孔率の測定方法は、中空糸サ
ンプルの外表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で倍率1
0,000倍にて撮影し、画像処理装置を用いる方法、
あるいはトレーシングペーパーでSEM像を写しとっ
て、開孔部分を切り取り、紙の重量を測定して求める方
法がある。その中でも画像処理で求める方法が定量性が
高く好ましい。画像処理で求める方法としては東洋紡績
株式会社製画像処理装置イメージアナライザーV20を
用いるのが好ましい。TOKS法自動二値化法により開
孔部を白色、その他を黒色とし、白色部分の面積と全体
の面積の比を求めて外表面開孔率とする。
【0015】固着を抑制する手段として糸にクリンプを
付与する方法も有効である。前述のAG部調整による外
表面開孔率を25%以上に上げるとともに、紡糸工程に
おいて糸を巻き取る直前にクリンプ付与装置を用いて、
波長10mm以上40mm以下、振幅0.3mm以上の
クリンプを付与することで、固着を完全に抑制できる。
モジュール組立工程における歩留まりが向上すると同時
に、膜の有効面積を最大限に活用できるため溶質除去性
能が向上する。また、パイプフィルム巻きのバンドルを
製作した場合に、バンドルが嵩高くなり、パイプフィル
ムとバンドルがずれなくなり、バンドルでの保存が可能
となる。波長10mm以下の場合は固着抑制の効果が低
下するとともに、バンドルが嵩高くならないため好まし
くない。40mm以上の場合もまた、固着抑制の効果が
低下するとともに、チャネリングを抑制できないために
必要な溶質除去性能が発現できない。
【0016】膜構造はマクロボイドが存在する膜より、
スポンジ構造であることが好ましい。マクロボイドが存
在すると、透過性能、すなわち溶質を拡散で除去する能
力が劣るためである。マクロボイド構造では相分離にお
けるスピノーダル分解を促進して膜が形成されるため
に、孔径にばらつきのある膜となり、濾過性能に優れて
も、透過性能には劣り、血液浄化膜としては適さない。
スポンジ構造を得るためには激しいスピノーダル分解を
抑制する必要がある。具体的には、膜素材にPES、親
水化剤にPVP、溶媒にジメチルアセトアミド(DMA
C)、非溶媒に水を用いた場合、ドープ粘度を10po
ise以上で紡糸する必要がある。
【0017】膜厚は20〜35μm であることが好まし
い。膜厚が35μm以上と厚い場合、ドープ粘度が高い
場合でもマクロボイドが形成されて必要とされる性能が
発現できないことがあるのに加え、水洗浴による膜内部
の洗浄効率が低下するため、膜内に残ったフリーのPV
Pを洗浄するのが困難となるためである。この場合、フ
リーのPVPを完全に除去するため、バンドルをアルコ
ール類や熱水などで洗浄するといった特別な工程が必要
となるため好ましくない。膜厚が20μm 以下の場合は
糸強度が低下し、糸のハンドリングが困難となるため好
ましくない。
【0018】こうして、本発明によって得られた膜はP
VPの溶出を低減できて安全であり、糸の固着もなく糸
が乾燥した状態でのモジュール組み立てが容易であり、
かつ必要な溶質除去性能、具体的には、本発明の中空糸
膜を用いて膜面積1.5m2のモジュールを組み立て、尿
素とビタミンB12を含んだ水溶液流量200ml/mi
n、透析液流量500ml/minで流し、濾過流量は
0ml/minとしたときの尿素クリアランスが185
ml/min以上、ビタミンB12クリアランスが130
ml/min以上の性能を発現することができる。
【0019】クリアランス(CL)を求める式は以下の
通りである。 CL=(Qin×Cin−Qout×Cout)/Cin (式1) ここでQinは水溶液入口流量(ml/min)、Qo
utは水溶液出口流量(ml/min)、Cinは溶質
入口濃度(g/ml)、Coutは溶質出口濃度(g/
ml)である。なおこれらの値にはマスバランスエラー
(MBE)が5%以下であるものを採用した。MBEは
以下の式2から算出する。 MBE=(Qin×Cin−Qout×Cout−Qd×Cd)/(Qin×C in−Qout×Cout) (式2) ここで、Qdは透析液出口流量、Cdは透析液出口濃度
である。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を説明する
が、本発明はなんら限定されるものではない。
【0021】(実施例1)ポリエーテルスルホン(PE
S)が17.0重量%、親水化剤にポリビニルピロリド
ンK−90(K90)を3.0重量%、非溶媒として水
を5.0重量%、溶媒にジメチルアセトアミド(DMA
C)75.0%、内液濃度(DMAC+水)が50%と
して、紡糸原液を40℃に保った二重紡糸口金の外側か
ら、内液を二重紡糸口金の内側から吐出し、AG長さ6
00mm、紡速60m/分、すなわちAG滞留時間0.
6秒としたあと、70℃の凝固浴濃度(DMAC+水)
10%の凝固浴へと浸漬した後、純水45℃にて1分
間、純水80℃にて45秒間洗浄し、クリンプ付与装置
にて糸へクリンプを付与させた後、カセへと巻き取り、
内径198.2μm 、膜厚29.4μmの中空糸膜を得
た。このときのノズルから250mmの部分におけるA
G部の温度は45℃、湿度は95%であり、AG部の水
分によって外表面の相分離を促進できていると考えられ
る。
【0022】得られた中空糸膜の断面SEM像(倍率
1,000倍)と外表面SEM像(倍率10,000
倍)を図1と図2に示す。断面SEM像から、内面に緻
密層をもつ非対称スポンジ膜が得られていることが確認
できる。図2の外表面SEM写真を、東洋紡績株式会社
製イメージアナライザーV20を用いTOKS法二値化
にて画像処理を行った画像を図3に示す。これから求め
た外表面開孔率は30.1%であった。
【0023】糸の固着は全く観察されず、モジュール組
立は容易であると同時に、透析液のチャネリングはみら
れず、表1に示すように必要とされる溶質除去性能は発
現できていた。この中空糸9976本をケースへ充填し
て樹脂で接着し、端部を刃で切り出すことでモジュール
を得た。モジュールの充填率は57%、有効長は24.
0cm、膜面積は1.49m2だった。40%エタノール
水溶液を使ってこのモジュールから溶出するPVPの量
を測定したところ、1.5mgとその量は軽微であり、
臨床で使用しても全く問題がないと考えられた。
【0024】モジュール性能(クリアランス)を水溶液
で確認するため、透析液(キンダリー希釈液)に尿素1
g/L、ビタミンB120.02g/Lの濃度で溶解させ
測定液とした。
【0025】モジュールの入口より200ml/min
の速度で37℃の測定液を導入し、透析液は37℃に保
ち、500ml/minにて向流で導入した。測定液の
入口と出口の液と透析液の出口の液をサンプリングし
た。測定中に流量を測定して正しく測定できているかど
うかを確認した。サンプリングした液の定量は、尿素に
ついては和光純薬製尿素窒素テストワコーBを用い濃度
を求め、ビタミンB12に関しては吸光度360nmに
おける吸光度を求め濃度に換算した。これらの値から式
1、2にてクリアランス(CL)を算出したところ、尿
素CLは191ml/min、ビタミンB12CLは14
7ml/minと非常に高い値を示した。
【0026】(比較例1)ポリエーテルスルホン(PE
S)が17.0重量%、親水化剤にポリビニルピロリド
ンK−90(K90)を3.0重量%、非溶媒として水
を5.0重量%、溶媒にジメチルアセトアミド(DMA
C)75.0%、内液濃度(DMAC+水)が50%と
して、紡糸原液を40℃に保った二重紡糸口金の外側か
ら、内液を二重紡糸口金の内側から吐出し、AG長さ6
00mm、紡速60m/分、すなわちAG滞留時間0.
6秒としたあと、40℃の凝固浴濃度(DMAC+水)
10%の凝固浴へと浸漬した後、純水45℃にて1分
間、純水80℃にて45秒間洗浄した後、カセへと巻き
取り、内径199.4μm 、膜厚30.1μmの中空糸
膜を得た。このときのノズルから250mmの部分にお
けるAG部の温度は37℃、湿度は50%であり、温
度、湿度ともにあまり高くなく、相分離へ与える影響は
大きくない。
【0027】得られた中空糸膜の断面SEM像(倍率
1,000倍)と外表面SEM像(倍率10,000
倍)を図4と図5に示す。断面SEM像から、内面に緻
密層をもつ非対称スポンジ膜が得られていることが確認
できる。図5の外表面SEM写真を、東洋紡績株式会社
製イメージアナライザーV20を用いTOKS法二値化
にて画像処理を行った画像を図6に示す。これから求め
た外表面開孔率は7.3%であり、開孔率は低かった。
【0028】糸の固着はあったものの、糸をほぐして実
施例1と同様に1.5m2モジュールを組み立てたが、透
析液のチャネリングのため、表1に示すように溶質除去
性能は低く、満足できる性能ではなかった。膜面積1.
5m2のモジュールを組み立て、40%エタノール水溶液
を使ってモジュールから溶出するPVPの量を測定した
ところ、9.7mgと多く、開孔率が低いために洗浄が
不十分であることが示唆される。
【0029】(比較例2)ポリエーテルスルホン(PE
S)が17.0重量%、親水化剤にポリビニルピロリド
ンK−90(K90)を3.0重量%、非溶媒として水
を5.0重量%、溶媒にジメチルアセトアミド(DMA
C)75.0%、内液濃度(DMAC+水)が50%と
して、紡糸原液を40℃に保った二重紡糸口金の外側か
ら、内液を二重紡糸口金の内側から吐出し、AG長さ5
0mm、紡速30m/分、すなわちAG滞留時間0.1
秒としたあと、40℃の凝固浴濃度(DMAC+水)1
0%の凝固浴へと浸漬した後、純水45℃にて1分間、
純水80℃にて45秒間洗浄した後、カセへと巻き取
り、膜厚29.5μmの中空糸膜を得た。このときのノ
ズルから25mmの部分におけるAG部の温度は38
℃、湿度は80%であった。
【0030】得られた中空糸膜の断面SEM像(倍率
1,000倍)と外表面SEM像(倍率10,000
倍)を図7と図8に示す。図7の断面SEM像から、内
面と外面に緻密層をもつ非対称スポンジ膜が得られてい
ることが確認できる。図8の外表面には全く開孔部がみ
られず、外表面開孔率は0%とみなされた。糸を乾燥さ
せたところ、糸の固着が激しくモジュール化は不可能で
あった。
【0031】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた中空糸膜の断面の走査型電
子顕微鏡写真(倍率1,000倍)を示す。
【図2】実施例1で得られた中空糸膜の外表面の走査型
電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)を示す。
【図3】図2の外表面走査型電子顕微鏡写真を、東洋紡
績株式会社製イメージアナライザーV20を用いTOK
S法二値化にて画像処理を行った画像を示す。
【図4】比較例1で得られた中空糸膜の断面の走査型電
子顕微鏡写真(倍率1,000倍)を示す。
【図5】比較例1で得られた中空糸膜の外表面の走査型
電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)を示す。
【図6】図5の外表面の走査型電子顕微鏡写真を、東洋
紡績株式会社製イメージアナライザーV20を用いTO
KS法二値化にて画像処理を行った画像を示す。
【図7】比較例2で得られた中空糸膜の断面の走査型電
子顕微鏡写真(倍率1,000倍)を示す。
【図8】比較例2で得られた中空糸膜の外表面の走査型
電子顕微鏡写真(倍率10,000倍)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA13 HA02 JA02B MA01 MA23 MA25 MA31 MA33 MA40 MB06 MB15 MC40X MC63X NA04 NA10 NA16 NA18 PA01 PB09 PC46 PC47

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にポリエーテルスルホンとポリビ
    ニルピロリドンから成り、外表面の開孔率が25% 以上
    であり、非対称スポンジ構造を有することを特徴とする
    中空糸膜。
  2. 【請求項2】 中空糸膜を膜面積1.5m2のモジュール
    に充填し、尿素とビタミンB12を含んだ水溶液流量20
    0ml/min、透析液流量500ml/minで流し
    たときの尿素クリアランスが185ml/min以上、
    ビタミンB12クリアランスが130ml/min以上で
    ある請求項1記載の中空糸膜。
  3. 【請求項3】 中空糸膜にクリンプが付与されており、
    クリンプの波長が10mm以上40mm以下、振幅が
    0.3mm以上である請求項1または2記載の中空糸
    膜。
  4. 【請求項4】 中空糸膜の平均膜厚が20μm 以上35
    μm 以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の中
    空糸膜。
  5. 【請求項5】 エアーギャップ部滞留時間が0.5秒以
    上、凝固浴温度70℃以上、ノズル温度が凝固浴温度よ
    り20℃以上低い紡糸方法にて得られうる請求項1ない
    し4のいずれかに記載の中空糸膜。
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